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特定非営利活動法人 からだとこころの発見塾

「からだ」を知り、「こころ」に触れ、「いのち」を感じる

所在地…〒135-0063  東京都江東区有明1-4-20 ブリリア有明スカイタワー3231


1 団体の概要

代表者名…堀見洋継
設立年月…2005年9月 認証日…2006年6月12日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…460,480円
(内訳:事業収入234,200円、会費196,000円、その他30,280円)

活動の目的・趣旨

 人体やこころが精緻にしかも柔軟につくられていることを実感する場や、からだやこころ、病や死を語る場の提供を通じて、自分のからだやこころに関心を持ち、「自分」の存在の尊さを確認する。他人との違いを認めることで他人の痛みをも理解でき、大切に思える気持ちを育む。また、医療のしくみや病気について学ぶことで、医療情報への感度を高め、将来的に医療サービスの上手な受け手になれるようにすることを目的としている。

団体の設立経緯

 からだとこころの発見塾(以下、発見塾)は、2004年10月、東京大学医療政策人材養成講座で知り合ったメンバーの中から生まれた。医療について政策立案ができる人材を育てようと始まった講座で、受講者は、厚生労働省職員や自治体職員、医師や看護師などの医療従事者、患者支援者、メディア関係者である。
 受講者の中から、医療を良くしたい、心身を学び、気づきを得る場をつくりたいという想いのメンバーが集まり、その方法の一つとして「自らの心身に対する知的好奇心を刺激し、医療に主体的にかかわる意識を涵養(カンヨウ)する」ことを目的に発見塾を立ち上げた。

主な活動内容

1.からだとこころのサイエンス・カフェ

 カフェでコーヒーを楽しみながら、第一線で活躍している医療従事者や科学者の話を聞き、気軽に語り合う、新しいコミュニケーションの場。

2.学校の授業や講演のプログラムの提案とコンサルティング

 「出前授業」:中学と高校の総合学習、PTAの要請で医療やからだ、いのちについて講演を行う。

3.本や絵本の朗読会

 いのちを題材にした書籍の朗読を通じて、いのちについて考えてもらう。

4.人材のネットワーキング

 第一線で活躍している医療従事者や科学者のネットワーク構築。

5.からだといのちの図書コーナーの設置支援

 絵本や図書から「からだ・いのち・病気・死」などの切り口で、本をリストアップし、子どもたちが日常的に生じる関心事を自分で調べる学習環境をつくり、「立ち止まっていのちを考える場」を学校に設置する計画を進めている。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 からだとこころのサイエンス・カフェ

知らないことを知る楽しさ

 医療従事者や科学者と一般の人が楽しく「からだやこころ」について話ができるコミュニケーションの場をつくりたいという想いから始めた。一般の人が普段聞くことのできない専門家の話を聞ける場であるとともに、一般の人が医療について考えていることや、何を知らないかを知ることにより、医療従事者や科学者の気づきにもつなげたいと考えている。
 科学や医療について気楽に話ができるサイエンス・カフェは、10年ほど前にイギリスやフランスで始まり、今では日本でも数多く開催されている。そこで、発見塾では、団体の名称にもなっている「からだとこころ」にテーマを絞っている。1回の開催は約2時間を基本とし、おいしいコーヒーや紅茶をいただきながら医療従事者や科学者から専門的な話をかみくだいて話題提供してもらい、参加者との交流も深めている。
 当初、カフェを2時間、低予算で貸してくれる場所はなかなか見つからず、開催場所の確保に苦労した。現在は、カフェをオープンした会員や趣旨に賛同してくれるカフェ・オーナーがいるので、そのカフェを借りて年3回程度実施している。参加人数については、交流会としては少人数の方が意見交換しやすく盛り上がるが、普段接することのできない専門家の話をより多くの人に聞いてもらいたいという想いもあり、現在は20人前後で定着している。

サイエンス・カフェのひとコマ
サイエンス・カフェのひとコマ 

専門家も一般の人の考えを知る

 テーマは、話題提供者の専門分野やスタッフも知りたいことなどで選んでいるが、からだとこころを題材にしたテーマは、知的好奇心を刺激する面白い内容なので、どれも好評である。参加者と話題提供者の会話が1問1答にならないようなコミュニケーションの場になるよう心がけている。また、時には参加者どうしでテーマについて議論してもよいし、そのような場になってこそ、専門家にとって、一般の人々が考えていることや思っていることを知る機会となると考えている。

事業名称 出前授業

教えるのではなく、内から引き出す

 学校でからだとこころを扱う教科は、保健体育、理科、社会などに分かれており、トータルに、あるいは一つのテーマを深く学べる機会が少ないと思う。また、学習指導要領に基づく授業では最新の生命科学のテーマが反映されにくい。小中学生は、自分の身体に興味を持っている年齢ではあるが、自分や他人を大切にすることや、健康や医療の重要性に実感を持ちにくい。
 そこで、小中学校への出前授業を始めた。臨床の現場からいのちについて話した回では、子どもたちは人間の最期(死)という場面から「いかに生きていくのか」を誰に誘導されることもなく自然と導きだしていた。生徒の言葉には「一日一日を大切に生きたい」「両親を大切にもっと日頃から話をしてみようと思った」「一人で生きているのではないと分かった」などがあった。言葉にしてみると、味気のない表現に聞こえるが、彼らの口から発せられるこの言葉には、心から湧き出る感情が込められている。
 子どもたちにいのちや心身について語る意義。それは、子どもたちの日ごろ見えない感情を引き出し、言葉ではない「直観」でいのちを確認することだとの考えから出前授業を続けている。

いのちについて考える機会となる出前授業
いのちについて考える機会となる出前授業 

事業名称 本や絵本の朗読会

本の世界を五感で感じてもらう

 「いのち」を題材にした書籍をもとに、1時間半~2時間、2人のアナウンサーによる読み聞かせのライブを行っている。感じたり、考えたりすることに朗読は有効であり、大人がじっくり本と声を味わう楽しみもある。「仕事帰りにちょっと寄ってください」というスタンスで、プロのテンポある掛け合いの朗読や楽しいトークは、集中して聞くことができ、言葉の魅力を感じる新しい体験の機会となっている。本や絵本は『からだといのちに出会うブックガイド』(健康情報棚プロジェクト+からだとこころの発見塾・編)から厳選するほか、懐かしい名作も紹介しながら、本を通じていのちについて考えてもらっている。
 カフェや会議室を会場として、音楽を流しながら数冊の本の朗読を行い、参加者の感想とともに交流を深める。朗読は、発見塾の会員でもある寺澤京子氏(元ラジオ福島アナウンサー)と堀内由香氏(元信越放送アナウンサー)の朗読ユニット「K&Yクールズ」が行う。
 参加費として1,500円をいただいているが、費用や演出については、今後さらに検討していく。

朗読会の様子
朗読会の様子 

3 事業の成果と課題

 発見塾の活動は、健康や生老病死について考える場をつくることとともに、社会資源である医療について健康なうちから知っておく必要性を啓発することにある。そのために医療を利用する側の好奇心を刺激しつつ、知識や情報を提供していくことが重要であると考えている。

効果測定の難しさ

 アンケートを回収すると、「面白かった」「ためになった」「心身について改めて考えた」など、好意的な回答を多くいただくが、イベント開催後の効果測定は難しく、自分たちが行った活動が人々にどのように作用しているか、はっきり示すことは難しい。「サイエンス・カフェ」「朗読会」「出前授業」それぞれで発見塾と接点を持った人々に「からだ」「こころ」「医療」について何らかの意識的な気づきをもたらしていると考えているが、直接的な因果関係を表すことは難しい。それは、他団体も同様であると思うが、効果的な調査方法があれば、学びたいと考えている。
 評価が目に見えて表れなくても、アンケートの回答を信じ、少しでも多くの人に発見塾との出会いが生まれればいいと願い、活動を続けている。

学校と共に「出前授業」をつくる

 課外授業の募集を行っている学校や、直接要請があったところで出前授業を行っているが、心身やいのち、医療の話は、落下傘的に一、二度学校に訪れただけで効果があるのか疑問を抱いている。もっと連続的に学校に関わり、授業をつくっていきたいが、学校側は年度を通して決めた学事日程があり、現状では声が掛かったときに授業を担当するスタイルとなっている。また、教育現場は忙しく、学校や先生と授業スケジュールなどを詰める時間が取りにくい。実際の授業のテーマは、事前に先生方と話をして決めているが、単発で終わることが多い。
 今後は、行った授業に対して生徒がワークショップを行うなど、後につなげた授業展開にしていきたい。そのために、各行政の協働事業に積極的に提案し、教育委員会に働きかけるなど、継続的に学校に関わり、共に授業を築き上げる機会を得ていきたい。

4 今後の展望

他団体との協力による展開

 会員やイベント開催を手伝ってくれる人を増やすことは大切であると考えている。また、助成金事業などをしっかり実施できる体制やプログラムを確立して、ゆくゆくは有給スタッフを雇える環境をつくり、経営的にも安定させていきたい。そして、「サイエンス・カフェ」「出前授業」などをお手伝いいただいている方々にも、もっと謝礼金をお渡しできるようにしたいと思っている。
 資金については、助成金などの申請をこまめに行っていきたいが、スタッフが少ないこともあって、申請書作成に時間を取ることが難しい。
 会員やスタッフを増員し、ネットワークを拡げ、事業収入を増やすためにも、他の医療関連や教育関連の団体との連携を強化し、一緒に活動していくことで、さらに大きな活動や意義ある活動ができると考えている。常に他団体との協働を検討している。

(ヒアリング応対者:理事小島あゆみ氏)

お問合せ先

総合教育政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(総合教育政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --