学校法人における特別の利益供与の禁止に係る対象者の規定

 法律又は政令の名称

 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

 規制の名称

 学校法人における特別の利益供与の禁止に係る対象者の規定

 規制の区分

 新設

 担当部局

 高等教育局私学部私学行政課

 評価実施時期

 令和元年7月

 

1 規制の目的、内容及び必要性 

(1) 規制を実施しない場合の将来予測(ベースライン)

 令和元年5月に公布された「学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年法律第11号)」により、私立学校法が改正され、学校法人の役員、評議員等の関係者に特別の利益供与が禁止されることとなり、当該「関係者」の範囲については、政令において規定されることとされた。
 今般の改正が行われなかった場合、特別の利益供与の禁止の範囲が規定されないこととなり、学校法人の役員、職員等がその法人における地位を利用して、自ら又は自らの親族等に対して利益を誘導される等学校法人の適切な事業運営が行われない可能性があり、その結果として、私立学校の教育研究の質の低下を招くおそれがある。


(2) 課題、課題発生の原因、課題解決手段の検討(新設にあっては、非規制手段との比較により規制手段を選択することの妥当性)

【課題及び課題発生の原因】
 (1)のとおり、特別の利益供与の禁止に係る対象範囲が不明確な状況であるため、法の委任に基づき、対象範囲を確定させる必要がある。


【規制以外の政策手段の内容】
 既に「学校教育法等の一部を改正する法律」公布されており、法の委任に基づき施行日である令和2年4月1日までに政令の規定の整備を行う必要があり、代替手段は存在しない。


【規制の内容】
 学校法人が特別の利益を与えてはならない対象として、同様の公益性を有する社会福祉法人との並びとして、以下の通り規定する。

  1. 設立者、理事、監事、評議員、職員(第1号)
  2. 1に掲げる者の配偶者又は三親等内の親族(第2号)
  3. 1、2に掲げる者と事実上婚姻関係と同様の事情にある者(第3号)
  4. 2、3に掲げる者のほか、1に掲げる者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持する者
  5. 学校法人の設立者が法人である場合、その法人が事業活動を支配する法人又はその法人の事業活動を支配する者として文部科学省令で定めるもの

2 直接的な費用の把握

(3) 「遵守費用」は金銭価値化(少なくとも定量化は必須)

 今回の新設する規制については、学校法人における新たな作業を発生させるものではなく、行政に対する義務や届出等に関するものではないため、新たな費用は発生しない。


(4) 規制緩和の場合、モニタリングの必要性など、「行政費用」の増加の可能性に留意

 該当せず


3 直接的な効果(便益)の把握

(5) 効果の項目の把握と主要な項目の定量化は可能な限り必要

 今回の規制の新設により、特別の利益供与の禁止の範囲が明確化され、確実に学校法人の経営管理体制の強化が図られ、学校法人の役員、職員等がその法人における地位を利用して、自ら又は自らの親族等に対して利益を誘導すること等が防止され、学校法人の適切な事業運営が期待される。


※規制の対象となる学校法人数
文部科学大臣所轄法人 663法人(平成30年4月現在)
都道府県知事所轄法人 7312法人(平成30年5月現在、準学校法人を含む)


(6) 可能であれば便益(金銭価値化)を把握

 ―


(7) 規制緩和の場合は、それにより削減される遵守費用額を便益として推計

 該当せず


4 副次的な影響及び波及的な影響の把握

(8) 当該規制による負の影響も含めた「副次的な影響及び波及的な影響」を把握することが必要

 当該規制による副次的な影響及び波及的な影響は想定されない。


5 費用と効果(便益)の関係

(9) 明らかとなった費用と効果(便益)の関係を分析し、効果(便益)が費用を正当化できるか検証

 遵守費用は発生しない一方で、改正案においては学校法人の経営管理体制の強化が図られ、学校法人の適切な事業運営が期待されるという便益が得られ、社会的な支援や信頼を得ていくことが可能となる。


6 代替案との比較

(10) 代替案は規制のオプション比較であり、各規制案を費用・効果(便益)の観点から比較考量し、採用案の妥当性を説明

 今回新設する規定は、法律の委任に基づき、特別の利益供与の禁止の対象範囲を定めるものであり、目的を達成するための最低限の規制となっている。


7 その他の関連事項

(11) 評価の活用状況等の明記

 該当せず


8 事後評価の実施時期等

(12) 事後評価の実施時期の明記

 「学校教育法等の一部を改正する法律」の附則において、この法律の公布後5年を目途として、この法律による改正後の各法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする検討規定を設けており、当該規定に基づき、「学校教育法等の一部を改正する法律」による私立学校法の改正に関する検討を行うと共に、今回の規制の新設に係る規定についても、検討を行う。具体的には、この法律の公布後4年後を目途に事後評価を実施し、5年後を目途とした見直しに向けた参考としたいが、見直し時期の前後により、事後評価の時期も変動しうる。


(13) 事後評価の際、費用、効果(便益)及び間接的な影響を把握するための指標等をあらかじめ明確にする。

 今回の規定の新設に係る規定も含め、「学校教育法等の一部を改正する法律」による私立学校法の改正により新設された事業計画及び事業に関する中期的な計画に関する策定の状況や情報公開の実施状況等の学校法人のガバナンスの状況を事後評価の指標として設定することが考えられる。


以上

 

学校法人における特別の利益供与の禁止に係る対象者の規定(要旨)

 法律又は政令の名称

 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

 規制の名称

 学校法人における特別の利益供与の禁止に係る対象者の規定

 規制の区分

 新設

 担当部局

 高等教育局私学部私学行政課

 評価実施時期

 令和元年7月

 規制の目的、内容及び必要性

 令和元年5月に公布された「学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年法律第11号)」により、私立学校法が改正され、学校法人の役員、評議員等の関係者に特別の利益供与が禁止されることとなり、当該「関係者」の範囲については、政令において規定されることとされた。
 今般の改正が行われなかった場合、特別の利益供与の禁止の範囲が規定されないこととなり、学校法人の適切な事業運営が行われない可能性があり、その結果として、私立学校の教育研究の質の低下を招くおそれがある。

 直接的な費用

 遵守費用

 新たな費用は発生しない。

 行政費用

 新たな費用は発生しない。

 直接的な効果(便益)

 学校法人の経営管理体制の強化が図られ、学校法人の適切な事業運営が期待される。

 副次的な影響及び波及的な影響

 当該規制による副次的な影響及び波及的な影響は想定されない。

 費用と効果(便益)の関係

 遵守費用は発生しない一方で、改正案においては学校法人の経営管理体制の強化が図られ、学校法人の適切な事業運営が期待されるという便益が得られ、社会的な支援や信頼を得ていくことが可能となる。

 代替案との比較

 今回新設する規定は、法律の委任に基づき、特別の利益供与の禁止の対象範囲を定めるものであり、目的を達成するための最低限の規制となっている。

 その他の関連事項

 ―

 事後評価の実施時期等

 5年後を目途に検討。

 

お問合せ先

高等教育局私学部私学行政課

(高等教育局私学部私学行政課)