大学等の教育研究を支える基盤を強化しつつ、特色ある発展に向けた取組などを支援することや、事前・事後の評価の適切な役割分担と協調を確保すること等により、大学等の国際化や教育研究の質の向上・保証を推進する。
目標達成年度:毎年度(基準年度:毎年度)
高等教育局高等教育企画課(義本 博司)
高等教育局大学振興課(藤原 章夫)、同専門教育課(澤川 和宏)、同医学教育課(新木 一弘)、
同学生・留学生課(下間 康行)、同国立大学法人支援課(永山 賀久)
大学等の国際化や教育研究の質の向上・保証を推進するために、以下の5つの達成目標を設定して取り組む。
大学における教育内容・方法等の改善・充実を図り、各大学の個性・特色を踏まえた人材の育成機能を強化するとともに大学等の国際化を推進する。
国公私立大学を通じた大学教育改革プログラムは、各大学が教育面での改革の推進や個性・特色の一層の明確化を図るために、国公私立大学を通じた競争的環境の下で、優れた取組を選定・支援するものである。このため、本達成目標を計るにあたり、各プログラムの申請数・選定数を指標として設定する。また、大学教育改革の取組の一つであるFD(ファカルティ・ディベロップメント)や厳格な成績評価(GPA)、英語による授業等に取り組んでいる大学数を指標として設定する。
・判断基準4-1-1:競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組の展開状況
・判断基準4-1-1ロ:FDやGPA、英語による授業等に取り組む大学数
【FD (FacultyDevelopment:ファカルティ・ディベロップメント)】
教員が授業内容・方法を改善し、向上させるための組織的な取組の総称。その意味するところは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。
国際的に通用する高度職業専門人の育成を推進するため、専門職大学院等における教育の高度化への支援を図る。
「専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム」は、高等教育機関における高度専門職業人養成等の一層の強化を図ることを目的として、国公私立大学が行う、産業界、学協会、職能団体及び地方公共団体等との連携に基づいて教育方法等の充実に資する先導的な取組について、国公私を通じた競争的な環境の中で重点的に支援するものである。
専門職大学院は、科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴う、社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成へのニーズの高まりに対応するため、高度専門職業人の養成に目的を特化した大学院として平成15年度に創設された。
このため、本達成目標を計るにあたり、国公私立の専門職大学院において、当プログラムが支援を行った専攻数を指標として設定する。
・判断基準4-1-2:申請対象となる専攻数に占める「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」において支援を行った専門職大学院の専攻数の割合
国公私立大学を通じた競争的環境の下で、優れた若手研究者の育成機能の強化や国内外の大学・機関との連携強化等を通じて、国際的に卓越した教育研究拠点を形成するとともに、大学院教育の実質化を推進する。
国際的に魅力ある大学づくりを推進するため、国内外の大学・機関との連携と若手研究者の育成機能の強化を含め、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を支援するとともに、産業界をはじめ社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を育成する大学院(博士課程、修士課程)を対象として、コースワークの充実等の優れた組織的・体系的な教育取組を支援する。このため、本達成目標を計るにあたり、教育研究拠点の活動状況を測るための指標及び大学院における教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)の状況を指標として設定する。
・判断基準4-1-3イ:博士課程修了後の進路の多様化、研究活動の活発化、人材の国際流動性の向上など人材育成面や研究活動面における様々な指標
・判断基準4-1-3ロ:大学院における教育の実質化の状況
国公私立大学等の連携等を通じた地域振興のための取組など、各大学等がそれぞれの特色を生かして行う社会貢献の取組の充実を図る。
国公私立大学間の積極的な連携を支援する戦略的大学連携推進事業は、大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準の高度化、個性・特色の明確化を支援するものである。
また、複数の大学病院による緊密な連携及び得意分野の相互補完を支援する大学病院連携型高度医療人養成推進事業は、若手医師にとって魅力あるキャリア形成システムを構築し、質の高い専門医・臨床研究者を養成するものである。
このため、本達成目標を計るにあたり、同事業の申請数・選定数や、大学間の連携取組の一つである単位互換の状況、大学病院の緊密な連携の実施状況を指標として設定する。
・判断基準4-1-4イ:大学間の戦略的な連携取組の展開状況
・判断基準4-1-4ロ:単位互換の状況
・判断基準4-1-4ハ:大学病院の緊密な連携の実施状況
各大学の継続的な教育研究の質の向上に資するよう、事前・事後の評価の適切な役割分担と協調の確保を図る。このため、本達成目標を計るにあたっては、以下の指標を用いて判断することとする。
・判断基準4-1-5イ:届出制の導入で大学設置認可が弾力化したことによる大学等の参入や組織改編の促進状況
・判断基準4-1-5ロ:評価機関における評価の実施計画の達成状況
国立大学が質の高い教育研究を行うことができるよう、基盤的な環境の整備を図る。このため、本達成目標を計るにあたっては、国立大学法人の基盤強化の一因となる資金調達・資産運用の活発化のための環境整備の進捗状況により判断することとする。
・判断基準4-1-6:国立大学法人の資金調達・資産運用に関する環境整備の進捗状況
全体評価 A
判断基準イ | 競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組の展開状況 |
---|---|
S=大きく展開された。 A=着実に展開された。 B=十分には展開されなかった。 C=展開されなかった。 |
判断基準ロ | FDやGPA、英語による授業の実施等に取り組む大学数 |
---|---|
A=増加。 B=横ばい。 C=減少。 |
大学等の特色や個性に即した各種プログラムを継続的に実施することで、各大学等が自主的に特色・個性ある多様な取組を実施している。各大学等は申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組むと共に、フォーラム等へ積極的に参加する等、各大学等において積極的・意欲的な教育改革の取組が実施されている。
また、FD(ファカルティ・ディベロプメント)を行う大学、厳格な成績評価(GPA)を行う大学は順調に増加して来ており、大学において授業の質を高めるための取組も普及しつつある。
更に、英語による授業を実施している大学数が増加しており、大学の国際化に資する取組が進められている。
(一部の指標については、平成20年度のデータは未調査のため、平成19年度の数値に基づいて評価)
(指標・参考指標)
年度 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
イ.競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組の展開状況 | 1.「質の高い大学教育推進プログラム」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | - | 148 |
申請件数 | - | - | - | - | 939 | ||
2.「特色ある大学教育支援プログラム」選定件数(申請件数) | 選定件数 | 58 | 47 | 48 | 52 | - | |
申請件数 | 534 | 410 | 331 | 331 | - | ||
3.「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」選定件数(申請件数) | 選定件数 | 86 | 84 | 112 | 119 | - | |
申請件数 | 559 | 509 | 565 | 600 | - | ||
4.「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | 70 | 23 | |
申請件数 | - | - | - | 272 | 230 | ||
5.「大学教育の国際化推進プログラム(長期海外留学支援)」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | 75 | 107 | 143 | 182 | |
申請件数 | - | 85 | 141 | 178 | 234 | ||
6.「大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育研究実践支援)」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | 26 | 281 | 245 | 172 | |
申請件数 | - | 108 | 430 | 385 | 227 | ||
7.「大学教育の国際化推進プログラム(国際共同・連携支援)」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | - | 19 | |
申請件数 | - | - | - | - | 105 | ||
8.「大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | 15 | 5 | - | - | |
申請件数 | - | 104 | 78 | - | - | ||
9.「大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | 6 | - | |
申請件数 | - | - | - | 51 | - | ||
10.「社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」(平成18,19年度は「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」)選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | 20 | 22 | 16 | - | |
申請件数 | - | 55 | 110 | 72 | - | ||
11.「がんプロフェッショナル養成プラン」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | 18 | - | |
申請件数 | - | - | - | 22 | - | ||
12.「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | 6 | 2 | - | |
申請件数 | - | - | 26 | 8 | - | ||
13.「産学連携による実践型人材育成事業」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | - | 11 | |
申請件数 | - | - | - | - | 88 | ||
14.「派遣型高度人材育成協同プラン」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | 20 | 10 | - | - | |
申請件数 | - | 55 | 30 | - | - | ||
15.「ものづくり技術者育成支援事業」選定件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | 12 | - | |
申請件数 | - | - | - | 79 | - | ||
16.「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」採択件数(申請件数) | 選定件数 | - | - | - | 6 | - | |
申請件数 | - | - | - | 35 | - |
年度 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ロ.FDやGPA、英語による授業の実施等に取り組む大学数 | 1.ファカルティディベロップメントの取組を行っている大学数 | 大学数 | 534 | 575 | 628 | 664 | 未調査 |
割合(%) | 75 | 81 | 86 | 90 | 未調査 | ||
2.厳格な成績評価(GPA)の取組を行っている大学数 | 大学数 | 214 | 248 | 270 | 295 | 未調査 | |
割合(%) | 30 | 35 | 38 | 41 | 未調査 | ||
3.英語による授業を実施している大学数(学部段階) | 大学数 | - | - | 185 | 194 | 未調査 | |
割合(%) | - | - | 26 | 27 | 未調査 | ||
4.英語による授業を実施している大学数(研究科段階) | 大学数 | - | - | 158 | 177 | 未調査 | |
割合(%) | - | - | 27 | 30 | 未調査 |
※ 未調査の部分については、平成21年度中に調査を実施予定。
※ FDについては全学として実施している場合の大学数,その他については実施学部・研究科が一つ以上ある大学数を計上している。
(指標に用いたデータ・資料等)イ1.~16.、ロ1.~4.(文部科学省)
判断基準 | 申請対象となる専攻数に占める「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」において支援を行った専門職大学院の専攻数の割合 |
---|---|
S=75%以上 A=50~75% B=25~50% C=25%未満 |
共同取組を含め、平成20年度までに108専攻(累積)が当該プログラムによる支援を受けており、専門職大学院の62%が、高度専門職業人の養成を目的とした教育内容・方法の開発・充実等を図る取組を実施していることから、想定どおり達成したと判断した。
(指標)
年度 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
専門職大学院の教育の高度化に向けた取組への支援状況 | 「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」における支援専攻数 (平成16・17年度は「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」、18年度は「法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム」の件数、19年度は「専門職大学院等教育推進プログラム」、20年度は「専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム」の件数) |
支援専攻数(実数)※1(延べ) | 63 | 78 | 86 | 90 | 108 |
選定専攻数※2 | 63 | 18 | 21 | 36 | 47 | ||
設置専攻数 | 93 | 122 | 140 | 149 | 174 | ||
支援専攻数/設置専攻数(%) | 68 | 64 | 61 | 60 | 62 |
※1 財政支援した実専攻数(共同取組への参加を含む)。複数の取組が選定された専攻でも「1」とカウント。
※2 各年度に新規選定された専攻数(共同取組への参加を含む)
(参考指標)
年度 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
必要とされる取組の実施状況 | 「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」の支援を受けた取組の内容 | プログラムの選定件数(延べ) | 63 | 71 | 85 | 105 | 125 |
新たな教材開発(件数) | 34 | 37 | 43 | 51 | 52 | ||
カリキュラムの充実(件数) | 16 | 21 | 23 | 33 | 44 | ||
大学間ネットワークの形成等(件数) | 13 | 13 | 19 | 21 | 29 |
判断基準イ | 博士課程修了後の進路の多様化、研究活動の活発化、人材の国際流動性の向上など人材育成面や研究活動面における様々な指標 |
---|---|
S=大幅に進展した。 A=着実に進展した。 B=十分には進展しなかった。 C=進展しなかった。 |
判断基準ロ | 大学院における教育の実質化の状況 |
---|---|
S=大幅に進展した。 A=着実に進展した。 B=十分には進展しなかった。 C=進展しなかった。 |
文部科学省では、「新時代の大学院教育」(平成17年9月中央教育審議会答申)等において、21世紀COEプログラムをより充実・発展させて引き続き国際的に卓越した教育研究拠点に対して支援を行うことが必要性であると提言されたことを踏まえ、平成19年度より、国際的に卓越した教育研究拠点の形成をより重点的に支援する「グローバルCOEプログラム」を実施している。平成19年度には28大学63拠点(申請:111大学281拠点)、平成20年度には29大学68拠点(申請:130大学315拠点)を採択した。
グローバルCOEプログラムの採択拠点においては、申請時と比較して、博士課程修了者の企業への就職者数の増加、企業等との共同研究の実施件数の増加、国際学会での基調講演・招待講演回数の増加、外国人留学生数の増加など博士課程修了後の進路の多様化、研究活動の活発化、人材の国際流動性の向上など、人材育成面や研究活動面において成果が確認されている。今後は、事業の対象拠点とそれ以外を比較し、より明確に定量的、定性的に事業の効果を計ることとする。
(指標・参考指標)
18(申請時) | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|
博士課程修了後の進路の多様化 | 博士課程修了者の企業への就職率(企業への就職者数/全修了者数) | 23.9% | 26.7% | 25.8% |
研究活動の活発化 | 企業等との共同研究の実施件数 | 3,464件 | 3,881件 | 4,400件 |
海外大学・研究機関との共同研究の実施件数 | 1,690件 | 1,889件 | 2,199件 | |
国際学会での基調講演・招待講演回数 | 1,972回 | 2,224回 | 2,369回 | |
学生当たりのレフェリー付学術雑誌への論文発表数 | 0.43本/人 | 0.49本/人 | 0.52本/人 | |
人材の国際流動性の向上 | 外国人留学生数の割合(外国人留学生数/全学生数) | 14.2% | 15.3% | 16.0% |
年度 | 19 | 20 | |
---|---|---|---|
「グローバルCOEプログラム」選定件数(申請件数) | 選定件数 | 63 | 68 |
申請件数 | 281 | 315 |
さらに、「新時代の大学院教育」(平成17年9月中央教育審議会答申)を踏まえ、平成18年度から5年間の体系的・集中的な取組計画である「大学院教育振興施策要綱」(平成18年3月)を策定し、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)、国際的な通用性、信頼性の確保、国際競争力ある卓越した教育研究拠点の形成の3つの方向性を示し、国際的に魅力ある大学院づくりを推進している。
大学院教育の実質化については、各大学院の人材養成目的の明確化、FD実施の義務化、成績評価基準の明示等について大学院設置基準を改正(平成19年4月施行)し、さらにこれらを踏まえて、教育の実質化に向けた各大学院の優れた取組を支援する事業として、平成19年度より「大学院教育改革支援プログラム」を実施している。平成19年度には61大学126件(申請:154大学355件)、平成20年度には47大学66件(申請:161大学273件)を採択し、優れた組織的・体系的な教育取組に対して重点支援を行った。
また、各大学院における「大学院教育振興施策要綱」に明示した大学院教育の実質化に関する取組について調査を行ったところ、標準修業年限内での学位授与率が増加する(平成17年度:42.6%→平成18年度:43.5%)など博士の学位授与の円滑化が促進されている傾向がある。また、競争的資金等の外部資金によるTA(ティーチング・アシスタントの略、教育補助者として働き経済的援助を受けるもの)・RA(リサーチ・アシスタントの略、研究補助者として働き経済的援助を受けるもの)雇用を実施する大学が増加する(平成17年度:17.3%→平成18年度:19.7%)など大学院学生に対する経済的支援の強化が図られている。
(指標・参考指標)
年度 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|
大学院における教育の実質化の状況 | 「大学院教育改革支援プログラム」選定件数(申請件数) | 選定件数 | 126 | 66 |
申請件数 | 355 | 273 |
17 | 18 | 19 | 20 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
大学院における教育の実質化の状況 | 「大学院教育振興施策要綱」に明示した大学院教育の実質化に関する取組状況 | 標準修業年限内での学位授与率 | 42.6% | 43.5% | 未調査 | 未調査 |
競争的資金等の外部資金によるTA・RA雇用を実施する大学 | 17.3% | 19.7% | 未調査 | 未調査 |
以上のように制度改正や財政支援等の施策を通して、博士課程修了後の進路の多様化、研究活動の活発化、人材の国際流動性の向上など人材育成面や研究活動面において進展が確認されるとともに、大学院における教育の実質化が推進されており、本達成目標については着実に進展しているものと判断した。(一部の指標については、平成19年度、平成20年度のデータは未調査のため、平成18年度の数値に基づいて評価)
判断基準 | 競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の自主性・自律性に基づく特色ある優れた取組の展開状況 |
---|---|
S=大きく展開された。 A=着実に展開された。 B=十分には展開されなかった。 C=展開されなかった。 |
平成20年度より開始した戦略的大学連携支援事業を実施することで、国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準の更なる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化等を図っているところである。
また、同じく平成20年度より開始した「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」を実施することで、複数の大学が緊密に連携し、それぞれが得意とする分野の相互補完を図り、幅広い知識と技術を有する優れた専門医・臨床研究者を養成するプログラムの構築を支援している。
本取組により、大学病院間の連携が推進され、各病院を循環しながら修練や幅広い経験を積むことが出来る医師キャリア形成システム構築の活性化を促している。
以上より本達成目標は想定どおり達成された。
(指標・参考指標)
年度 | 20 | ||
---|---|---|---|
イ大学間の戦略的な連携取組の展開状況 | 「戦略的大学連携支援事業」選定件数(申請件数) | 選定件数 | 54 |
申請件数 | 94 |
年度 | 19 | 20 | ||
---|---|---|---|---|
ロ単位互換の状況 | 単位互換を行っている大学数 | 大学数 | 586 | 未調査 |
割合(%) | 79 | 未調査 |
年度 | 20 | ||
---|---|---|---|
ハ大学病院の緊密な連携の実施状況 | 「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」選定件数及び連携大学数 | 選定件数 | 19 |
連携大学数 | 74 |
(指標に用いたデータ・資料等)イ~ハ(文部科学省)
判断基準イ | 届出制の導入で大学設置認可が弾力化したことによる大学等の参入や組織改編の促進状況 |
---|---|
S=‐ A=促進された。 B=促進されなかった。 C=‐ |
|
判断基準ロ | 評価機関における評価の実施計画の達成状況 |
S=評価の実施件数が計画以上に達成されている。 (参考:評価計画【年間221校以上】・・・1.) A=評価の実施件数が計画通り達成されている。 (参考:評価計画【年間152校以上220校以下】・・・2.) B=評価の実施件数が計画通り達成されなかった。 (参考:評価計画【年間101校以上151校以下】) C=評価の実施件数が計画に比べほとんど達成されなかった。 (参考:評価件数【年間100校以下】・・・3.) 1・・・今後3年間評価を受けなければならない大学等の1年あたりの平均数 ((1063校‐402校)÷3年=220校) 2・・・平成16~22年度の7年間で実施しなければならない大学等の1年あたりの平均件数。 (1063校÷7校≒152校) 3・・・平成19年度までに評価を実施した大学等の1年あたりの平均件数 (402校÷4年≒101校) ※平成16~22年度の間に、評価を受けなければならない大学等は1063校となっている。そのうち平成19年度までに402校が評価を受けている。 |
届出制度の導入により、制度導入前(平成13年度~平成15年度開設分の平均302件)に比べ、毎年度の大学等の設置に係る届出、認可の総件数(平成16年度~平成21年度開設分の平均393件)は増加しており、大学設置認可の弾力化による大学等の参入や組織改編は、順調に進捗していると言える。
認証評価制度については大学等の質保証を目的として平成16年4月から導入された制度であるが、平成20年度については、175校の大学等が評価を受けており、平成16年度から累計する577校となっている。これは制度開始から5年で全体の約5割の大学等が認証評価を受けたことになり、認証評価制度が順調に機能してきていると言える。
また、認証評価機関の整備も一層の充実が図られ、平成20年度においては、経営分野を行う評価機関として大学基準協会が、助産分野を行う評価機関として日本助産評価機構が、新たに専門職大学院における分野別の評価機関として認証されている。
各判断基準に照らした結果及び平成20年度の状況から、各大学等の継続的な教育研究の質の向上に資するための大学評価システムは、大学設置認可の弾力化と合わせて順調に機能している。
13~15年度開設分平均 | 16年度開設分 | 17年度開設分 | 18年度開設分 | 19年度開設分 | 20年度開設分 | 21年度開設分 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1.大学等の設置届出の件数 | 1 | 276 | 265 | 356 | 243 | 258 | 235 |
2.大学等の設置認可の件数 | 302 | 196 | 127 | 126 | 110 | 87 | 78 |
14年度 | 15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | |
3.大学機関別認証評価実施数(大学・短期大学) | - | - | 34 | 65 | 118 | 185 | 175 |
判断基準 | 国立大学法人の資金調達・資産運用に関する環境整備の進捗状況 |
---|---|
S=大幅に進展した。 A=着実に進展した。 B=十分には進展しなかった。 C=進展しなかった。 |
大学の資金調達・運用に関するルール作りや学内体制の整備を行うに当たっての参考に供するため、調査研究を実施し、大学に周知した。なお、各法人では、このような調査研究も参考としつつ、資金調達・資産運用に努めており、寄附金受入額及び財務収益は増加傾向にある(平成20年度のデータは集計中のため、平成16年度から平成19年度の数値に基づく)。また、ライセンス対価等として取得した新株予約権の権利行使が可能である旨を大学に通知したほか、土地等の貸付等に係る考え方を示すことで資産運用の弾力化を図っている。以上より、国立大学法人の基盤強化の一つとして、資金調達・資産運用の活発化のための環境整備が着実に進展している。
(指標・参考指標)
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
寄付金受入額(億円) | 653 | 722 | 698 | 776 | (集計中) | ||
財務収益(億円) | 1.46 | 2.47 | 10.47 | 28.56 | (集計中) |
【必要性の観点】
新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す知的基盤社会においては、高等教育は、個人の人格の形成の上でも、社会・経済、文化の発展・振興や国際競争力の確保等の国家戦略の上でも極めて重要である。特に、人々の知的活動・創造力が最大限の資源である我が国にとって、優れた人材の養成と科学技術の振興は不可欠であり、高等教育の危機は社会の危機でもあると言え、大学等の教育研究の質の向上は、極めて必要性が高い。
【有効性の観点】
大学等の特色や個性に即した各種プログラムを継続的に実施することで、各大学等が自主的に特色・個性ある多様な取組を実施している。また、平成20年度から「戦略的大学連携支援事業」及び「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」を実施することにより、各大学の教育研究水準の更なる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化、医師キャリア形成システム構築の活性化が期待される。
また、本事業により達成されたものとしてFD(ファカルティ・ディベロプメント)、厳格な成績評価(GPA)を導入する大学の増加が挙げられるが、その他、英語による授業の実施大学が増加したことも明らかとなり、大学の国際化に資する取組が進められていることがわかった。
【効率性の観点】
(事業インプット)
• 大学等における教育改革に必要な経費
質の高い大学教育推進プログラム 2,650百万円
新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム 1,620百万円
大学教育の国際化加速プログラム 1,966百万円
がんプロフェッショナル養成プラン 1,900百万円
専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム 1,355万円
戦略的大学連携支援事業 3,000万円
大学病院連携型高度医療人養成推進事業 1,500万円
(事業アウトプット)
本事業の実施により、1.「質の高い大学教育推進プログラム」、「特色ある大学教育支援プログラム」など各大学等の特色・個性ある多様で自主的な取組の推進、2.「専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム」による高度専門職業人の育成、3.グローバルCOEなどによる国際競争力のある世界最高水準の教育研究拠点の形成の推進、4.大学評価システムの機能化、5.国立大学における基盤的環境整備の効果が見込まれる。
(事業アウトカム)
各事業に選定された大学等だけでなく、選定されなかった大学等も申請の検討過程等で教育改革に意欲的に取り組み、今後の教育改革につながる。
また大学等の教育研究の質の向上は、我が国の最大の資源である人々の知的活動・創造力の発展へとつながり、高等教育が我が国の活力ある発展を続けるための時代の牽引役となることが期待される。
以上のように事業の波及効果も認められ、効率性の観点からも妥当と判断した。
【予算要求への反映】
これまでの取組を引き続き推進
【機構定員要求への反映】
定員要求に反映
【具体的な反映内容について】
達成目標4-1-1については、順調に進捗しているが、各種プログラムについて一層社会の負託に応えるものとすべく、更なる充実に向けた検討を行い、今後も引き続き事業を実施する。
また、教育の質を高めるための取組について、各大学に自主的な取組を促すとともに、大学教育の新たな展開に対応する各大学の取組を引き続き支援する。
なお、平成19年度重要対象分野の評価結果において示された課題への対応は、次のとおりである。
1.キャリア教育について参加生徒・学生に及ぼす効果の把握を検討しているか。
→キャリア教育のモデル事業実施校に対しては、教育等への影響、目的に対する成果を把握している。
2.キャリア教育に関連するモデル事業の未実施校においても、事業期間の前後で比較・検証が行われているか。
→現在、全国国公私立大学のキャリア教育の実施状況及び取組内容に関する調査を行っており、引き続き本調査を行う予定であることから、モデル事業の未実施校におけるキャリア教育の実施状況及び取組内容を把握し、比較することとしている。
3.長期定点観測型の調査(パネル調査)の実施が検討されているか。
→現在、全国国公私立大学のキャリア教育の実施状況及び取組内容に関する調査を行っており、引き続きキャリア教育の取組状況を把握することとしている。
平成22年度機構定員要求においては、大学における教員養成支援体制の強化に伴い、大学振興課に課長補佐を新規に1名、教職大学院係長を新規に1名定員要求する。
また、大学等における技術者育成の振興のための体制の強化に伴い、専門教育課に技術者育成振興専門官を新規に1名定員要求する。
学生支援の充実のための体制の強化に伴い、学生・留学生課に学生支援振興係員を新規に1名、学生支援指導係員を新規に1名定員要求する。
達成目標4-1-2については専門職大学院における先導的な取組を支援することにより高度専門職業人養成が順調に進捗したことから平成20年度で終了する。なお、今後は各大学に自主的な取組を促すとともに、これまで支援した取組に関して実態調査等を実施し、その成果を検証する。平成22年度機構定員要求においては、法科大学院教育の振興のための体制の強化に伴い、専門教育課に法科大学院振興専門官を新規に1名、法科大学院係員を新規に1名定員要求する。
達成目標4-1-3については、順調に進捗しているが、国際的に卓越した教育研究拠点の形成及び大学院教育の実質化をさらに強力に推進するため引き続き事業を実施する。
達成目標4-1-4については、順調に進捗しているが、更に国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用するため、大学間連絡を行うための障害や理想的な在り方について調査・検証し、引き続き事業を実施する。
平成22年度機構定員要求においては、大学教育連携支援体制の強化に伴い、大学振興課に大学教育連携推進係長を新規に1名、大学教育連携推進係員を新規に1名定員要求する。
達成目標4-1-5については、順調に進捗しているが、更なる充実が必要であるため、制度改正の効果や認証評価を受けた大学等について調査・検証し、引き続き事業を実施する。
達成目標4-1-6については、順調に進捗しているが、更なる教育研究の質の向上を目指し、引き続き財政面を含めた基盤強化を図る。
特になし
特になし
※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。
【事業概要等】 | 【20年度の実績】 | 【22年度の予算要求への考え方】 |
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「質の高い大学教育推進プログラム」(開始:平成20年度 終了:平成22年度 20年度予算額:2,650百万円) | ||
大学設置基準等の改正等への積極的な対応を前提に、各大学等から申請された、教育の質の向上につながる教育取組の中から特に優れたものを選定し、広く社会に情報提供するとともに、重点的な財政支援を行うことにより、我が国全体としての高等教育の質保証、国際競争力の強化に資する。 | 平成20年度に148件の優れた取組を選定し、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。 また、各大学の教育改革の取組に資するため、フォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。 このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。 |
廃止 ※引き続き、大学教育改革の取組を推進するため、21年度からはこれを再編し、「大学教育・学生支援事業」を実施し、大学等の教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する。 |
「特色ある大学教育支援プログラム」(開始:平成15年度 終了:平成21年度 20年度予算額:2,083百万円) | ||
大学における教育改革の種々の取組の中から、特色ある優れた取組を選定し、支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、高等教育の活性化を図る。 | 【事業期間全体の総括】 平成15年度の事業開始以来、15年度に80件、16年度に58件、17年度に47件、18年度に48件、19年度に52件、合計285件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。平成15年度の事業開始以来、15年度に80件、16年度に58件、17年度に47件、18年度に48件、19年度に52件、合計285件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。 |
廃止 ※引き続き、大学教育改革の取組を推進するため、21年度からはこれを再編し、「大学教育・学生支援事業」を実施し、大学等の教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する。 |
「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(開始:平成16年度 終了:平成21年度 20年度予算額:3,849百万円) | ||
各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応した大学等の種々の取組の中から、特に優れた教育取組を選定し、支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、高等教育の活性化を図る。 | 【事業期間全体の総括】 平成16年度の事業開始以来、16年度に86件、17年度に84件、18年度に112件、19年度に119件、合計401件の優れた取組を選定し、複数年度にわたる継続的な支援を含め、財政支援を行い、教育改革の取組の更なる促進を図った。 また、各大学の教育改革の取組に資するため、ホームページの開設やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。 |
廃止 ※引き続き、大学教育改革の取組を推進するため、平成20年度より「質の高い大学教育推進プログラム」を実施しており、21年度からはこれを再編し、「大学教育・学生支援事業」を実施し、大学等の教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する。 |
「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(開始:平成19年度 終了:平成23年度 20年度予算額:1,620百万円) | ||
学生の人間力を高め人間性豊かな社会人を育成するため、各大学・短期大学・高等専門学校における、入学から卒業までを通じた組織的かつ総合的な学生支援のプログラムのうち、優れたプログラムを選定し、財政支援を行うとともに、広く社会に情報提供を行うことにより、学生支援機能の充実を図る。 | 23件の特色ある優れた取組を選定し、財政支援を行うことにより、各大学等における学生支援機能の充実を図った。また、各大学の教育改革の取組に資するため、事例集の作成やフォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。このプログラムの実施により、各大学において積極的な教育改革の取組が行われている。 | 廃止 ※引き続き、大学教育改革の取組を推進するため、平成21年度より「大学教育・学生支援事業」を実施し、大学等の教育の質向上を図ろうとする優れた取組を支援する。 |
「大学教育の国際化加速プログラム」(開始:平成17年度 終了:平成23年度 20年度予算額:1,966百万円) | ||
海外の複数大学と連携した先端的な教育活動、大学等の教職員等の海外派遣の優れた取組を選定し、財政支援を行うことで、高等教育の国際化の推進を図る。 | 【事業期間全体の総括】 平成17年度の事業開始以来、「長期海外留学支援」では17年度は75人、18年度は107人、19年度は143人、20年度は182人を派遣する取組、「海外先進教育研究実践支援」では17年度に26件、18年度に281件、19年度に245件の取組、20年度に172件の取組、「戦略的国際連携支援及び先端的国際連携支援」では17年度に15件、18年度に5件、19年度に6件の取組、「国際共同・連携支援」では、20年度に19件の取組を選定し、財政支援を行うことにより、大学教育の国際化の推進を図った。このプログラムの実施により、各大学において英語による授業の実施や、積極的な海外大学との連携協力や、学生の学位取得を前提とした海外派遣の取組が行われている。 |
廃止 ※平成21年度より「国際化拠点整備事業(グローバル30)」を実施しており、平成22年度についても引き続き同事業による大学の国際化を推進。 |
「がんプロフェッショナル養成プラン」 (開始:平成19年度 終了:平成24年度 20年度予算額:1,900百万円) | ||
がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師等、がんに特化した医療人を養成する取組の支援を行った。 | 平成19年度に選定された18件について、引き続き財政支援を行うことにより、大学教育の活性化を促進し、今後のがん医療を担う医療人の養成が推進された。 | 継続(継続校のみ) ※引き続き大学教育改革の取組を推進し、平成22年度についても、高度ながん医療を担う専門人材の養成を支援する。 |
「産学連携による実践型人材育成事業」(開始:平成17年度 終了:平成22年度 20年度予算額:733百万円) | ||
多様な社会の要請に対応できる人材や、新たな産業を創出する創造性豊かな人材など、実践的な人材を育成するため、大学・短期大学・高等専門学校(以下、「大学等」という)における産学連携による実践的な環境下での教育プログラムの開発・実施を通じて、大学等の実践型人材育成機能の抜本的強化を図る。 | ・「派遣型高度人材育成協同プラン」においては平成17年度及び平成18年度に選定された30プロジェクトにおいて、長期インターンシッププログラムの開発・実施が行われた。 ・「ものづくり技術者育成支援事業」においては平成19年度選定の12プロジェクトに加え、平成20年度に5プロジェクトを新たに選定し、ものづくり技術者を育成する教育プログラムの開発・実施が行われた。 ・「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」において平成19年度選定の7プロジェクトに加え、平成20年度に6プロジェクトを新たに選定し、サービスにおいて生産性の向上やイノベーション創出に寄与しうる資質をもった人材を育成する教育プログラムの開発・実施が行われた。 |
継続(継続校のみ) ※多様な社会の要請に対応できる人材や、新たな産業を創出する創造性豊かな人材育成など、大学等の実践型人材育成機能の強化を図るため、引き続き、大学等における産学連携による実践的な環境下での教育プログラムの開発・実施を支援する。 |
「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」(開始:平成18年度 終了:平成26年度 20年度予算額:828百万円) | ||
産学連携による教育内容・体制の強化により、世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを有し、企業等において先導的役割を担う人材を育成する教育拠点を形成する。 | 平成18年度に「世界水準のソフトウェア技術者育成拠点の形成拠点」として6拠点、さらに平成19年度に「高度なセキュリティ人材育成拠点の形成拠点」として2拠点を選定し、継続的に支援を行った。 平成18年に選定した事業については、情報科学の専門家や産業界の有識者による中間評価を実施し、世界最高水準のIT人材育成に向けた成果が認められた等の評価を得るなど、着実に進展している。 |
継続 ※引き続き、大学間及び産学の壁を越えて潜在力を結集し、教育内容・体制を強化することにより、世界最高水準のIT人材を育成するための教育拠点の形成を支援する。 |
各種機会を通じた各大学の自主的な取組の促進(開始:‐ 終了:‐ 20年度予算額:‐百万円) | ||
・今後の大学改革課題に機動的に対応するための先導的調査研究 ・各大学の教育内容等の改革状況調査 |
平成19年度において、FDを行う大学は前年度比36校、GPAを行う大学は前年度比24校、それぞれ増加している。 | 継続 ※H10年度以降毎年継続的に調査を実施しており、今後も引き続き実施予定。 |
専門職大学院等における高度専門職業人育成教育推進プログラム(開始:平成16年度 終了:平成21年度 20年度予算額:1,299百万円) | ||
各種の専門職大学院等における教育内容・方法の開発・充実等を図るため、優れた教育プロジェクトを行う専門職大学院等に対して重点的に支援を行った。 | 平成19年度からの継続取組(36専攻20件)の実施のほか、平成20年度に新規申請のあった取組については、有識者等で構成する「専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム選定委員会」において選定し、専門職大学院における優れた教育内容・方法の開発、充実等を目的とした取組が実施された。 | 当該プログラムによる、専門職大学院への取組支援が順調に進捗したことから、平成21年度支援(平成20年度選定分の継続支援)をもって終了する。 |
「グローバルCOEプログラム」(開始:平成19年度 終了:‐ 20年度予算額:33,986百万円) | ||
国内外の大学・機関との連携と若手研究者の育成機能の強化を含め、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を支援する。 | 平成20年度に29大学68拠点を新たに採択し、若手研究者の育成や、国内外の大学・機関との連携強化を含め国際的に卓越した教育研究拠点の形成に対する重点支援を行った。これにより、採択拠点において、博士課程修了後の進路の多様化、研究活動の活発化、人材の国際流動性の向上など人材育成面や研究活動面において進展が確認された。 | 継続 ※平成21年度は、新たに9拠点を採択し、引き続き国際的に卓越した教育研究拠点の形成に対する重点支援を行う |
「大学院教育改革支援プログラム」(開始:平成19年度 終了:‐ 20年度予算額:5,070百万円) | ||
大学院における社会で幅広く活躍する高度な人材の育成機能を強化し、人材の国際的好循環を構築するため、コースワークの充実等の大学院教育の優れた組織的・体系的な取組を支援する。 | 平成20年度に47大学66件の優れた取組を新たに選定し、財政支援を行い、大学院教育の組織的展開の更なる強化を図った。これに伴い、大学院における教育の実質化が着実に推進していることが確認された。 | 継続 ※平成21年度は、事業名称を「組織的な大学院教育改革推進プログラム」に変更するとともに、新たに26件程度を採択する予定であり、引き続き大学院教育の優れた組織的・体系的な取組を支援する。 |
「戦略的大学連携支援事業」(開始:平成20年度 終了:‐ 20年度予算額:3,000百万円) | ||
国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準のさらなる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化等を図る。平成20年度に54件の優れた取組を選定し、財政支援を行い、大学間連携の取組の促進を図った。 | 平成20年度に54件の優れた取組を選定し、財政支援を行い、大学間連携の取組の促進を図った。 また、大学間の戦略的な連携に資するため、フォーラムの開催などにより、広く社会に情報提供を行った。 このプログラムの実施により、各大学において積極的な大学間連携が行われている。 |
継続 ※引き続き、大学間連携を推進し、平成21年度より「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」を実施し、教育研究水準のさらなる高度化、教育活動の質保証、個性・特色の明確化に伴う機能別分化の促進と相互補完、大学運営基盤の強化等とともに、地域と一体となった人材育成を支援する。 |
「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」(開始:平成20年度 終了:‐ 20年度予算額:1,500百万円) | ||
若手医師にとって魅力あるキャリア形成システムを構築し、質の高い専門医・臨床研究者の養成を行う大学病院の取組を支援する。 | 19件の優れた取組を選定し、質の高い専門医や臨床研究者の養成に対する取組が促進された。 このプログラム実施により、大学病院の緊密な連携による相互補完が行われている。 |
継続 ※平成22年度以降は新規選定を行わず、平成20年度及び21年度選定の取組を各5年間支援する。 |
(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)
独法名 | 20年度予算額 | 事業概要 | 備考(その他関係する政策評価の番号) |
---|---|---|---|
‐ | ‐ | ‐ | ‐ |
○21年度に開始された事業の概要、予定指標(※これらは20年度実績評価の結果に関係するものではない)
【事業概要等】 | 【目標・設定予定の指標】 | 【22年度予算要求への考え方】 |
---|---|---|
大学教育・学生支援推進事業(終了:- 21年度予算額:11,002百万円) | ||
大学、短期大学、高等専門学校において、特に学士力の確保など主体的な教育の質保証に向けた優れた取組を480件程度の取組を選定する予定である。 | 【目標】 競争的環境の下、高等教育の活性化に向けた各大学の優れた取組が展開され、教育力の向上が図られることを目標とする。 【設定予定の指標】 ・教育の質保証に向けた優れた取組の展開状況 ・FD(ファカルティ・ディベロップメント)やGPA(厳格な成績評価)等の大学改革の取組を進める大学数 |
大学教育改革の取組を推進するため、22年度も引き続き事業を実施する。 |
国際化拠点整備事業(終了:- 21年度予算額:4,081百万円) | ||
質の高い教育研究の提供と、海外の学生が我が国に留学しやすい環境を提供する取組を選定。(21年度は13件選定) | 【目標】 英語による授業等の実施体制の構築や、留学生受入れに関する体制の整備、戦略的な国際連携の推進等の取組を総合的に支援し、質の高い国際化拠点を形成するとともに、国際競争力の向上を図る。 【設定予定の指標】 各大学において取組の実施による大学の国際化の達成目標を設定し、取組による達成状況を評価。(例:英語による授業の実施、外国の大学とのダブル・ディグリーの実施等) |
大学の国際化を推進するため、22年度も引き続き事業を実施する。 |
周産期医療環境整備事業(終了:- 21年度予算額:1,700百万円) | ||
地域医療の「最後の砦」としての大学病院の周産期医療体制と、その人材養成の強化を図るため、以下の事業を実施。 1.NICU等周産期医療体制の整備(10件(選定済)) 2.人材養成環境の整備(15件程度) 3.院内助産所等の整備(5件(選定済)) |
【目標】 周産期医療体制の強化のため、NICU未設置の国立大学病院を解消するなど、周産期医療関係病床を整備するとともに、若手医師の教育環境の整備や女性医師の勤務継続・復帰支援の強化及び産科医の負担軽減のための院内助産所等の整備を行う。 【設定予定の指標】 ・周産期医療に関わる病床の増加数 ・周産期医療を志す医師数 ・院内助産所等の受診者数 |
本事業は、「大学病院の周産期医療体制整備計画」(平成20年12月5日文部科学大臣発表:4カ年計画)に基づいて実施するものであり、NICU等の整備にあっては、次年度以降も着実に実施する必要がある。 また、周産期医療体制の構築は、未だ我が国喫緊の課題であり、大学病院における教育ニーズも高いことから、人材養成に関わる取組に対しても拡充し要求を行う必要がある。 |
看護職キャリアシステム構築プラン(終了:- 21年度予算額:200百万円) | ||
優れた看護師の人材養成システムの確立を図る大学病院の取組を8件程度選定する予定である。 | 【目標】 大学病院及び看護学部等が連携して看護師の臨床研修プログラム等を開発し、看護師の効率的・継続的な専門能力の習得と向上を図るとともに、生涯を通じて看護職が活躍し続けられるキャリアパスを明示する。 【設定予定の指標】 ・より高い専門技術の習得者数 ・臨床教育に携わる指導看護師数 ・離職率 |
我が国の医師の過重労働及び関係職種間の役割分担の推進は喫緊の課題である。これらの解決のためには、8選定にとどまらず、79ある大学病院に対して、更に取組を拡大させる必要がある。 また、保健師助産師看護師法の改正により、看護師の臨床研修の実施が努力規定となったことから、教育病院である大学病院において、看護師の教育体制を一層充実させる必要があることから、拡充要求を行う。 |
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --