施策目標1‐3 地域の教育力の向上

 多様な学習活動の機会や情報提供、様々な機関、団体が連携することにより、地域における学習活動を活性化させ、地域における様々な現代的課題等に対応するとともに、総合的に地域の教育力の向上を図る。

施策期間

 目標達成年度:平成22年度(基準年度:平成17年度)

主管課(課長名)

 生涯学習政策局社会教育課(神代 浩)

関係局課(課長名)

 生涯学習政策局生涯学習推進課(藤野 公之)、生涯学習政策局男女共同参画学習課(高口 努)

施策の全体像

 様々な世代の人々に多様な学習活動の機会や情報提供等を行い、地域における様々な現代的課題等への対応や地域コミュニティーの充実を図ることで、総合的に地域の教育力の向上が図られているのかを適切に評価するため、以下の5つの達成目標を設定して取り組む。

○達成目標1‐3‐1

 地域住民のボランティア活動や課題解決活動等を支援し、地域のきずなを深める取組を推進するとともに、様々な機関・団体等との組織的連携を通して、地域における学習活動の成果を生かした町づくりに関する取組や、男女共同参画の促進に関する取組、人権等に関する学習機会の充実が図られているのか、以下の指標により判断する。

・ 判断基準1‐3‐1イ:「地域ボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究」の委託団体のうち、支援センターの運営が改善向上した割合
・  判断基準1‐3‐1ロ:公民館におけるニート支援モデル事業参加者数及び事業内容に関する参加者の満足度
・  判断基準1‐3‐1ハ:「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業数及び参加者数
・  判断基準1‐3‐1ニ:NPOを核とした生涯学習活性化事業の委託団体のうち、地域の課題解決に向けた多様な団体との協働体制を構築することができた割合
・ 判断基準1‐3‐1ホ:子どもの生活環境調査や保護者の教育に関する意識調査の進捗状況及びPTA関係団体が開催した全国規模のシンポジウムの参加者数
・  判断基準1‐3‐1ヘ:「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」を実施することで、男女共同参画社会の実現に向けた様々な喫緊の課題への対応状況
・ 判断基準1‐3‐1ト:「人権教育推進のための調査研究事業」のセミナー等参加者数
・  判断基準1‐3‐1チ:社会教育の実態や社会教育事業の開発・展開、人材養成並びに奉仕活動・体験活動に係る調査研究等の進捗状況

○達成目標1‐3‐2

 公民館の活用を通じた地域の学習拠点づくりや、図書館、博物館を通じた住民の学習活動や個人の自立支援を推進できたのか、以下の指標により判断する。
・ 判断基準1‐3‐2イ:社会教育主事・司書等を対象とした研修受講者数の教育委員会数に対する比率
・ 判断基準1‐3‐2ロ:事業実施館(主体)のうち前年度比で利用者登録者数又は貸出者数が増加した図書館(主体)数
・  判断基準1‐3‐2ハ:事業実施館のうち翌年度も独自に事業を継続している図書館(主体)数
・  判断基準1‐3‐2ニ:「地域と共に歩む博物館育成事業」調査研究報告書配布部数

○達成目標1‐3‐3

 放課後・週末などにおける子どもの体験活動の受け入れの場を全国的に拡充することにより、地域コミュニティーの充実が図られているのか、以下の指標により判断する。

・  判断基準1‐3‐3:放課後子ども教室の全国の実施箇所数の増減及び参加した大人の数の都道府県レベルでの増減

○達成目標1‐3‐4

 標準的な「教育サポーター」制度を構築し全国的に普及することにより、高齢者・団塊世代等の社会参加促進が図られたについて、以下の指標により判断する。

・ 判断基準1‐3‐4イ:団塊世代等社会参加促進のための調査研究報告書配布部数
・ 判断基準1‐3‐4ロ:「教育サポーター推進事業」実施団体数
・ 判断基準1‐3‐4ハ:事業実施団体のうち翌年度も独自に事業を継続している団体数

○達成目標1‐3‐5

 地域ぐるみで学校を支援し、子どもたちを育む活動の支援について促進できたのかを以下の指標により判断する。

・ 判断基準1‐3‐5イ:学校支援地域本部実施市町村数
・ 判断基準1‐3‐5ロ:学校支援地域本部数
・ 判断基準1‐3‐5ハ:1本部あたりの学校支援ボランティア数
・ 判断基準1‐3‐5ニ:1本部あたりの学校支援ボランティアの年間活動回数
・  判断基準1‐3‐5ホ:事業実施後の意識調査における事業の進捗状況

達成状況と評価

全体評価 A

○判断基準1-3-1 (A)

イ:地域ボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究 A
ロ:公民館等におけるニート支援モデル事業 A
ハ:「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業 A
ニ:NPOを核とした生涯学習活性化事業 A
ホ:保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業 A
ヘ:男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究 A
ト:人権教育推進のための調査研究事業 A
チ:社会教育の実態や社会教育事業の推進に係る調査研究等 A

判断基準イ 「地域ボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究」の委託団体のうち、支援センターの運営が改善向上した割合
S=100%
A=75%以上100%未満
B=50%以上75%未満
C=50%未満
判断基準 公民館におけるニート支援モデル事業参加者数及び事業内容に関する参加者の満足度
<事業参加者数>
S=1,500人以上
A=1,000人以上~1,500人未満
B=500人以上~1,000人未満
C=0人~500人未満
<参加者の満足度>
S=90%以上
A=70%以上~90%未満
B=50%以上~70%未満
C=50%未満
判断基準ハ 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業数及び参加者数
S=1,300事業以上
A=1,000事業以上~1,300事業未満
B=700事業以上~1,000事業未満
C= 700事業未満
S=130万人以上
A=100万人~130万人未満
B= 69万人~100万人未満
C= 69万人未満
判断基準ニ NPOを核とした生涯学習活性化事業の委託団体のうち、地域の課題解決に向けた多様な団体との協働体制を構築することができた割合。
S=90%以上
A=70%以上~90%未満
B=50%未満
C=なし
  判断基準ホ 子どもの生活環境調査や保護者の教育に関する意識調査の進捗状況及びPTA関係団体等が開催した全国規模のシンポジウムの参加者数
S=計画のとおり実態調査を実施し、その結果をPTA関係者に広く普及できた。
A=計画のとおり実態調査を実施し、その結果をPTA関係団体に普及できた。
B=計画のとおり実態調査を実施したが、その結果を一部のPTA関係団体にしか普及できなかった。
C=計画のとおり実態調査を実施したが、その結果を普及できなかった。
S=10,000人以上
A=8,000人以上~10,000人未満
B=6,000人以上~8,000人未満
C=6,000人未満
判断基準ヘ 「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に関する特別調査研究」を実施することで、男女共同参画社会の実現に向けた様々な喫緊の課題への対応状況
S=設定したテーマすべてに対応した調査研究を行うことができ、喫緊の課題への対応に著しく寄与し、予定以上に進捗している。
A=設定したテーマすべてに対応した調査研究を行うことができ、喫緊の課題への対応に寄与し、予定どおりに進捗している。
B=設定したテーマに対応した調査研究を行うことができ、概ね予定どおり進捗しているが、一部は進捗していない。
C=設定したテーマすべてに対応した調査研究を行うことができず、予定どおりに進捗していない。
判断基準ト 「人権教育推進のための調査研究事業」のセミナー等参加者数
S=前年度比5,000人以上増
A=前年度比1人~5,000人増
B=前年度比0人~5,000人減
C=前年度比5,000人以上減
  判断基準チ 社会教育の実態や社会教育事業の開発・展開、人材養成並びに奉仕活動・体験活動に係る調査研究等の進捗状況
S=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例が広く一般に周知・活用され、社会教育行政・施策に資する内容となっていると認められる
A=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例が全国の教育委員会等に周知され、社会教育行政・施策に資する内容となっている
B=調査研究の成果及び全国の先進的なボランティア活動事例の周知・活用が特定の機関に限られる
C=調査研究の成果が周知されず、社会教育行政・施策に資する内容となっていない

 「地域ボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究」を平成20年度から新たに実施した。これは、各地域のボランティア活動支援センターにおける活動希望者と受入先との効果的なマッチング方法等を調査研究し、あらゆる世代がボランティア活動を通じて地域社会へ参画することを支援するものである。平成20年度は、5団体で実施され、主に、ボランティア活動に関する住民の意識調査や、ボランティア団体の活動状況調査、ボランティア活動支援センターに対するニーズ調査等の実態調査が行われた。
 これらの結果、センターの活動に関する住民の認知度が未だ低いこと、ボランティア団体はセンターから、活動希望者や活動できる場所、活動経費への支援策等に関して、より積極的な情報提供を求めていること、学校でのボランティア活動では、教員に学校外の社会資源を活用するスキルが十分に培われていないこと等が課題として明らかになった。これらの課題を踏まえて、事業実施団体のうち4団体が、ボランティア情報のデータベース整備、青少年を始めとしてより多くの人に利用してもらえるホームページの開設、学校や公民館、NPOなど関係機関との連携体制の構築等が行われた。
 以上より、事業実施5団体のうち、4団体において、情報提供や他機関との連携等、ボランティアセンターの運営面で改善がはかられたため、着実に事業が進捗していると判断した。

 公民館の事業の振興については、「公民館等におけるニート支援モデル事業」を実施した。地域の教育委員会・公民館等の社会教育施設及びNPO法人等が企業等と連携し、ニートを支援する事業をモデル的に実施したところである。本事業は、参加者20人の講座を6回、参加者50人の講座を1回開催することを想定し、170人×4団体で計680人を基準に達成目標を設定した。また、内容の満足度については70%を達成目標とした。
 20年度の状況を見ると、3団体に委託し、ニート本人と保護者を対象とする合同セミナー等、様々な取組が行われ、事業参加者数は1,285人に増加している。また、事業実施後のアンケート結果では、事業内容に関して参加者の77%が満足と回答している。
 以上より、「公民館等におけるニート支援モデル事業」は、事業参加者数より目標を概ね達成したと判断した。

 地域住民のボランティア活動の振興について、「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施し、地域の様々な課題等を解決する学習活動等を通じた地域のきずなづくりを推進している。全国64地域に運営協議会が設置され、それぞれで15事業が実施されるものと想定し、全国1,000事業の実施、100万人の参加者数(1事業あたり1,000人の参加)を基準に達成目標を設定した。
 平成20年度は、運営協議会が57団体組織され、1,008事業が実施された。防災や安全等の地域課題の解決や環境保全など、多岐にわたる取組が実施された。また、青少年から高齢者にいたるあらゆる世代が活動に参加し、のべ参加者数は86万人を超えた。例えば、山村留学事業を実施した地域では、参加した青少年が、体験活動を通して昔から受け継がれてきた生活の知恵や自然環境の素晴らしさを学んだほか、参加した高齢者からも、不便で何もない地域と考えていたが地域の素晴らしさを改めて確認できた等、住民同士が世代を超えて学びあい支えあう、きずなづくりを行った。
 以上より、事業参加者数は目標に達しなかったが、事業数は目標を超えて実施されたこと、本事業終了後も地域が運営協議会を存続させ取組を継続する地域もみられる等、一定の事業成果が得られたと判断した。

 「NPOを核とした生涯学習活性化事業」については、NPOが中心となって地域の多様な主体との協働により、生涯学習を通じた地域の課題解決の取り組みを推進することで、「民」主導による生涯学習の活性化を図った。本事業は、委託期間内における地域課題の解決のみならず、委託終了後においても様々な地域課題に柔軟に対応できる継続性のある協働体制の構築が狙いであり、様々な機関の協力が不可欠であった。そのため、単年度の委託期間中における達成は容易ではないと思われ、協働体制の構築数の5割を最低ラインとし、目標として7割を設定したが、平成20年度には、全12団体に委託し、うち9団体が多様な団体との協働体制を構築したことから、本事業の目的は概ね達成されたと判断した。また、協働体制の構築ができなかったケースも、その原因や課題を検証し、その結果を活用することとしている。

 「保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業」については、PTA関係団体が学校・家庭・地域連携、活性化のための意識調査を実施し、その結果を普及するためのPTA参加型のシンポジウム等を実施した。平成20年度は、子どもの生活環境等に関する調査や教育に関する保護者の意識調査を約2万4千人に対して実施し、80%を上回る回答結果を1万5千部の調査報告書にまとめて、全国のPTA関係団体や学校等へ配布した。また、調査結果をHPへ掲載する方法でも普及を図った。さらに、PTA関係団体等が開催する全国規模のシンポジウムや研究協議を実施し、全国から7,527人のPTA関係者が参加した。
 以上より、シンポジウムの参加者数は目標に達しなかったものの、実態調査の結果をPTA関係者に広く普及できたことから、順調に進捗している状況と判断した。

 男女共同参画社会の実現のためにどのような支援が必要とされているかを検討するため、「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に係る特別調査研究」の委託を4件行った。調査研究を実施するにあたり、事前に計画していた1.女性のライフプラニングに資する学習支援のあり方、2.政策・方針決定過程への女性の参画に向けた環境づくりに資する学習支援のあり方、3.女性が地域おこし・まちづくりに参画するための学習支援のあり方等、設定したテーマすべてに対応した調査研究を行うことができ、喫緊の課題への対応に寄与し、予定どおりに進捗していると判断した。

 人権教育の推進については、「人権教育推進のための調査研究事業」を実施した。これは、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)に基づき、社会教育における人権教育を一層推進するため、人権に関する学習機会の充実方策等についての実践的な調査研究を行うとともに、その成果の普及を図ることを目的としている。
 本事業では、地域住民の人権教育に関する学習意欲を高め、学習機会を充実するため、参加体験型のセミナーや講演会が開催されたほか、人権教育に携わる指導者向けの研修会が実施された。これらセミナー等への参加者数は、平成18年度の対前年度比4,593人が最多であるため、平成20年度も前年度同様に、対前年度比5,000人増を基準として達成目標を設定した。平成20年度は87地域(22都府県)で事業が実施され、のべ参加者数は38,010人であり、前年度(34,389人)より約3,600人増加した。
 また、地方公共団体の社会教育における人権教育担当者向けに「全国人権教育担当者研究協議会」を開催し(約200名が参加)、本年度に実施された取組の事例発表等を通し、事業成果の普及につとめるとともに、本協議会の実施報告書をとりまとめ、全都道府県・政令指令都市教育委員会、全県立図書館に配布した。
 以上より、セミナー等への参加者数は基準には及ばなかったが前年度より増加しており、また、事業成果を広く全国に普及したことから、事業が着実に進捗しているものと判断した。

 社会教育実践研究センターにおいては、平成20年度は、社会教育計画の立案や社会教育事業の評価手法等の開発を目的とした「地方公共団体における社会教育計画等の策定及び評価に関する調査研究」や、地域の教育力の活用を促すコーディネーターの役割等に視点をあてた「地域教育力の向上に関する研究セミナー」等を実施するとともに、先進的なボランティア活動事例集を全国の教育委員会等に配布した。また、上記の社会教育計画の策定に関する調査研究の成果が、岡山県の生涯学習審議会の基礎資料や、栃木県の生涯学習推進計画の基礎資料として活用されるなどしたため、想定通り目標を達成したものと判断した。

 以上の各指標の結果より、平成20年度施策目標1-3-1は目標を達成していると判断した。

(指標)

16 17 18 19 20
「地域のボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究」の実施団体数 5
事業実施団体のうち支援センターの運営に改善が見られた団体数 4(80.0%)
16 17 18 19 20
公民館等におけるニート支援モデル事業セミナー等回数 19回 39回 18回
公民館等におけるニート支援モデル事業総参加者数 728人 1060人 1285人
公民館におけるニート支援モデル事業参加者アンケート(125人回答)で「ニートやひきこもり傾向の若者について理解が深まった」と回答した人数 114人
(91.2%)
公民館におけるニート支援モデル事業参加者アンケート(56人回答)での事業内容について満足と回答した人数 43人
(77%)
16 17 18 19 20
「地域ボランテイア活動推進事業」を実施した地域数 - 475 588 - -
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した地域数 - - - 577 626
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した事業数 - - - 915 1,008
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業を実施した参加者数 - - - 103万人 86万人
16 17 18 19 20
委託団体(NPO)(B/A)×100(%) 75.0%
委託団体数(A) 12
地域の課題解決に向けた多様な団体との協働体制を構築することができた団体数(B) 9
16 17 18 19 20
子どもの生活環境調査や保護者の教育に関する意識調査報告書 15,000部
シンポジウム参加者数 7,527人
16 17 18 19 20
「男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に係る特別調査研究」の委託件数 2 4
16 17 18 19 20
「人権教育推進のための調査研究事業」セミナー等参加者数 28,164人 26,069人 30,662人 34,389人 38,010人
「人権教育推進のための調査研究事業」実施事業数 77 71 60 75 87
16 17 18 19 20
全国における社会教育施策等に資する調査研究事業の件数 6本 7本

○ 判断基準1-3-2(A)

・社会教育を推進するための指導者の資質向上 A
・図書館・博物館機能高度化推進事業 A

判断基準イ 社会教育主事・司書等を対象とした研修受講者数の教育委員会数に対する比率
S=基準年度と比較して全ての研修事業の比率が上がっている。
A=基準年度と比較して比率が上がっている研修事業が下がっている研修事業を上回っている。
B=基準年度と比較して比率が下がっている研修事業が上がっている研修事業を下回っている。
C=基準年度と比較して全ての研修事業の比率が下がっている。
判断基準ロ 「平成20年度地域の図書館サービス充実支援事業」実施図書館数に対する、各指標項目達成割合
S=100%
A=75%以上100%未満
B=50%以上75%未満
C=50%未満
判断基準ハ 「地域と共に歩む博物館育成事業」における調査研究報告書の周知・活用状況
S=調査研究の成果が広く一般に周知され、博物館運営に活用される内容となっていると認められる。
A=調査研究の成果が周知され、博物館運営に活用される内容となっている。
B=調査研究の成果が博物館関係者に周知されたが、博物館運営に活用される内容となっているとは認められない。
C=調査研究の成果が周知されず、博物館運営に活用される内容となっていない。

 「社会教育を推進するための指導者の資質向上等」事業は,地域の社会教育行政の中心的役割を担っている社会教育主事,司書,学芸員,公民館主事等の社会教育関係者を対象に,高度化・多様化する人々の学習ニーズに対応できるよう、社会教育に関する専門的・技術的な研修を実施するものである。指標として,研修の受講者数の教育委員会数に対する比率を用いることとした。この数値は、研修を受講することにより資質の向上が図られた社会教育関係者が一教育委員会当たりに対して何名派遣できるかを示すものであり,研修で得た知識・技術の地域の社会教育施設(公民館,図書館,博物館等)への波及効果を示すものである。平成20年度の数値が基準年度と比較して,全ての研修の数値が上がっていることが,研修事業を通じた知識・技術の地域への伝播という目標を達成したことになる。平成20年度の研修事業については,2研修は数値が下がっているが,5研修の数値が上がっているため事業の目標は概ね達成できたと判断する。

 図書館の事業の振興については、これからの図書館の在り方検討協力者会議を開催し、モデル事業を通じて、今日の図書館の現状や課題を把握・分析し、生涯学習社会における図書館の在り方について調査・検討を行った。また、地域における図書館サービスの充実を一層推進するため、図書館の課題解決支援機能や各種団体・機関との連携・協力、市町村合併等を踏まえた全域サービス等の充実などを図った。委託先によって図書館サービスの充実の方法は様々であるが、利用者登録数又は貸出者数が増加するとともに、事業委託の翌年度も独自に事業を取り組んでいく図書館(主体)数は100%となっている。

 博物館の事業の振興については、「地域と共に歩む博物館育成事業」において委託研究を行い、今日の博物館の現状や課題を把握・分析し、生涯学習社会における博物館のあり方について調査・検討を行った。
 これらの委託研究においては、新たに博物館法に規定された博物館の運営状況に関する評価や、我が国の博物館の実態に関する総合調査、従前には情報の乏しかったアジア各国の博物館の情報収集、アジアの博物館との連携の在り方、大学における学芸員養成課程及び資格取得者の意識調査、昨年度に引き続き災害等のリスクへの対応といった6テーマの調査を行った。これらの成果は全国の博物館に広く配布も行われ、博物館運営に活用される内容となっている。特に「博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する調査研究については、報告書の配布後、全国各地から多くの問い合わせが数多く寄せられており、調査研究の成果が広く一般に周知されるとともに、博物館運営に活用されている。ただし、報告書のホームページへの掲載が遅れているため、7月中を目途に実施することにしている。

 以上より、平成20年度においては、目標を達成していると判断した。

(指標)

イ社会教育主事・司書等を対象とした研修受講者数の教育委員会数に対する比率 16 17 18 19 20
1.社会教育主事講習 0.361 0.409 0.523 0.472 0.395
2.社会教育主事専門講座 0.012 0.017 0.025 0.021 0.020
3.図書館司書専門講座 0.020 0.026 0.027 0.028 0.033
4.新任図書館長研修 0.068 0.082 0.109 0.109 0.108
5.図書館地区別研修 0.212 0.308 0.323 0.372 0.370
6.全国社会教育主事研究協議会 0.031 0.035 0.041 0.042 0.049
7.公民館職員専門講座 0.018 0.027 0.029 0.032 0.022

※ イの算出根拠

  16 17 18 19 20
1.社会教育主事講習受講者数 1,201 1,048 1,043 931 773
2.社会教育主事専門講座受講者数 40 44 49 41 39
3.図書館司書専門講座受講者数 66 66 54 55 64
4.新任図書館長研修受講者数 225 210 217 216 212
5.図書館地区別研修受講者数 703 790 645 735 725
6.全国社会教育主事研究協議会参加者数 103 89 82 82 95
7.公民館職員専門講座受講者数 59 70 57 64 44
8.教育委員会数 3,323 2,565 1,994 1,974 1,958
ロ「平成20年度地域の図書館サービス充実支援事業」実施図書館数に対する、各指標項目達成割合 16 17 18 19 20
「地域の図書館サービス充実支援事業」実施図書館(主体)数 3 6 6
事業実施館(主体)のうち前年度比で利用者登録者数又は貸出者数が増加した図書館(主体) 3(100.0%) 5(83.3%) 6(100.0%)
事業実施館のうち翌年度も独自に事業を継続している図書館(主体)数 3(100.0%) 5(83.3%) 6(100.0%)
ハ「地域と共に歩む博物館育成事業」における調査研究報告書の周知・活用状況 16 17 18 19 20
「博物館の評価基準に関する調査研究」報告書 配布部数 4,300部
「博物館の評価等機関に関するモデル調査研究」報告書 配布部数 4,300部
「博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する調査研究」報告書 配布部数 1,550部 2,100部
「日本の博物館の動向にかかる総合調査研究(動物園水族館)」報告書 配布部数 550部
「日本の博物館の動向にかかる総合調査研究(植物園)」報告書 配布部数 1,500部
「博物館支援策にかかる各国等比較調査研究」報告書  配布部数 2,000部
「博物館評価制度等の構築に関する調査研究」報告書  配布部数 1,800部
「日本の博物館総合調査研究」報告書 配布部数 1,800部
「アジア・太平洋地域の博物館連携にかかる総合調査研究」報告書 配布部数 900部
「大学における学芸員養成課程及び資格取得者の意識調査」報告書 配布部数 1,200部
「博物館支援策にかかる各国等比較調査研究」報告書  配布部数 2,000部

○ 判断基準1-3-3(A)

 放課後・週末などにおける子どもの体験活動の受け入れの場を全国的に拡充することにより、地域コミュニティーの充実を図る。この効果を測り、目標が達成されたか判断するため、以下の判断基準を設定する。

判断基準 「放課後子ども教室推進事業」の実施箇所数及び運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数の対前年度比(平成16年度~18年度は「地域子ども教室推進事業」)
S=実施箇所数が前年度より増加し、参加者数も全ての都道府県で増加
A=実施箇所数は前年度より増加したが、参加者数は全ての都道府県では増加しなかった
B=実施箇所数は前年度より減少したが、参加者数は増加した都道府県もある
C=実施箇所数が前年度より減少し、参加者数も全ての都道府県で減少

 放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、様々な体験・交流活動等を推進する「放課後子ども教室推進事業」を、厚生労働省と連携した総合的な放課後対策「放課後子どもプラン」として、平成20年度は全国約7,919箇所で実施したところである。最終的には全国の小学校区での実施を目標としており、平成20年度は、全国15,000箇所での実施に必要な経費を措置していたところである。

 「放課後子ども教室推進事業」は、平成16年度~18年度に国が全額を負担する委託事業として実施していた「地域子ども教室推進事業」の取組を踏まえ、平成19年度から、実施形態を国1/3、都道府県1/3、市町村1/3(政令指定都市、中核市は2/3)をそれぞれ負担する補助事業として実施したものである。初年度の平成19年度には全国での実施箇所数が下がっていたが、平成20年度には前年度に比べ約1,600箇所増加している。

 参加した大人の数は前年度と比較した場合、全ての都道府県では増加してはいないが、全体の実施箇所数の増加に伴い、その総数は前年度より増えており、引き続き、相当数の地域の大人の参加を得て着実に事業が実施されており、地域コミュニティーの充実が図られ、事業の目標達成に向けた進捗が見られる。

以上より、平成20年度においては、目標が達成されていると判断した。 

【評価に用いた指標】
(H19~「放課後子ども教室推進事業」)

    19 20
「放課後子ども教室推進事業」 実施箇所数 6,201 7,919
運営に協力した地域の大人の年間参加者数 安全管理員 約195万 約228万
学習アドバイザー 約41万 約110万
約236万 約338万
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数 380 427
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数が昨年度に比べて増加した都道府県数 3 30

(参加者数は延べ数)

(H16~H18「地域子ども教室推進事業」)

    16 17 18
「地域子ども教室推進事業」 実施箇所数 5,321 7,954 8,272
運営に協力した地域の大人の年間参加者数 約171万 約337万 約383万
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数 320 424 463
運営に協力した地域の大人の1箇所当たりの年間平均参加者数が昨年度に比べて増加した都道府県数 32 32

(参加者数は延べ数)

○ 判断基準1-3-4(A)

判断基準 団塊世代等社会参加促進のための調査研究 
S=地域住民や関係団体等へ周知されるとともに、教育サポーターに関する取組が根付き始めた
A=地域住民や関係団体等へ周知された
B=都道府県・市町村教育委員会へ周知された
C=都道府県教育委員会へ周知された

 教育サポーター制度の推進、団塊世代等の学習活動及び社会参加促進に向けて、団塊世代等高齢者層の地域の社会教育施設を活用した学習活動やその成果を発揮する活動について先進的な取組事例を調査整理する「団塊世代等社会参加促進のための調査研究」を実施し、報告書を都道府県・市区町村教育委員会へ配布した。
 教育サポーター制度が全国に周知され根付くことで、団塊世代等が教育サポーター等として生きがいを感じながら社会参加できるよう、教育サポーター制度PRパンフレットを関係会議において配布した。

 各地域において、試行的に、地域の特性に応じて、社会人の学習活動支援や学校支援等を行う教育サポーター制度を導入し(仕組みづくりを行い)、教育サポーターの募集、研修、認定、派遣、制度の評価を行った。委託先によって、事業実施後、地域住民のニーズが高いため、翌年度も事業を実施または計画中との報告を受けている。また、事業により教育サポーターとして登録された者は学校や地域において独自に活動を行っている。

 このことから、教育サポーターに関する取組が必ずしも根付き始めたといえる状況ではないが、地域住民等に対して周知が広がってきているため、概ね事業の目標達成に向けた進捗が見られると判断した。

(指標・参考指標)

(部)

  16 17 18 19 20
団塊世代等社会参加促進のための調査研究報告書 配布部数 200 2,000
『教育サポーター制度』について~報告書~ 配布部数 10,000
教育サポーター制度PRパンフレット 配布部数 40,000 3,000
「教育サポーター推進事業」実施団体数 6
ハ事業実施団体のうち翌年度も独自に事業を継続(計画も含む)している団体数 4(66.7%)

○ 判断基準1-3-5(A)

・学校支援地域本部事業実施市町村数 C
・学校支援地域本部数 S
・1本部あたりの学校支援ボランティア数 S
・1本部あたりの学校支援ボランティアの年間活動回数 S
・事業実施後の意識調査における事業の進捗状況(目的の達成度合い) C

判断基準イ 学校支援地域本部事業実施市町村数
S=―
A=1,800市町村
B=900~1,800市町村
C=900市町村未満
判断基準ロ 学校支援地域本部数
S=1,801本部以上
A=1,501~1,800本部
B=1,201~1,500本部
C=1,200本部以下
判断基準ハ 1本部あたりの学校支援ボランティア数
S=151人以上
A=101~150人
B=51~100人
C=50人以下
判断基準ニ 1本部あたりの学校支援ボランティアの年間活動回数
S=201回以上
A=121~200回
B=41~120回
C=40回以下
判断基準ホ 事業実施後の意識調査における事業の進捗状況(目的の達成度合い)(「順調に進んでいるか(目的が達成したか)」という問いに対する肯定的な答えの割合)
S=90%以上
A=70~89%
B=50~69%
C=49%以下

 地域ぐるみで学校を支援し、子どもたちを育む活動を支援するため、「学校支援地域本部事業」を実施した。
 本事業は全市町村で実施することを目指していたが、20年度の状況を見ると、実施市町村数が867市町村にとどまり、市町村数に関しては進捗に遅れが見られる状況である。一方で、実施本部数は1,800本部を想定していたが、2,176本部を設置するに至り、目標を大きく超える結果となった。
 また、学校支援地域本部ごとの状況を見ると、1本部あたり220人のボランティアが登録されるとともに、年間233回の学校支援ボランティアの活動が行われており、平均して授業が行われている日は毎日、学校支援地域本部によるボランティア活動が行われていることから、順調に進捗していると考えられる。
 さらに、今年2月に市町村の事業担当者を対象に行ったアンケート調査(回答数:189)では、「学校支援地域本部事業が順調に進んでいるか(目的が達成したか)」という問いに対して「うまくいっている(目的が達成した)」と回答した割合が26.0%にとどまっているが、「始めたばかりであり、どちらともいえない」の項目の割合が7割近くと多いことから、今後も事業を継続し、引き続きその進捗状況を把握していくことが必要と考える。

以上より、平成20年度においては全体的に見て、概ね想定通り進捗していると判断した。

(指標)

  16 17 18 19 20
実施市町村数 867
学校支援地域本部数 2,176
1本部あたりの学校支援ボランティア数 220人
1本部あたりの学校支援ボランティアの年間活動回数 233回
事業実施後の意識調査における事業の進捗状況(目的の達成度合い)(「順調に進んでいるか(目的が達成したか)」という問いに対する肯定的な答えの割合) 26.0%

必要性・有効性・効率性分析

【必要性の観点】
 地域の教育力に関する実態調査報告書(平成18年3月文部科学省委託調査)において、保護者に「地域の教育力」を自身の子ども時代と比較してもらったところ、55.6%が「以前と比べて低下している」と回答している。また、「低年齢少年の生活と意識に関する調査報告書」(平成19年2月内閣府調査)では、小・中学生の保護者に子育てや教育の問題点を複数回答で求めたところ、58.3%が「地域社会で子どもが安全に生活できなくなっていること」を挙げている。
 このような状況を踏まえ、多様な学習活動の機会や情報提供、様々な機関、団体が連携することにより、地域における学習活動を活性化させ、地域における様々な現代的課題等に対応するとともに、子どもの安全・安心な活動の場を確保する等、総合的に地域の教育力の向上を図る必要がある。また、社会教育法等の一部を改正する法律(平成20年法律第51号)においても、「放課後子ども教室推進事業」や、「学校支援地域本部事業」を想定した規定が教育委員会の事務として新設されており、同様の取組の一層の促進が求められている。

・地域の教育力の向上に必要な経費 10,199百万円(平成20年度予算額)
 「地域のボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究」 42百万円
 公民館等におけるニート支援モデル事業 2百万円
 「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業 268百万円
 NPOを核とした生涯学習活性化事業 15百万円
 保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業 36百万円
 男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に係わる特別調査研究 18百万円
 人権教育推進のための調査研究 160百万円
 社会教育を推進するための指導者の資質向上等 83百万円
 地域の図書館サービス充実支援事業 21百万円
 地域と共に歩む博物館育成事業 26百万円
 放課後子ども教室推進事業 7,765百万円
 団塊世代等の社会参加促進のための調査研究 40百万円
 学校支援地域本部事業 5百万
・教育の基礎的な調査研究に必要な経費 2,693百万円の内数(平成20年度予算額)
 社会教育実践研究センター事業経費 92百万円

【有効性の観点】
 地域住民のボランティア活動など、課題解決活動や個人の自立支援に対する支援や、学習活動の成果を生かした町づくりの促進を目指している。また、人権等に関する学習機会や地域コミュニティーの充実を図り、地域のきずなを深める取組や社会教育施設を通じての地域における学習拠点づくり等の推進を目指している。
 本事業を行うことにより、多様な学習活動の機会や情報提供、様々な機関、団体が連携することにより、地域における学習活動を活性化させ、地域における様々な現代的課題等に対応するとともに、総合的に地域の教育力の向上を図ることを目指している。

(事業アウトプット)
 これらの事業の実施により、図書館等の利用者数や地域における教育活動への参加者数が増えた。

(事業アウトカム)
 先進的な取組事例が広く全国に紹介されることにより、地域における学習活動が活性化され、地域における様々な現代的課題等への対応が推進される波及的な効果が見込まれる。このように、インプット量はモデル事業実施とその成果の波及を目的とした効率的なものであり、地域の知の拠点の充実や、学校教育の負担軽減、学習の成果を生かす活動の充実等、社会的な必要性が高く、他の類似の取組も少ないものとなっており、効率性の観点からも妥当である。

施策への反映(フォローアップ)

【予算要求への反映】
 評価対象施策の改善・見直し

【機構定員要求への反映】
 定員要求に反映

【具体的な反映内容について】
 家庭や地域の教育力の一層の向上や地域の知の拠点の充実、学校教育の負担軽減、学習の成果を生かす活動の充実等、社会的な必要性が高い取組を推進する。
 具体的には、平成20年度に引き続き教育委員会、PTA、地元企業等の支援団体の協力を得て、中学校区単位に学校と地域との連携の構築を図り、地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進する「学校支援地域本部事業」や放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の多様な方々の参画を得て、学習活動や様々な体験・交流活動等を推進する取組を、厚生労働省と連携した総合的な放課後対策(放課後子どもプラン)として実施する放課後子ども教室推進事業等の予算を要求する予定。
 また、放課後子ども教室推進事業については、今後、放課後子どもプランとして厚生労働省が所管する放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)とのさらなる連携及び事業の質的充実に向けた調査、企画立案等の業務を行う必要があるため、新たに係長1、係員1を要求する。
 保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業に関連して、制度共済を行うPTA等が適切に事業を行うことができるよう、制度共済事業に係る指導体制の充実を図るために共済を行う団体の認可、実施状況の調査・分析等の業務を行う必要があることから、新たに専門官1を要求する。
 博物館事業については、平成21年度の新規事業である「図書館・博物館における地域の知の拠点推進事業」を引き続き、実施することにして、調査研究事業に加え、「博物館ネットワーク構築推進事業」の拡充を図る。
 社会教育実践研究センターについては、今後も、社会教育に係る基礎的な調査研究事業及び、社会教育事業の開発・展開等の調査研究事業のほか、奉仕活動・体験活動に関する事業を引き続き推進し、地域における社会教育施策の推進を図る。
 「社会教育を推進するための指導者の資質向上等」においては、引き続き社会教育主事、司書等の社会教育関係者を対象とした資質向上研修を実施し、地域の社会教育施策の推進を図る。

関連した行政活動(主なもの)

 特になし

備考

 特になし

具体的な達成手段

 ※  【22年度の予算要求への考え方】には、実績を踏まえ、より効率化に努める内容についても記入している。

【事業概要等】 【20年度の実績】 【22年度予算要求への考え方】
「地域のボランティア活動支援センターの在り方に関する特別調査研究(開始:平成20年度 終了:平成22年度20年度予算額:42百万円)
各地域のボランティア活動支援センターにおける活動希望者と活動の受け入れ先との効果的なマッチング方法や関係団体・機関との連携、支援センターの運営等に関する調査研究を実施し、青少年から高齢者まであらゆる世代がボランティア活動を通じて地域社会へ参画することを支援する。 平成20年度は5団体に委託し、地域のボランティア活動支援センターにおけるボランティア希望者と受け入れ先とのマッチング方法や、関係団体・機関との連携、支援センターの運営等について調査研究が行われ、その成果を活かして、支援センターの運営改善等が行われた。 平成22年度は、これまで2年間の事業実施で明らかになった課題等を踏まえつつ必要な要求を行い、より各地域におけるボランティア活動の支援をはかることで地域の教育力が向上されるよう努める。
公民館等におけるニート支援モデル事業(開始:平成18年度 終了:平成20年度20年度予算額:2百万円)
 地域の教育委員会・公民館等の社会教育施設及びNPO法人等が企業等と連携し、ニートを支援する事業をモデル的に実施することにより、全国への事業展開を図る。 セミナー開催回数:18回
総参加者数:1,285人
本事業は、保護者やニートの意識改革、ニートを予防するための事業の実施を目的としている。
事業終了後の報告においては下記のような成果があった。
・事業参加者による就労へのステップアップ
・カウンセリングによるニートの実態の把握
・保護者や教員を対象としたニート予防の実施今後は、こうした成果について公民館関係者に周知し、普及を図る。
20年度で廃止
事業を実施した3年間で着実に参加者数が増加し、一定の事業成果が得られたため、平成20年度限りで事業は終了する。
「学びあい、支えあい」地域活性化推進事業(開始:平成19年度 終了:平成20年度20年度予算額:268百万円)【平成20年度達成年度到来事業】
地域の教育力活性化のため、地域住民がボランティア活動や家族参加の体験活動、地域の様々な課題等を解決する学習や活動などの取組を通じて、住民同士が「学びあい、支え合う」地域のきずなづくりを推進する。 平成20年度は、直接の委託先として57運営協議会が組織され、再委託先として626実行委員会が活動し、1,008事業が実施され、地域住民による様々な体験活動等を通して、住民同士のきずなづくりが促進された。 平成20年度をもって、一定の事業成果が得られたため、平成20年度限りで事業は終了する。
NPOを核とした生涯学習活性化事業(開始:平成20年度 終了:-20年度予算額:15百万円)
NPOを核とした多様な主体(企業・学校・行政等)の協働によって生まれる、柔軟かつ専門性の高い組織力を活かし、市民の学習活動等を支援・促進するとともに、市民力の向上を図るなど、「民」主導による生涯学習の活性化を目的とする。 平成20年度は、12のNPOに事業を委託した。NPOを中心として地域の多様な主体が連携することにより、それぞれの地域課題に対し、より課題解決型の現実的な学習活動が行われた。 平成22年度の予算要求は、これまでの事業実施により明らかになった課題等を踏まえ、必要な要求を行い、本事業により地域の教育力の向上が図られるよう努める。
保護者を中心とした学校・家庭・地域連携強化及び活性化推進事業(開始:平成20年度 終了:平成21年度 20年度予算額:36百万円)
PTA関係団体が学校・家庭・地域連携、活性化のための意識調査を実施し、その結果を普及するために報告書の作成やPTA参加型のシンポジウム等を実施する。 子ども達の生活実態調査や教育に関する保護者の意識調査を実施し、報告書やHPで調査結果を普及するとともに、全国規模のシンポジウム等を実施することを通して、保護者の意識啓発が図られた。
・4団体へ事業委託
・報告書作成総数 15,000部
・シンポジウム参加総数 7,527人
平成22年度も、保護者を中心とした学校・家庭・地域連携を強化、活性化していくために、調査、普及活動を推進するために必要な要求を行い、全国の保護者の意識啓発に努める。
男女共同参画社会に向けた教育・学習支援に係る特別調査研究(開始:平成19年度 終了:平成20年度20年度予算額:18百万円)
【平成20年度達成年度到来事業】
男女共同参画社会の実現のためにどのような支援が必要とされているかを検討するため、本調査研究を実施。 委託件数:4件
男女共同参画社会の実現のために必要な支援のあり方について検討するため、女性のライフプラニングに資する学習支援のあり方等、喫緊の課題に関する調査研究を行い、各調査において現状を把握するとともに、求められる支援のあり方等について検討を行った。
【事業全体の総括】
調査研究の実施により、男女共同参画社会に向けた学習支援等といった喫緊の課題等に対応した支援のあり方について検討し、必要な支援のあり方を把握することができた。
20年度で廃止
平成21年度より委託事業として「女性のライフプランニング支援総合推進事業」を実施。平成22年度も男女共同参画社会の実現のために必要な要求を行う。
「人権教育推進のための調査研究事業」(開始:平成16年度 終了:-20年度予算額:160百万円)
「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)に基づき、人権一般の普遍的観点からの取組及び各人権課題に対する取組を推進するため、人権教育の推進方策についての調査研究等を行う。 平成20年度は、22都府県、87地域において、様々な人権課題に関して人権教育の推進方策に関する調査研究が実施された。事業の中で実施されたセミナーへは、のべ3万8千人以上が参加した。 平成22年度も、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成14年3月閣議決定)に基づき、人権教育を推進していくため、必要な要求を行う。
社会教育実践研究センター事業経費(開始:平成13年度 終了:-20年度予算額:92百万円)
全国の社会教育活動の実態に関する基本調査及び地域における充実した社会教育事業の展開を支援するための学習プログラム等の開発や人材養成に関する調査研究並びに奉仕活動・体験活動の推進と全国的な定着を図る。 社会教育に関する調査研究事業:7本
社会教育に関するセミナー等:5本

社会教育に係る基礎的な調査研究や、社会教育事業の開発等の調査研究のほか、奉仕活動・体験活動に関する事業を推進し、地域の社会教育の推進が図られた。
継続
社会教育の充実、活性化を図るために、基礎的な調査研究や学習プログラム等の開発、人材養成に関する調査研究並びに奉仕活動・体験活動の推進と定着のための調査研究を継続するため必要な要求を行う。
「社会教育を推進するための指導者の資質向上等」(開始:平成15年度 終了:-20年度予算額:83百万円)
社会教育法に定められている社会教育主事の資格付与のための講習等を実施する。また,生涯学習社会を構築する上で重要な役割を担う社会教育主事,司書及び学芸員等を対象に,専門的・技術的な研修を実施することにより,社会教育指導者の資質の向上を図る。 【得られた効果】
社会教育主事講習を全国13大学及び国立教育政策研究所に委嘱し実施することにより,社会教育主事の養成に資するとともに,現職の社会教育主事,司書及び学芸員等を対象とした資質向上研修を実施することにより,地域の社会教育事業の活性化が図られた。
【事務事業等による活動量】
社会教育主事講習の実施(13大学各1回,国立教育政策研究所2回)
各種研修事業の実施(6回)
継続
受講者にとってより効果的な研修プログラムを構築するため,学識経験者等によるプログラム内容の検証・評価を行う委員会の設置等に伴う必要な予算を要求する。
地域の図書館サービス充実支援事業(開始:平成17年度 終了:平成20年度20年度予算額:25百万円)
【平成20年度達成年度到来事業】
地域や住民にとって役に立つ図書館として、より豊かで質の高いサービスを提供できるよう公立図書館のあり方に関する調査研究を行う。 【得られた効果(総括)】
モデル事業の実施館等において利用者登録数又は貸出者数の増加があった。さらに、モデル実施館等を参考とした他の図書館の報告を受けている。図書館の在り方に関する調査研究やモデル事業の実施により、図書館の課題解決機能や各種団体・機関との連携・協力等の地域における図書館サービスの充実の推進が図られた。
【事務事業等による活動量】
これからの図書館の在り方検討協力者会議の開催(H20:計10回)地域の図書館サービス充実支援事業(モデル事業)の実施(14件)
廃止
平成21年度予算において、「地域の図書館サービス充実支援事業」を見直し、新たに「図書館・博物館における地域の知の拠点化推進事業」を実施しており、平成22年度についても、図書館が抱えている諸課題の調査研究を実施するとともに、地域の司書の有資格者が有する専門的知識を有効活用し、地域の図書館機能の向上を図ることにしている。
地域と共に歩む博物館育成事業(開始:平成19年度 終了:平成20年度20年度予算額:26,151千円)
【平成20年度達成年度到来事業】
博物館が地域の市民の理解を得ながら安定的・継続的に活動を行っていくために必要な評価指標の策定や、適切な防災や災害に対する対処方針を策定し博物館関係者による協力体制を構築するため、国内外の博物館の実態等を把握するとともに、共通の指標やマニュアル等を策定する等、地域の市民の理解を得、地域に支えられることで安定的・継続的に活動を行うことのできる博物館となるための方策について調査研究を行い、国への施策提言を行い、かつ全国に普及啓発を行う事業を委託する。 【得られた成果(総括)】
現在、博物館が対応を求められている、評価方法、リスクマネージメントなどの課題に対応するための調査研究を実施し、その成果を全国の博物館関係者に周知することにより、その博物館運営に十分に活用されている。
このことが、本事業の目的である、「博物館が地域の市民の理解を得ながら安定的・継続的に活動を行っていく」ための活用方策の普及を達成することができた。
○成果物(20年報告書)
・博物館評価制度等の構築に関する調査研究
・日本の博物館総合調査研究
・博物館における施設管理・リスクマネージメントガイドブック
・アジア・太平洋地域の博物館連携にかかる総合調査報告書
・大学における学芸員養成課程及び資格取得者の意識調査報告書
・博物館支援策にかかる各国等比較調査研究 アジア太平洋地域博物館国際交流調査報告書
・博物館支援策にかかる各国等比較調査研究 アジア太平洋地域博物館国際交流調査報告書
廃止
平成21年度予算において、「地域と共に歩む博物館育成事業」を見直し、新たに「図書館・博物館における地域の知の拠点化推進事業」を実施しており、平成22年度についても、博物館が抱えている諸課題の調査研究を実施するとともに、館種を超えた博物館のネットワーク事業の拡充を図ることにしている。
放課後子ども教室推進事業(放課後子どもプラン)(開始:平成19年度 終了:-20年度予算額:7,765百万円)
放課後や週末等に学校の余裕教室等を活用して、子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の大人の協力を得て、学習や様々な体験学習等を実施する。 実施箇所数:7,919箇所
実施市町村数:1,015
年間平均開催日数:121.6日

各都道府県において、推進委員会を設置し、総合的な放課後対策事業を検討するとともに、安全管理員等に対する研修を行い、事業の推進を図った。各市町村においても同様に運営委員会を設置し、実際の運営について検討を重ね、地域における放課後対策の向上を図った。
平成22年度の予算要求は、地方の意見及びこれまで3年間の事業実施により明らかになった課題等を踏まえつつ必要な要求を行い、本事業により地域の教育力の向上が図られるよう努める。
団塊世代等社会参加促進のための調査研究(教育サポーター制度の創設)(開始:平成19年度 終了:平成20年度20年度予算額:35百万円)
【平成20年度達成年度到来事業】
高齢者や団塊世代が、知識や経験を活かして地域社会で活躍できるよう、実態調査・検討を行い、標準的な教育サポーター制度を構築する。 【事業の効果(総括)】
・教育サポーター制度の推進等、団高齢者等の学習活動及び社会参加促進のため、「団塊世代等社会参加促進のための調査研究」の実施
・モデル事業の実施団体では、事業実施後、地域住民のニーズが高まり、そのため独自で事業の実施または計画を行っている。
【事務事業による活動量】
・教育サポーター制度PRパンフレット「教育サポーター制度の普及に向けて」の配布(3千部)
・教育サポーター推進事業(モデル事業)の実施(6件)
廃止
平成19年度より団塊世代等社会参加促進のための調査研究事業を2年間実施した結果、概ね独自で当事業を行うことが可能な団体の数が当事業実施当初に比べて、増加したことなど、一定の成果を得たことから平成20年度限りで当事業を終了する。
学校支援地域本部事業(開始:平成20年度 終了:平成22年度20年度予算額:5,040百万円)
地域住民がボランティアとして学校の教育活動を支援する「学校支援地域本部」を設置し、地域全体で学校教育を支援する。 実施市町村数:867市町村
実施箇所数:2,176箇所
各学校支援地域本部において、学校支援ボランティアが実施されたことにより、学校と地域の交流が図られた。
地方の意見を踏まえ、未設置の市町村を減らすよう必要な要求を行う。

(参考)関連する独立行政法人の事業(なお、当該事業の評価は文部科学省独立行政法人評価委員会において行われている。評価結果については、独法評価書を参照のこと)

独法名 20年度予算額 事業概要 備考(その他関係する政策評価の番号)

○21年度に開始された事業の概要、予定指標

【事業概要等】 【目標・設定予定の指標】 【22年度予算要求への考え方】
図書館・博物館における地域の知の拠点推進事業(終了:平成23年度 21年度予算額:72百万円)
図書館の未設置市町村などにおける図書館サービスの充実に関する実践研究の実施など、図書館機能を活用した「地域の知の拠点」づくりを推進するとともに、博物館の広域的な地域連携や館種を超えたネットワークを構築し、博物館機能の高度化を推進する。また、図書館・博物館の評価のガイドラインの策定や、指定管理者の実態の分析、リスクマネージメント等に関する調査研究を実施する。 【目標】
図書館・博物館を「地域の知の拠点」として推進することを通じて、国民の読書力の向上や博物館の新たな可能性を開拓し、心豊かな国民生活と活力あふれる社会の実現を図る。
【設定予定の指標】
・調査研究報告書の配布部数
・調査研究ホームページのアクセス数
(博物館)
・入館者数の増加率
・図書館ボランティア中の有資格者の数
平成21年度予算において、「地域の図書館サービス充実支援事業」及び「地域と共に歩む博物館育成事業」を見直し、新たに「図書館・博物館における地域の知の拠点化推進事業」を実施しており、平成22年度についても、発展的に図書館・博物館が抱えている諸課題の調査研究を進める必要がある。また、引き続き実践研究等の実施により地域の図書館機能の向上を図る。さらに、21年度に公募を行ったところ、当初の見込みを上回る応募があったことから館種を超えた博物館のネットワーク事業の拡充を図ることにしている。
優れた社会教育重点推進プラン(終了:平成23年度 21年度予算額:76百万円)
地域の公民館等を中心とした関係機関・団体のコンソーシアム形式による社会教育の総合的な取組について、特に優れた取組を支援する。
また、専門家による調査研究協力者会議を設置し、社会の要請が強い新たな学習課題に対応する学習プログラムの開発を行う。
さらに、公民館の適切な評価が行われるよう、指針及びガイドライン策定のための調査研究を行う。
【目標】
公民館等を中心とした地域全体で行う社会教育に関する優れた取組や、開発されたプログラムの普及を図り、また、公民館評価の調査研究結果の周知等を行い、地域の教育力の向上を目指す。
【設定予定の指標】
・実施事業参加者の満足度
・コンソーシアム形成団体数
・学習プログラムの開発過程における公民館関係者の意見数
・公民館評価調査結果に対する公民館関係者の意見数
平成21年度新規事業として6協議会に委託し、公民館や博物館、大学、企業等とのコンソーシアム形成による事業を実施している。初年度に形成したコンソーシアムの基盤を、平成22年度には、さらに発展させた事業として展開していく必要がある。また、テーマについてもある程度絞り込む中で、より優れた社会教育の実践を重点的に支援していく。

官房部局の所見

  • 判断基準1-3-1チについて、調査研究内容の周知・活用状況をはかることのできる指標の設定について検討すること。
  • 判断基準1-3-3については、今後の事業の進捗状況に応じて、指標を変更していくことを検討すること。

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --