資料5 サステイナビリティ・サイエンスの概要と最近の動きについて

1.サステイナビリティ・サイエンスとは
「サステイナビリティ・サイエンス」は、喫緊の地球規模課題の解決に向けて、細分化した学問領域ごとに取り組むのではなく、自然科学と人文・社会科学の多様な学問分野の知を統合して取り組むことを促すアプローチである。

「『サステイナビリティ・サイエンス』に関するユネスコへの提言」
(平成23年8月3日 日本ユネスコ国内委員会)のポイント
・地球規模の諸問題の解明には、自然科学の知見が不可欠だが、価値観を変えることも含めた真の問題の解決には、人文・社会科学を含めたすべての学問領域の協力が不可欠である。
・科学全体を、「持続可能な地球社会という目標を達成するため」のものとなっているかどうかという視点から問い直し、持続可能な地球社会の構築につなげていかなければならない。
・今、地球規模の課題に取り組むために必要なのは個別の分科学としての科学ではない。南北格差の是正、世代間の衡平性の確保に加えて、多様な人間の価値観を考慮しながら、人類全体に奉仕するべきものであると同時に、生態系を損なうことなく、地球、社会、人といった異なる時空間スケールでの持続可能性及びwell-beingの追究を目指した統合的な科学の取組が必要なのである。それは、人文・社会科学を含む全ての学問分野の知を統合した新しいアプローチとしての科学の取組である。

2.当面の取組予定
○ サステイナビリティ・サイエンスを世界に普及させるためのシンポジウムの開催
これまでのアジア・太平洋地域における取組等を踏まえ、よりグローバルな取組へと発展させるため、サステイナビリティ・サイエンスの普及と政策決定者へのメッセージ発信を目的とする会合(今後2年間に3回程度)を、ユネスコ事務局(自然科学局、人文・社会科学局及び教育局)や他の加盟国、関係の国際機関等との協力により開催予定。現在、第1回シンポジウム開催に向けて調整中。

3.過去の取組
○ 2013年4月
サステイナビリティ・サイエンスに関するアジア太平洋地域ワークショップ(第1回)
(クアラルンプール)
 2013年9月
サステイナビリティ・サイエンスに関する国際シンポジウム(ユネスコ本部)
○ 2013年11月
第37回ユネスコ総会(ユネスコ本部)において、ユネスコの次期中期戦略(37C/4)及び事業・予算(37C/5)に、サステイナビリティ・サイエンスの概念が盛り込まれる。
○ 2015年3月
サステイナビリティ・サイエンスに関するアジア太平洋地域ワークショップ(第2回)
(クアラルンプール)

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