2-7.口蹄疫等家畜伝染病に対応した獣医師育成環境整備事業(新規)【施策目標4-1】
平成23年度要求額:440百万円
(平成22年度予算額:―百万円)
事業開始年度:平成23年度
事業達成年度または定期評価実施年度:平成25年度
主管課(課長名)
高等教育局専門教育課(澤川 和宏)
関係課(課長名)
事業の概要等
1.事業目的
国民の健康・生活の安心を確保するため、臨床教育プログラムの開発や教育環境の整備に必要な経費を支援し、口蹄疫対策を担う産業動物獣医師等の養成強化を図る。
2.事業に至る経緯・今までの実績
- 口蹄疫の国内発生、鳥インフルエンザなど人獣共通感染症への対応、BSEを契機とした食の安全への関心の高まりなどを背景に、国民の健康・生活を守るため現場の最前線で家畜診療や防疫に従事する、産業動物獣医師や公務員獣医師に対する社会的ニーズが高まっている。
- その一方で、近年、産業動物獣医師等を志願する学生が減少傾向にあるが、背景の一つとして、大学における産業動物に関する臨床実習の機会や教育内容が不十分であり、学生にその魅力や意義を十分伝えきれていないことが 指摘されている。
- このため、全国の獣医系大学において、産業動物診療や家畜伝染病等防疫分野における臨床教育の充実を図り、高度な知識・技能を有する獣医師の養成を図ることが急務となっている。
3.事業概要
口蹄疫対策等を担う産業動物獣医師等の養成強化を図るため、以下の取組を支援。
- 産業動物診療分野や家畜感染症等防疫分野における臨床教育の充実・強化を図るため、必要な実習用機器(大型動物用診療車、遺伝子等解析システムなど)の整備
- 上記による実習用機器等を活用し、即戦力で活躍できる実践力を身に付けた獣医師養成を行うための臨床教育プログラムの開発
4.指標と目標
指標
- 産業動物診療分野や家畜伝染病等防疫分野において高度な教育環境が整備されている獣医学部・学科の数
- 修了生の進路状況(産業動物獣医師や公務員獣医師の増加) など
目標
国民の健康・生活の安心を確保するため、口蹄疫対策を担う産業動物獣医師等の養成強化を図る。
事業の事前評価結果
A.必要性の観点
1.事業の必要性
上述したとおり、現在大学における産業動物に関する臨床実習の機会や教育内容が不十分であり、学生にその魅力や意義を十分伝えきれていないなどの課題に対応するため、産業動物診療分野や家畜伝染病等防疫分野における臨床教育の充実を図り、高度な知識・技能を有する獣医師の養成を図る必要がある。また現在、獣医事審議会基本計画部会においても産業動物獣医師等の確保や技術の高度化を図る観点から、今後、修学資金の貸与や研修の充実等を図る必要があることが指摘されており、今後は政府一体として産業動物獣医師等の養成・確保に取り組んでいく必要がある。
2.行政・国の関与の必要性
本事業は国公私立大学を通じた施策において、口蹄疫対策等を担う産業動物獣医師等の養成強化を図るものであり、その緊急性や重要性に鑑み、行政・国の積極的な関与が必要である。
3.関係する施政方針演説、審議会の答申等
- 「新成長戦略」(平成22年6月28日閣議決定)
第3章 7つの戦略分野の基本方針を目標とする成果
(4)観光立国・地域活性化戦略 P26、(5)科学・技術・情報通信立国戦略 P29、(6)雇用・人材戦略 P35
- 民主党マニフェスト 7、農林水産業
- 獣医学教育の改善・充実に関する調査・研究協力者会議配布資料(平成22年5月11日)「今後の獣医学教育の改善・充実方策について 意見のとりまとめ(素案)」
- 平成22年度獣医事審議会第2回計画特別部会配布資料(平成22年8月12日)「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針(案)」
B.有効性の観点
目標の達成見込み
大学における産業動物に関する臨床実習の機会や教育内容が不十分であり、学生にその魅力や意義を十分伝えきれていないことなどが指摘されている中、産業動物診療や家畜伝染病等防疫分野における臨床教育の充実や教育プログラムの開発を支援することにより、高度な知識・技能を有する獣医師の養成が見込まれる。
C.効率性の観点
1.インプット
本事業の予算規模は、440百万円である。
(内訳)口蹄疫等家畜伝染病に対応した獣医師育成環境整備事業 440,000千円
2.アウトプット
産業動物診療分野等における教育内容の強化を図るため、必要な実習用機器が整備される。また、上記による実習用機器等を活用し、即戦力で活躍できる実践力を身に付けた獣医師養成を行うための臨床教育プログラムが開発される。
今後の方針及び外部評価・有識者委員からの指摘等
計画のとおり実施していくことが適当。