議事録2(事例発表)

【新木】  続きまして、郷司正和様による実践発表を行います。
 まず、郷司様の経歴を簡単に御紹介いたします。
 郷司様は、昭和23年生まれの団塊の世代で、現役世代はエンジニアとして活躍された後、定年退職後の生きがいづくりとして、福岡県宗像市にて男女共同参画、子育て支援、障害者福祉、食育等々の様々なボランティア活動を実践しておられます。また、福岡県が創設したふくおか子育てマイスターにも認定されておられます。
 本日は、「イクジイ…やってみるとこんなに楽しい!!」というのをテーマにいたしまして、発表いただきます。
 それでは、郷司様、よろしくお願いいたします。(拍手)
【郷司】  皆さん、こんにちは。ただいま紹介いただきました郷司と申します。
 今日は、このお話を頂いたときに、私でいいのかなと。イクジイ代表ということになっていましたので。ボランティアはいろいろやっているんですけれども、どっちかというと広く、浅く、気軽にできるボランティアをというモットーのつもりでやっているものですから、何か事業を興したりしているわけではなくて、申し訳ないなという気持ちがあります。そういう前提でお聞きいただければと思います。
 資料を用意していません。それほどの内容があるかどうかわかりませんが。
 まず、ボランティアをいろいろやっているんですけれども、この上に書いてあるのが子供さん関係のものです。
 まず、ブックスタートからいきます。これは御存じかと思います。かなりの市町村もやっていると思いますけれども、4か月健診のときに、初めての絵本ということで絵本を読んで差し上げて――これは赤ちゃんでママさんです。絵本を読んで差し上げて、是非御家庭でも読んであげてくださいと絵本を持ち帰っていただいて、親子のコミュニケーションとか、子供のいろいろな育ちの面でもいい点がありますよということです。それで、読んで、その後、若干の資料の説明はしたりしています。前は図書館の職員さんがやっていましたけれども、今はこういう対応は全てボランティアがやっています。これは当番制ですので、自分が回ってくるのは月に1回程度です。
 次に、預かりっこですけれども、これは、今、バランスボールをやっている団体がありまして、結構託児を頼むと費用がかかりますので、前半後半に分けて、前半の方がプレーしている間後半のお母さんたちとスタッフが前半の子供たちも含めて面倒を見よう、見守りしようと。そのお手伝いをやっています。私はほとんど子供さんを抱っこしているケースが多いんですけれども、最初はこういうふうにちょっと離れたところで様子を見ています。どの子を相手してあげようかなとか、どうしても泣きやまない子は、ちょっと預かって、だっこしてその辺を散歩してくるといったことをしています。これは、たまたまこの子とボール投げか、ボールを転がしたりして遊んでいる状況だと思います。
 ちょっとPRですけれども、福岡県庁のホームページに、ふくおかインターネットテレビの広報TV番組というところで、今年の4月に放送された今と同じ預かりっこの動画が見られますので、よろしかったら見ていただければと思います。
 あとの三つは、子育て支援センターなどのお手伝いです。
 支援センターで、外遊びやお誕生日会などいろいろなイベントがあります。そのときのお手伝いボランティアです。時には子供さんのお相手をしたり、準備や片付けのお手伝いとかいろいろあります。
 それから、保育園での見守りです。これは10月ぐらいから始まったんですけれども、保育園に行って、教室の中に入る場合もありますし、山登りの付添いや老人ホームへの慰問の付添いで、週に1日か3日行っています。
 あと、ボランティアセンターから、随時、何かのお祭りがあるからちょっと手伝ってくださいとか、海水浴に行くから手伝ってくださいとか、そういうことをやっています。
 それ以外にもボランティアをやっていて、自分としては、男女共同参画が基本で、それに関連するようなボランティアということでやっています。私は、第一には男女共同参画を目指すというか、そんな大げさではないですけれども、この一部として動ければいいなというふうにやっています。
 あんまり写真がないので、いろいろ引っ張ってきて、あるものだけちょっとお見せします。これはクリスマス会で赤ちゃんにプレゼントを渡しているところです。これは絵本を読み終わったのかこれから読むのかはわかりませんけれども、お母さんと子供さん方がいて読んでいるところです。これは自分の孫です。孫たちは、今、東京にいてめったに会えないので、たまに帰省してきたときには、こうやって遊んであげています。でも、こういう遊びは大きくなってきたのでなかなかしづらいけれども、子供さんは大体こういう抱きつきの遊びが好きなので、自分の孫じゃなくてもこういうことをよくやったりしています。
 なぜこのイクジイとボランティアの活動をやったのということで、よくそういう仕事をされていたんですかと聞かれるんですけれども、先ほど紹介がありましたように、現役のときはエンジニアでした。地域活動は全くしていませんでしたし、隣の人は何する人ぞ、で、全然知らないです。
 私はもともと宗像市の人間ではありません。宗像というのは、北九州と福岡のちょうど中間にある海や川や山や自然が豊かなところですけれども、自分は風の人で、土の人ではないので、全然知らないんですよね。地元も知らないし、かつ友達がいるわけでもない。そういうところで定年を迎えて、何をしようかなと言っているときに、初めは男性料理教室のチラシを妻が見つけて、暇だから習いに行ったらという状況で、習いに行きました。
 そうしたら、教えてくれる方たちはみんな食進会の方で、食進会も入りなさいよと言って、結構料理関係のボランティアをしたり、もうちょい遅れて、環境関係で竹を切るとか花を植えるという関係のボランティアをしたり、あと、認知症関係のものをやってきました。そうしているうちに、ボランティアセンターに行くと、子供さんはどうですかと聞かれて、このとき初めて、ボランティアに子供相手のものもあるんだと知ったんです。半年ぐらいして、いろいろな講座をやっているのがわかって、何とかボランティア養成講座とかそういうのを受けて、関連の団体に参加してきて、今があるということです。
 それと、ふくおか子育てマイスターというのが昨年から始まっています。これは、60歳以上の高齢者を対象に7日間、30時間、年8回やって、11月末で累計449名のマイスターが誕生しているそうです。いろいろなところで活躍されています。
 なぜ自分は子育てマイスターとなったかですが、既に子育て関連ボランティアの活動をしていましたけれども、特に資格を持っているわけではないし、今まで受けた研修もどちらかと言うと一部分で、このマイスター研修はカリキュラムが総合的な内容なので、勉強と思って受講したと。
 受けた結果、自分たちは、結局、支援センターとかそういうところもみんな職員さんがおられますので、プロの方がおられると。マイスターは支援、お手伝い、補助が基本ですよと。それから、昔と子育ても違いますから、昔のやり方を押しつけないでくださいね。それから、お母さん方から相談を受けても、まともにそれに答えるのではなくて、ママは自分のやっていることに安心したいんです、と。「ああ、そうなんだ」と。それから、子供さんたちに対しては、無償の愛で接してくださいと。勉強になったことが多いです。あとは人や新たなボランティア団体を知ったので、自分の活動範囲が広がってきました。
 それと、イクジイ・ボランティア活動で苦心したことなどですが、特に子育て支援関係というのは、ほとんどが女性なんです。現実に私が入っている幾つかの団体も全部女性だけです。だから、男性はなかなか入りづらいんだろうなと思っています。じゃあ、お前は何だと言われますけれども。
 それから、団体の紹介の冊子があるんですけれども、多分皆さんの本音としては、生の日頃の活動状況を見たいと思うんですが、いつどこで活動しているかがなかなかわからないんですよ。教えてくれと言っても、個人情報ですからと言って、結構教えてくれなかったりするので、これに苦労しました。今は結構年数をやっていますので、誰に聞いたらいいかもわかりますので、ちょっと見に行ってみようということでやっています。
 それと、参加してみないと実態がわからないというのもあります。これならできるかなということで、半年間様子見をしたこともあります。辞めたボランティアも多いです。二十幾つ入って、残っているのが十ぐらいです。それだけやっています。それだけいろいろ経験したということもあるかもしれないです。
 ボランティア団体に入るときは、知人に、「今、何をされているんですか」「じゃあ、何かお手伝いできますか。今度行きます」という感じ、そういうノリでやってきています。
 最後に、イクジイ・ボランティア活動をしてよかったことは、ごく当たり前の毎日が充実で、楽しい、面白いですね。見ているだけでも面白いです。子供さんや親御さん、職員さんなどのいろいろな動きを見ていると面白いです。いろいろな方がおられますから。それから、勉強になるし、勉強すべきことが多い。本を読んだり、講演・講座を聞きに行ったり人の話を聞いたり、本当毎日がいろいろ忙しくなります。それから、視野、人脈が広がると。それから、優しくなりました。今更ながら妻の苦労に感謝していると。悪くなったことは思いつかないですね。
 一番申し上げたいのは、講座もボランティアも無料なんです。無料でこれだけ楽しめて、かつ社会貢献もできる。恩送りもできる。恩送りというのは、自分が今あるのも今までいろいろな人にお世話になったからです。直接はなかなかお返しできないので、若い人たちに間接的にお返しをするということで恩送りという言葉を使っていますけれども。自分が典型的な団塊の世代ど真ん中で、暇もあるし、私はちょっといろいろありましたので財力は実はないんで、この無料というところに非常に魅力を感じてやっております。
 拙い説明でしたけれども、ありがとうございました。これで終わらせていただきます。(拍手)
【新木】  郷司様ありがとうございました。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課 環境・高齢者教育担当

(生涯学習政策局社会教育課 環境・高齢者担当)

-- 登録:平成26年02月 --