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特定非営利活動法人 未来図書館

社会を感じることができれば子どもたちは自分で成長していける

所在地…〒020-0878 岩手県盛岡市肴町4-20永卯ビル3階
TEL…019-654-6601 FAX…019-654-6601
URL…http://www.miraitoshokan.com/ E-Mail…info@miraitoshokan.com

岩手県盛岡市

1 団体の概要

代表者名…古澤眞作
設立年月…2004年12月 認証日…2004年12月8日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…4,205,960円
(内訳:事業収入3,968,491円、会費71,000円、その他166,469円)

活動の目的・趣旨

 仕事に関する情報を収集し提供していく事業及び職業体験の場を提供する事業を通じ、この法人の利用者が希望に沿った就職あるいは起業を果たすことに寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 学校を卒業するときになって初めて仕事探しをする若者や、会社をリストラされてもなす術も無く無力感に打ちのめされる中高年が増えている。自分の仕事を選択できる力と仕事を成し遂げるための力を身に付けることが必要とされる時代であることを感じ、自分の仕事は自分で見つける、起業に挑戦することが当たり前になる社会を実現し、次の世代に継承していきたいという想いのもと、団体を設立した。

主な活動内容

1.キャリア教育支援学びあい、支えあい事業

 メーリングリストで、キャリア教育にかかわる情報提供と意識の啓発。子どもと大人が共に学ぶ機会の創出事業

2.国際派キャリアプロジェクト

 「グローバルに活躍する方たちの言葉」をブログで発信。国際派キャリアセミナーの実施

3.滝沢村小・中学校キャリア教育支援事業

 滝沢村小・中学校への社会人講師の派遣、キャリア教育講座の開催、情報の提供など各種キャリア教育支援ニーズへの対応。新たな協力企業及び支援者の開拓

4.フレッシュマン・ビジネススクール(未就職者基金訓練事業)への協力

 「キャリア教育支援学びあい、支えあい事業」のメンバーによる職業についての講演やワークガイダンス(キャリア教育)の講座を担当

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 キャリア教育支援学びあい、支えあい事業

 「キャリア教育支援学びあい、支えあい事業」では、小学生が様々な仕事を体験し理解する「お仕事体験」や、高校生が仕入れから販売までを体験する「チャレンジショップ」、社会人に仕事の話を聞き交流を図る「社会人の種の育て方  未来パスポート編」、大学生が市長に市政への提言をする「もりおか学生プロジェクト」、国際的な仕事に必要な能力を理解する「国際派キャリアプロジェクト」など、様々なプログラムを実施している。

教育現場に応じたプログラムで可能性を広げる

 教育の現場でプログラムを実施する際は、学校の実態(生徒や地域の特性、課題など)に配慮し、学校のニーズに応えられるよう、団体のコーディネーターが、学校担当者との検討を重ね、それぞれに応じたカリキュラムを構築して実施している。
 プログラムを実施して、単に子どもたちが職業についての知識を得るだけでなく、子どもたち自身が社会とのつながりを感じることで、自分自身と仕事・社会について考えるきっかけをつくり出すことが重要である。そのために、団体のスタッフは「教育コーディネーター」として、先生と綿密な話し合いを何度も重ねながら、その学校に適したプログラムを提案していく。各プログラムは、それぞれの学校のニーズに柔軟に対応し変化する特性を持っている。
 このプログラムにおける柔軟性は、教育現場に外部の多様な人材が携わることを促進するうえで、重要なポイントとなるといえる。外部の人材が持つ多様な特性を学校現場で効果的に活かすことができるように、担当者との検討の段階から調整を重ねる。キャリア教育が総合的な学習の時間だけでなく、いろいろな教科の中で実施することが可能であることなども、検討の段階で伝えている。ニーズに合わせて柔軟に対応できるプログラムを、検討を重ねてつくり上げることで、普段の授業のなかにキャリア教育的要素を盛り込むことが可能であることを伝え、教育の現場にキャリア教育の実施を働きかけている。

消防士ブースでの子どもと大人の触れ合い
消防士ブースでの子どもと大人の触れ合い 

子どもと社会人が交流し、それぞれが学ぶプログラム

 「社会人の種の育て方  未来パスポート編」では、様々な職業に就く大人たちがそれぞれにブースを構えて、子どもたちを待つ。ブースでは、仕事の内容や想いを伝えたり、子どもたちの質問に答えながら、相互の交流を図る。いくつかのブースで、大人たちとの触れ合いを終えた子どもたちは、最後に、社会人との交流から感じ取ったことを発表する。
 およそ2時間にわたり行われるプログラムでは、子どもたちが、普段の生活ではあまり接する機会のない大人たちとの触れ合いを通して、仕事と社会を学び取っていく過程を大切にしている。様々な大人、職業によって、自分たちの住む地域が支えられていることを感じるのである。
 このプログラムに参加した子どもたちの感想には、「仕事の大変さが分かった。その大変な中でも、楽しいこと、達成感があることも分かった」「もっと、いろんな仕事を知りたいと思った」「考える力やコミュニケーションなどが身についたと思う」などの声が上がっている。
 一方、子どもたちの前で話す社会人には、事前にプログラムの目的を理解してもらい、仕事内容だけでなく働くことへの想いを伝えられるように準備してもらう。プログラムの中で社会人は、自身の仕事や生き方を振り返り、それを言葉にして伝えるという貴重な経験の場を得ている。プログラムは、子どもたちだけでなく、社会人にとっても、自身について学ぶ機会となっているのである。
 社会人講師の一人は、「触れ合った子どもたちは、夢や希望を持ち、いきいきしている。それを引き出していくことが大切だと思った」と振り返る。

事業名称 滝沢村小・中学校キャリア教育支援事業

 2009年度には、滝沢村より事業を受け、村内の小・中学校14校において、キャリア教育に関する学校のニーズ把握や実態調査を行った。
 この調査結果を受けて、2010年度は、4校で計7回のプログラムを実施した。ここでの未来図書館の役割は、各学校のニーズに応じた社会人講師の派遣、キャリア教育講座の開催、情報提供など、キャリア教育に関わる支援ニーズへの対応全般にわたる。
 今後は、キャリア教育ガイドブックの作成に向けての取材や、新たな協力企業、支援者の開拓を進める予定である。

社会人との触れ合いについて発表する生徒
社会人との触れ合いについて発表する生徒 

3 事業の成果と課題

キャリア教育に関わるネットワークの力

 2005年度から2007年度にかけて実施した「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」を通して、地域でのネットワークができた。そのときのネットワークを活かし、2008年度には、県や市町村の教育委員会、実施校の教員、大学の研究者、NPO、学生、企業、保護者などにより「いわてのキャリア教育を考える会」を設置した。ここでは、岩手におけるキャリア教育の在り方を検討し、キャリア教育の普及、実施に向けての働きかけなどの様々な情報や意見が交換された。
 この会の参加者は、現在もメーリングリストを通してキャリア教育に関する情報を共有するとともに、子どもたちの成長を支える応援団として、積極的に活動に参加・協力している。
 想いがある人たちのネットワークはさらに広がっており、キャリア教育を支える活動は、多くの理解者のもとに継続されている。

キャリア教育を効果的に推進するために

 2005年度から始めたキャリア教育事業は、6年度目を迎え、学校からの要請も岩手県下全域へと広がりはじめた。また、社会人講師として活動を支援するメンバーも、地道な活動を通して確実に増えている。
 その背景には、今まで学校だけの課題とされていたものが、時代とともに社会全体における課題として認識されるようになってきたことがある。子どもたちの学びや育ちを学校だけが担っていくこと自体不可能であり、企業を含めた地域の一人でも多くの人に協力してもらうことが期待されている。
 まだまだ学校現場以外の人材が、キャリア教育支援に携わる機会は限られている。そこで、多くの人々に活動に携わっていただけるように働きかけ、学校を軸に携わる人々との信頼関係を築いていきたい。そうした地道な取り組みが、キャリア教育支援への理解を進める道だと感じている。
 また、「子どもたちの未来を想い、その成長に関わる」ことで、コーディネーター自身も研鑽を重ね、自らが成長していかなければならないと考えている。

調理士ブースでの実演を真剣に見る生徒たち
調理士ブースでの実演を真剣に見る生徒たち 

4 今後の展望

持続的な活動に向けて

 キャリア教育支援は、学校だけではなく、企業、地域支援者、行政、保護者など、様々な立場の人々が関わり、子どもの成長を応援するという視点が重要であると考えている。また、その支援体制は一過性のものとして終わるのではなく、持続的かつ建設的なものとして発展させていく必要がある。
 そのために、それぞれの立場に寄り添い、日々変化する課題を吸い上げ、課題解決に向かうため、情報収集や情報提供、さらには行政への働きかけなどを行っている。今後は、今までの信頼関係によって形成されたネットワークを活かした取り組みの継続と、その土台を支える基盤の構築を進めていきたい。

より多くの共感を

 「未来を担う子どもたちと社会をつなぐ」をミッションとして、地道に進めてきている様々な活動をより多くの人々に知ってもらえるよう、団体としての意義を再考する時期だと考えている。現在までに団体に蓄積されたノウハウやネットワークといった資源を見直し、それらを活かした事業展開を図ることはもちろんのこと、活動を具体的に整理し、社会的な価値を高め、今まで以上に多くの人の共感と信頼を得て、学校だけではなく企業や地域といった社会からの要請に柔軟に応えられる団体となるよう一層努力していきたい。

(ヒアリング応対者:理事長古澤眞作氏、主任コーディネーター恒川かおり氏、コーディネーター佐々木瞳氏)

 一人ひとりの異なる人生の物語が蔵書のように積み重なっていく。そんな機関でありたいと『未来をつくる図書館』(菅谷明子著、岩波新書)にちなんで団体名を「未来図書館」とした。本書は、図書館が持つ多くの可能性や、コミュニティを活性化させる活動や意義、「市民が主役の情報社会」の方向性など示唆に富む一冊である。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --