(基準年度:18年度・達成年度:22年度)
国立大学等施設を重点的・計画的に整備し、大学などにおける教育研究基盤の整備を図る。
各達成目標の結果から総合的に判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)
[評価点=(達成目標4‐2‐1)×0.5+(達成目標4‐2‐2)×0.25+(達成目標4‐2‐3)×0.25]
平成19年度は、「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」(以下「第2次5か年計画」という。)(計画期間:平成18年度から22年度までの5年間)の2年目であり、「教育研究基盤施設の再生」としての「老朽再生整備」、「狭隘解消整備」及び「大学附属病院の再生」のすべてが当初想定していた水準の80パーセントを上回っていることから「B」(おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる)と評価とした。
共同利用スペースは158万平方メートル確保され、基準年度に比べ増加したことから「A」(想定どおり順調に進捗)と評価とした。
新たな整備手法による整備については691件実施され、基準年度に比べ大幅に増加したことから「S」(想定した以上に順調に進捗)と評価とした。
各達成目標の結果は、「B」、「A」、「S」、であり、(2×0.5+3×0.25+4×0.25)=2.75であった。
評価結果:A
国立大学等の施設は、世界一流の優れた人材の養成や創造的・先端的な研究開発を推進するための拠点であり、科学技術創造立国を目指す我が国にとっては不可欠な基盤である。しかしながら現状は、老朽化した施設が増加し、次世代をリードする研究者など優れた人材の養成や創造的・先端的な研究開発の場の確保が困難になりつつある。
よって、「第3期科学技術基本計画」(平成18年3月閣議決定)を受け策定した、「第2次5か年計画」に基づき、老朽施設の再生を最重要課題とし、併せて新たな教育研究ニーズによる施設の狭隘化の解消を図り、人材養成機能を重視した基盤的施設や卓越した研究拠点の再生を図る必要がある。さらに、大学附属病院については、先端医療の先駆的な役割等を果たすことができるよう、計画的に整備を図る必要がある。
本事業の実施により、教育研究基盤施設の老朽再生、狭隘解消、大学附属病院の再生等により大学などにおける教育研究基盤の整備を図ることができると判断した。
本事業の実施により、教育研究基盤施設の老朽再生・狭隘解消が進み、大学附属病院の再生整備の進捗が図られる。
本事業を着実に実施することで、国立大学等の教育研究基盤が強化され、世界一流の優れた人材の養成と創造的・先端的な研究開発の推進に資することが期待できる。
また、国立大学等によるスペースの弾力的・流動的な活用などの施設マネジメントの推進や、寄附・自己収入による整備をはじめとする自助努力による新たな整備手法などのシステム改革等も積極的に活用しながら施設整備を図っている。
これまでの取組を引き続き推進
達成目標4‐2‐1については一部についてやや遅れが見られることから、「第2次5か年計画」を達成するため、引き続き予算の充実を図る。なお、事業の選定に際しては、国立大学等におけるシステム改革に関する取組状況等も評価に反映する。
また、達成目標4‐2‐2及び4‐2‐3は、想定どおり順調に進捗しているが、引き続き国立大学等の施設マネジメントに関する取組を推進することに加え、事例集の作成等新たな整備手法の取組の更なる推進を図る。
3.科学技術振興のための基盤の強化
(1)施設・設備の計画的・重点的整備
世界一流の優れた人材の育成や創造的・先端的な研究開発を推進し、科学技術創造立国を実現するためには、大学・公的研究機関等の施設・設備の整備促進が不可欠であり、公共的施設の中でも高い優先順位により実施される必要がある。
1.社会システムの改革戦略
3)大学改革
具体策1 競争的資金の拡充と効率的な配分
私学も含めイノベーションの基盤となる研究施設整備に対する支援を拡充する。
(3)基本的方向ごとの施策
基本的方向3 教養と専門性を備えた知性豊かな人間を養成し,社会の発展を支える
6 大学等の教育研究を支える基盤を強化する
◇ 大学等の教育研究施設・設備の整備・高度化
優れた人材の育成や創造的・先端的な研究開発を推進するため,大学等の施設・設備について,安全性の確保だけでなく,現代の教育研究ニーズを満たす機能を備えるよう,重点的・計画的な整備を支援する。このため,「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」(平成18~22年度)を着実に実施する。
なし
事業の選定に当たっては、必要性・緊急性や教育研究の活性化状況などについて、有識者(国立大学法人等施設整備に関する検討会)の評価に基づき、客観的で公平性のある資源配分を行っている。
第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画に基づき、国立大学等の施設整備を重点的・計画的に整備する。
(基準年度:18年度・達成年度:22年度)
判断基準 | 3つの整備対象別の整備目標に対する達成度合い |
---|---|
|
「第2次5か年計画」では、「教育研究基盤施設の再生」及び「大学附属病院の再生」を重点的・計画的に整備するとしており、5か年で約540万平方メートルを整備目標としている。
平成18年度における当該事業の整備面積は合計54万平方メートル(うち、「教育研究基盤施設の再生」として「老朽再生整備」31万平方メートル、「狭隘解消整備」12万平方メートル、「大学附属病院の再生」として11万平方メートル)、平成19年度においては合計134万平方メートル(うち、「教育研究基盤施設の再生」としての「老朽再生整備」109万平方メートル、「狭隘解消整備」14万平方メートル、「大学附属病院の再生」として11万平方メートル)であり、2か年で合計188万平方メートルを整備している。
このことから、各整備目標に対し、すべてが当初想定していた水準の80パーセントを上回っていると判断する。
整備対象別 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | ||
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|
・老朽再生整備 | 実績 | 31万平方メートル(39%) | 140万平方メートル(88%) | |||
整備目標 | 80万平方メートル | 160万平方メートル | 240万平方メートル | 320万平方メートル | 400万平方メートル | ||
・狭隘解消整備 | 実績 | 12万平方メートル(75%) | 26万平方メートル(81%) | ||||
整備目標 | 16万平方メートル | 32万平方メートル | 48万平方メートル | 64万平方メートル | 80万平方メートル | ||
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実績 | 11万平方メートル(92%) | 22万平方メートル(92%) | ||||
整備目標 | 12万平方メートル | 24万平方メートル | 36万平方メートル | 48万平方メートル | 60万平方メートル |
※四捨五入の関係で、「5.主な政策手段」の合計と合わない場合がある。
出典:実績値は文部科学省調べ
達成目標は「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」(平成18年4月18日)による。
B
平成19年度までに、「教育研究基盤施設の再生」として「老朽再生整備」140万平方メートル、「狭隘解消整備」26万平方メートル、「大学附属病院の再生」として22万平方メートル整備しており、すべてが当初想定していた水準の80パーセントを上回っていることから「B」(おおむね順調に進捗しているが、一部については進捗にやや遅れが見られる)と判断する。
平成19年度の結果を踏まえ、「教育研究基盤施設の再生」及び「大学附属病院の再生」の着実な推進を図る。
予算、機構定員等への考え方
引き続き、「第2次5か年計画」を達成するため、予算の充実を図る。なお、事業の選定に際しては、国立大学等におけるシステム改革に関する取組状況を評価に反映する。
政策手段の名称 [19年度予算額(百万円)] |
概要 | 19年度の実績 | 21年度の予算要求への考え方 |
---|---|---|---|
国立学校施設整備事業 (90,621百万円) |
「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」に基づき、国立大学等施設の重点的・計画的整備を図る。
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「第2次5か年計画」に基づき、108万平方メートルの重点的・計画的整備を図った。
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継続 |
国立大学等の自助努力に基づく新たな整備手法の推進 (達成目標4−2−3参照) |
寄附・自己収入による整備等、国立大学等の自助努力による新たな整備手法の推進を図る | 国立大学等の自助努力により、26万平方メートルの施設整備を図った。 (「第2次5か年計画」ベース)
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− |
全学的視点に立ったスペースの弾力的・流動的な活用等の施設マネジメントを推進する。
(基準年度:18年度・達成年度:22年度)
判断基準 | 基準年度と比較した共同利用スペースの保有状況 |
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「第2次5か年計画」では、国立大学等は全学的な視点に立ったスペースの弾力的・流動的な活用等の施設マネジメントを一層推進することとしている。
平成19年度の共同利用スペースは、全体で158万平方メートル保有され、平成18年度から2万平方メートル増加している。
平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | |
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共同利用スペース | 156万平方メートル | 158万平方メートル (101%) |
※ ()内は基準年度に対する増減率
第2次5か年計画においてスペースの弾力的・流動的な活用等の施設マネジメントを一層推進することとしているため、共同利用スペースの保有状況を指標として設定する。
A
平成19年度の共同利用スペースは、全体で158万平方メートル保有されており、基準年度と比べ2万平方メートル増加していることから「A」(想定どおり順調に進捗)と判断する。
引き続き、国立大学等における全学的視点に立った施設マネジメントの推進を図る。
その際、共同利用スペース確保などの施設マネジメントに関する情報提供を行うとともに、施設マネジメントに関する取組状況を評価対象とする。
政策手段の名称 [19年度予算額(百万円)] |
概要 | 19年度の実績 | 21年度の予算要求への考え方 |
---|---|---|---|
国立大学等の施設マネジメントの推進(−) | 共同利用スペースの確保等、国立大学等における全学的視点に立った施設マネジメントの推進を図る |
|
− |
寄附・自己収入による整備など、国立大学等の自助努力に基づいた新たな整備手法による施設整備を推進する。
(基準年度:18年度・達成年度:22年度)
判断基準 | 基準年度と比較した新たな整備手法による施設整備の実施件数 |
---|---|
|
「第2次5か年計画」において、寄附・自己収入による整備など、国立大学等の自助努力に基づいた新たな整備手法による施設整備を推進することとしている。平成19年度に、新たな整備手法による施設整備が691件実施され、想定した以上に順調に進捗したと判断する。
なお、新たな整備手法による整備件数の内訳は、寄附による整備94件、地方公共団体との連携による整備12件、他省庁、独立行政法人、財団法人等との連携による整備15件、借用による学外スペースの確保20件、自己財源等による整備550件である。
平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | |
---|---|---|---|---|---|
新たな整備手法による施設整備状況 | 509件 | 691件 (136%) |
※ ()内は基準年度に対する増減率
出典:実績値は文部科学省調べ
「第2次5か年計画」において寄附・自己収入による整備など、国立大学等の自助努力に基づいた新たな整備手法による施設整備を推進することとしているため、新たな整備手法による施設整備の件数を指標として設定する。
S
平成19年度における新たな整備手法による施設整備は691件実施されており、基準年度と比べ大幅に増加したことから「S」(想定した以上に順調に進捗した)と判断する。
国立大学等が取り組むスペースの弾力的・流動的な活用等の施設マネジメントや、寄附・自己収入による整備などの自助努力に基づいた新たな整備手法等のシステム改革を一層推進する。
その際、事例集の作成などによる情報提供を行うとともに、国立大学等の施設整備事業の採択に際し、国立大学等における自助努力に基づく新たな整備手法の取組状況を評価対象とする。
政策手段の名称 [19年度予算額(百万円)] |
概要 | 19年度の実績 | 21年度の予算要求への考え方 |
---|---|---|---|
国立大学等の自助努力に基づく新たな整備手法の推進 (−) |
寄附・自己収入による整備等、国立大学等の自助努力による新たな整備手法の推進を図る |
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大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --