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特定非営利活動法人 企業教育研究会

授業づくりを通じて「誰もが教育に貢献する社会」を

所在地…〒260-0044 千葉県千葉市中央区松波2-18-8 新葉ビル3F-A
TEL…043-308-7229 FAX…020-4663-5605
URL…http://ace-npo.org/ E-Mail…info@ace-npo.org

千葉県千葉市

1 団体の概要

代表者名…藤川大祐
設立年月…2002年 認証日…2003年3月6日
有給スタッフ数…常勤/ 3名、非常勤/30名
事業規模(09年度決算収入)…41,332,792円
(内訳:事業収入41,081,096円、会費71,000円、補助金等175,000円、その他5,696円)

活動の目的・趣旨

 子どもの健全育成のために企業とのパートナーシップを形成し、環境の保全や国際協力、メディアリテラシーといった総合的な学習の時間及び一般教科に関する内容の授業実践や教材開発などの事業を行い、広く教育実践に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 企業教育研究会(略称ACE(the Association of Corporation and Education))は、代表の千葉大学教育学部教授 藤川大祐氏が大学で行っていた学校の授業づくりについての研究活動を出発点として設立されたNPO法人である。
 藤川氏は、大学の研究室で授業づくりのための教材や、授業に学校外の人が関わるとどうなるかについて研究を進めていた。そのなかで、学校に学生を派遣し、企業等との連携も図っていた。
 しかし、学校や企業に連携を提案に行く場合、学生として行くよりもNPO法人として行くほうが連携相手先からの信用度が増し、助成金等もとりやすいなどの利点がある。そこで、2003年3月、NPO法人化した。

主な活動内容

1.実践授業および教材づくり

 企業、アーティスト、他のNPO等との協働により、学校の授業に向けた教材をつくるとともに、実際に授業づくりのサポートを行う。

2. 定例研究会

 学校の先生、研究者、行政の担当者、学生などが授業づくりについての研究や情報交換をする「千葉授業づくり研究会」を月1回開催。

3. 出版事業

 授業実践の様子やポイントなど、事例の紹介や授業の参考となる出版物、その他研究成果の出版。

4. 相談・サポート事業

 学校のための授業づくりに対する相談対応・サポート。企業のための教育貢献活動に関する相談・サポート。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 実践授業および教材づくり 

出前授業から出発して様々なサポートへ

 企業教育研究会では、次の4つのかたちで実践授業や教材づくりを行っている。

1.出前授業

 実際に学校へ学生や企業の担当者が出向き、教材等を使った授業を行う。

2.教材(DVD)配布

 DVD 教材と指導案の冊子を作成して、希望者に配布する。

3.研修会

 2.の教材の使い方や授業の進め方を先生方に研修する。

4.報告書

 指導案や、実際の授業の紹介をした報告書を配布して、参考にしてもらう。

企業教育研究会の事業展開イメージ
 企業教育研究会の事業展開イメージ

 活動開始当初は、実際に学校に赴いて出前授業を行うことをメインとしていた。しかし、この方法では人材・時間数に限りがあること、また先生方の多様なニーズに対応するため、出前授業のみならず、上記のような様々な方法をとっている。現在では、先生たちが自分で授業をつくっていくためのサポートが主になっている。

学校や企業のニーズから生まれた授業

 現在、企業教育研究会が行っている実践授業には、例えば、以下のようなものがある。

  • 「みんなで考えよう、ケータイ~情報モラル学習プログラム」
     ソフトバンクモバイル 株式会社との共同で開発した情報モラル授業。携帯電話やインターネットの利用法や付き合い方を振り返る授業。
  • 「ことばの授業」
    株式会社 読売新聞東京本社の記者が学校を訪れ、独自のスキルを利用して直接指導することにより、子どもたちの言語技術(話す力、聞く力、読む力、書く力)を伸ばすことを目的とする。
  • 「理科教育支援プログラム」
     ソニー 株式会社と連携し、「日本のものつくり技術への興味・関心」と「働くことへの興味・関心(キャリア教育)」を目標とした授業。
  • 「ウインナーの手作り体験教室」
     日本ハム 株式会社と連携し、日本ハムの社員が学校を訪れてウインナー作りの指導や食育に関する授業を子どもたちに指導する。

実際にウインナーを作ることで理解が深まる
 実際にウインナーを作ることで理解が深まる

 学校や企業のニーズ、子どもたちの関心、あるいは参加する学生の関心のあるものをつくっていくという企業教育研究会の姿勢から、自然にこのように多様な分野の実践授業へと広がっていった。

3 事業の成果と課題

一つひとつニーズに応えていくことが成果に

 他のNPO団体から、どうやったらそんなに企業との連携ができるのかと聞かれることも多い。しかし、特別な企業との連携ノウハウがあるわけではないと事務局長の市野氏は言う。
 学校という現場と企業の社会貢献のニーズに一つひとつ応えていった結果、口コミやホームページ、後述する日本教育新聞等の媒体を通じて活動の評判が広がり、オファーが増えるようになった。現在、出前授業は北海道から沖縄まで全国で行っており、DVD 教材も全国の学校等に配布されている。
 最近では多くの企業が、社会貢献をしたいと思っている。企業の社会貢献も、以前は環境分野が多かったが、しだいに次世代の育成、教育に企業の関心が向いてきていると感じている。企業としても、自社内外で優秀な人材を育てたいという気持ちが強い。また、社会全体でも理科離れ、活字離れなどの問題が関心を集めており、多くの人がこのままでいいのだろうかと思っている。
 ただし、学校側のニーズと企業の関心、あるいは関わる学生の関心のすり合わせには難しい部分がある。
ただ学生が研究したいこと、あるいは企業の広告がメインだとうまくいかない。学校の先生が何を教えたいと思っているのか、子どもたちに何が必要なのかというところから始めることを忘れてはならない。

学校、企業、大学、行政を結ぶコーディネート役としてのNPO

 企業教育研究会のもう一つの事業である「千葉授業づくり研究会」の果たす役割も大きい。千葉授業づくり研究会は、学校の先生、研究者、行政の担当者、学生などが授業づくりについての研究や情報交換をする場で、月1回開催されている。
 研究会には、研究者や学生、学校の先生、教育委員会、企業の担当者など、関心を持っている人が集まる。そこでの話からアイディアが生まれたり、企業教育研究会がそれぞれをつなぐ場ともなっている。
 企業の担当者には、学校が何を教えたいのか分からない、直接行っても拒絶されそうといった懸念がある。一方、学校・企業の両方のことや教育のことが分かっているNPOが間に入ってくれることで、忙しい先生にとっても非常にメリットがある。また、学校の先生向けに研修会を実施するときは、教育委員会にも話をしに行き協力体制を整える。そして、教育の専門家として研究者や学生も関わっていく。
 こうした多数の人々をつなぐコーディネート役として、NPOは最適である。

学生の研究・成長の場でもある 

 企業教育研究会の事業の大きな特徴の一つが学生の参加である。現在、千葉大学教育学部の学生・大学院生を中心に30名以上の学生が、アルバイトとして参加している。学生の役目は非常に多岐にわたり、企業の担当者との打合せだけでなく、実際の学校での授業も企業の担当者と学生だけで行う。
 学生にとっては、自分の研究の実践の場を得られるだけでなく、学校や企業と関わることで社会勉強にもなる。企業教育研究会での活動をもとに卒論を書く学生もおり、卒業後の進路の決定や社会に出てから役立つ経験ができる。

学生たちで活気にあふれる事務所
 学生たちで活気にあふれる事務所 

広報力をつけることが成果にもつながる

 企業教育研究会は、2005年4月から「日本教育新聞」に毎月1回、活動の紹介を連載しており、その内容は日本教育新聞社のホームページでも紹介されている。日本教育新聞は、教育に内容を特化した全国紙であり、教育関係者や企業の担当者の目にとまることも多く、活動の広がりに大きな役割を果たしている。
 日本教育新聞以外でも、広報活動にはいろいろ工夫をしている。常勤職員3名のうちの1名は、デザイナーであり、ホームページやちらしなどの媒体の見栄えの良さには気を遣っている。広報の見せ方ひとつで、内容がよく伝わるのはもちろん、企業の信頼感も増すからである。

ノウハウの引き継ぎが課題

 活動の中心となる学生だけでなく、企業の担当者も人の入れ替わりが激しく、経験・ノウハウなどの蓄積と伝承が課題である。
 解決策として、学生には卒業の前に後輩に十分に引き継ぎをしてもらうようにしている。また、企業の担当者の交代の際にも、一度は新旧の担当者が一緒に学校へ行くなどの工夫をしている。

静かな口調の中に熱い思いを秘めた事務局長の市野氏
静かな口調の中に熱い思いを秘めた
事務局長の市野氏 

4 今後の展望

学生や事務局がもっと力を発揮できる環境を整備

 今後、学生が企画などもっとクリエイティブな部分についても参画できるように、団体内の環境や制度を整えていきたい。また、企業から授業で使う様々な物品の提供を受け、それを学校に貸し出す活動をしているが、その物の管理をアウトソーシングして、事務局がもっとマネジメントの部分に専念できるような環境づくりも行っている。
 市野氏が今まで直感でやってきた部分もあるマネジメントの仕方などを、他の人と共有できるように体系化することも考えている。

現場から離れず積み重ねていく

 将来的な目標として、学習指導要領にある、あらゆる事項について、社会とのつながりを実感しながら子どもたちが勉強していける環境をつくりたいと考えている。まずは、なるべく多くの学校の先生に、社会とつながった授業ができる環境があるということを知ってもらいたい。企業教育研究会で経験を積んだ学生たちが社会に出ていくことで、少しずつではあるが、活動に対する認知が広まると思っている。
 無理やり仕事を増やそうということではなく、今までと同様に一つひとつを丁寧にやっていくことが基本である。そのなかでも、現場が何をしたいのかというニーズから離れてはいけないということには注意していきたい。

(ヒアリング応対者:事務局長 市野敬介氏)

せっかく中身が良くても、ホームページやちらし等が読みにくかったりセンスが良くなかったりすると、見てもらえず、活動が広がらない。デザインも重要であると考えている。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --