児童生徒が心身ともに健やかで安全に成長していくことができるよう、学校・家庭・地域が連携して心身の健康と安全を守ることのできる体制の整備を推進するとともに、児童生徒が自らの心身の健康をはぐくみ、安全を確保することのできる基礎的な素養の育成を図る。
目標達成年度:平成22年度(基準年度:平成15年度)
スポーツ・青少年局学校健康教育課(松川 憲行)
文教施設企画部施設企画課(長坂 潤一)、スポーツ・青少年局企画・体育課(有松 育子)
児童生徒が心身ともに健やかで安全に成長していくことができるよう、学校・家庭・地域が連携して心身の健康と安全を守ることのできる体制の整備を推進するとともに、児童生徒が自らの心身の健康をはぐくみ、安全を確保することのできる基礎的な素養の育成を図るため、それぞれ学校保健、食育・学校給食、学校安全各分野において以下の3つの達成目標を設定して取り組む。
児童生徒の心身の健康課題に対応するため、学校保健を充実するための取組を推進する。そのための指標として、学校における健康に関する課題について研究協議し、学校・家庭・地域の関係機関などの連携による効果的な学校保健活動を可能にする組織である学校保健委員会の設置率の上昇を設定する。また、近年の学校保健における重要課題である青少年の薬物乱用の防止について、生徒の薬物乱用を拒絶する規範意識の向上を図るための取組である薬物乱用防止教室の開催率を指標とする。
・判断基準2-5-1イ:公立学校(大学を除く)における学校保健委員会の設置率
・判断基準2-5-1ロ:公立中学校・高等学校・中等教育学校における薬物乱用防止教室の開催率
児童生徒が食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身につけることができるよう、学校給食等と関連づけた効果的な食に関する指導及び指導体制の整備を推進する。そのための指標として、食育推進基本計画にも明記されているように、学校における食育の推進を図る上での栄養教諭の重要性に鑑み、その配置数の増加数を設定する。また、学校給食における地場産物の使用についても、当該計画において指摘されているように食に関する指導において重要であることから、その割合の上昇を指標とする。
・判断基準2-5-2イ:栄養教諭配置数の前年度比増加数
・判断基準2-5-2ロ:学校給食における地場産物の使用割合(食材数ベース)
学校における児童生徒の安全を確保するため、地域ぐるみで子どもの安全を守る体制の整備や子どもたち自身に危険を予測・回避する能力を習得させる取組等を推進する。そのための指標として、地域社会全体で子どもの安全を守る取組の一環としての地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が実施されている小学校の割合を設定する。また、子どもの安全対応能力の向上を図るための取組(防犯教室等)を実施している幼稚園、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校(以下「各学校」と称する。)の割合を指標として設定する。
・判断基準2-5-3イ:地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が実施されている小学校の割合
・判断基準2-5-3ロ:子どもの安全対応能力の向上を図るための取組(防犯教室等)を実施している各学校の割合
全体評価 A
判断基準イ | 公立学校(大学を除く)における学校保健委員会の設置率 |
---|---|
S=100% A=80〜100%未満 B=60〜80%未満 C=60%未満 |
判断基準ロ | 公立中学校・高等学校・中等教育学校における薬物乱用防止教室の開催率 |
---|---|
S=100% A=80〜100%未満 B=60〜80%未満 C=60%未満 |
近年、公立学校(大学を除く)における学校保健委員会の設置率は年々上昇している。平成20年度については、約86%となっている(「A」に該当)。また、公立中学校・高等学校・中等教育学校における薬物乱用防止教室の開催率については約64%となっている(「B」に該当)。
(指標)
15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | |
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イ学校保健委員会の設置率(%)(公立学校全体(大学を除く))1 | 77.5 | 79.3 | 80.6 | 81.9 | 83.9 | 85.7 |
ロ薬物乱用防止教室の開催率(%)(公立中学校・高等学校・中等教育学校)2 | 59.1 | 61.4 | 62.8 | 64.1 | 62.8 | 64.1 |
(指標に用いたデータ・資料等)
1.(学校保健委員会設置状況(文部科学省))
2.(薬物乱用防止教室の開催状況(文部科学省))
判断基準イ | 栄養教諭配置数の前年度比増加数(人) |
---|---|
S=600人以上 A=400〜600人未満 B=200〜400人未満 C=0〜200人未満 |
判断基準ロ | 学校給食における地場産物の使用割合(食材数ベース)(%) |
---|---|
S=30%以上 A=20〜30%未満 B=10〜20%未満 C=10%未満 |
平成20年度における栄養教諭の配置数は1,897人であり、19年度の配置数(986人)と比較して911人の増加である。(「S」に該当)また、学校給食における地場産物の使用割合についても前年度(18年度)の使用割合より増加し、23.3%となっている。(「A」に該当)
(指標)
15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | |
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イ栄養教諭配置数の増加数(人)(栄養教諭配置数(人))1 | − | − | (34) | 325(359) | 627(986) | 911(1,897) |
ロ学校給食における地場産物の使用割合(食材数ベース)(%)2 | − | 21.2 | 23.7 | 22.4 | 23.3 | 調査中 |
(指標に用いたデータ・資料等)
1.栄養教諭の配置状況
2.学校給食栄養報告
判断基準イ | 地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が行われている小学校の割合 |
---|---|
S=100% A=90〜100%未満 B=70〜90%未満 C=70%未満 |
判断基準ロ | 子どもの安全対応能力の向上を図るための取組(防犯教室等)を実施している各学校の割合 |
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S=100% A=75〜100%未満 B=65〜75%未満 C=65%未満 |
地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が行われている小学校の割合は、年々増加しており、平成19年度時点で92.6%となっている。(「A」に該当)また、子どもの安全対応能力の向上を図るための取組を実施している各学校の割合は高水準で推移しており、平成19年度時点で79.6%となっている(「A」に該当)。
(指標)
15年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | |
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イ地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が行われている小学校の割合(%)1 | (未調査) | 64.2 | 86.7 | 91.0 | 92.6 | ‐ |
ロ子どもの安全対応能力の向上を図るための取組(%)2 | 66.7 | 69.8 | 80.4 | 80.6 | 79.6 | ‐ |
(指標に用いたデータ・資料等)
1、2 学校の安全管理の取組状況に関する調査 (文部科学省)
(但し、1については、平成15年度については未調査。)
【必要性の観点】
<学校保健について>
近年、社会環境や生活環境の急激な変化により、喫煙、飲酒、薬物乱用、アレルギー疾患、各種感染症、生活習慣病、メンタルヘルスなど、児童生徒の心身に様々な健康課題が生じており、学校における児童生徒の保健指導・管理は極めて重要である。これらの課題に適切に対応するためには、学校・家庭・地域の連携により、その知見や能力を最大限活用する体制の整備・充実を引き続き図っていく必要がある。
<学校給食・食育について>
近年、子どもを取り巻く生活環境が変化し、朝食欠食、偏食、孤食といった課題が生じている。子どもたちが健やかに育つ上で大切な生活リズムを育み、メタボリックシンドローム等の生活習慣病を予防するためにも、各教科等の内容や学校給食を関連付けながら食に関する指導を推進する必要がある。
<学校安全について>
近年、学校内外において不審者による子どもの安全を脅かす事件・事故、交通事故や自然災害による被害が発生するなど、子どもの安全と安心を確保することが極めて重要な課題となっている。こうした課題に対応するためには、地域社会全体で子どもたちの安全を守る体制を整備するとともに、子ども自身に危険を予測・回避する能力を習得させるための取組を進める必要がある。
【有効性の観点】
<学校保健について>
学校保健の充実のための様々な取組を実施することにより、学校における保健活動の中心的な役割を担う学校保健委員会の設置率が上昇したほか、中高生等に対して、薬物乱用の防止について指導する重要な機会である薬物乱用防止教室の開催率も60%を超えるなど一定の成果を上げている。
今後も更なる取組の推進によって、学校保健における学校・家庭・地域の連携体制の整備がなされることが期待されるとともに児童生徒が心身の健康課題に関する正しい知識と望ましい生活習慣を身につけることが期待される。
<学校給食・食育について>
学校給食と関連づけた効果的な食に関する指導及び指導体制の整備を推進するための取組を実施することにより、学校における食育の推進において重要な役割を担う栄養教諭の配置数や学校給食における地場産物の使用割合について上昇がみられるなど、一定の成果を上げている。
今後も更なる取組の推進によって、学校において栄養教諭を中核とした食に関する指導体制が整備され、効果的な食に関する指導が推進されることにより、児童生徒が食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身につけることが期待される。
<学校安全について>
学校における児童生徒の安全を確保するための取組を実施することにより、学校の安全管理の充実を図るための取組である地域のボランティアによる学校内外の巡回・警備が実施されている小学校の割合については増加している。また、子どもの安全対応能力の向上を図るための取組が実施されている学校の割合についても約80%という高水準を維持している。
今後も更なる取組の推進によって、地域社会全体で児童生徒の安全を確保する体制の整備が図られるとともに、児童生徒の安全対応能力の向上が期待される。
【効率性の観点】
<施策目標全体について>
・学校すこやかプラン 396百万円(平成20年度予算額)
・食育推進プラン 454百万円(平成20年度予算額)
・子ども安心プロジェクト 1,856百万円(平成20年度予算額)
<学校保健について>
(事業インプット)
・学校すこやかプラン 396百万円(平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
本事業の実施により、各学校において、派遣された専門医等による教職員に対する指導・助言及び児童生徒等への心身の健康相談・保健指導が行われるなど学校を含んだ地域における子どもの健康管理の充実等が図られるとともに、薬物乱用防止教育推進事業、「性に関する教育」普及推進事業などの実施を通じて児童生徒に対する保健指導の取組が推進される。
(事業アウトカム)
児童生徒が心身の健康課題に関する正しい知識と望ましい生活習慣を身につけるとともに、学校保健における学校・家庭・地域の連携体制の更なる整備が期待される。
<学校給食・食育について>
(事業インプット)
・食育推進プラン 454百万円(平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
本事業の実施により、栄養教諭を中核とした家庭や地域の関係機関との連携協力や、地場産物を活用した学校給食の実施などの取組が推進され、学校給食等と関連づけた効果的な食に関する指導が行われるとともに、「栄養教諭育成講習事業」等の実施により食に関する指導体制の整備が図られる。
(事業アウトカム)
児童生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることが期待される。
<学校安全について>
(事業インプット)
・子ども安心プロジェクト 1,856百万円(平成20年度予算額)
(事業アウトプット)
本事業の実施により、警察官OB等からなるスクールガード・リーダーによる各学校の巡回指導等の実施など、学校の安全管理に係る取組が推進されるとともに、防犯教室の講師に対する講習会などの施策を通じて児童生徒に対する安全教育に係る取組が推進される。
(事業アウトカム)
地域社会全体で児童生徒の安全を見守る体制の整備が図られることにより、学校内外における児童生徒の安全が確保されるとともに児童生徒自身が危険を予測・回避する能力を習得することが期待される。
以上より、事業の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。
【予算要求への反映】
これまでの取組を引き続き推進。
【機構定員要求への反映】
特になし
【具体的な反映内容について】
達成目標2-5-1については、目標数値をほぼ想定通りに達成することができている。平成20年6月に学校保健安全法が改正されたことを踏まえ、平成22年度においても、メンタルヘルスに関する課題やアレルギー疾患等の多様化する児童生徒の心身の健康問題に適切に対応するため学校保健に係る取組を引き続き実施する。
達成目標2-5-2については、目標数値をほぼ想定どおりに達成することができている。平成20年6月に学校給食法が改正されたことを踏まえ、平成22年度においても、食に関する指導の中核となる栄養教諭の配置促進などの学校給食等と関連付けた効果的な食に関する指導及び指導体制の整備のための取組を引き続き実施する。
達成目標2-5-3については、目標数値を想定どおりに達成することができている。平成20年6月に学校保健安全法が改正されたことを踏まえ、平成22年度においても、スクールガード・リーダーの増員等を図り、地域社会全体で児童生徒の安全を見守る体制の整備及び児童生徒が危険を予測・回避する能力を習得するための取組を引き続き実施する。
特になし
※【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。
【事業概要等】 | 【20年度の実績】 | 【22年度の予算要求への考え方】 |
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学校すこやかプラン (開始:平成20年度 終了:平成26年度 20年度予算額:396百万円 ) | ||
近年の社会環境や生活環境の急激な変化により、アレルギー疾患やメンタルヘルスなど児童生徒の心身に様々な健康課題が生じていることから、これらの児童生徒の多様化する現代的な健康課題に適切に対応するため、学校だけでなく退職養護教諭や医師などの地域の専門家や関係機関等と連携を図りながら、学校保健を推進する。 | ○子どもの健康を守る地域専門家総合連携事業 44都道府県・指定都市で実施 ○薬物乱用防止教室推進事業 41都道府県で実施 ○薬物乱用防止教育シンポジウム 2地域で実施 ○啓発教材の作成・配布 全国の小学校5年生、中学校1年生、高等学校1年生に配布した(中等教育学校、特別支援学校含む)。 |
本事業は多様化する現代の児童生徒の心身の健康課題に対応するため継続の必要がある。 なお、20年度の実績等を踏まえ、各事業の予算積算等を見直し、更なる効率化を図る。 |
食育推進プラン (開始:平成17年度 終了:平成22年度 20年度予算額:454百万円) | ||
朝食欠食や偏った栄養摂取など子どもたちの食生活の乱れや健康への影響が問題となっていることから、栄養教諭が中心となり、学校・家庭・地域が連携し、子どもに望ましい食習慣や食に関する正しい知識などを身に付けさせるとともに、学校給食における地場産物の活用を促進するなど、学校における食育、学校給食の充実を図る。 | ○子どもの健康を育む総合食育推進事業 全国92地域で実施。 ○学校給食における新たな地場産物の活用方策等に関する調査研究 ・調査研究を24団体に委託し実施した。 ・「学校給食における地場産物活用推進に関する調査研究協力者会議」を計6回開催した。 ○栄養教諭育成講習事業 全国12都道府県で実施。 ○食育推進交流シンポジウムの開催 2カ所で開催。 ○食生活学習教材の作成・配布 全国の小学校1・3・5年生、中学校1年生に配布した。 |
本事業は、児童生徒が食に関する正しい知識や望ましい知識を身につけることができるよう継続の必要がある。 なお、20年度の実績等を踏まえ、各事業の予算積算等を見直し、更なる効率化を図る。 |
子ども安心プロジェクト (開始:平成19年度 終了:平成24年度 20年度予算額:1,856百万円) | ||
学校内外における子どもの安全を脅かす事件、事故や自然災害が発生していることから、地域社会全体で子どもの安全を見守る体制を整備するとともに、子ども自身に危険を予測・回避する能力を習得させる安全教育を支援するなど、学校安全の取組を推進する。 | ○地域ぐるみの学校安全対策整備推進事業 64都道府県・指定都市で実施 ○教職員向け安全教育資料・防災教育教材の作成・配布 小学校教職員向け安全教育資料「子どもを事件・事故災害から守るためには」を全国の小学校(特別支援学校を含む。)等に、中学生用防災教育教材「災害から命を守るために」を全国の中学校(中等教育学校、特別支援学校を含む。)等に配布 ○防犯教室の推進 44都道府県で実施(他3県においても県独自の取組を実施) |
本事業は、昨今の重要課題である児童生徒の安全を確保するため継続の必要がある。 なお、20年度の実績等を踏まえ、各事業の予算積算等を見直し、更なる効率化を図る。 |
(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)
独法名 | 20年度予算額 | 事業概要 | 備考(その他関係する政策評価の番号) |
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大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --