施策目標11-1 子どもの体力の向上

(基準年度:13年度・達成年度:22年度)

  長期的に低下傾向にある子どもの体力を、スポーツの振興を通じ、上昇傾向に転じさせることを目指す。

主管課(課長名)

  • スポーツ・青少年局参事官(体力つくり担当)(坂元 譲次)

関係課(課長名)

  • スポーツ・青少年局企画・体育課(鬼澤 佳弘)

評価の判断基準

  各達成目標の平均から判断する。

  • S=3.4~4.0
  • A=2.6~3.3
  • B=1.8~2.5
  • C=1.0~1.7

平成19年度の状況と総合評価結果

  施策目標11‐1「子どもの体力の向上」については、長期的に低下傾向にある子どもの体力を、スポーツの振興を通じ、上昇傾向に転じさせることを目指すことを目的に施策を進めてきた。評価結果については、以下の各達成目標の結果から、「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

達成目標11‐1‐1 B

  「平成18年度体力・運動能力調査報告書」によれば、50メートル走(11歳男子・女子)、ソフトボール投げ(11歳男子・女子)、立ち幅とび(9歳男子・女子)の測定結果において、各種目の長期的な傾向では立ち幅とび(9歳男子・女子)については下降しているが、50メートル走(11歳男子・女子)、ソフトボール投げ(11歳男子・女子)についてはほぼ横ばいで推移している。このため、「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

達成目標11‐1‐2 A

  平成19年度の子どもの体力向上指導者養成研修の受講者(教員)に対するアンケートによると、研修内容が有意義であると答えた受講者は、96.8パーセントである。前年度と比べて、子どもの体力向上指導者養成研修が有意義であると回答する割合は減少しているが、その割合は95パーセント以上と依然高水準にあることから、学校体育担当教員に対する指導力向上のための研修は充実したものとなっていると考えられる。また、「体育担当教員等武道講習会の改善・充実に関する調査研究」の実施により、当該都道府県における武道講習会の改善がなされ、今後の各都道府県における講習会見直しの参考に資すると考えられる。
  このため、「想定通り順調に進捗している」と判断。

達成目標11‐1‐3 B

  運動部活動の参加率の推移を見ると、中学生では65パーセントの高い参加率を維持しており、高校生の参加率についても年々増加する傾向にあることから、運動部活動を活性化する取組は「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

達成目標11‐1‐4 B

  財団法人日本中学校体育連盟調査によると、中学校の運動部活動での外部指導者の活用が平成18年度に比べて減少しているものの、過去5年間の推移を考慮すると、「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

達成目標11‐1‐5 A

  学校プール及び武道場の整備率は,過去5年間の整備率の推移をみると0.2パーセント程度増加で推移しており,想定どおりに達成と判断。

総合評価結果

  B

必要性・有効性・効率性分析

必要性の観点

  子どもの体力は、昭和60年頃から長期的に低下傾向にある。体力の低下は、運動面・精神面など、子どもが「生きる力」を身につけ、創造性・人間性豊かな人材を育成する上で、悪影響を及ぼすものである。また、将来的に国民全体の体力の低下につながり、生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下など健康に不安を抱える人々が増え、ひいては社会全体の活力が失われるなど社会全体にとっても無視できない問題である。このことから、子どもの体力向上については「教育振興基本計画」においてはその重要性が示されたほか、「教育再生会議‐第3次報告‐」(平成19年12月25日教育再生会議)においても体力向上に組織的、継続的に取り組むことが指摘されおり、「新健康フロンティア戦略」(平成19年4月18日)においても「外遊びやスポーツを通じた子どもの体力向上」の重要性が示されているなど、国が地方公共団体や各関連機関・団体における体力向上に向けた組織的、継続的な取組の実施を支援する必要性は高いと考えられる。

有効性の観点

  「体力向上キャンペーン等の展開」を通じて、テーマや対象年齢層を絞り、メディアやスポーツ選手を活用して保護者や子どもにわかりやすく訴えることによって、子どもたちに夢や希望を与え、スポーツへの興味・関心が高まることにつながるほか子どもの体力向上に関する社会的機運が醸成されるなど、子どもの体力に向けた各種施策の効果的な展開を図るためには非常に有効であると考えられる。また、「体力・運動能力、運動習慣等調査」を継続的に実施し、数値的に子どもの体力の実態を把握し、分析することも、より効果的な取組の実施には有効であると考えられる。

  また、教員の指導力の向上、体を動かす場や機会の確保などを行い、運動部活動をはじめとした学校体育を通じて、子どもたちに体を動かす楽しさや喜びを味わわせ、自ら進んで運動やスポーツに親しむ資質や能力を育成することは、子どもの体力の向上には非常に有効であると考えられる。

効率性の観点

事業インプット

  • 子どもの体力の向上に必要な経費 622百万円(平成19年度予算額)
    • 体力向上キャンペーン等の展開 276百万円
    • 子どもの体力向上のための調査研究の実施 126百万円
    • 運動部活動等の活性化 220百万円
  • 公立文教施設整備に必要な経費 <104,824百万円>の内数

事業アウトプット

  本事業の実施により、1保護者をはじめとした国民全体が子どもの体力の重要性について正しい認識を持ち、国民意識が醸成される、2学校内外において子どもが体を動かしたくなる場が充実、といった効果が見込まれる。

事業アウトカム

  全国402か所の学校及び総合型地域スポーツクラブにトップアスリートを派遣するとともに、体力・運動能力、運動習慣等調査結果の把握・分析、調査研究等を通じて、各関係機関等における子どもの体力向上のための自主的な取組を支援することにより、子どもの体力向上に向けた社会的機運が醸成され、より効果的な取組の実施が図られる。
  また、教員の指導力の向上、体を動かす場や機会の確保などを行い、運動部活動をはじめとした学校体育を通じて、子どもたちに体を動かす楽しさや喜びを味わわせ、日常的にも自ら進んで運動やスポーツに親しむ資質や能力を育成することができる。
以上より、事業の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。

今後の課題及び政策への反映方針

予算要求への反映

  これまでの取組を引き続き推進

具体的な反映内容について

  • 達成目標11‐1‐1について、子どもの全国的な体力の状況等を把握・分析し、地域の特色を活かした運動習慣や生活習慣等を改善するための取組などを実践的に行うモデル事業の実施を検討。
  • 達成目標11‐1‐2について、平成20年3月に改訂された学習指導要領を踏まえた研修内容とする必要がある。このため今後とも研修内容を見直した上で、引き続き実施。
  • 達成目標11‐1‐3について、複数校での合同運動部活動の促進や複数種目を実施する総合運動部をつくるなど、新しい形態の部活動の取組も一層促進。
  • 達成目標11‐1‐4について、指導者の活用が一層促進されるよう、都道府県教育委員会が行う指導者派遣事業の課題解決を図るための事業を実施。

関係する施政方針演説等内閣の重要施策(主なもの)

「教育振興基本計画」(平成20年7月1日閣議決定)

第3章(2)

  スポーツがフェアプレイの精神を培うなど人間形成に重要な役割を果たすことに留意しつつ,学校や地域におけるスポーツの振興を通じて,生涯にわたって積極的にスポーツに親しむ習慣や意欲,能力を育成する。これにより,子どもの体力の低下に歯止めをかけ,上昇傾向に転じさせ,全国体力・運動能力等調査等による検証を行いつつ,昭和60年頃の体力水準への回復を目指す

「教育再生会議‐第三次報告‐」(平成19年12月25日教育再生会議)

2.徳育と体育で健全な子どもを育てる‐子どもたちに感動を与える教育を‐

  • 国、教育委員会は、小学校の体育専科教員の増員を図り、毎年小・中学生の体力調査を実施し、結果に応じた「体力向上プラン」を学校が策定するなど、体力向上に組織的、継続的に取り組む。

「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定)

第4章 持続的で安心できる社会の実現

6.多様なライフスタイルを支える環境整備

  子どもが外遊びやスポーツに親しむ習慣や意欲の育成、環境の整備などを通じ、著しく低下している児童生徒の運動能力や体力の向上を図る。

「新健康フロンティア戦略」(平成19年4月18日新健康フロンティア戦略賢人会議)

第1部.国民自らがそれぞれの立場に応じて行う健康対策

9.運動・スポーツの振興(スポーツ力)

  (1)外遊びやスポーツを通じた子どもの体力の向上

  1. 積極的に外遊びやスポーツに親しむ習慣や意欲の育成
    • 体育授業や運動部活動の充実
    • 走る・跳ぶなどの基本動作を習得するためのプログラムづくり
    • 子どもの体力について、国民意識の一層の喚起

「スポーツ振興基本計画」(平成12年9月13日(平成18年9月21日改定)文部科学省)

1.スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上方策

A.政策目標達成のため必要不可欠である施策
  • (1)子どもの体力向上国民運動の展開
  • (2)子どもを惹きつけるスポーツ環境の充実
B.政策目標達成のための基盤的施策
  • (1)教員の指導力の向上
  • (2)子どもが体を動かしたくなる場の充実
  • (3)児童生徒の運動に親しむ資質・能力や体力を培う学校体育の充実
  • (4)運動部活動の改善・充実

関連達成目標

  なし

政策評価担当部局の所見

  達成目標11‐1‐2について、全国の学校体育担当教員の資質が向上したかの観点からの効果を把握するための指標を設定することを検討すべき。
  達成目標11‐1‐3について、運動部活動への参加が一定の割合を確保できていることをかんがみ、今後はその内容等の充実が図られていることを捕える判断基準となる指標を検討すべき。

達成目標11‐1‐1

  スポーツの実施を通じて、子どもの体力の低下傾向に歯止めをかける。

(基準年度:13年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準 50メートル走・ソフトボール投げ(11歳男子・女子)、立ち幅とび(9歳男子・女子)の長期的な傾向
  • S=一部の項目が上昇、その他の項目がほぼ横ばいで推移
  • A=全ての項目がほぼ横ばいで推移
  • B=一部の項目がほぼ横ばい、その他の項目が下降
  • C=全ての項目が下降

2.平成19年度の状況

  平成18年9月に改定された「スポーツ振興基本計画」において「スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上方策」を目標に掲げている。これを踏まえ平成19年度においては、子どもが積極的に外遊びやスポーツに親しむ習慣や意欲を培うため、子どもが体を動かしたくなる場を充実するとともに、子どもの体力の重要性に関する国民意識の醸成に努めてきた。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
50メートル走(11歳男子) 8.91秒 8.89秒 8.95秒 8.89秒
50メートル走(11歳女子) 9.25秒 9.22秒 9.20秒 9.22秒
ソフトボール投げ(11歳男子) 30.4メートル 30.2メートル 29.8メートル 29.5メートル
ソフトボール投げ(11歳女子) 17.2メートル 17.2メートル 17.8メートル 17.2メートル
立ち幅とび(9歳男子) 166.5センチメートル 167.2センチメートル 165.5センチメートル 165.1センチメートル
立ち幅とび(9歳女子) 154.3センチメートル 154.8センチメートル 155.9センチメートル 153.4センチメートル

指標に用いたデータ・資料等

  • 文部科学省調べ「平成18年度体力・運動能力調査報告書」(平成19年10月)

指標の設定根拠

  「体力・運動能力調査」は昭和39年より実施しており、国民全体の体力・運動能力の状況を明らかにすることを目的としている。このため、長期的な体力の変化を測るための指標として、当該調査の結果を設定する。

3.評価結果

  B

判断理由

  「平成18年度体力・運動能力調査報告書」によれば、50メートル走(11歳男子・女子)、ソフトボール投げ(11歳男子・女子)、立ち幅とび(9歳男子・女子)の測定結果において、各種目の長期的な傾向では立ち幅とび(9歳男子・女子)については下降しているが、50メートル走(11歳男子・女子)、ソフトボール投げ(11歳男子・女子)についてはほぼ横ばいで推移している。このため、「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  子どもの体力の低下傾向に歯止めをかけるためには、子どもの体力向上に向けた取組をより効果的に進める必要がある。そのために、各地域における子どもの体力の状況、運動習慣、生活習慣等との相関関係について、全体的にきめ細かに把握・分析し、また、都道府県、市町村、学校それぞれの段階における子どもの体力向上に係る施策の成果と課題を整理する必要がある。

  →予算、機構定員等への考え方

  子どもの全国的な体力の状況等を把握・分析し、地域の特色を活かした運動習慣や生活習慣等を改善するための取組などを実践的に行うモデル事業の実施

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
元気アップ親子セミナーの全国開催(84百万円) 子どもの体力や生活習慣の重要性を保護者に意識付けるとともに、親子で一緒に体を動かすことができる機会を提供する。 全国104か所でセミナーを開催を通じて、親子で一緒に体を動かすことができる機会が充実。 継続
スポーツ選手ふれあい指導事業(85百万円) 学校や総合型地域スポーツクラブ等へオリンピック等で活躍した一流スポーツ選手を派遣し直接指導を行うことでスポーツ選手とのふれあいを通して子どもにスポーツの楽しさを伝える。 昨年度より120か所派遣先を拡充し(282か所から402か所)、子どもにスポーツの楽しさを伝える機会が一層充実。 継続
子どもの体力向上推進フォーラムの開催(79百万円)
(平成20年度達成年度到来事業)
子どもの体力低下が及ぼす影響や正しい生活習慣の重要性について、国民が正しく理解し、改善しようとする意識を喚起するためのフォーラムを開催する。 【事業期間全体の総括】
全国でのフォーラム開催を通じて、行政関係者、学校関係者、スポーツ団体関係者等に子どもの体力の現状や生活習慣の重要性についての理解の促進が図られた。
【フォーラム開催地域】
  • 平成19年度:6都道府県6地域
  • 平成20年度:21都道府県21地域
廃止

達成目標11‐1‐2

  学校における体育の授業の質の向上を図るため、学校体育担当教員に対する指導力向上のための研修を推進する。

(基準年度:17年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準 子どもの体力向上指導者養成研修の受講者(教員)のうち、当該研修を有意義と答えた割合
  • S=98.5%以上
  • A=95%以上
  • B=90%以上
  • C=90%未満

2.平成19年度の状況

  平成19年度においても、子どもの体力向上指導者養成研修を実施し、体力を高めるために体を動かす意識をもたせたり、運動の意欲を高めたりするための学習指導の在り方などについて、指導者として必要な知識や技術の習得を図り、受講者の資質や能力の向上を図った。
  また、「体育担当教員等武道講習会の改善・充実に関する調査研究」を2県において実施し、当該都道府県における武道講習会の改善がなされた。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1. 子どもの体力向上指導者養成研修の受講者アンケートにおいて当該研修を有意義と回答した割合 97.8% 98.8% 98.4% 96.8%
(参考)
2. 子どもの体力向上指導者養成研修の受講者数 1,065 935 897 809
子どもの体力向上指導者養成研修の受講定員 1,200 555 830 830
  • 受講定員に占める受講者数の割合
88.8% 168.5% 108.1% 97.4%
(参考)
3. 学校の体育の授業を好きと答えた割合(小学生) 80.8%
学校の体育の授業を好きと答えた割合(中学生) 63.9%
(参考)
4. スポーツをすることが好きと答えた割合(小学生) 84.9%
スポーツをすることが好きと答えた割合(中学生) 82.2%

指標に用いたデータ・資料等

資料
  1. (子どもの体力向上指導者養成研修の受講者アンケート)
参考資料
  1. (子どもの体力向上指導者養成研修の受講者アンケート)
  2. (「義務教育に関する意識調査」平成17年6月)
  3. (「全国学力・学習状況調査」文部科学省調べ)

指標の設定根拠

  教員の指導力向上のための研修が充実しているかどうかは、受講者の客観的な視点によるアンケート結果を見て判断する必要があるため、当該アンケートの結果を指標として設定する。

3.評価結果

  A

判断理由

  平成19年度の子どもの体力向上指導者養成研修の受講者(教員)に対するアンケートによると、研修内容が有意義であると答えた受講者は、96.8パーセントである。前年度と比べて、子どもの体力向上指導者養成研修が有意義であると回答する割合は減少しているが、その割合は95パーセント以上と依然高水準にあることから、学校体育担当教員に対する指導力向上のための研修は充実したものとなっている。
  また、「体育担当教員等武道講習会の改善・充実に関する調査研究」の実施により、当該都道府県における武道講習会の改善がなされ、今後の各都道府県における講習会見直しの参考に資すると考えられる。
  このため、「想定通り順調に進捗している」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  学校における体育の授業の質の向上を図るためには、体育担当教員が必要な知識や技術を習得していき、指導力を向上させる必要がある。このため、「子どもの体力向上指導者養成研修」については、平成20年3月に改訂された学習指導要領を踏まえた研修内容とする必要がある。このため今後とも当該研修の内容を見直した上で、引き続き実施していく。なお、「体育担当教員等武道講習会の改善・充実に関する調査研究」については、各都道府県教育委員会が実施する武道講習会見直しの参考に資するため、これまでの各地域における調査研究結果を各都道府県教育委員会へ普及していくこととする。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
子どもの体力向上指導者養成研修
【独立行政法人教員研修センターで実施、文部科学省は共催者として研修内容の企画等に参画】
体力を高めるために体を動かす意識をもたせる学習指導の在り方、体ほぐしの運動の趣旨を踏まえた学習指導の在り方及び運動の意欲を高めるための学習指導の在り方などについて、指導者として必要な知識や技術の習得を図るとともに、受講者が各地域において本研修内容を踏まえた研修の講師として活動し、各学校へ指導助言等を行うことのできる資質や能力の向上を図る。 当該研修の受講者は、809人であるが、その受講者が各地域において当該研修内容を踏まえた研修の講師等として活動して、すべての都道府県における伝達講習会を実施している。 継続
体育担当教員等武道講習会の改善・充実に関する調査研究(7百万円) 都道府県教育委員会が実施する体育担当教員等武道講習会の改善充実に関する調査研究を行うことにより、当該講習会の質的向上を図り、体育担当教員の武道指導力の向上、ひいては学校における武道指導の充実に資する。 2県教育委員会で事業を実施。各地域において地域の実態に応じた取組が推進された。 平成19年度限りで廃止。

達成目標11‐1‐3

  複数の学校でチームを編成する複数校合同運動部活動など他の学校や地域との連携等、中学校や高等学校において、運動部活動などを活性化する取り組みを推進する。

(基準年度:15年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準 運動部活動への参加率
  • S=前年度より増加している。
  • A=現状を維持している。
  • B=前年度より5%未満減少している。
  • C=前年度より5%以上減少している。

2.平成19年度の状況

  平成19年度においては、複数校合同運動部活動などの他の学校や地域との連携を促進する事業「運動部活動地域連携実践事業」を14市町村において実施、総合運動部活動など多様な運動を実践する機会を充実する「運動部活動等活性化推進事業」を12県市町村において実施し、運動部活動の活性化のための取組をすすめてきたところである。(これまでのべ61市町村で実施)学校統廃合が課題となっている中、複数校合同運動部に取り組む「運動部活動地域連携実践事業」については、「運動部活動等活性化推進事業」と整理・統合し、今後とも取り組む必要がある。
  また、「小学校における武道指導実践事業」を8市町村において実施、「武道の体育授業・運動部活動の相互連携に関する研究」を12校において実施し、学校における武道指導の充実を図ったところである。
  「武道の体育授業・運動部活動の相互連携に関する研究」については、学校内の取組にとどまらず、地域と連携した取組にする観点から、事業内容の見直しをする必要がある。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.中学生の運動部活動への参加率 65.2% 65.3% 64.8% 66.0% 65.0%
2.高校生の運動部活動への参加率 37.4% 38.9% 40.0% 40.1% 40.6%
(参考)
3.中学校における複数校合同運動部数
224 276 319 305 430

指標に用いたデータ・資料等

資料
  • 1、3.(財団法人日本中学校体育連盟加盟生徒数調査)
  • 2.(財団法人全国高等学校体育連盟加盟生徒数調査及び財団法人日本高等学校野球連盟加盟生徒数調査)
    学校基本調査(文部科学省調べ)

指標の判断基準

  運動部活動などを活性化することにより、それに参加する生徒数の増加が考えられることから、運動部活動への参加率を指標として設定する。

3.評価結果

  B

判断理由

  運動部活動の参加率の推移を見ると、中学生では65パーセントの高い参加率を維持しており、高校生の参加率についても年々増加する傾向にあることから、運動部活動を活性化する取組は「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  運動部活動を活性化するためには、より多くの児童生徒に部活動に参加してもらう必要がある。このため、今後も、複数校での合同運動部活動の促進や複数種目を実施する総合運動部をつくるなど、新しい形態の部活動の取組も一層促進していく。
  この他、複数校合同運動部の学校体育大会への参加の道を開いていくことも課題と考えている。
また、我が国固有の文化である武道についても、教育基本法の改正や学習指導要領の改訂等を踏まえ、学校における指導の充実を図るための取組を推進していく。なお、「5.主な政策手段」に掲げられた事業のうち、平成19年度限りで廃止としている事業については、平成20年度の継続事業との統合・メニュー化等により今後も同様の取組を続けていくこととする。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
運動部活動地域連携実践事業(40百万円) 複数校合同の運動部活動や地域スポーツクラブの連携など、1校の枠を超え、地域のあらゆる資源を活用して、地域社会と連携する運動部活動について実践的な研究を行う。 14市町村教育委員会で事業を実施。各地域において地域の実態に応じた取組が推進された。 平成19年度限りで廃止。
運動部活動等活性化推進事業(37百万円) 複数の種目に取り組むことができる総合運動部活動等の実施による子どもの運動への興味・関心を高める活動や、複数校合同体育・部活動の実施による集団的スポーツの学習機会の確保についての実践研究を実施する。 12県市町村教育委員会で事業を実施。各地域において地域の実態に応じた取組が推進された。 平成21年度も引き続き要求
小学校における武道指導実践事業(17百万円) 小学生における児童の発達段階に応じた武道指導の在り方についての実践研究を実施する。 8市町村教育委員会で事業を実施。各地域において地域の実態に応じた取組が推進された。 平成21年度も引き続き要求
武道の体育授業・運動部活動の相互連携に関する研究(9百万円) 武道の運動部活動の成果を活かした体育授業の充実に関する具体的な方策に係る実践的な研究を実施する。 14地域の中・高等学校で事業を実施。地域の実態に応じた取組が推進された。 平成19年度限りで廃止。
中学校・高等学校スポーツ活動振興事業(98百万円) 運動部活動の成果の発表の場である全国高等学校総合体育大会、全国中学校体育大会の開催経費に対する補助を行う。 全国高等学校総合体育大会は佐賀県で、全国中学校体育大会は東北ブロックで開催された。 平成21年度も引き続き要求

達成目標11‐1‐4

  地域のスポーツ指導者を体育の授業や運動部活動に積極的に活用する。

(基準年度:15年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準 中学校の運動部活動に対する外部指導者の活用人数
  • S=前年度と比べて増加人数が、3,000人以上。
  • A=前年度と比べて増加人数が、1,000人以上〜3,000人未満。
  • B=現状を維持している。
  • C=前年度と比べて減少人数が、1,000人以上。

2.平成19年度の状況

  平成19年度においては、17都道府県教育委員会で事業を実施し、運動部活動等において外部指導者を活用するとともに、外部指導者の資質向上や教育委員会内の指導者リストの作成などが行われた。また、平成17年度から平成19年度までの取組によって、各教育委員会における外部指導者活用に係る課題が明らかになった。

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.中学校の運動部活動に対する外部指導者の活用状況 21,797人 24,283人 26,724人 29,122人 28,590人
(参考)2.公立中・高等学校の体育の授業や運動部活動に対する地域のスポーツ指導者の活用状況 34,430人

指標に用いたデータ・資料等

資料
  • 1.加盟校・加盟生徒数調査(財団法人日本中学校体育連盟)
  • (参考)2.外部指導者の活用状況に関する調査(文部科学省調べ)

指標の判断基準

  体育の授業や運動部活動に指導者が積極的に活用されたかどうかの評価には、実際に運動部活動などに活用された指導者の人数で判断することが適当なため、指標として設定する。

3.評価結果

  B

判断理由

  財団法人日本中学校体育連盟調査によると、中学校の運動部活動での外部指導者の活用が平成18年度に比べて減少しているものの、過去5年間の推移を考慮すると、「おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる」と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  現在、外部指導者を学校において活用するにあたって、関係者に不安があったり、地域によってはスポーツ指導者を派遣するシステムが整備されていなかったりするなどの問題がある。
  地域のスポーツ指導者を体育の授業や運動部活動に積極的に活用していくためには、これまでの調査研究事業の成果の普及を図り外部指導者を活用しやすい土壌をつくっていく必要がある。
このため、「運動部活動等における外部指導者の発掘・養成・活用の促進に関する調査研究」で特定された外部指導者活用に関する課題を踏まえ、平成20年度においては、指導者の活用が一層促進されるよう、都道府県教育委員会が行う指導者派遣事業の課題解決を図るための事業に着手しているところ。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
概要 19年度の実績 21年度の予算要求への考え方
運動部活動等における外部指導者の発掘・養成・活用の促進に関する調査研究
(98百万円)
運動部活動等における外部指導者の発掘・養成・活用に関する具体的な方策に係る調査研究を行うことにより、都道府県教育委員会が実施する外部指導者の配置事業の質的向上を図る。 17都道府県教育委員会で事業を実施し、運動部活動だけでなく体育の授業においても外部指導者の活用が推進された。 平成19年度限りで廃止。

達成目標11‐1‐5

  学校体育を充実させる基盤として、学校プールや武道場など学校体育施設の整備を推進する。

(基準年度:17年度・達成年度:22年度)

1.評価の判断基準

判断基準 プール(武道場)の整備率
  • S=過去五年間の整備率の推移が0.3%以上増加している。
  • A=過去五年間の整備率の推移が0.3%未満増加している。
  • B=過去五年間の整備率の推移が現状維持か、0.3%未満減少している。
  • C=過去五年間の整備率の推移が0.3%以上減少している。

2.平成19年度の状況

指標・参考指標

  平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度
1.学校プールの整備率 全体 74.3% 74.5% 74.6% 74.6% 74.8%
(小学校) 85.8% 86.2% 86.8% 87.0% 87.5%
(中学校) 72.3% 72.4% 72.6% 72.4% 72.4%
(高等学校) 64.9% 64.8% 64.5% 64.5% 64.4%
2.学校武道場の整備 全体 68.7% 69.1% 69.3% 69.5% 70.1%
(中学校) 45.1% 45.4% 45.9% 46.5% 47.0%
(高等学校) 92.4% 92.7% 92.6% 92.5% 93.1%

指標に用いたデータ・資料等

資料
  1. (学校体育施設設置状況調査(文部科学省調べ))
  2. (学校体育施設設置状況調査(文部科学省調べ))

指標の設定根拠

  学校体育施設の整備推進進捗状況については,新たな整備施設数や整備校数ではなく,全学校数に対する整備校数の割合により判断することが必要である。このため,学校プール・武道場の整備率を当該達成目標を計る指標として設定する。

3.評価結果

  A

判断理由

  学校プール及び武道場の整備率は,過去5年間の整備率の推移をみると0.2パーセント程度増加で推移しており,想定どおりに達成と判断。

4.今後の課題及び政策への反映方針

  高校のプール,中学校の武道場については,他の校種と比較して整備率が低いため,引き続き施設整備を推進していく必要がある。

5.主な政策手段

政策手段の名称
[19年度予算額(百万円)]
政策手段の概要 19年度の実績 21年度予算要求への考え方
公立文教施設整備に必要な経費(104,824百万円の内数) 市町村・都道府県が設置するプール、武道場の整備に要する経費の一部の補助を行う。 平成19年度においては、当該事業により水泳プール154箇所、屋外運動場照明施設44箇所、クラブハウス2箇所、武道場41箇所の施設整備を行い、学校体育施設の充実が推進された。 継続

お問合せ先

大臣官房政策課評価室

-- 登録:平成21年以前 --