Q&A(学校設置者・学校関係者の皆様へ)

児童生徒の学習指導に関すること

問1 児童生徒がやむを得ず学校に登校できないことに伴う学習の遅れについて、どのように学習保障のために取り組むことが求められるのか。(令和4年9月20日更新)

○ 臨時休業や出席停止等(非常変災等児童生徒又は保護者の責任に帰すことのできない事由で欠席した場合などで、校長が出席しなくてもよいと認めた場合の他、分散登校や短縮授業の実施等に伴い、一日のうち限られた時間のみ登校する場合を含む。)により、やむを得ず学校に登校できない児童生徒等に対しては、学習に著しい遅れが生じることのないようにするとともに、規則正しい生活習慣を維持し、学校と児童生徒との関係を継続するため、令和3年2月19日付け初等中等教育局長通知「感染症や災害の発生等の非常時にやむを得ず学校に登校できない児童生徒の学習指導について」において、感染の状況に応じて、地域や学校、児童生徒の実情等を踏まえながら、学校において必要な措置を講じることや、特に、一定の期間児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合などには、例えば同時双方向型のウェブ会議システムを活用するなどして、指導計画等を踏まえた教師による学習指導と学習状況の把握を行うよう、自治体等に対して依頼しているところです。

○ 具体的には、感染の状況に応じて、地域や学校、児童生徒の実情等を踏まえながら、主たる教材である教科書に基づき学習指導を行うとともに、教科書と併用できる教材等を組み合わせたり、ICT環境を活用したりして指導することが重要です。また、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」において、登校日の設定や家庭訪問の実施、電話、電子メール等の様々な手段を通じて学習の状況や成果をきめ細かく把握することを求めています。

○ 児童生徒が従来どおり登校することができるようになった後には、学習状況を把握し、必要に応じて、教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置付けない補習等の措置を講じることが重要です。また、臨時休業が長期化した場合などには、時間割編成の工夫、長期休業期間の見直し、土曜日の活用等により学校における指導を充実させることを依頼しているところであり、その際には、児童生徒や教職員の負担軽減にも配慮することが大切です。

○ なお、臨時休業等(分散登校や短縮授業の実施等に伴い、一日のうち限られた時間のみ登校する場合を含む。)を行い、学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回ったことのみをもって、学校教育法施行規則に反するものとはされません。また、高等学校及び特別支援学校高等部において、臨時休業等を行い、学習指導要領に定める標準(35単位時間の授業を1単位として計算)を踏まえて編成した教育課程の単位時間数を下回った場合であっても、弾力的に対処し、単位の修得の認定を行うことが可能です。

○ 文部科学省としても、児童生徒の自宅等における学習の支援方策の一つとして、それに資する教材等を「子供の学び応援サイト」に随時掲載しており、本サイトを活用いただくことも考えられます。また、各学校・設置者等が教科書を十分に活用して必要な措置を講じることができるよう、各教科書発行者に、各学校・設置者等の検討に資する資料を作成いただいているところであり、必要に応じて参照いただきたいと考えています。

○ さらに、各教育委員会や学校における取組を支援するため、学習指導員、教員業務支援員を活用することに加え、校長の判断で感染症対策や学習保障等に迅速かつ柔軟に活用できる経費を全ての小・中・高等学校、特別支援学校に支援しているところです。退職教員等の協力もいただきながら、必要に応じて補習やきめ細かな指導、感染防止のための少人数指導等の支援を行っていただきたいと考えています。

担当:教育課程課(内2368)
 

問1-2 新型コロナウイルス感染症の影響によりやむを得ず学校に登校できない児童生徒等へのICTを活用した学習指導等について、どのような活用方法が考えられるか。(令和4年9月20日更新)

○ やむを得ず学校に登校できない児童生徒等に対しては、学習に著しい遅れが生じることのないようにするとともに、規則正しい生活習慣を維持し、学校と児童生徒等との関係を継続することが重要です。

○ このため、感染の状況に応じて、地域や学校、児童生徒の実情等を踏まえながら、学校において必要な措置を講じることが求められます。特に、一定の期間、児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合などには、ICT 端末を自宅等に持ち帰り、オンラインによる朝の会や健康観察で会話する機会を確保したり、ICT 端末に学習課題等を配信することで自宅学習を促進したり、同時双方向型のウェブ会議システムを活用して教師と自宅等をつないだ学習指導等を行ったりするなど、登校できなくても学校と自宅等をつなぐ手段を確保し、児童生徒の住んでいる地域によって差が生じることがないよう、児童生徒とコミュニケーションを絶やさず学びを止めないようにする取組を行うことが重要です。

○ なお、課題を配信する際には児童生徒の発達の段階や学習の状況を踏まえ、適切な内容や量となるよう留意することが重要です。また、児童生徒の規則正しい生活及び学習習慣の維持、学習の流れの分かりやすい提示等の観点から、例えば、一日の学習のタイムスケジュールや一週間の学習の見通しなどを併せて示すことで、可能な限り計画性を持った自宅等での学習が行われるよう工夫を講じることも重要です。

○ さらに、家庭の事情等により特に配慮を要する児童生徒に対しては、ICT環境の整備のため特段の配慮措置を講じたり、地域における学習支援の取組の利用を促したり、特別に登校させたりするなどの対応をとることが必要です。

○ 以上のほか、学習指導等に関する基本的な考え方の詳細については以下の通り通知でお示ししていますので、ご参照のうえ学びの継続のための取組をお願いします。
・「感染症や災害の発生等の非常時にやむを得ず学校に登校できない児童生徒の学習指導について(通知)」(令和3年2月 19 日付け2文科初第 1733 号初等中等教育局長通知)2(1)基本的な考え方
・「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」(令和3年2月 19 日)5学習指導等

担当:初等中等教育局学校デジタル化PT(内2085)
 

問1-3 卒業を迎える学年の児童生徒に、3月末までに指導すべき内容の指導を行うことができなかった場合、どのような対応が考えられるか。

○ 卒業の認定に当たっては、児童生徒の平素の成績を評価して行うこととなっています。

○ 新型コロナウイルス感染症による臨時休業等に伴い、卒業を迎える学年の児童生徒が授業を十分受けることができなかった場合であっても、児童生徒の卒業の認定に当たっては、弾力的に対処し、その進学等に不利益が生じないよう配慮いただくようお願いします。

○ また、必要に応じ、進学先の学校に当該児童生徒の学習状況を共有いただき、進学先の学校においては、共有された情報を踏まえて、必要に応じて補充的な学習などの個に応じた指導を行う等の配慮をいただくようお願いします。

担当:初等中等教育局教育課程課(内2367)
 

問2 新たに入学した児童生徒について、臨時休業等に伴い、前の学校段階で指導すべき内容の指導を行うことができなかった範囲がある場合、どのような対応が考えられるか。

○ 前の学校段階の学習内容について、臨時休業等により未指導となった事項があり、措置を講じる必要性が高い場合については、当該児童生徒の学習状況を進学先の学校に共有するとともに、実態に応じた必要な措置を講じるなどの対応を検討いただくことが考えられます。

○ 進学先の学校においては、共有された情報を踏まえて必要に応じて補充的な学習などの個に応じた指導や教育課程に位置付けない補習を行う等の配慮が考えられます。

担当:初等中等教育局教育課程課(内2367)
 

問3 進級した児童生徒に対して前学年で指導すべき内容の指導を行うことができなかった場合に、翌年度の授業時数の中で、前学年の未指導分の授業を行うことは可能か。


○臨時休業等に伴い、進級した児童生徒に対して前学年で指導すべき内容の指導を行うことができなかった場合には、児童生徒の学習に著しい遅れが生じることのないよう、可能な限り必要な措置を講じることが求められ、必要に応じて、翌年度の教育課程内で補充のための授業として前学年の未指導分の授業を行うことも考えられます。

○ その場合において、標準授業時数を超えて授業時数を確保する必要は必ずしもなく、各学校において弾力的に対処いただくことが可能です。

担当:初等中等教育局教育課程課(内2367)
 

問4 前年度に指導を予定していたが臨時休業等により未指導となっている事項の指導について、限られた時間を効果的に使って必要な措置を講じるためにどのような工夫が考えられるか。

○ 臨時休業等に伴い、児童生徒が授業を十分に受けることができなかったことによって学習に著しい遅れが生じることのないよう、補充のための授業等の必要な措置を講じることが求められますが、その際に、限られた時間を効果的に使って必要な措置を講じるための工夫を施すことは考えられます。

○ 前年度に指導を予定していたが臨時休業により未指導となっている事項について、限られた時間を効果的に使って必要な措置を講じるための工夫としては、例えば、
・翌年度の教育課程内において、前年度の未指導事項と同じ系統性の内容を指導する際に扱う
・児童生徒の学習状況を踏まえ、教育課程に位置付けない補習を必要に応じて実施する
・家庭との連携を図りながら学校において適切な自宅等での学習を課し、学校において児童生徒の学習状況を把握した上で、学習内容の定着が不十分な児童生徒に対して、個別に補習を実施するなどの必要な措置を講じる
等が考えられます。

○ 翌年度の教育課程内で補充のための授業を行う場合、そのことのみを理由に標準授業時数を超えて授業時数を確保する必要は必ずしもありません。

担当:初等中等教育局教育課程課(内2367)
 

問5 高等学校入学者選抜等において、臨時休業や出席停止等によりやむを得ず学校に登校できなかった児童生徒の取扱いはどうなるのか。(令和4年9月20日更新)

○ 入学者選抜において調査書を活用する場合、新型コロナウイルス感染症の影響によって、特定の入学志願者が不利益を被ることがないよう、記載する事項や内容について、御配慮をお願いいたします。
○ 高等学校入学者選抜の実施者が、調査書において出席等に係る日数(「出席日数」「出席停止・忌引き等の日数」「授業日数」「出席しなければならない日数」など)の記入欄を設ける場合には、臨時休業や分散登校、出席停止等に伴う当該欄への記載内容により、特定の入学志願者が不利益を被ることがないよう、配慮を行ってください。
※「新型コロナウイルス感染症の影響等を踏まえた令和5年度以降の高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知)」(令和4年6月14日付け4文科初第684号)
https://www.mext.go.jp/content/20220614-mxt_kouhou01-000004520_02.pdfPDF

担当:初等中等教育局参事官(高等学校担当)付 (内3482)

問6 新型コロナウイルス感染症対策の影響で、海外に留学をしていた高等学校の生徒が帰国をすることになったが、そのような場合、留学の単位認定はどのように行うか。

○ 留学の単位認定に当たっては、実際の留学期間や、外国における学習の状況を把握し、それに応じた認定を行うことが必要です。

○ 今般の新型コロナウイルス感染症の流行により、留学先において授業を十分に受けることができなかった場合については、単位の認定に当たっては弾力的に対処し、当該生徒の進級、進学等に不利益が生じないよう配慮いただくようお願いいたします。

○ その際、外国における学習のみで不足していると考えられる内容については、必要に応じて、自宅等での学習や添削指導や補充指導等も活用しながら、適切に補うなど配慮いただくようお願いいたします。

○ 特に、外国における学習の一部を必履修教科・科目の履修とみなして単位を認定する場合には、そのような配慮が必要であると考えています。

担当:初等中等教育局教育課程課(内2367)

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