54.がんプロフェッショナル養成プラン(拡充)

平成21年度要求額:2,500百万円
(平成20年度予算額:1,900百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

 本事業は、がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師及びがん医療に携わるコメディカルなど、がんに特化した医療人材を養成するため、国公私立大学を対象とした教育研究拠点の形成を全国的に拡大するとともに、大学病院等との有機的かつ円滑な連携のもとに行われる大学院のプログラム等をさらに重点的に支援することにより、大学教育の活性化を促進し、優れたがん医療を担う人材養成の推進を図る。
 また、平成21年度においては、緩和ケア等についての教育体制の整備支援にかかる拡充を図る。

2.指標と目標

【指標】

がん医療の担い手となるがん専門医師等、より多くの医療人養成への寄与・実施

【目標】

 選定された18大学が拠点となり、連携する大学・大学病院等との緊密なネットワーク体制を構築することにより、放射線療法、化学療法等を専門的に行う多くの優れた専門家を養成する。

【効果の把握手法】

 本事業に採択された大学に対し、人材養成等の状況調査を実施し効果を検証する。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 がんは、わが国の死亡率第1位の疾患であるが、がんを専門的に診療できる専門家が全国的に少ないことが社会問題となっている。そして、がん専門医等の養成等必要性について平成19年4月に施行されたがん対策基本法第14条に「がん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の養成を図ることが示されており、また、同法への対応として、同年6月にがん対策推進基本計画が策定され、本事業の取組があげられており、各大学におけるがん診療に関する教育を専門的に行う教育組織、その実施体制の充実と緩和ケアを含めた人材養成の更なる推進を図ることが必要であると指摘され、さらに「経済財政改革の基本方針2008」では、「がん対策推進基本計画に基づき、がんの総合的な対策を講じる。」とされている。
 本基本計画等の実現を目指すためには、重点的な支援を行い、がん診療を専門的に行う医師等が専門性を発揮できる環境を整えることが必要であることから、本事業の拡充が必要不可欠である。

2.有効性の観点

 本事業では、各大学が、大学病院、がん診療連携拠点病院や地域の医療機関と連携して、がんに特化した教育や全医師等に緩和ケアの教育を行うことにより、がんに関する幅広い知識及び技術を有した一定数の専門医等の育成が見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

 選定された18拠点に対して、教育拠点である国公私立大学や診療拠点であるがん診療連携拠点病院などと有機的な連携を通じて、がんに関する優れた教育研究の取組が実施されており、教育研究拠点における実施体制の強化・充実を図るとともに、平成19年6月「がん対策推進基本計画」に掲げている課題に対して積極的に対応するため、1がん医療に携わるすべての医師等へ緩和ケアに関する教育の実施、2がん医療に関する教育研究体制の強化、3多数の大学と連携している拠点の実施体制に係る充実・強化、などを図ることにより、効果的・効率的にがん医療人材の養成が行われると判断する。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(2,500百万円)に対して、18事業(参画92大学)において、放射線療法及び化学療法等の優れたがん専門医等や緩和ケアの知識及び技術を習得しているがん医療に携わる医師数の増加が図られるとともに、がん医療水準の向上が図られることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

代替手段との比較

 本事業は、国公私立大学を通じた競争的環境の中で、がん医療に関する優れた教育研究の実施が期待できる大学を採択し重点的に財政支援を行うものであり、国立大学への運営費交付金や私立大学への各種補助金などにより実施することとした場合には、競争的環境の醸成が期待できない。

-- 登録:平成21年以前 --