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特定非営利活動法人 高知こどもの図書館

子どもの本は生きる力、すべての子どもに届けたい!

所在地…〒780-0844 高知県高知市永国寺町6-16
TEL…088-820-8250 FAX…088-820-8251
URL…http://kodomonotoshokan.org/
E-Mail…kodomo@i-kochi.or.jp

高知県高知市

1 団体の概要

代表者名…田島真紀
設立年月…1999年3月 認証日…1999年7月23日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/1名
事業規模(09年度決算収入)…11,426,098円
(内訳:事業収入3,145,400円、会費4,013,000円、寄付金2,972,780円、助成金1,294,000円、その他918円)

活動の目的・趣旨

 主にこどもを対象に、児童図書を中心とする本、ならびに関連資料を揃え、こどもの本や児童図書館の質向上を目指すとともに、こどもの図書館として可能な子育て支援事業を行い、以て公益の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1995年、県立図書館の新館移転構想が起きたとき、移転後の施設をこども図書館として残す運動を起こした。移転構想が終息後もこども図書館開設への想いは消えることなく、「お金はないが、本と人は出せる」と勉強会を重ねて「つくる会」を発足。その後、県の子育て支援事業の一環としてこどもの読書環境整備が打ち出されたことで、県有の施設を図書館として借り受けることが決定した。開設までの改修や備品準備に予算がつき「こどもの図書館準備室」を開設するに至った。99年7月にNPO法人格を取得し、同年12月開館。

主な活動内容

1.図書館運営

 年間平均250日開館し、日常的な図書館業務、おはなし会、読書相談、読書ボランティア養成講座を行う。1日平均貸出冊数130冊。1日平均利用者数70人。

2.巡回こどものとしょかん

 図書館のない中山間の地域に、期間限定の“模擬図書館”を開設。

3.企画展の開催

 1~2カ月ごとにテーマ別の企画展を開催。他のNPOや行政等と協働し開催する。

4.YA読書フォーラム

 中高生など、図書館に足を運びにくい若い世代を巻き込む。

5.その他事業

 各種行事・講演会の開催、ニューズレターの発行、館外講師活動等。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 巡回こどものとしょかん

 図書館のない中山間地域に“模擬図書館”を開設し、図書館が身近にある暮らしを実際に体験してもらうことで、地域の図書館づくりや行政と住民の連携のしくみづくりのきっかけとすることを目的としている。
 2008年度より取り組みを開始し、大川村と梼原町で実施。2009年度には文部科学省の委託を受け、高知県仁淀川町内の3カ所で、2010年度は四万十町(十和地区)、津野町(葉山地区、東津野地区)で行った。

こどもたちに本を届けたい

 高知県内の中山間地域には、図書館のない地区が点在する。「公立図書館が手の届かないところにある子どもたちに本のある環境を提供したい」と始めた活動だったが、地域に足を運ぶうちに、大人たちも同じ想いを持っていることが分かった。その大人たちと一緒に、本を待っている子どもたちと行政をつなぐきっかけとして、地域の公民館や空き教室を借りて、約800冊の本で子どもたちの楽しめる部屋をつくった。
 巡回こどもの図書館の開設にあたっては、図書館支援員の協力が大きな力となった。どの地域でも取り組みを開始する際には、図書館支援員や教育委員会の方たちに協力していただき、地域の方たちへの説明会を開き、住民に図書館開設を呼び掛けた。
 活動に理解を示し、協力してくれるボランティアも集まり、どの地域でも約1カ月間模擬図書館を体験してもらう活動を行うことができた。

布絵本で遊ぶ親子
布絵本で遊ぶ親子 

事業名称 企画展の開催

 1~2カ月の周期で、様々なテーマの本の展示コーナーを開設。展示する本は、子ども向けの本だけではなく、絵本・児童文学にプラスアルファの形でいろいろな分野の蔵書を組み込み、親から子、子から孫へと長い世代読み継がれていくような本を揃えている。
 7~8月は自然環境、秋はおいしい食べ物、12月はクリスマス、1月は干支といった定着している季節のテーマのほか、他団体やNPOからの持ち込み企画、会員向けアンケートをもとにした企画を実施するなど、1年を通していろいろなジャンルの物語や絵本を楽しんでもらえるように工夫している。
 普段図書館に足を運ぶことが少ない人も、来館するきっかけになればとの願いもある。定番の企画展を楽しみにしている利用者に対しても、同じテーマでもどういう切り口で見せるのか、知恵を絞っている。

事業名称 YA読書フォーラム

主役は「YA世代」

 中学生から大学生までの若者、いわゆるYA(ヤングアダルト)世代を巻き込んだ企画である。これまで、YA世代は図書館の利用が少なく、図書館側は彼らを引き込むための企画展の内容を考えることに苦慮してきた。読んでほしい本はたくさんあるのだが、本以外の“おもしろい物”がたくさんある今の時代に、「YA世代が主体的に関われる、YA世代に喜んでもらえるイベントを」との想いから、開設10周年のイベント時に第1回を開催してから継続している。
 YA読書会参加者が中心となって実行委員会を立ち上げ、講師への交渉、宣伝用チラシ・ポスターの作成などの準備から当日の運営まで、中学生から大学生を中心とした実行委員が担っている。講師には、1回目には上橋菜穂子氏、2回目には荻原規子氏と、YA世代に人気の作家を招き、講演会と分科会を展開している。
 あこがれの小説家と直に話ができるということで、県外からも参加者が集まった。「YAが主役」となれるこの事業は、若者と図書館の協働手法の一つとして期待されている。

2010年度「YA読書フォーラム」 オープニングでの実行委員長挨拶
2010年度「YA読書フォーラム」
オープニングでの実行委員長挨拶 

3 事業の成果と課題

一過性のものにしないために

 2008、09、10年度と「巡回こどものとしょかん」を展開する際には、地域住民や行政への事前説明会・打ち合わせに多くの時間を割いた。子どもたちの豊かな学びのために、いつでも本にふれることのできる場の必要性を熱心に伝えた結果、住民の理解を得ることができ、広報や協力につながった。
 2009年度に「巡回こどものとしょかん」を開設した仁淀川町の3地域は、いずれも小学生の数が60名弱と少ないが、実施期間中は多くの子どもが通い続けた。その後、仁淀川町が資料整備費として300万円の予算を補正予算で組むことが決定した。毎日毎日、本を読むために図書館に通う子どもたちの嬉しそうな顔を目の当たりにし、「巡回こどものとしょかん」を一過性のものにしないために、身近に本のある暮らしづくりを行政が補完することを決めたのである。

巡回こどものとしょかんに集まる地域住民
巡回こどものとしょかんに集まる地域住民 

もっと増やしたい、若者とのつながり

 これまで、様々な行事や企画展を通じて近隣の大学とのつながりができ、多くの学生がイベントやボランティアに参加してきた。しかし、若者とのつながりはまだまだ薄いと感じており、若い世代との日常的な関わりをつくるための今後の展開を模索している。
 図書館を知ってもらうために近隣の全小学校にリーフレットを配布したり、ホームページやブログの更新をこまめに行ったりすることで能動的な情報発信に取り組んできた。また、幅広い年齢層に図書館を利用してもらえるよう、YA世代や一般の方向けの本も取り揃えているが、「こどものとしょかん」という名称のため、子ども向けの本しかないと誤解されているのが現状である。市の中心街に近く、近隣に高校も多い恵まれた立地を活かし、周知に力を入れていきたい。

運営体制の改善と人材確保

 現在こどもの図書館の運営に携わっているのは、立ち上げ準備からともに活動してきた仲間である。
想いは同じで意見もまとまりやすいのだが、それを打ち破る新しい意見も必要になってきている。企画から実施、運営、評価を限られたスタッフで行っており、外部の意見が入ることがほとんどない。
 このままの体制を続けていけば、自己満足で終わってしまうことも大いに考えられるため、人材確保が今後の大きな課題である。スタッフ増員も視野に入れる必要があるが、そのためにも何よりも重要なのは運営を支える財政基盤の安定である。会費、寄付金では人件費にも満たない現状のため、財政基盤の確立は重要な課題である。

4 今後の展望

独自性の発揮

 限られた運営資金でも、公立の図書館とは違う独自性を出すためには、こどもの図書館ならではの蔵書構成が必要である。そのためには選書の目が重要であり、今以上にNPOとしての特色を見せられる独自の企画事業の充実が欠かせない。職員が「置きたい、利用者に読んでほしい」と思った本もすべて揃えられるようにしたい。また、乳幼児コーナーの充実も検討している。
 現在、常勤職員2名と非常勤1名で日々の図書館運営を担当しており、人員配置的にはいっぱいいっぱいの状況である。職員が増えれば、活動の幅はぐっと広がり、職員の活動にも余裕が生まれるであろう。
 NPOのフットワークの軽さを活かして県内のあらゆるところを訪問し、NPOの独自性を活かした活動を展開していきたい。また、現在は依頼のあったときだけ行っている館外講師活動も、今後は自主的に開催することも考えている。

(ヒアリング応対者:館長大原寿美氏)

 こどもの図書館では、会費振込みのお礼状と領収書を送る際に、必ず手書きの挨拶を添えている。4月には1年間の収支の概算を掲載したニューズレターを送る。資金面は苦しいが、会員に正直に伝える。そのかわり楽しい情報もたくさん盛り込む。「会員の皆さんと図書館をつなぐ重要なツールの一つがニューズレター」との想いと情報を丁寧に届けることで、会員に図書館活動への共感と、支援していることを実感してもらえたらと願っている。

お問合せ先

総合教育政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(総合教育政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --