102.地域日本語教育体制整備事業(新規)

平成21年度要求額:69百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

(1)都道府県日本語教育担当者研修

 都道府県の日本語教育担当者を対象に,地域における日本語教育の推進を目的とした研修を,国が直接実施する。

(2)コーディネート業務委託

 以下の業務を,国が都道府県に委託して実施する。

  • 1 地域(都道府県内)の日本語教育に関するニーズ調査の実施
  • 2 地域(都道府県内)で活用する日本語教材の作成
  • 3 域内の市町村の日本語教育担当者(地域日本語教育コーディネーター)を対象とした研修の実施
  • 4 域内の市町村の日本語教育担当者が集う連絡会議の開催
  • 5 域内の市町村における日本語教室設置・運営等の日本語教育事業に対する助言・相談

2.指標と目標

【指標】

国内における日本語教室数及び日本語学習者数の変化

【目標】

 平成19年度11月1日現在の国内における日本語教室の数は,1,801教室で,日本語学習者数は,163,670人である。達成年度までに日本語教室数について対平成19年比9パーセント以上の増加,日本語学習者数について対平成19年比18パーセント以上の増加を目指す。目標値は,過去5年間の日本語教室及び学習者数の増加率を上回るように設定した。

【効果の把握手法】

 毎年度実施している「日本語教育実態調査」により把握する。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 これまで地域における日本語教育は主にボランティアによって支えられてきたが,学習者の増加と多様化にともなって,学習者のニーズに十分にはこたえられなくなった。近年,外国人人材の活用は,我が国において欠くことのできないものとなっており,彼らを地域社会の一員としてとらえた施策の必要性が高まっている。そのため,彼ら及び彼らの家族が安心して暮らせるように地域における日本語教育に対する支援が必要である。

2.有効性の観点

 地域の日本語教室は,学習者の通える時間と場所に開設できていなかったり,学習者の期待する質と内容で指導が行えていなかったりする。実際,日本語教育のプログラムの企画立案,及び会場の確保や講師の手配等といったコーディネート業務は,地域の日本語教育の担い手であるボランティアにとっては過度の負担となっている。以上のような役割をボランティアにかわって,行政機関または国際交流協会等の機関および人材が業務として担うことで,設定した目標(教室数,学習者数の増加)は達成することができると見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

 今年度は,緊急性の高い外国人集住都市を抱える7県を対象に実施する。その後,外国人登録者数が10万人を超える6県と,その都道府県内にある政令指定都市8市を主な対象として順次モデル事業を展開し,その成果を普及する。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(69百万円)に対して,アウトプットとして,都道府県に本事業を委託することを通し,1全国で都道府県を中心とした日本語教育拠点作りが行われる,2既存のリソースが有効に活用されるようになることを見込まれ,本事業のインプットとアウトプットの関係は適切であると判断する。

代替手段との比較

 本事業は国の委託事業により行うが,仮に地方自治体の事業として実施した場合には,参考にできる基準・能力もなく,効果的に事業を展開するのは困難である。また,仮に効果的な事業を実施できたとしてもその成果を広く全国に周知し,他の地域への波及効果を期待することができない。

-- 登録:平成21年以前 --