(基準年度:19年度・達成年度:22年度)
学校・家庭・地域社会が一体となって、学校における暴力行為・いじめ等の問題行動及び不登校を解決する。
初等中等教育局児童生徒課(磯谷 桂介)
達成目標の各判断基準の平均から判断(S=4、A=3、B=2、C=1として計算)。
「問題を抱える子ども等の支援事業」、「スクールカウンセラー活用事業補助」、「子どもと親の相談員の配置」、「児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する調査研究」の各事業等の成果に関連する判断基準を6つ設定している。
6つの判断基準のうち5つの基準がA、1つの判断基準がBとなっており、各判断基準の結果の平均は2.8である。したがって、当該達成目標は想定通りに達成されたものと判断する。
評価結果:A
いじめ、不登校、暴力行為など、児童生徒の問題行動等については、平成18年度調査でいじめの認知件数が約12万4千件にのぼり、中学校の不登校生徒数の割合(2.86パーセント)が過去最高となるなど、教育上の大きな問題であることから、引き続き取組を推進する必要がある。
暴力行為、いじめ等の問題行動等を起こす児童生徒や、不登校児童生徒への対応として、学校内外の相談体制の整備を進めることや関係機関と連携した取組を進めることは、問題行動等への適切な対応の観点から重要であり、スクールカウンセラーの配置等教育相談体制の充実、警察との連携による非行防止教室の開催など非行問題等へのきめ細かな支援、不登校児童生徒への効果的なカリキュラム開発等の成果を上げてきた。引き続き、学校内外の相談体制の整備や関係機関との連携を進めるための事業等を進めることは有効であると考える。
相談体制の整備や関係機関との連携が促進された。
いじめの解消しているものの割合や不登校児童生徒が登校する又はできるようになった割合が増加する。
よって、政策の波及効果も認められ、効率性の観点から妥当である。
これまでの取組を引き続き推進
特になし
いじめ、不登校、暴力行為など、児童生徒の問題行動等については、引き続き教育上の大きな問題であることから、相談体制の整備や関係機関と連携した取組を一層進める必要がある。特に、いじめられた小学生がスクールカウンセラー等の相談員に相談する割合は中学生の4分の1程度にとどまる(平成18年度:小学生2.5パーセント、中学生8.2パーセント)傾向にあることから、小学校へのスクールカウンセラーの配置を一層進めるとともに、問題行動等を起こす児童生徒の中には、心の問題とともに、家庭、人間関係、地域、学校等、児童生徒の置かれている環境の問題が複雑に絡み合っているケースも多く見られることから、教育に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を有するスクールソーシャルワーカーの活用の充実を図る必要がある。
また、いじめ問題に対する日常的な関係機関等との連携について、目標を達成することができるよう、学校だけでは解決困難な問題に対応するための外部の専門家等からなるチームの設置・派遣や、未然防止、早期発見・早期対応につながる関係機関とのネットワークを活用した支援など、各事業の取組をより充実させ、関係機関との連携をより一層進めて、その成果を広く普及させる必要がある。
さらに、いじめ問題について、「新しい形のいじめ問題」である「ネット上のいじめ」への対応の充実を図る必要がある。
「いじめ、不登校、児童虐待や「キレる」言動、非行などの問題行動への対応等を進める」
「不登校の子供や、家庭に困難な問題を抱える子供にきめ細かな対応をする」
「スクールカウンセラーや「子どもと親の相談員」の配置など学校における相談体制の充実」、「子どもがいつでも不安や悩みを打ち明けられるような全国統一ダイヤルによるいじめなどの問題に関する電話相談体制について地方公共団体を支援」
なし
判断基準に政策のアウトカムにより近い指標を用いるなど、昨年に比べ、工夫・改善が見られる。
いじめや暴力行為、不登校など児童生徒の問題行動等に適切に対応するため、学校内外における相談体制の整備を進めるとともに、関係機関等と連携した取組を進める。
(基準年度:19年度・達成年度:22年度)
各判断基準の結果の平均から判断する。(S=4、A=3、B=2、C=1とし、平均が3.4~4.0=S、2.6~3.3=A、1.8~2.5=B、1.0~1.7=Cとする)
判断基準1 | 「少年非行等の概要」(警察庁調べ)の「いじめに起因する事件」において、被害少年が相談しなかった割合 |
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判断基準2 | いじめの認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合 |
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判断基準3 | いじめの認知件数に占める、いじめられた児童生徒が誰にも相談していない件数の割合 |
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判断基準4 | 学校におけるいじめの問題に対する日常の取組のうち、地域の関係機関と連携協力した対応を図った学校数の割合 |
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判断基準5 | 不登校児童生徒数に占める、指導の結果登校する又はできるようになった児童生徒の割合 |
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判断基準6 | 不登校児童生徒数に占める、学校内外の相談機関等で相談、指導、治療を受けた児童生徒の割合 |
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達成目標に資するため、「問題を抱える子ども等の支援事業」、「スクールカウンセラー活用事業補助」、「子どもと親の相談員の配置」、「児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する調査研究」の事業等を実施している。
「問題を抱える子ども等の支援事業」、「スクールカウンセラー活用事業補助」、「子どもと親の相談員の配置」の各事業等において、関係機関との連携に関する取組事例が報告されている。指標については、「少年非行等の概要」(警察庁調べ)の「いじめに起因する事件」において、被害少年が相談しなかった割合は、15.0パーセントであり、想定通りに達成したものと判断する。
すべての事業等を通じていじめ問題に取り組んでおり、「新しい形のいじめ問題」である「ネット上のいじめ問題」に関する喫緊の提案を公表するなど取組を進めた。指標については、いじめの解消しているものの割合は80.9パーセント(平成18年度)であり、想定通りに達成したものと判断する。
平成19年度においても、スクールカウンセラーの配置などを進めるとともに、24時間いじめ相談ダイヤルを実施し、教育相談体制の充実を図った。指標について、いじめられた生徒が誰にも相談していない件数の割合は10.2パーセント(平成18年度)であり、想定通りに達成したものと判断する。
「問題を抱える子ども等の支援事業」などにおいて、いじめ問題について関係機関との連携に関する取組事例が報告されている。指標については、関係機関と連携した対応を図った学校数の割合は14.5パーセント(平成18年度)であり、一定の成果があがっているが、一部については想定通りに達成できなかったと判断する。
「問題を抱える子ども等の支援事業」、「スクールカウンセラー活用事業補助」、「子どもと親の相談員の配置」の各事業において不登校児童生徒への対応に取り組んでいる。指標については、指導の結果登校する又は登校できるようになった児童生徒の割合は30.5パーセント(平成19年度速報値)であり、想定通りに達成したものと判断する。
「問題を抱える子ども等の支援事業」などにおいて、学校内外の関係機関等との連携に関する取組事例が報告されている。指標については、学校内外の相談機関等で相談、指導、治療を受けた児童生徒の割合は67.1パーセント(平成19年度速報値)であり、想定通りに達成したものと判断する。
年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 |
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「少年非行等の概要」(警察庁調べ)の「いじめに起因する事件」において、被害少年が相談しなかった割合 | 16.9% | 35.5% | 21.9% | 15.0% |
いじめの認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合 | − | − | 80.9% | |
いじめの認知件数に占める、いじめられた児童生徒が誰にも相談していない件数の割合 | − | − | 10.2% | |
学校におけるいじめの問題に対する日常の取組のうち、地域の関係機関と連携協力した対応を図った学校数の割合 | − | − | 14.5% | |
不登校児童生徒数に占める、指導の結果登校する又はできるようになった児童生徒の割合 | 25.9% | 30.1% | 30.4% | 30.5% |
不登校児童生徒数に占める、学校内外の相談機関等で相談、指導、治療を受けた児童生徒の割合 | 64.3% | 66.9% | 65.6% | 67.1% |
年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 |
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暴力行為の発生件数(学校内外) | 34,022件 | 34,018件 | 44,621件 | |
いじめの認知件数 | − | − | 124,898件 | |
小中学校における不登校児童生徒数 | 123,358人 | 122,287人 | 126,894人 | 129,254人 |
※ 暴力行為の発生件数について、平成17年度までは公立を対象。平成18年度から国公私立を対象。
各事業等は、学校内外の相談体制の整備を進めるとともに、関係機関と連携した取組を進めることにより、各学校が、暴力行為、いじめ等の問題行動や不登校に適切に対応できるようにすることを目的としている。このため、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査及び「少年非行等の概要」(警察庁調べ)から、各事業等の成果と考えられる指標を設定する。
A
6つの判断基準のうち5つの基準がA、1つの判断基準がBとなっており、各判断基準の結果の平均は2.8である。したがって、当該達成目標は想定通りに達成されたものと判断する。
いじめ、不登校、暴力行為など、児童生徒の問題行動等については、引き続き教育上の大きな問題であることから、相談体制の整備や関係機関と連携した取組を一層進める必要がある。
特に、いじめられた小学生がスクールカウンセラー等の相談員に相談する割合は中学生の4分の1程度にとどまる傾向(平成18年度:小学生2.5パーセント、中学生8.2パーセント)にあることから、小学校へのスクールカウンセラーの配置を一層進めるとともに、問題行動等を起こす児童生徒の中には、心の問題とともに、家庭、人間関係、地域、学校等、児童生徒の置かれている環境の問題が複雑に絡み合っているケースも多く見られることから、教育に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を有するスクールソーシャルワーカーの活用の充実を図る必要がある。
また、いじめ問題に対する日常的な関係機関等との連携について、目標を達成することができるよう、学校だけでは解決困難な問題に対応するための外部の専門家等からなるチームの設置・派遣や、未然防止、早期発見・早期対応につながる関係機関とのネットワークを活用した支援など、各事業の取組をより充実させ、関係機関との連携をより一層進めて、その成果を広く普及させるとともに、警察等関係機関との連携による非行防止教室や学校警察連絡協議会及び学校警察連絡制度の活用等を各種会議等の場を通じて促していく必要がある。
さらに、いじめ問題について、「新しい形のいじめ問題」である「ネット上のいじめ」への対応の充実を図る必要がある。
政策手段の名称 [19年度予算額(百万円)] |
概要 | 19年度の実績 | 21年度の予算要求への考え方 |
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問題を抱える子ども等の支援事業 [1,326百万円] |
不登校、暴力行為、いじめなどの未然防止、早期発見、早期対応など、児童生徒の支援を行うための効果的な取組について、調査研究を行うとともに、不登校児童生徒の実態に応じた効果的な活動プログラム等の開発や不登校等により高等学校を中退後、学校に復帰した者に対する支援の効果的なプログラム開発等について調査研究を行う。 |
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継続 |
スクールカウンセラー活用事業補助 [5,050百万円] |
いじめ、暴力行為などの問題行動や不登校への対応などのため、すべての生徒が専門的な教育相談を受けることができる体制を整備する。 |
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継続 |
子どもと親の相談員の配置 [500百万円] |
不登校などの未然防止や早期発見・早期対応、学校運営の課題や児童虐待への対応等について研究し、その成果の普及を図る。 |
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継続 |
児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する調査研究 [8百万円] |
自殺対策基本法等を踏まえ、児童生徒の自殺の特徴や傾向などを分析しながら、児童生徒の自殺予防の在り方について調査研究を行う。 |
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継続 |
大臣官房政策課評価室
-- 登録:平成21年以前 --