平成21年度要求額:6,378百万円
(平成20年度予算額:5,040百万円)
本事業は、文部科学省から都道府県・指定都市等に委託、そこから市区町村等に再委託をして実施する。再委託を受けた市区町村は域内に学校支援地域本部を設置する。
また、域内の効果的な事業展開を図るため、都道府県・指定都市においては運営協議会を設置するとともに、市区町村においては実行委員会を設置するものとする。
原則として、中学校区(標準:1中学校、2小学校)に学校支援地域本部を設置する。本部は、地域コーディネーター、学校支援ボランティア及び地域教育協議会で構成される。
コーディネーターが学校側とボランティアの連絡調整を行い、学校のニーズに応じてボランティアを派遣する。地域教育協議会は、学校、地域、コーディネーターやボランティア等で構成され、学校支援の方向性について議論し、情報共有、共通理解を図るものである。
地域住民が学校を支援することで、多様な体験活動やコミュニケーション能力、規範意識の醸成を図ることができる。「教員の勤務実態調査」(平成18年度文部科学省委託調査)においては、教員の超過勤務時間で月平均34時間であるなど、教員の多忙化が指摘されており、教員が教育活動により力を注げる環境を整えることが重要である。
地域の連帯感の形成や活性化が図られ、これにより地域の教育力が向上し、学校を核とした地域づくりが図られると考える。
「地域の教育力に関する実態調査」(平成18年度文部科学省委託調査)で保護者を対象に行ったアンケートにおいて、自身の子ども時代と比べて地域の教育力が低下していると回答している人が過半数を占めており、地域の教育力の向上に取り組む必要がある。一方、各地域における地域の教育力に差があることから、国が事業として実施し、普及・啓発をしていくことが必要不可欠である。
地域住民が自らの知識や経験を子どもの教育に生かすことで、生涯学習の成果を生かす場が拡がるものである。本年改正された社会教育法においても、教育委員会の事務として「社会教育における学習の機会を利用して行った学習の成果を活用して学校、社会教育施設その他地域において行う教育活動等の機会を提供する事業の実施等の事務」が規定(第5条15号)されたところであり、学習成果を活用する場の充実に向け、取り組む必要がある。
また、20年度は各市町村に学校支援地域本部が設置されることを目標に1,800ヶ所で実施したところだが、未実施の市町村もあることから、本事業をより広く学校を支援する仕組みづくりを普及させるため、各市町村の地域の実情等を踏まえた事業実施箇所数を拡充することが必要である。
各市町村に実践例を設けることで、各地域における本部の設置が進み、全国的に拡がっていくことが見込まれる。これにより、地域住民による学校支援ボランティアの取組が進み、前記の目標の達成が見込まれる。
1つの学校支援地域本部あたり150万円程度で150人のボランティアが登録され、学校支援活動が行われる。
また、コーディネーター(週4時間3日
3人を想定)の配置により、より円滑な支援活動ができるとともに、学校側の連絡調整業務が軽減される。
ボランティア保険料やコーディネーター活動経費等、学校支援活動を行うための経費を措置することにより、学校支援地域本部の設置が促進される。よって、インプットとアウトプットの関係は適切である。
学校支援地域本部事業は義務教育の条件整備の一環であることから、全国的な普及、向上を図る必要がある。
本事業は全国で実施する事業であるが、補助事業として実施するよりは、文部科学省の委託事業として全市町村を対象とするモデル事業として取り組むこととし、それぞれの地域の取組を先導するなどして、全国的な展開を図っていく手段が効率性の観点から適当である。
-- 登録:平成21年以前 --