ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 スクール・アドバイス・ネットワーク

豊かな「学び」を通じた社会との架け橋になる!

所在地…〒167-0043 東京都杉並区上荻1-24-21協立第51ビル3階
TEL…03-5347-2372 FAX…03-5347-2373
URL…http://sanet.jp E-Mail…info@sanet.jp

東京都杉並区

1 団体の概要

代表者名…生重幸恵
設立年月…2002年4月 認証日…2002年10月15日
有給スタッフ数…常勤/4名、非常勤/約5名
事業規模(09年度決算収入)…140,000,000円
(内訳:事業収入140,000,000円)

活動の目的・趣旨

 教育は、子どもたちがよりよい社会を築いていく担い手となれるよう、基本的な知識や規範等を身に付けさせるものである。そして、それらの学習と実社会との関係性の理解を促すことで子どもたちの学習意欲は向上する。そのためには教育に産業界や地域社会が寄与し、社会を見据えた教育を展開することが必要となる。当法人は、教育界・産業界・地域社会の懸け橋となる教育コーディネートや、教育支援プログラムの作成を行い、教育に寄与する。また、教育活動、地域活動の充実をはかる人材の養成等を通じて、生涯にわたる学びの「場」を提供し、社会に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 スクール・アドバイス・ネットワーク(以下、S.A.Net)は、子どもたちの活動範囲が学校と家に限られがちな現代、地域活動やキャリア教育を通じて学びと社会がつながる場が必要だとの思いから2002年当時、中学校でPTA会長を務めていた生重氏が設立したNPO法人である。
 生重氏が、学校教育と地域の人材を結びつけることの必要を感じたのは、杉並区立天沼中学校でPTA会長を務めているときである。PTA会長在任中、例えば江戸文化の体験学習の際、保護者が先生をサポートしたり、PTAが主導して「地域で職場体験させたい」という学校側の要望に応えて、地域の住民と学校が交流を深める橋渡しの役を担ったりと、学校教育と地域の橋渡しを行った。こうした経験から、日頃学校の授業に忙しい学校の先生を、地域に様々なつながりを持つPTAが支えながら、より豊かな教育内容をつくれるのではないか。また、子どもがイキイキと学び成長する姿を先生と保護者が見守ることによって地域が学校を支えていくことにつながっていくのではないかと考え、PTAに関わっていた人たちと学校を支援するNPO法人を設立した。

主な活動内容

1.教育コーディネート事業

 児童・生徒等の教科・総合的な学習の時間・キャリア教育・体験活動などをコーディネート教育活動・地域活動の充実をはかる人材の養成・マネジメント等

2.社会教育支援事業

 子どもたちの余暇活動(土曜日学校・放課後居場所づくり)・学校支援本部を支援

3.講座・イベント企画運営

 教育フォーラムをはじめ、各種イベントやフォーラム、勉強会研修会などの講師や企画運営を実施

4.教育に関するコンサルティング

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 学校教育のコーディネート事業

 S.A.Netでは、東京都内を中心に、全国各地で、児童・生徒等の教科・総合的な学習の時間・キャリア教育・体験活動などをコーディネートする事業を行っている。

S.A.Netの運営を支える英語活動サポーター

 例えば、杉並区では小学校1年生から英語活動を行っている。英語活動では、英語の歌やゲーム等を通じて、身体に英語を染み込ませていく。S.A.Netの英語活動サポーターは、この授業にサブティーチャーとして参画する。現在、杉並区の公立小学校だけで約120名の英語活動サポーターが活躍している。
 「英語活動サポーターの皆さんは学校の先生方のニーズをくみ取り英語の体験学習について実践的な指導案作りのアドバイスもできるよう勉強会等を重ね、日々研鑽に励んでいます」と生重氏は胸を張る。
 英語活動サポーターの多くは、例えば客室アテンダントや商社などで勤務し、ビジネスレベルの英語を駆使できるスキルとキャリアを持つ。積んできたスキルやキャリアを、出産や子育てのために一線を退いた後も生かしたいというボランティアの声に応えた活動ともなっている。
 ボランティアとはいっても、授業のサポートをするためには質を高めていく必要がある。ボランティアの募集にあたっては、学校や子どもたちを理解しながら活動を進めていける意欲が十分にあることを前提とし、一定レベルを保つための研修に参加することが求められている。学校教育に関わる英語活動サポーターになるためのハードルは、決して低いとは言えない。それでも、ボランティアをしたいという要望は多い。
 また、交通費などの経費や些少の謝礼を支払うことで、ボランティア側の経費負担を極力最小化し、ボランティアを継続しやすい環境をつくっている。
 英語活動サポーターを長年やっているベテランのボランティアは、英語活動の授業サポート以外にも、新人ボランティアの育成指導を担っている。英語活動に関する事業全般をボランティアが中心となって運営できる体制を構築している。

英語活動サポーター研修会の様子
英語活動サポーター研修会の様子 

専門家の手弁当にも頼る

 現在、S.A.Netの常勤スタッフは4名である。比較的小規模な事務局体制でこれまで活動が円滑に進んできたのは、学校の元校長先生や教育従事者などの専門家がボランティアとして手弁当でノウハウや知見を提供してくれ、S.A.Netの事務局がすべてを抱え込まず、必要なところは支援を仰ぐ体制を構築しているところが大きい。
 S.A.Netの資源が足りないところは専門家に任せることにより、円滑な運営が可能となっている。

事業名称 余暇活動支援事業

 S.A.Netでは、子どもたちの余暇活動支援として、土曜日学校、放課後の居場所づくり教室の支援も行っている。
 杉並区と連携した「地域ぐるみによる学校への地域支援推進事業」として、主に杉並区公立小学校・中学校の土曜日学校と放課後学校を支援している。小学校では英語活動、科学教室、国際理解、ものづくりなどのプログラムを、中学校では「チャレンジスタディ」や国際理解・国際交流プログラムを実施している。

スキマが大切

 生重氏は子どもたちを取り巻く環境について、「現代の子どもには“スキマ”がない。学校が終わると、塾や習い事、サッカー教室へと向かう忙しいスケジュールの中で日々生活している。“スキマ”というのは、「何をやるか」を自分たちで選択することができる時間を指す。それが、地域との関わりの場となり、工夫し成長する場となる」と話す。
 放課後の居場所づくり教室では、様々なプログラムを実施しているものの、参加は自由である。「何をしてもいいよ」という時間をつくってあげることを大切にしている。ただし、そのなかでは大学生と関われたり、異学年の子ども同士が関わりを持ったりするなど、場づくりの工夫が必要である。発達段階に応じた体験をすること、また、自分でアウトプットする経験をすることも大切にしている。
 朝から夕方まで地域の人が常に学校にいる。図書館に本好きのおばさんがいて、子どもに読み聞かせをしてくれる。花壇の手入れをしているおじいさんが、泣いている子どもの悩みを聞いてあげる。そして、先生には学校の「心の門」を開いてもらう。
 学校と地域がより深い交流を行うことで、学校を核として地域に交流の輪が広がり、より地域に開かれた学校になっていることを実感している。

放課後子ども教室で地域の人たちと交流する子どもたち
放課後子ども教室で地域の人たちと交流する子どもたち

3 事業の成果と課題

杉並区から東京都、そして全国へ

 S.A.Netの活動は当初は杉並区教育委員会との協働からスタートした。
 その後、生重氏の東京都教育庁生涯学習審議会委員就任をきっかけに、東京都内各区の教育委員会とも連携し、さらには全国各地での「学校支援」「地域活性化」のプロジェクトに参画している。
 また、生重氏は2007年には内閣府の地域活性化伝道師に、2009年には文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会委員、2011年には中央教育審議会中央審議会委員に任命される等、教育コーディネーターのパイオニアとしてその取り組みが評価されており、スタッフも一丸となってプロジェクトを推進している。
 教育のコーディネート事業では、2007年度、「杉並区学校教育コーディネーター」としての杉並区立小・中学校授業コーディネートに加え、「東京都教育庁学校支援コーディネーター」として、東京都立高等学校の奉仕体験・キャリア教育などのコーディネートを行い、2011年からは「キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」の全国事務局も運営している。

学校支援プログラムの様子
学校支援プログラムの様子 

時代が必要としていた

 「活動開始当初は収入が不安定な時期もあったが、資金繰りに困ったことは一度もない」と生重氏は話す。
 S.A.Netが手掛ける総合的な学習の時間の支援、土曜日学校、放課後の体験活動や、講座・イベントなど、学校と地域をつなぐために必要だと思うことを順番に行っていくうちに、行政からの委託事業に加え、企業からの助成金を含めた盤石な事業収入基盤が築かれていた。
 これは、時代が必要としていたことの半歩先をS.A.Netが歩んでいた結果だと考えている。S.A.Netが学校という教育の「場」で肌で感じて取り組んできた様々な課題について、国や自治体がその必要性を認め、積極的な連携を図るようになってきている。

4 今後の展望

キャリア教育の全国ネットワークをつくる

 現在、注力しているのは、キャリア教育のネットワークをつくることである。
 全国のキャリア教育を実践している事業者とともに、経済産業省キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業の統括事務局を経て、キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会の全国事務局として、キャリア教育に関わる人々の全国ネットワークを構築している。
 地域の意識が変わらなければ教育現場は変わらない。NPO法人を立ち上げたときから、地域・学校の中でそれぞれが頑張っているところをネットワーク化し、「場」を一緒につくることを意識していた。今後、キャリア教育のネットワークづくりに、今までS.A.Netが培ってきたものをおおいに生かしていきたいと考えている。

精力的にネットワークづくりを進める生重氏
精力的にネットワークづくりを進める生重氏 

(ヒアリング応対者:代表理事生重幸恵氏)

 一つのところが頑張るのではなく、みんなが参画するという輪を広げていくことで、日本が置かれている閉塞感が打破できるのではないか。一人ひとりが、「誰かがやってくれる」という受け身から一歩踏み出すことで、社会が変わる。市民が自立することで、子どもの未来が明るいものになる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --