政策目標7 科学技術・学術政策の総合的な推進

●概要

 科学技術と社会との調和に配慮し、国民、地域、国際等の視点に立ち、科学技術・学術政策を総合的に推進する。このため、4の施策によってその目的の達成を目指す。

●主管課(課長名)

 科学技術・学術政策局政策課(磯谷 桂介)

●評価

 科学技術関係人材の育成及び科学技術に関する国民意識の醸成、イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興、科学技術システム改革の先導、科学技術の国際活動の戦略的推進に向けた取組は、想定通り達成された。

●23年度実施施策の取組状況

○科学技術関係人材の育成及び科学技術に関する国民意識の醸成(施策目標7-1)

 モニタリングとしたため、モニタリング結果を参照。

○イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興(施策目標7-2)

 産学官連携システムの構築や大学等の成果の実用化等により、科学技術イノベーションを創出するためのシステムを構築し、広く社会・国民へ還元することを目指してきた。
 結果、国公私立大学等における民間企業との共同研究の実施件数の増加、各地域において産学官及び金融機関の連携体制の整備、大学と企業との連携による研究成果の実用化を促進する仕組みの構築等を行ってきており、想定通り達成できたと判断される。
 今後は、大学等が自ら産業界と連携し、新価値・市場創造に向けた新たな研究開発ニーズを発掘・創出する取組の増加、地域から国際市場を目指したイノベーションを創出する取組の増加、基礎研究から研究成果の展開に至るまで一気通貫で支援する仕組み等を構築することが必要である。

○科学技術システム改革の先導(施策目標7-3)

 研究開発評価システムの充実や大学及び研究機関等の特性に応じた研究開発評価活動により、優れた研究成果の創出や活用を促進することを目指してきた。
 結果、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)が目標値どおり普及し、研究費の不合理な重複や過度の集中の排除を支援することができた。また、研究開発評価事例研究会や研究開発評価人材育成研修のアンケートでは、各事業の満足度は各々90%を超えており、活動のあり方は概ね有効であったと考えられる。
 今後は、事業全体について、これまでの活動の知見を整理し、課題について分析するとともに、より実効的な研究開発評価のあり方について検討し、優れた研究成果の創出が可能となるような効果的・効率的な科学技術システムを構築することが必要である。

○科学技術の国際活動の戦略的推進(施策目標7-4)

 モニタリングとしたため、モニタリング結果を参照。

●24年度以降の政策への反映方針

○イノベーション創出に向けた産業連携の推進及び地域科学技術の振興(施策目標7-2)

・優れた技術シーズを有し、国際的な拠点形成を目指していても、地域内のリソースの範囲でしか社会実装に結び付けられておらず、研究開発の成果が国際市場を獲得するまでには至っていないなど、各地域・各機関の研究成果が各地域内に留まる傾向にある。このため、引き続き地域が主体的にイノベーションを創出する仕組みを構築する等、我が国の科学技術の多様性を確保する取組を推進するとともに、これまでの各地域の研究成果を社会実装にまでつなげ、国際競争力の強化につなげるために必要な予算等を要求する。
・大学等における産学官連携活動の基盤的な体制整備等により、産学官連携活動を推進するための土壌が構築されつつあるが、大きな社会的インパクトや新市場を創出するイノベーションにつながるシステムが構築できていない。このため、これまでの自然科学系研究者と企業を中心とした産学官連携から、研究開発独法、金融機関・商社や人社系研究者など産学官の連携範囲を広げ、シーズ・ニーズのマッチングの強化を図るなど、大学等における新価値・市場創造に向けた新たな研究開発ニーズを発掘・創出する取組を推進するために必要な予算等を要求する。
・経済産業省と連携して、産学官連携活動の効果や効率性の適切な評価指標について、2013年度の活用開始を目途に検討を進め、作成された評価指標を基に、今後の実績評価書の成果指標に関して検討を進める。
・基礎研究の成果から実用化までシームレスな支援等、大学等の研究成果を実用化につなぐ取組を推進するとともに、社会・産業界のビジョンを踏まえ、ハイリスクではあるが、実用化の期待が大きいテーマに対し、集中的な支援を行う仕組みなど、世界市場にインパクトを与える成果を持続的に創出するために必要な予算等を要求する。

○科学技術システム改革の先導(施策目標7-3)

・研究費の不合理な重複や過度の集中の排除等を推進するために、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)について、研究者の採択情報の速やかな登録や、審査時における重複確認の徹底など運用面での改善を図り、研究費の効果的な配分を実現させる。
・研究費の不正使用があった機関に対して重点的なフォローアップ調査を実施するとともに、不正の無かった機関に対してもサンプリングによる現地調査を行うなど、今後も不正対策を着実に進めることで、不正使用のリスクを低減させ、研究費の有効活用につなげる。
・引き続き、評価システムの改革を進めるために、これまでと同様の取組を行うとともに、これまでの知見を整理し、課題等について分析を行う。また、評価指針の改定を見据えて、より実効的な研究開発評価の在り方について検討を行うとともに、本事業をとおして、新たな課題についての情報収集や意見交換等を行う。
・科学技術政策研究所では、第4期科学技術基本計画の推進に資する調査研究を引き続き着実に実施し、成果の普及に務めるとともに、より一層、行政部局のニーズに適時・的確に応え、科学技術イノベーション政策の企画立案及び推進に資する基礎的なデータ等を提供していく。
・優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える」世界トップレベル拠点の構築を確実に達成するため、引き続き厳格かつきめ細やかなフォローアップを実施する。
・民間企業の研究開発投資を維持・拡大することにより、イノベーションの加速を通じた我が国の成長力・国際競争力を強化するため、経済産業省等と共同で平成25年度税制改正(租税特別措置)要望(総額型の控除上限の再引上げ(法人税額の20%→30%))を行う予定。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成24年10月 --