教委137-2-5 ESDの将来に関する加盟国協議(概要)

開催日

平成30年7月9日(月曜日)~10日(火曜日)

開催地

バンコク(タイ)

目的

GAP後継枠組案(2018年4月開催の第3回GAPキーパートナー会合での議論を基に加筆修正されたもの)に係る加盟国との意見交換。

出席者

270名程度、加盟国(政府レベル)は118か国(アフリカ33、アジア33、アラブ14、北米・欧州18、中南米20を含む、出席率57.3%)、UN機関等が出席。

概要

○ユネスコ本部は加盟国協議での議論を基にGAP後継枠組案を大幅に変えるつもりはなく、会合を通じてユネスコ本部自身が気づいた不足箇所を加筆し、内容はそのままで更に読み手に分かりやすい構成へ変更予定。
○GAP後継枠組の名称案「ESDGs Programme(= Education for Sustainable Development Goals Programme)」については、加盟国より「ESD自体はGAP後になっても変わるものではない、継続性があるものなので、ESDGsといったGAPと異なる名称にすべきでない」「GAPから引き続きESDについて活動するため新しい名を付ける必要はない」「ようやくGAPが根付いた国には新しい名称は混乱を招く」というコメントが多かったことから、ユネスコ本部は現行の「GAP」はそのまま残し、サブタイトルで補う方向で加筆修正予定。
○GAP後継枠組案に係る今後の予定
2018年7月~8月 GAP後継枠組案の加筆修正
2018年8月末頃 ユネスコ本部から日本へ意見照会
2018年9月 オンライン協議*
2018年末 GAP後継枠組案まとめ終了
2019年春 第206回執行委員会(ユネスコ本部よりGAP後継枠組案提出)
2019年秋 第40回ユネスコ総会にて採択(予定)
2019年  第74回国連総会にて採択(予定)

*オンライン協議では、加盟国協議の議論を基に加筆修正されたGAP後継枠組案をユネスコウェブサイトに掲載し、人々からコメントを送付してもらう形式で実施予定。

(別添)補足情報

○会議では、サブ地域レベルでGAP後継枠組を実施する上での主な課題及びESDの機会について議論。
 東アジアグループ(中国、韓国、モンゴル、日本、マカオ)での議論の結果は以下の通り。
 ・課題
  環境的課題
   例:自然災害、食糧不足、食品廃棄物の増加
  社会経済的課題
   例:若者と高齢者、都会と地方、貧富
  技術的課題
   例:ICT、カリキュラム
 ・ESDの機会
  環境的課題
   ESDを通じて災害軽減、持続可能な食、生産と消費に係る考え方の普及促進。
  社会経済的課題
   課題への総合的/包括的観点、持続可能な活動に関する将来活躍する民間セクターへの教育、学校/公教育を越えた教育の拡大。
  技術的課題
   全教育段階におけるSTEM教育でESDを含ませる/主流化させることで、持続可能な社会の担い手を育成。
 ・必要なこと
  学校、コミュニティ、民間セクター等におけるグッドプラクティスの特定・共有。
  教員養成、コミュニティ強化、若者との結びつき、民間セクター、市民団体、政府における能力強化。
  官民連携パートナーシップの構築。
  現存する障害の特定及び除去。
○ちなみに、各地域におけるディスカッションの結果(地域特有の必要性及び今後焦点を当てるべき領域)は以下の通り。
 アラブ
  必要性
   ユネスコとの制度上の協力強化。
   ※カリキュラム、教員養成、現地のグッドプラクティスに係るユネスコ・ベイルート事務所との協力が必要。
   ESDへの認知向上。
  今後焦点を当てるべき領域
   ESD活動を行う若者たちのための年次会合。
   ESD活動分野別国のフォーカルポイント。
 アフリカ
  必要性
   ESDへの認知向上。
   ESD活動のための資金集め。
  今後焦点を当てるべき領域
   ESD政策の開発。
   ESDへの認知向上。
   ESDに関わる人材育成。
   アフリカ連合の指導力向上。
 欧州及び北アメリカ
  必要性
   若者のESD活動への参加。
   ESDが教育における価値へ高まること。
  今後焦点を当てるべき領域
   学校のための自治。
   各国の既存枠組との調和。
   ESDを含める教育制度の今後の範囲。
 アジア太平洋
  必要性
   ESDとSDGsとの考え方の整理。
   国の優先順位と矛盾する国際枠組への配慮。
   学校環境へ配慮した投資の不足。
  今後焦点を当てるべき領域
   ESDは主体性、文化、コミュニティから始めるべき。

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国際統括官付