資料1 長寿社会における生涯学習の在り方について(骨子案)

平成24年1月19日

1 長寿社会の到来と生涯学習

1 新しい時代の到来

(1)長寿社会における多毛作人生の設計

(長寿社会の到来)

  • 我が国の平均寿命は、戦後まもない1947年には男性が50.06歳、女性が53.96歳であったが、2009年には、男性が79.64歳、女性が86.39歳に達し、人生100年時代の長寿社会が到来しつつある。
  • 寿命が驚異的に伸びる一方で、こどもの出生率の低下とあいまって、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は世界でも類をみないスピードで高まっている。1970年に7%を超えたわが国の高齢化率は、2000年には17%を超え、2010年現在23.1%となっている。今後、高齢化率はさらに高まるが、中でも急速に増加するのが、75歳以上の人口である。
  • 一方、個人に目を向けると、生涯未婚率の上昇や離別・死別が増える中で、今後、高齢単身世帯が急速に増加(女性の場合は経済的自立、男性の場合は生活自立が困難)することにより、社会的孤立や貧困の増加が懸念される。
  • このような長寿社会の到来は、高齢者だけに限らず、すべての世代の人々が、長寿という新たな社会を生きることを意味している。このことを踏まえた上で、今後の人生設計をどうするのか、そして喫緊の課題である急増する高齢者の生き方をどうとらえるのかを、生涯学習の課題として検討する必要がある。 

(多毛作人生の設計)

  • 長寿社会の到来によって、退職期にあたる65歳時の平均余命が伸張(男性約20年、女性約25年)し、リタイア後の人生をいかに、健康で、自らが持つ能力を最大限に活用して生きていくかが重要となってきた。
  • 我が国の平均寿命が50歳乃至60歳であった時代の画一的な人生モデルが多くの人の求めにそぐわないものとなっており、90年~100年の人生をどう生きていくのか、自ら設計することが求められている。
  • 多様な人生設計が可能となった分、人生設計のあり方そのものが問われている。 

(2)地域社会の支え手としての高齢者

(社会システムの見直し)

  • 現在の社会インフラは、若い世代が多く高齢世代が少ないピラミッド型の人口構造の時代に形成されたもので、人口の3割が高齢者となりつつある逆ピラミッド型のニーズには対応できなくなっており、すでに医療・介護問題や、高齢者の引きこもりや孤独死、リタイア後の活躍場所の不足など、様々な問題が顕在化している。
  • また、これまで、高齢化の問題は、主に地方の問題とされてきたが、今後、特に都市部(都市近郊部を含む)における高齢者人口の増加が問題となってくる。高度成長時代のいわゆるベッドタウンとして発展した都市近郊部においては、旧来の住民と新住民が混在する地域が多く、近所付き合い等を含むコミュニティ活動が地方と比較して希薄であり、これが特に男性のリタイア後の生活に大きな課題となってくることが懸念される。
  • 上記のような課題を解決していくためには、これらの課題を高齢者だけのものではなく、若者も含め長寿社会に生きるすべての世代にわたる課題であることを認識しつつ、新たな価値観の創造と社会システムの見直しが必要である。

(若返る元気な高齢者)

  • 高齢社会というと保健・医療・福祉、特に福祉というイメージが先行してしまうが、実際には65歳以上の高齢者のうち、寝たきり・痴呆性・虚弱高齢者の割合は10~15%に留まると予想され、残りの約9割は健常な高齢者である。また、最近の高齢者は昔の高齢者と比較して若返っているといういくつかの検証もある。
  • 例えば、2002年の高齢者は1992年の高齢者と比較して、男女ともに、通常歩行速度が11歳若返っている(鈴木隆雄他「日本人高齢者における身体機能の縦断的・横断的変化に関する研究」(第53巻第4号「厚生の指標」2006年4月,p1-10))他、握力についても若返ってきていることが検証されている。
  • また、一般的に、認知能力は加齢により低下するとの誤解があるが、短期記憶能力は年齢とともに大きく低下する傾向があるものの、日常問題解決能力や言語(語彙)能力は、年齢とともにさらに向上することが検証されているなど、人間の能力の変化は多次元で多方向といえ、人生の各段階で能力を最大限に活用して生きることがより一層必要とされている。

(社会的役割を担う存在としての高齢者)

  • 今後、ますます少子化が進み、高齢化率が高まる我が国においては、高齢者を地域社会の担い手として活用するという視点が重要になってくる。
  • 長い人生の中で培ってきた豊かな知識と経験を有する高齢者は、有益な社会資源であり、高齢者の社会参画・社会貢献を促すことにより、地域社会の活性化につながるという積極的な面も有している。
  • 高齢者の大半は元気な高齢者であり、これまでのような社会的な弱者として保護される人との見方から、人生の第1ステージを修了し、第2ステージに立ち、社会の一員として地域社会を支える人と見方を変える必要がある。

(生涯現役志向の高まり)

  • 特に、今後、定年退職時期を迎える「団塊の世代」は、定年後も隠居生活よりは、社会と積極的に関わっていきたいと「生涯現役」を志向する者が多く、そのような旺盛な学習意欲・活動意欲を有している団塊の世代が、新たな学習の機会を通じて、自分を高め、社会貢献・地域貢献の役割を担っていくことが期待される。

2 長寿社会における生涯学習の意義と役割

(1)生涯学習とは

  • 「生涯学習」は、自己の充実や生活の向上のために、人生の各段階での課題や必要に応じて、あらゆる場所、時間、方法により学習者が自発的に行う自由で広範な学習である。学校や社会の中で意図的・組織的な学習活動のみならず、スポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動を通じた学びも含むものである。
  • 従来、高齢者の生涯学習についての行政の取組は、趣味・教養についての学習活動自体に重きがおかれてきた。個人の自立のための学びももちろん重要であるが、高齢者の社会参画が重要となっている今日、職業生活で得た知識・経験や、現代的課題等について新たに学習した成果を地域社会での様々な形で実践し、それらの活動を通じた学びというものも、生涯学習であることを再確認することが必要である。

(2)長寿社会における生涯学習の意義・役割

(個人の自立と社会での協働に資する生涯学習)

  • 少子・高齢化の進展、産業構造の変化、情報技術の急速な発展など、近年の社会情勢の変化の中で、人々の価値観は多様化しており、求められる「学び」の内容も変化してきている。
  • このような社会において、高齢者が日常生活で直面する課題を的確に解決し、高齢期における新たな可能性を追求しつつ、豊かで充実した良質な第二、第三の人生を送るためには、自らが選択した人生設計に即し、実際生活や職業生活に必要な新たな知識・技能を身につけたり、社会参加に必要な学習を行うなど、生涯にわたって学習に取り組むことが不可欠である。

(新たな縁の構築に資する生涯学習)

  • また、学習成果を様々な方法や場で生かすことは、豊かな人間性や地域の活性化にもつながる。「社縁」、「血縁」、「地縁」の切れた現代社会において、豊かで活力ある長寿社会を実現するためには、生涯学習を通じて、新たな縁(ex:「学習縁」)を構築するとともに、高齢者一人一人が、若者と同様に社会の重要な一員として、積極的に社会参画できる社会の構築が必要である。

(教育的な観点からの生涯学習)

  • 「高齢社会」=問題と捉えてしまうと、高齢者を保護・支援すべき対象として捉えてしまい、これへの対策として福祉的な側面として生涯学習が位置づけられてしまう。したがって、高齢者一人一人が、社会において重要な役割を担う一員として活躍できるよう学ぶという教育的な観点から生涯学習を捉えることが必要である。

(健康維持や介護予防に資する生涯学習)

  • 多くの高齢者にとって将来の不安は健康と介護に関するものであり、生涯学習を通じた社会参画を行うことで、健康維持や介護予防にもつながることを示していくことが必要である。 

2 長寿社会における生涯学習政策の今後の方向性

1 多様な学習機会の提供

(1)学習内容及び方法の工夫・充実

(学習者の主体的な学びの支援)

  • 長寿社会における生涯学習は、高齢者のみならず、若者も含めて考えていく必要があるが、特に高齢期(高齢準備期含む)における課題は多岐にわたっており、学びの提供においては、価値観を押しつけず、学びの選択肢を多く与えるような支援が必要である。

(学習者の参画による協働型プログラムの開発)

  • 学習プログラムの開発にあたっては、学習者のニーズが反映されるよう、企画・立案段階から住民や学習者が協働することができるように支援し、学習者が参加できるような仕組みの構築が必要である。

(学習内容)

  • 高齢者が、第二の人生を明るく安心して生活するためには、健康のこと、お金のこと、衣食住に関すること、人間関係のこと、介護や年金のしくみなど、自立した生活を送っていくための学び(個人の自立のための学び)が必要である。
  • 一方で、現在の日本社会においては、死の実感が、生活、意識、医療、教育など社会の様々な面で抜け落ちており、また、「死」と向き合う経験が減少しているために、実際に接したときの対応に苦慮している人が少なくない。こうした社会背景から、人生の終わり方(締めくくり方)に関する学びへの注目が集まっている。「死」と向き合うことで、生きる意味を見いだし、今、生きているこの一瞬を大切にすることができる。また、人生の締めくくり方についても、自分で選択することが可能な時代である。このため、第二、第三の人生設計を行う上で、「個人の自立のための学び」とともに、「人生の締めくくり方のための学び」も必要である。
  • また、ボランティア活動など社会活動に参加する場合、活動に関する知識や技術習得のための学びや地域において新たな人間関係を構築するための学びが必要であり、活動を通して、さらなる学習に発展していくことも考えられる。
  • 加えて、高齢者がICTを利活用できるようになることは、高齢者自身にとっても、買物等の生活の利便性が高まるとともに、「多様な情報に接することで新たな刺激が得られる」、「脳の活性化につながる」、さらには「活動的になり、交友関係や行動範囲が広がることで居場所ができる」、等の効果が見込まれる。地域社会にとっても、ICTリテラシーを持った高齢者を活用することにより、地域社会の活性化や地域での問題解決の促進につながるなどの影響が見込まれることから、高齢者こそ、ICTリテラシーを生活の基礎能力として学ぶことがセーフティネットの観点からも必要である。

(学習方法)

  • 学びの方法も学習者によって千差万別であるため、ワークショップ形式での学習等の方法も採り入れるなど、体験活動を通して、自ら解決していけるような工夫も必要である。
    (学びの循環)
  • 学習機会の提供にあたっては、これまでのような趣味・教養といった自己完結的な学習だけではなく、学習成果を活用することを視野におき、学びの循環を構築することが必要である。

(2)世代別の生涯学習の特性

(子ども・若者世代)

  • 若い世代では、例えば、学校での高齢者とのふれあい等を通じて、高齢者の心身の特徴などその実態について理解するとともに、長寿社会における自らの生き方、人生100年時代の多毛作人生のライフデザインを考える機会を設けることが重要である。 

(現役世代(20~50代))

  • 現役世代では、早い段階から第二の人生をどう充実させるかイメージしつつ、生涯学習や地域社会に積極的に関わり、仕事以外の人間関係を幅広く築くとともに、若い頃の働き方とは異なる第二の人生を生きるための人生設計についての学び(キャリア教育)が必要である。

(定年前後世代(50代後半~60代))

  • 定年前後世代では、退職後に向けた具体的な準備として、即実践につながる生活自立のための学習を行うことが必要である。具体的に何を学ぶかは自由だが、それまでの人生で培ってきた知識・経験をもとに、自らの生活を豊かにするとともに、地域社会における自己実現の可能性を認識させることが必要である。また、現役時代と異なり、役職や肩書きによらない対等なコミュニケーション方法についても、心得る必要がある。

(高齢者世代(70代~))

  • 高齢者世代では、社会貢献や地域・コミュニティ参画につながる生涯学習を行うことが望ましいが、趣味・教養も含め一生涯、学び続ける姿勢が重要である。

(3)学習が困難な者への支援

(積極的な普及・啓発)

  • 社会の変化に対応し、自立して生きていくために必要な学習等について、学習者が必ずしも積極的に学習をしようとしない場合等も考えられるが、そのような場合については、行政が積極的に学習機会を提供したり、学習者の興味・関心を呼び起こすための啓発活動を行っていくことが重要である。

(「届ける」生涯学習)

  • また、生涯学習行政においては、個人の自主的な意思を尊重するとの基本的な考え方から、一部例外はあるものの積極的に学習するもののみが対象となりがちであるが、高齢者の場合、身体的事由や家族の介護などの諸事情により学習ができない人が存在することを踏まえ、出前講座の導入や通信講座、ICTの活用など、行政側が、民間、NPO等と連携しつつ、積極的に「出向いていく」、「届ける」ことにより、きめ細かい支援を行っていくことが必要である。

【参考】インターネット利用率(資料:総務省2010年通信利用動向調査)
70代:39.2%(前年比6.3%増)
80代:22.3%(前年比1.8%増)
 

(4)高等教育機関との連携

(大学等への期待)

  • 学習内容や学習方法、学習場所などあらゆる面にわたり、高度化・多様化する高齢者の学習ニーズに的確に対応できるよう、大学や専門学校などの高等教育機関を始めとした多様な学習機関と相互に連携し、専門的かつ高度な人材や施設設備などの学習資源を有効に活用できる仕組みづくりが必要である。
  • 高等教育機関においては、近年、公開講座や高齢者の受入れ枠の設定、高齢者大学等との連携など、高齢者受入れのための取組が行われているものの、科目履修制度に留まることが多い。今後、現役学生との世代間交流の観点からの工夫はもちろんのこと、地域社会の一員として地域における学習の提供のみならず、その成果が活かされ「知の循環」が促進されるよう、地域の行政、企業、NPO等様々な主体との連携を進めることが期待される。
  • そのためには、適切なプログラム開発、受講形態の多様化、積極的な情報提供、財政的な支援など、高齢者が学びやすい環境整備を行うことが必要である。
  • また、今後は、特に、高齢者の高い就労意欲への対応として、大学や専門学校などが中心となって、定年前後世代のキャリア形成を目的とした学習機会を充実させていくことが必要である。

(放送大学への期待)

  • また、今年度から放送大学の授業については、地上波放送及びBS放送により全国的に提供することが可能となっており、今後、放送大学としても、高齢者の高度化・多様化する学習ニーズに対して、例えば地域の学習センターの活用やICTを活用した授業、受講者相互のコミュニティ形成などについて積極的に検討していくことが期待される。

【参考】各国の25歳以上の大学入学者の割合(2008年)
(出典)OECD「教育データベース2008年」(日本の数値は「学校基本調査」と文部科学省調べによる社会人入学生数)
各国平均 21%(アイスランド39%、スェーデン33%、アメリカ21%、イギリス19%、韓国18%、ドイツ14%、スペイン12%、イタリア10%等)に対し、日本2%
 

(5)関係機関相互の連携の促進

(生涯学習と福祉との連携)

  • 生涯学習社会においては、人々の学習活動を、教育委員会のみならず、医療福祉やまちづくりなどを担当する首長部局も含め、様々な立場から総合的に支援し、様々な行政ニーズの中で生涯学習の果たす潜在的効果を捉え直していく視点が重要であり、そのための仕組みを構築することが必要である。
  • 特に、高齢者については、これまで教育委員会を中心とした人づくりの観点、首長部局を中心とした高齢者福祉や高齢者の就労支援の観点など様々な観点から施策が展開されている。
  • このような双方の取組は引続き行っていく必要があるが、今後、長寿社会に向けた生涯学習を一層推進していくためには、個人の生きる力が社会全体の生きる力につながっていくように、公民館等の社会教育施設と地域包括支援センターとの連携も含め、教育委員会と首長部局が、一体となって、相互連携しながら取り組んでいくことが不可欠である。

(既存の地域組織との連携)

  • 社会教育関係団体、ボランティア団体をはじめとするNPO、さらには自治・町内会、老人クラブ等の地縁による団体をも含め、これらとの連携を行っていくことが必要である。

2 学習成果の活用としての社会参画の促進

(1)学習成果の活用促進

  • 高齢者が有する豊かな知識・技術、社会的経験などを有効な社会的資源として、ボランティア活動など地域活動の担い手やソーシャルビジネス・コミュニティビジネスのような新しい就労の場での活躍を含め、地域社会に還元するための環境づくりを進め、高齢者が、生きがいを感じ、自らの社会的存在意義を認識することができる活力ある社会を形成していくことが重要である。
  • そのためには、地域社会へ入っていく際に、現役時代の慣習(特に、役職や肩書きによる上下意識)を持ち込むことにより、トラブルとならないよう、生涯学習を通じて、地域での基本的なルールや地域での円滑なコミュニケーションの方法を学ぶことが必要である。
  • また、ワークライフバランスなどの側面も含め、企業の協力・支援を得ていくことも必要である。 

(2)コーディネート機能の整備

  • 生涯学習は、生きがいの追求であり、自己実現のためであるが、単なる娯楽や、自己の向上を図る自己完結型の学習活動だけではなかなか満足は得られない。学習成果を社会や他者のために生かし、社会の中で自らの位置づけを自覚し、他者から感謝されることによって、より大きな満足が得られる。しかしながら、自分が何を学ぶべきか、また、学んだ成果をどのように活かせば良いのかわからないという人が少なくない。
    このため、個人の学習相談を行うアドバイザーの育成を行うとともに、学習からその成果を活かすまでに至る多様なニーズを把握し、生涯学習の成果を活かしたい高齢者と高齢者をボランティアや就労等で活用したい施設・機関等を円滑につなげる技能を有するコーディネーター人材の育成が必要である。
    コーディネート機能は、都道府県レベル、市区町村レベル、より住民に身近なレベル(小学校区又は中学校区)によって求められるスキルや知識が異なることから、各レベルに応じてコーディネーターに求められる内容を考える必要がある。
    また、現在、国、地方公共団体、民間団体等が養成・認定などを行っている様々なコーディネーター等が存在するが、これらの質保証を図り、さらに充実・活用を図っていく仕組みを構築する必要がある。

3 世代間交流の促進

  • 高齢者が積極的に社会参加する社会を形成していくためには、若者を含め周囲の人々が高齢者や高齢社会に対して誤った先入観や固定観念を持つことがないよう正しく理解することが必要である。
  • 家庭における世代間の交わりが減少する現代では、例えば、高齢者福祉施設への訪問や各種行事の開催など、意識的に若者と高齢者との世代間交流の機会を設けることにより、子どもは高齢者との交流を通して豊かな人間性を学ぶとともに、敬老の精神を涵養することができ、高齢者は子どもと触れあいにより生きがいや活力を得ることができる。

3 長寿社会における生涯学習支援の具体的方策

1 総合的な生涯学習推進体制の整備

(1)学習者の参画による協働型学習プログラムの開発及び提供

  • 関係機関の連携による学習者主体の生涯学習推進体制の構築(ex:行政、大学、民間、NPO、学習者によるコンソーシアムの設置による協働型学習プログラムの開発及び提供)
  • プログラムの内容としては、
    (1)地域社会を知るための学習プログラム、
    (2)地域の特性を踏まえた地域参画や地域貢献を支援する学習プログラム、
    (3)学校の空き教室のデイサービスセンターへの転用や、施設の複合化の促進も含め世代間交流を視野においた学習プログラム、
    (4)現代的課題に対応するための学習プログラム(老後の人生を生き生きと迎えていくに当たって、修得しておくことが望ましい知識など、いわゆる第二の義務教育的なプログラム) 
    などが考えられる。

(2)成果活用の仕組みづくり

  • 表彰制度、学習歴の登録など、学習活動を活性化する取組の実施
  • 人材バンクや学習ボランティア登録、社会通用性のある資格認定制度の創設など社会参画を促進するための取組の実施

(3)コーディネーター等人材の養成

  • 高齢者の生涯学習や社会参画をコーディネートできる人材の養成
  • 学習相談(地域参画相談を含む)体制の整備

(4)情報発信・情報収集

  • モデル的な取組事例の収集・提供
  • 生涯学習及び地域参画に関する情報の一元化・ネットワーク化 
  • リソースセンターの設置(成功事例・失敗事例も含めたデータバンク機能に基づき、困ったときにそこに行けば対応ができる総合事務局体制の整備)

(5)学校を核とした地域づくり

  • 高齢者を活用した学校教育支援・子育て支援など制度面での整備
  • 高齢者の居場所としての学校の活用 など

2 各主体の役割

(1)行政の役割(国、都道府県、市町村の役割)

(市町村の役割)

  • 学習者が多様な場所で行っている生涯学習を包括
  • 地域住民、NPO、学校、高等教育機関、社会教育施設、民間業者、企業等と連携を促進し、多様な学習プログラムを開発・提供
  • 人材育成やNPO活動の促進など、自律的かつ持続的な取組のための環境の整備 
  • 高齢者の活躍場所の提供・斡旋

(都道府県の役割)

  • 地域におけるモデル的な取組の推進、普及・啓発
  • 優れた先導的案事例を地域で普及するための研究協議会等の開催
  • 広域的な観点からの人材育成やNPO活動の促進など、自律的かつ持続的な取組のための環境の整備
  • 広域的な視点や地域間の取組の格差是正の観点からの、市町村等に対する情報提供や助言(リソースセンターとしての役割)

(国の役割)

  • 今後の方向性と具体的施策の提示
  • 地方自治体との意見交換
  • 関係府省や関係制度との連携 
  • 優れた先導的案事例を全国普及するための研究協議会等の開催
  • 地域におけるモデル的な事業の開発・実施
  • 全国的な視点からの人材育成やNPO活動の促進など、自律的かつ持続的な取組のための環境の整備
  • 広域的な観点や地域間の取組の格差是正の観点からの、都道府県・市町村等に対する情報提供や助言(リソースセンターとしての役割)

 

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課

(生涯学習政策局男女共同参画学習課)

-- 登録:平成24年01月 --