平成24年度要望・要望額:4,140百万円
スポーツ・青少年局競技スポーツ課(杉浦 久弘)
なし
「スポーツ立国戦略」(平成22年8月26日文部科学省策定)に掲げる目標の一つである「夏季・冬季オリンピック競技大会において、それぞれ過去最多(夏季37(アテネ)、冬季10(長野))を超えるメダル数の獲得」の実現を目指す。(直近のオリンピック競技大会でのメダル獲得数は、夏季2008年北京では25個、冬季2010年バンクーバーでは5個。)
トップレベル競技者が世界の強豪国に競り勝ち、確実にメダルを獲得することができるよう、メダル獲得が期待される競技をターゲット競技として、現場のニーズに即した多方面からの専門的かつ高度な支援を戦略的・包括的に実施する。また、メダル獲得数をさらに増加させるためには、女性トップアスリートの能力開発に注力することが効果的であると考え、女性のライフサイクルに着目し、男女の性差を踏まえて、出産・育児後に円滑に競技活動へ復帰できるようなトレーニング方法やコーチングなどの研究開発を実施する。
有能なアスリートをメダルポテンシャルアスリートまで確実に引き上げるシステム(パフォーマンスパスウェイ)を構築するとともに、各強化段階にあるアスリートを次段階へと引き上げるための特別強化・育成事業を実施する。
世界の強豪国ではトップアスリートに対するマルチサポート体制を充実させていることから、我が国においても、スポーツ医・科学、栄養学等の活用、競技用機器・用具等の開発、情報の収集・分析・戦略立案等を包括的に行う『チーム「ニッポン」マルチサポート事業』を平成20年度にスタートさせ、我が国のマルチサポート体制も構築されつつあるが、「スポーツ立国戦略」の目標のひとつである「夏季・冬季オリンピック競技大会において、それぞれ過去最多(夏季37(アテネ)、冬季10(長野))を超えるメダル数の獲得」を実現するため、マルチサポートを通じてトップアスリートの能力を最大限に引き出し、トップレベル競技者が世界の強豪国に競り勝ち、確実にメダルを獲得できる体制の構築が、より一層求められている。
また、FIFA女子ワールドカップドイツ2011で日本代表「なでしこジャパン」が厳しい競技環境を乗り越えて優勝するなど、男性アスリートに比べて経済的に恵まれないケースも多い女性アスリートへの支援が求められている。
オリンピックでのメダル獲得数は、「メダルポテンシャルアスリートの数×メダル獲得成功率」で決まると言われているが、我が国は、諸外国と比べると、メダルポテンシャルアスリートの数・メダル獲得成功率が共に低いため、メダル獲得数の底上げができていないのが現状である。上記の目標を達成するため、パフォーマンスパスウェイを構築し、メダルポテンシャルアスリートを安定的に確保することが求められている。
「オリンピック競技大会おける過去最多(夏季37(アテネ)、冬季10(長野))を超えるメダル数の獲得」という成果目標に対して、「平成24年7月開会予定のロンドンオリンピック競技大会及び平成26年2月開会予定のソチオリンピック冬季競技大会における獲得メダル数」を指標とする。
マルチサポートによるメダル獲得プロジェクト
世界の強豪国の多くでは、メダル獲得数を増やすためにマルチサポート体制の構築を国家戦略として位置づけ、競技力を向上させており、これらの国に競り勝つためには、我が国も本事業を充実させることで国際競技力を向上させる必要がある。
メダルポテンシャルアスリート育成システム構築事業
我が国は、諸外国と比べると、メダルポテンシャルアスリートの数・メダル獲得成功率が共に低いため、メダル獲得数の底上げができておらず、国際競技力の向上のためには、パフォーマンスパスウェイを構築し、メダルポテンシャルアスリートを安定的に確保する必要がある。
オリンピック競技大会をはじめとした国際競技大会等に出場するトップレベル競技者については、地方又は企業等の代表としてではなく、国の代表として出場するという色彩が強いことから、国としてトップアスリートの育成・強化を支援する必要性は高い。
3.関係する施政方針演説、審議会の答申等
我が国は、アスリート個人の能力や努力に加えて、実業団中心の支援などによってオリンピック競技大会でメダルを獲得してきたが、90年代に入ると、世界の強豪国のトレーニング環境の整備や科学的なサポート体制の充実などによりオリンピック競技大会の成績は低迷していた。
こうした低迷期を抜け出すため、2001年にスポーツ医・科学サポート等を行う国立スポーツ科学センター(JISS)を、また、2008年にトップアスリートが集中的・継続的にトレーニングが行えるナショナルトレーニングセンター(NTC)をスタートさせたことを受けて、2000年代に入ってからのアテネオリンピック、北京オリンピックでは、国際競技力の回復の兆しが見られた。
現在、我が国の国際競技力は一時の低迷状態は脱しつつあるが、国際競技力のさらなる向上を図るためには、スポーツ関係団体の一層の連携・協力が必要不可欠である。
このため、これまで行ってきた国、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、中央競技団体(NF)を中心とした強化・支援体制に加えて、先端的な研究を行っている大学や競技用具等を開発している企業などのノウハウ等を活用したオールジャパン体制で一体的に国際競技力の向上に取り組むことにより、目標を達成する見込みがある。
(参考)オリンピック競技大会(過去5大会)のメダル獲得数の推移
92年バルセロナ:22個、96年アトランタ:14個、00年シドニー:18個、04年アテネ:37個、08年北京:25個
専門分野の立場から、強化育成プログラムの評価・調査を行い、各競技団体へのアドバイス、コンサルテーションを実施することで、パフォーマンスパスウェイの構築に貢献する。また、専門スタッフがメダルポテンシャルアスリートの情報を収集し、発掘・育成・強化を重点的に行うことで、メダルポテンシャルアスリートの安定的確保に寄与する。
マルチサポートによるメダル獲得プロジェクト
メダルポテンシャルアスリート育成システム構築事業
オリンピック競技大会において、過去最多を超えるメダルが獲得できる。
外国の例も参考に、オリンピックのメダル数以外の目標についても研究してほしい。
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成23年10月 --