原子力損害の補完的な補償に関する条約の実施に伴う改正

 法律又は政令の名称

 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律

 規制の名称

 原子力損害の補完的な補償に関する条約の実施に伴う改正

 規制の区分

 新設

 担当部局

 文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室

 評価実施時期

 令和2年4月

 

1 事前評価時の想定との比較

(1) 課題を取り巻く社会経済情勢や科学技術の変化による影響及び想定外の影響の発現の有無

 事前評価後も課題を取り巻く社会経済情勢等の変化による影響及び想定外の影響の発現は無い。

 

(2) 事前評価時におけるベースラインの検証

 規制の事前評価後、本件に関する社会経済情勢等の変化による影響は見受けられないため、ベースラインは事前評価時と変更はない。
 

(3) 必要性の検証

 規制の事前評価後、本件に関する大幅な社会経済情勢等の変化による影響は見受けられなかった。よって、事前評価時と同様に当該措置は原子力損害の補完的な補償に関する条約に規定されている義務(具体的には、付属書第5条4(保険者の解除制限)等)を担保するための唯一の手段であることから、当該規制は必要である。

 

2 費用、効果(便益)及び間接的な影響の把握

(4) 「遵守費用」の把握

 当該規制は、原子力損害賠償責任保険契約の保険者が負担する書類作成等の手続費用等が遵守費用に該当するが、当該規制新設後、これまでに実施されたことはないため、遵守費用を把握することは困難である。

 

(5) 「行政費用」の把握

 当該規制による新たな行政費用は発生していない。

 

(6) 効果(定量化)の把握

 当該規制を課すことにより、原子力損害賠償責任保険契約による損害賠償措置の安定性を確保できており、規制の事前評価時に見込んだ効果とかい離はないが、当該規制新設後、これまでに実施されたことはないため、その効果を定量的に把握することは困難である。

 

(7) 便益(金銭価値化)の把握

 規制の事前評価時に見込んだ効果が発現しているが、当該規制新設後、これまでに実施されたことはないため、その効果を定量的に把握することは困難であり、そのため金銭価値化して便益を把握することも困難である。

 

(8) 「副次的な影響及び波及的な影響」の把握

 当該規制による副次的な影響及び波及的な影響は特段見受けられなかった。

 

3 考察

(9) 効果の項目の把握と主要な項目の定量化は可能な限り必要

 当該規制は、今後の原子力事故発生時における原子力損害賠償の実施の安定性を確保するための規制であり、これまでに実施されたことはなく、遵守費用が発生する場合があるが、原子力損害の補完的な補償に関する条約に規定されている義務(具体的には、第5条4(保険者の解除制限)等)を担保するための唯一の手段である。よって、当該規制は、継続することが妥当である。

 

以上
 

原子力損害の補完的な補償に関する条約の実施に伴う改正(要旨)

 法律又は政令の名称

 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律

 規制の名称

 原子力損害の補完的な補償に関する条約の実施に伴う改正

 規制の区分

 新設

 担当部局

 文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室

 評価実施時期

 令和2年4月

 事前評価時の想定との比較

課題を取り巻く社会情勢等の変化による影響及び想定外の影響の発現

 見受けられない。

ベースラインの検証

 事前評価時と変わらない。

必要性の検証

 現在も認められる。

 遵守費用

 書類作成等の手続費用等

 行政費用

 発生していない。

 効果(定量化)の把握

 定量的に把握することは困難である。

 便益(金銭価値化)の把握

 効果を定量的に把握することは困難であり、金銭価値化して便益を把握することも困難である。

 副次的な影響及び波及的な影響

 特段見受けられなかった。

 把握した費用、効果及び間接的な影響に基づく妥当性

 当該規制は、今後の原子力事故発生時における原子力損害賠償の実施の安定性を確保するための規制であり、原子力損害の補完的な補償に関する条約に規定されている義務を担保するための唯一の手段であることから、継続することが妥当である。

 事後評価の実施時期等

 令和7年4月(実施予定)

 

お問合せ先

文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室

(文部科学省研究開発局原子力損害賠償対策室)