教育委員会制度について

1.教育委員会制度の概要
 
 教育委員会は、都道府県及び市町村等に置かれる合議制の執行機関であり、生涯学習、教育、文化、スポーツ等の幅広い施策を展開。
[教育委員会制度の意義]
 
1 政治的中立性の確保
   個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育においては、その内容は、中立公正であることは極めて重要。
 このため、教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要。

2 継続性、安定性の確保
   教育は、子どもの健全な成長発達のため、学習期間を通じて一貫した方針の下、安定的に行われることが必要。
 また、教育は、結果が出るまで時間がかかり、その結果も把握しにくい特性から、学校運営の方針変更などの改革・改善は漸進的なものであることが必要。

3 地域住民の意向の反映
   教育は、地域住民にとって身近で関心の高い行政分野であり、専門家のみが担うのではなく、広く地域住民の意向を踏まえて行われることが必要。

[教育委員会制度の特性]
 
1 首長からの独立性
   行政委員会の一つとして、独立した機関を置き、教育行政を担当させることにより、首長への権限の集中を防止し、中立的・専門的な行政運営を担保。

2 合議制
   多様な属性を持った複数の委員による合議により、様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行う。

3 住民による意思決定(レイマンコントロール)
   住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する、いわゆるレイマンコントロールの仕組みにより、専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現。

[教育委員会制度の仕組み]
   教育委員会は、地域の学校教育、社会教育、文化、スポーツ等に関する事務を担当する機関として、全ての都道府県及び市町村等に設置。
 首長から独立した行政委員会としての位置付け。
 教育委員会は、教育行政における重要事項や基本方針を決定し、それに基づいて教育長が具体の事務を執行。
 月1~2回の定例会のほか、臨時会や非公式の協議会を開催。
 教育長及び教育委員は、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命。任期は教育長は3年、教育委員は4年で、再任可。

 《教育委員会の組織のイメージ》

教育委員会の組織のイメージ



※平成26年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律を改正し、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長との連携強化、国の関与の見直しを図った。

 法律改正の概要についてはこちら(※PDF)


2.教育委員会の事務
 
 教育委員会は、地域の公共事務のうち、教育、文化、スポーツ等に関する事務を処理。
学校教育の振興
  • 学校の設置管理
  • 教職員の人事及び研修
  • 児童・生徒の就学及び学校の組織編制
  • 校舎等の施設・設備の整備
  • 教科書その他の教材の取扱いに関する事務の処理
生涯学習・社会教育の振興
  • 生涯学習・社会教育事業の実施
  • 公民館、図書館、博物館等の設置管理
  • 社会教育関係団体等に対する指導、助言、援助
芸術文化の振興、文化財の保護
  • 文化財の保存、活用
  • 文化施設の設置運営
  • 文化事業の実施
スポーツの振興
  • 指導者の育成、確保
  • 体育館、陸上競技場等スポーツ施設の設置運営
  • スポーツ事業の実施
  • スポーツ情報の提供

(初等中等教育局企画課)

-- 登録:平成21年以前 --