108.日本/ユネスコパートナーシップ事業(拡充)

平成21年度要求額:150百万円
(平成20年度予算額:28百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

(1)教育分野における取組

 「持続発展教育」の概念に基づいた教育活動の推進と、ユネスコの世界的な学校ネットワークであるユネスコ・スクールの活用・発展を目指す。平成19年度は3件の事業を実施、平成20年度には4件の事業を実施する予定。
 「国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」の最終年である2014年(平成26年)までには、国内のユネスコ・スクール加盟校500校を目指す。

(2)科学分野における取組

 科学分野における持続可能な社会の構築のため、気候変動など地球規模課題の解決の手段として、ユネスコの水、海洋、生態系といった各プログラムの連携を推進する。

(3)文化分野における取組

 文化分野における持続可能な社会の構築のため、次世代へ無形文化遺産を継承するための保護計画を策定する。

2.指標と目標

【指標】

  • ユネスコ・スクール加盟校
  • プログラム開発及び保護計画
  • 事業参加ユネスコ・スクール数

【目標】

  • ユネスコ・スクール加盟校数 500校
  • プログラム開発及び保護計画の策定
  • 本事業によるプログラムに参加するユネスコ・スクール数を毎年10パーセントずつ増加させる

【効果の把握手法】

 文部科学省では、ユネスコ・スクール(ASP)をESDの推進拠点として位置づけ、その加盟校増加・ネットワーク強化に務めている。そこでユネスコ・スクール加盟校を指標として500校にすることを目標とすると共に、ユネスコ・スクールへの支援方策を指標として、毎年何校が受益したか、またその効果をユネスコ・スクール加盟校にアンケート等を通じて調査する。科学及び文化分野においては、プログラム開発及び保護計画の策定を目標とする。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 ESDを国際的な立場から推進することを提唱したのは日本政府である。2002年(平成14年)9月に開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)での小泉首相(当時)の提案に基づき、同年12月の第57回国連総会において、2005年(平成17年)から2014年(平成26年)までの10年を「国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」とし、ユネスコをその主導機関とするとの決議が採択された。これを受け2005年(平成17年)9月には、ユネスコが中心となって各国の具体的対応の指針となる国際実施計画が策定された。
 我が国にとって、国際的取組に対する協力と並んで重要なことは、国内における取組の推進である。特に学校現場におけるESDの概念が十分に理解されているとは言えない状況であり、早急な対策が必要である。
 ESDを学校教育の中で推進するに当たっては、環境教育、国際理解教育、人権教育など等、多岐にわたる分野をつなげて総合的に取り組むことが求められているが、ユネスコの国際的な学校間ネットワークである「ユネスコ・スクール」が取り組むテーマとESDが取り組むべき分野とが重なることから、全国の小・中・高等学校においてESDを普及促進していく上で、ユネスコ・スクールのネットワークを活用することが有効である。そこで、本事業ではユネスコ・スクールの活動の充実を図る。
 また、ESDは教育分野に限らず、科学・文化など横断的に取り組む必要があることから、科学・文化についてもプログラム開発、無形文化遺産の保護計画の策定等を実施し、科学・文化面からESDの普及・促進を図る。
 これらの取組が、我が国が提唱し、ユネスコが主導する地球規模の課題であるESD及び気候変動等への取組の国内外で普及・推進につながり、上位目標である「国際協力の推進」に寄与することが可能となる。

2.有効性の観点

 現存する国内のユネスコ・スクールは25校であるが、昨年度事業を実施したところ新たに20校余りがユネスコ・スクールへの関心を持つに至った。今後、本事業を拡充することにより、年間100校は新たにユネスコ・スクールに参加すると予想され、平成26年度には500校以上が参加する見込み。

3.効率性の観点

アウトプット

 年間10事業かける6年イコール60事業を実施

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(150百万円)に対して、アウトプットとして、年間10事業を実施し、年間100校のユネスコ加盟校の増加、支援を行うことで、ユネスコ・スクール加盟校以外へのその活動の効果が波及することが期待できる、また、教育、科学、文化の分野において事業を実施することで、持続可能な社会構築に必要な包括的な取組・広がりが期待できることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効率的であると判断する。

代替手段との比較

 ESDの普及・促進について、ESDの主導機関であるユネスコと連絡しつつ、かつ特に学校現場への普及促進が求められていることから、文部科学省が実施することが最も効率的かつ効果的である。

-- 登録:平成21年以前 --