法律又は政令の名称 |
学校教育法施行令の一部を改正する政令案 |
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規制の名称 |
高等学校の広域の通信制の課程の学則の軽微な変更の届出事項化 |
規制の区分 |
改正(拡充、緩和) |
担当部局 |
初等中等教育局参事官(高等学校担当) |
評価実施時期 |
令和4年11月 |
[1] 規制の導入に伴い発生する費用が少額
[2] 規制緩和措置であり、副次的な影響が無視できるもの
広域の通信制の課程を置く高等学校の学校数については、平成10年以降急激に増加しており、平成10年からの10年間で66校増加し、平成20年からの10年間で32校増加している。(平成10年10校→平成20年76校→平成30年108校)(出典:文部科学省調べ)
また、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第23条第1項第11号により、高等学校の広域の通信制の課程の学則変更は全て所轄庁の認可事項となっているため、私立学校審議会への諮問をはじめとした認可の手続きが必要である。したがって、広域の通信制の課程を置く高等学校の学校数の増加は、所轄庁の認可申請・審査に係る事務負担が増す一因となっていると思われ、「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」(令和3年12月21日閣議決定)においては、「高等学校の広域の通信制の課程の学則変更に係る都道府県知事等の認可(施行令23条1項11号)については、高等学校通信教育の質の保証・向上を前提とした上で、都道府県及び高等学校の事務負担軽減の観点も踏まえ、届出とすることを検討し、令和4年度中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされている。
他方で、一部の学校において違法・不適切な学校運営や教育活動が見受けられることが指摘されている(「『令和の日本型学校教育』の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議」の審議まとめ(令和4年8月29日))ことから、所轄庁において高等学校の通信制の課程の設置認可の適正化や専門的見地からの適切な指導監督等を着実に実施することにより、教育の質の確保・向上を図っていくことが求められている。
以上より、本政令による改正を行わない場合、所轄庁において高等学校の通信制の課程の教育の質の確保・向上に向けた方策に重点的に取り組む環境を整えることが難しくなる可能性がある。
[課題及びその発生原因]
高等学校の広域の通信制の課程に係る学則変更は全て所轄庁である都道府県知事等の認可を受けなければならないこととされている(学校教育法施行令第23条第1項第11号)。これは、広域の通信制の課程については、生徒の通学区域が県境を越えて広域にわたる等の特徴を有することから、他の課程(全日制の課程、定時制の課程及び狭域の通信制の課程)に比して、その配置の適正、教育水準の維持等の見地からその実施、廃止及び実施方法の変更について所轄庁において十分指導する必要があり、広域の通信制の課程を置く高等学校に対する指導の適正とその健全な発展を期そうとするためである。
しかしながら、近年、高等学校の広域の通信制の課程の設置が増加する中で、所轄庁における高等学校の通信制の課程の設置や学則変更等に係る認可手続きに係る事務負担が増していると思われる。また、一部の高等学校の通信制の課程において違法・不適切な学校運営や教育活動が見受けられ、所轄庁には、高等学校の通信制の課程の設置認可の適正化や専門的見地からの適切な指導監督等に注力することが求められている。
このため、所轄庁が教育の質の確保・向上に向けた方策に重点的に取り組む環境を整えることが重要であり、所轄庁の認可事項である高等学校の広域の通信制の課程の学則変更において教育の質確保・向上とは直接的に関わらない変更については届出事項とし、事務負担の軽減を図る必要がある。
[規制緩和の内容]
高等学校の広域の通信制の課程の学則変更のうち、教育の質確保・向上とは直接的に関わらない軽微な変更を届出事項とする。
なお、学則変更の一部について認可事項であったものが届出事項に改められることにより所轄庁の関与の度合いが変更されるものの、その事項は限定的であり、また、所轄庁の事務負担を軽減することにより高等学校への指導等に注力することが期待されることから、本改正については許容されるものと考える。
[規制の内容]
学校教育法施行令第23条第1項第11号の「高等学校」には「中等教育学校の後期課程」が含まれていないが、これは号ずれに伴う手当がなされなかったことによるものであるため、今回、学則変更に認可又は届出が必要である広域の通信制の課程を置く高等学校に中等教育学校の後期課程を含める。
なお、現在、広域の通信制の課程を置く中等教育学校の後期課程は存在しないことから、事務負担の増加等の影響は生じない。
【遵守費用】
[届出事項への変更]
本政令による改正を行った場合、高等学校の広域の通信制の課程の学則変更に当たり、軽微な変更について当該課程を置く学校の設置者が届出申請を行う必要がある。そのため、申請にあたっての準備に係る事務費等が生じることが考えられるが、具体的な費用は、学則変更の意思の有無、担当職員の申請事務の経験の有無、必要な校内手続の内容等により左右されるため、算出は困難である。
ただし、本政令により認可事項であったものが届出事項に改められることにより、従来発生していた認可に係る所轄庁からの確認等のやりとりが大幅に減少することが想定され、総合すると費用が減少することが考えられる。
[中等教育学校の後期課程の追加]
広域の通信制の課程を置く中等教育学校の後期課程は存在せず、現時点で今後の設置予定もないため、遵守費用は生じない(本改正は号ずれに伴う手当のため、形式的に行うものである。)。
【行政費用】
[届出事項への変更]
本政令による改正を行った場合、所轄庁において、届出申請の受付業務等が生じることが考えられるが、他の届出申請案件と併せて処理することが想定されるため、本規制により発生する行政費用を切り分けて算出することは困難である。なお、認可事項の場合には私立学校審議会への諮問が必要であり、申請内容の精査や審議会の運営に係る事務負担等の費用が生じていたが、本政令により届出事項に緩和されることで学則変更に伴うこれらの費用の多くが不要になり、総合すると費用が減少することが考えられる。
[中等教育学校の後期課程の追加]
広域の通信制の課程を置く中等教育学校の後期課程は存在せず、現時点で今後の設置予定もないため、行政費用は生じない(本改正は号ずれに伴う手当のため、形式的に行うものである。)。
高等学校の広域の通信制の課程の学則変更の一部について認可制が届出制に改められることにより、所轄庁の関与の度合いが変更されるものの、届出事項は教育の質確保・向上とは直接的に関わらない変更のみであり、行政としてモニタリングを行う必要はない。
高等学校の広域の通信制の課程の学則変更の一部について認可制が届出制に改められることにより所轄庁の関与の度合いが変更されるものの、届出事項は通信制の課程を置く高等学校の教育の質確保・向上とは直接的に関わらない軽微な変更のみであり、本規制による副次的な影響及び波及的な影響は想定されない。
特段なし。
本規制には見直し条項が設けられていないことから、規制改革実施計画(平成26年6月24日閣議決定)を踏まえ、本規制に係る規定の施行の日から5年を目途に事後評価を実施することとする。
例えば、以下の事項を事後評価の指標として設定することが考えられる。
・通信制の課程を置く高等学校に対する所轄庁の調査等の実施状況
・広域の通信制の課程を置く中等教育学校の後期課程の数
以上
法律又は政令の名称 |
学校教育法施行令の一部を改正する政令案 |
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規制の名称 |
高等学校の広域の通信制の課程の学則の軽微な変更の届出事項化 |
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規制の区分 |
改正(拡充、緩和) |
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担当部局 |
初等中等教育局参事官(高等学校担当) |
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評価実施時期 |
令和4年11月 |
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簡素化した規制の事前評価の該当 | 簡素化した規制の事前評価の該当要件 [1]、[2] | |
規制の目的、内容及び必要性 |
高等学校の広域の通信制の課程に係る学則変更は全て所轄庁である都道府県知事等の認可を受けなければならないこととされている(学校教育法施行令第23条第1項第11号)。 |
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直接的な費用 |
遵守費用 |
[届出事項への変更] |
行政費用 |
[届出事項への変更] |
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副次的な影響及び波及的な影響 |
高等学校の広域の通信制の課程の学則変更の一部について認可制が届出制に改められることにより所轄庁の関与の度合いが変更されるものの、届出事項は通信制の課程を置く高等学校の教育の質確保・向上とは直接的に関わらない軽微な変更のみであり、本規制による副次的な影響及び波及的な影響は想定されない。 |
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その他の関連事項 |
特段なし。 |
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事後評価の実施時期等 |
本規制には見直し条項が設けられていないことから、規制改革実施計画(平成26年6月24日閣議決定)を踏まえ、本規制に係る規定の施行の日から5年を目途に事後評価を実施することとする。 |
初等中等教育局参事官(高等学校担当)