Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会 第7回議事要旨 平成30年4月20日

日時:平成30年4月20日(金曜日)16時00分~17時30分
場所:文部科学省16階 科学技術・学術政策研究所 大会議室(16B)

出席者

林 芳正(文部科学大臣)【座長】
鈴木 寛(文部科学大臣補佐官)【座長代理】
新妻秀規(文部科学大臣政務官)


【構成員】

太田 昇(岡山県真庭市長)
大橋 弘(東京大学大学院経済学研究科教授)
北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長)
城山英明(東京大学大学院法学政治学研究科教授/東京大学政策ビジョン研究センター副センター長)
杉山 将(理化学研究所革新知能統合研究センターセンター長/東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授)
新居日南恵(株式会社manma代表/慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 修士課程)
原田曜平(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)
水野正明(名古屋大学総長補佐/医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センター副センター長)


(敬称略。五十音順)

議事内容

出席者からの主な意見は以下の通り。


<農山村の課題と強み>
○AIでは代替できない「感性」や「想像力」、「創造力」を身に付ける教育には、農山村の豊かな自然環境での体験が非常に有効。
○体験活動だけで終わってしまっては不十分で、体験の数を重ねて自分で「できる」というところまで持っていくことが重要。Society5.0を「人間中心」の社会にするには、このような人間の基盤となる力を育む必要がある。また、大震災のように科学文明が突然使えなくなるような事態において生き抜くための知恵と力についても、子供のうちに育んでおくべき。
○都市と地方は相互に依存して成り立っており、東京一極集中よりもある程度地方に人口が分散した状態の方が、様々な点でリスクが低い。
○地方の持続的な発展のためには、地域コミュニティにおける社会関係資本の問題がある。固定化したコミュニティに移住者がなじめなかったりする状況において重要なのは、受け入れる側の寛容の精神と、移住者側のコミュニケーション能力。この両者を子供のときにしっかり育んでおくことも教育の役割ではないか。


<Society5.0における学校>
○Society5.0においては、個別最適化された学びを実現することが可能になる。
○個々の学びの状況、あるいは個々の子供の認知特性は非常に多様であり、それをしっかり見極めるため、ビッグデータを総合的なエビデンスとして教育に活用していくことは非常に重要。スタディ・ログ(学習の履歴)に基づき、子供の学びの状況を観察し、個々人の応じた学びを実現することが、公教育の重要な役割となるのではないか。
○学校の中だけの閉じた学びだけではなく、大学、NPO、企業、社会教育施設など、学校の外にある様々な教育資源を活用した多様な学びを提供することを考えていく必要がある。
○ホワイトカラーとしてひとつの会社に勤め続けるのが一番安定しているという時代ではなくなっている。大きな組織に属さなくとも、自分の力で生きていけるような教育が必要。今はまだない仕事をどうやって生み出していくか、ということをデザインできる力が重要となる。

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