教委136-2-2 ユニツイン/ユネスコチェア事業について

知の交流と共有を通じて、高等教育機関及び研究機関の能力向上を目的とするプログラム。高等教育機関の国際的な連携・協働を促進することにより、人的・物的資源のシンクタンクとして、また教育・研究機関、地域コミュニティ、政策立案者間の橋渡し的存在としての役割を担うことを目指す。1992年に創設。

1.事業形態

1 ユニツイン(UNITWIN:University Twinning、大学間ネットワーク):合計44ネットワーク(2017年12月現在)
○複数国に所在する複数の大学から成り、ネットワーク全体として、6年間の協定をユネスコと締結
○複数のユネスコ講座によるユニツインの形成や、既存のネットワークがユニツインに発展することも可能

2 ユネスコチェア(UNESCO Chairs、ユネスコ講座):合計709講座(2017年12月現在)
○チェアホルダー(責任者)、講師、研究者、学者から成る新たな教育・研究ユニットとして、大学または他の高等教育機関に設置
○4年ごとに更新
○大学の部局内に新たに設置、または既存のプログラムの拡充により設置が可能
○大学の学長とユネスコ事務局長の間での覚書署名により発効

2.対象機関

○大学又は高等教育・研究機関
○高等教育・研究分野で活動しているNGO※
○その他学術研究機関※
※ただし、ユニツイン又はユネスコチェアを設置できるのは、大学又はその他の高等教育機関に限る。

3.プロジェクトの機能

○ユネスコチェアホルダー又はユニツインネットワークコーディネーターの責任の下、1)非伝統的分野でのプログラム開発、2)教員・学生交流の実施、3)関係分野の授業実施、4)ユネスコの戦略に沿った研究の実施、5)ワークショップ・セミナー・国際会議等の開催、6)刊行物の発行、7)バーチャルコミュニティへの参加等を行う
○毎年5月末までに年間報告書をユネスコ本部に提出
○ユネスコのロゴの入ったロゴを使用可能
○ユネスコからの財政支援は行われない

4.我が国におけるユニツイン/ユネスコチェア事業

(1) ユニツイン 
1 斜面災害・水災害に関する研究・教育ネットワーク(京都大学、2003~)
2 教育開発のためのアフリカ・アジア大学間ネットワーク(広島大学、2010~2014、2015~)

(2) ユネスコチェア
1 環境・社会基盤開発工学ユネスコ講座(埼玉大学工学部、1997~)
2 ユネスコチェア国際研修「文化遺産と危機管理」(立命館大学歴史都市防災研究所、2006~2014、2015~)
3 持続可能な開発のための教育(ESD)と研究に関するユネスコ講座(岡山大学大学院環境生命科学研究科、2007~)
4 遺産保護における自然と文化の連携(筑波大学大学院人間総合科学研究科、2017~)

【平成29年度 設置手続き中】
○ジェンダーや脆弱性を中心とする減災支援(神戸大学)
神戸大学が中心となり、災害が頻繁におこるインドネシア、台湾、タイ、マレーシア、日本の大学や機関と連携し、ジェンダー平等や特殊なニーズをキーワードに減災に関する共同研究、教育・訓練や幅広い情報提供を行う。参加大学内外のセミナー以外にガジャマダ大学で各参加機関の学生を対象にサマーセミナーを開催する。

○水・エネルギー・災害に関する京都大学ユネスコチェア(WENDI)(京都大学)
京都大学の多様な研究科・研究所等の専門家が結集し、水及びエネルギーさらにそれらに関わる災害、環境、生態系、食料などの問題を、気候変動やデータ科学を共通課題として学際的系統的に英語で学べるコースを大学院生に提供する。国内外のユネスコのジオパーク、エコパーク、世界遺産などを学習フィールドとして活用する。

○地球環境災害軽減ユネスコチェア(島根大学)
国際地盤災害軽減機構(ICGdR)と協力し、地球環境と社会のより良好な関係を構築するために、地球環境災害軽減に関する大学院教育、研究、そして国際的な学術交流を行う。

○技学SDGインスティテュート(長岡技術科学大学)
本学で培われてきた先駆的な工学教育(産学連携を基礎とした長期実務訓練や海外学術交流等)を更に進展させるもので、学長のリーダーシップの下、SDG(国連の持続可能な開発目標)をエンジニア教育の根幹とすることで、更なる工学系高度化教育プログラムを達成し、大学間連携から世界に拡大していこうとするもの。


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