令和2年度における小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における教育活動の再開等について(通知)

元文科初第1780号
令和2年3月24日

   
各都道府県・指定都市教育委員会教育長各都道府県知事
附属学校を置く各国公立大学法人の長
各文部科学大臣所轄学校法人理事長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を
受けた各地方公共団体の長
厚生労働事務次官
 

  文部科学事務次官
藤原 誠
(印影印刷)

   令和2年度における小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等について(通知)

 新型コロナウイルス感染症対策に関し,2月28日に文部科学省から小学校等の一斉臨時休業を要請しました(令和2年2月28日付け元文科初第1585号文部科学事務次官通知)。3月19日の文部科学大臣メッセージでもお伝えしていますが,各学校の設置者におかれては,急な要請であったにも関わらず,地域や学校の実情を踏まえ,適切かつ迅速に臨時休業等の措置を講じて頂いたことに対し,感謝申し上げます。

 この度公表された「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(令和2年3月19日))においては,春休み明け以降の学校再開に当たっては,多くの子供たちや教職員が,日常的に長時間集まることによる感染リスク等に備えていくこと,またこの観点から,地域ごとのまん延の状況を踏まえていくことが重要であるとの考え方が示されました。
 また,日々の学校現場における「3つの条件が同時に重なる場」を避けるため,①換気の悪い密閉空間にしないための換気の徹底,②多くの人が手の届く距離に集まらないための配慮,③近距離での会話や大声での発声をできるだけ控えるなど,保健管理や環境衛生を良好に保つような取組を進めていくとともに,咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策を徹底することが重要であるとの考え方が示されました。
 なお,今後,日本のどこかの地域で,爆発的に患者が急増する状況である「オーバーシュート(爆発的患者急増)」が生じた場合には,別途,国からその発生状況や必要な対応を示すこととなります。
 これを踏まえて,3月20日に開催された「新型コロナウイルス感染症対策本部」において,内閣総理大臣から,新学期を迎える学校の再開に向けて,具体的な方針を,できる限り早急にとりまとめるよう指示がありました。

 学校では,日常において,3つの条件(換気の悪い密閉空間,多くの人が密集,近距離での会話や発声)が同時に重なることを徹底的に回避する対策が不可欠です。このため,学校教育活動再開に向けての留意事項を整理した「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(別添1)を作成しましたので,各学校におかれては,手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染症対策及び学校医や学校薬剤師等と連携した保健管理体制の整備など,万全の感染症対策を講じた上で,新学期を始める準備を行っていただくようお願いします。
 なお,上述した専門家会議の状況分析・提言においては,日本国内の感染の状況について,爆発的な感染拡大には進んでおらず,引き続き,持ちこたえているものの,一部の地域で感染拡大がみられるとした上で「諸外国の例をみていても,今後,地域において,感染源(リンク)が分からない患者数が継続的に増加し,こうした地域が全国に拡大すれば,どこかの地域を発端として,爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねない」と分析されています。地域ごとの状況に応じた,一人ひとりの「行動変容」や「強い行動自粛の呼びかけ」が重要である状況に,変わりありません。このような認識を前提として,各学校においては,各地域の感染状況を十分踏まえながら,春季休業期間中はもとより,新学期以降も,引き続き十分な警戒を行い,感染症対策に万全を期すよう宜しくお願いいたします。

 今後も,学校において児童生徒等又は教職員の感染が判明した場合には,当該学校の臨時休業の必要性について,都道府県等の衛生主管部局と十分に相談の上,検討いただくことになります。臨時休業を行う際の参考となるよう,「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」(別添2)を作成しましたので,御活用ください。

 今般の前例のない一斉臨時休業に際し,各学校や学校の設置者においては,家庭での学習環境を整えて頂くなど,様々な制約の中で,できる限りの御尽力を頂いたところでありますが,学びや生活の面で児童生徒等に様々な課題が生じていることと承知しています。学校再開に当たっては,学校や地域の実態に応じて,例えば,学年末に実施できなかった特定の単元の定着を図ったり,学びに向き合う前提となる生活のリズムを整えたりすることなどが考えられます。また,当初予定していた授業や学校行事等の年間計画を見直す学校も出てくることが予想されます。

 令和2年度は,通常であっても年間を通じて業務量が最も多くなる年度当初に,一斉臨時休業を踏まえたきめ細かな対応が求められるため,教職員の負担は例年と比べても大きくなることから,学校の設置者におかれましては,学習指導員や部活動指導員等の外部人材を活用しつつ,教職員の業務の適正化等に十分御留意ください。文部科学省としても,政府一体となって,今般の一斉臨時休業に伴い生じた様々な課題に適切に対応すべく,今後とも必要な措置を講じてまいります。
 都道府県・指定都市教育委員会におかれては所管の学校(高等課程を置く専修学校を含み,大学及び高等専門学校を除く。以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会に対して,都道府県私立学校主管部課におかれては所轄の学校法人等を通じて,その設置する学校に対して,国公立大学法人におかれてはその設置する附属学校に対して,文部科学大臣所轄学校法人におかれてはその設置する学校に対して,構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては所轄の学校設置会社及び学校に対して,厚生労働省におかれては所管の高等課程を置く専修学校に対して周知されるようにお願いします。

 なお,本通知は,地方公共団体については,地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第48条第1項の規定に基づく指導・助言であることを申し添えます。
 また,「児童生徒等に新型コロナウイルス感染症が発生した場合の対応について(第二報)」(令和2年2月25日付け文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課,初等中等教育局健康教育・食育課,高等教育局高等教育企画課事務連絡)については本通知をもって廃止します。

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

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