日本ユネスコ国内委員会 教育小委員会懇談会議事録

1. 日時

平成28年1月14日(木曜日)10時00分~12時00分

2. 場所

文部科学省東館3F3特別会議室(3階)

3. 出席者

(委員)
見上一幸、秋永名美、安西祐一郎、榎田好一、黒田一雄、重政子、寺本充 〔敬称略〕

(事務局)
 山脇良雄日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際統括官)、福田和樹日本ユネスコ国内委員会事務次長(国際統括官付国際戦略企画官)、その他関係官

4. 議事

【見上委員長】
  おはようございます。定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
  本日は御多用の中、御参加いただきましてありがとうございます。
  事務局の方で定足数を確認いたしましたところ、ちょっと定足数には足りないということで、134回を予定しておりましたけれども、今回はそういう形でなく、教育小委員会懇談会ということで開催したいと思いますので、御了承いただけますようお願いいたします。
  今年初めてということで、どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
  では、まず初めに、前回の小委員会以降、委員及び事務局の異動がありましたので、事務局から新しい委員の御紹介をお願いいたします。

【野田国際統括官補佐】
 申し上げます。
 昨年12月1日付けで株式会社リバネス地域開発事業部で2014年のユース・コンファレンス日本代表の秋永名美委員並びに公益社団法人日本PTA全国協議会会長の寺本充委員が配属されました。

【見上委員長】
 では、本日御出席の秋永委員、寺本委員から一言ずつ御挨拶いただければと思います。秋永委員からお願いします。

【秋永委員】
  おはようございます。初めましての方もいらっしゃるんですけれども、このたびはこのような貴重な場にお招きいただきましてありがとうございます。
  2013年度から日本のユース・コンファレンスに参加させていただき、その後、ユネスコのESDの世界会議の方に、岡山、愛知で開かれたものに参加させていただきました。昨年はESDの分科会の方の委員にも呼んでいただきまして、このような各界の先輩方がいらっしゃる中で、大変恐縮ではあるんですけれども、こうした国を動かすような議論に参加させていただけることをとても光栄に思っております。
 大学院でサステイナビリティ・サイエンスを修めておりまして、東北地域を中心に教育、そして次世代育成というところで地域の発展に関わっておりますので、ここの場に貢献できるように努力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【見上委員長】
 では、続きまして寺本委員、お願いいたします。

【寺本委員】
 座ったまま、失礼します。日本PTA全国協議会の会長をさせていただいております寺本と申します。
 私はもともとの出身が名古屋なものですから、先ほどお話のあったように、ESDの世界会議を愛知・名古屋で開いていただいたときには、出席はかなわなかったんですが、近くにいたということで、ユネスコの活動について、私たちPTAとしても過去から委員をさせていただいておりますので、これからも微力ですけれども、発展に寄与していきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【見上委員長】
 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、事務局の方。

【野田国際統括官補佐】
 引き続きまして、事務局並びに関係職員の異動もございましたので、御報告申し上げます。
 まず、平成27年8月に文部科学省大臣官房国際課長、今里讓が退任いたしまして、後任として豊岡宏規が着任しております。

【豊岡国際課長】
 豊岡でございます。よろしくお願いいたします。

【野田国際統括官補佐】
 同じく8月に文部科学省国際統括官付国際戦略企画官、日本ユネスコ国内委員会事務局次長でございました籾井圭子が退任しまして、後任として福田和樹が着任しております。

【福田国際戦略企画官】
 よろしくお願い申し上げます。

【野田国際統括官補佐】
 最後になりますが、私、野田と申しますが、同じ年の3月に国際統括官付の補佐でございました本村宏明が退任しまして、後任として私が着任しております。
 以上でございます。ありがとうございます。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 それでは、山脇国際統括官から一言、御挨拶いただければと思います。

【山脇国際統括官】
 冒頭、少し御挨拶をさせていただきます。
 ユネスコ関係では、去年はユネスコ創設70周年ということで、また、ユネスコ総会の開催がありまして、馳文部科学大臣が10年ぶりに出席して演説をするというような形で、我が国の取組とか今後の方向性などについて発信をしていただきました。また、国内委員会としても、70周年の会長ステートメント、安西会長にまとめていただき、安西会長にはパリまでお運びいただいて、ボコバ事務局長に直接、日本としてのステートメントを手交し、意見交換をしていただいたというような取組がございました。また、その総会では、今日も報告いたしますが、持続可能な開発のための2030アジェンダ、更にそれを踏まえたユネスコとしての行動枠組みというものが決定されました。これらを踏まえて、今後、我が国の国内委員会としても、教育分野でもしっかりとした取組をしていかなければいけないと考えておりますので、また是非、今日御議論いただきたいと思っています。
  また、国内的にも、この教育小委員会の下に、ESDの特別分科会に報告書を昨年まとめていただきました。ここでは重要な今後の教育そのものに関わるような方向性も出していただいておりますし、実践的なESDを広めていくために、全ての学校でこのESDを広めていこうと。また、ユネスコスクールがそのけん引となるような形で進めていきたいということで、実践のための手引についても今、検討を進めているところでございます。また、昨年12月にはユネスコスクール全国大会を開催させていただき、ここでも安西会長に特別対談をしていただいて、非常に力強い激励の言葉も頂きました。また、関係省庁連絡会議におきまして、ESDのグローバル・アクション・プログラムを実施するための国内実施計画を今、定めようということでまとめつつあると。パブリックコメントにも書けているということで、関係省庁一丸となってESDを進める体制も作っていきたいと考えているところでございます。
 このような課題について御報告をしつつ、また、委員の先生方から御意見を賜り、内容を充実していきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の配付資料につきまして、事務局から資料確認をお願いしたいと思います。

【野田国際統括官補佐】
 座席表を1枚めくっていただきますと議事次第がございますので、これに沿って、御紹介、御報告申し上げます。
 配付資料、資料1でございますが、日本ユネスコ国内委員会教育小委員会(第133回)議事録でございます。この議事録につきましては、事前に委員の先生方には御確認いただいておりますが、万々が一、お気づきの点がございましたら、後日で結構ですので、私ども事務局まで御報告いただければと思います。
 続いて、資料2でございますが、第38回ユネスコ総会の結果について(概要)、3.ユネスコ創設70周年にあたっての提言、4.持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)について、5.ユネスコ/日本ESD賞について、6.ESD特別分科会報告「持続可能な開発のための教育(ESD)の更なる推進に向けて」の冊子でございます。7.「ESD実践の手引(仮称)」作成に向けての検討状況、8.第7回ユネスコスクール全国大会の結果について、9.文部科学省におけるユネスコ教育関係予算について、10.我が国における「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」実施計画(案)、そのほか、参考1としまして本教育小委員会委員名簿、参考2としまして今後の日本ユネスコ国内委員会関係行事について、参考3としましてユネスコ関係略語対訳表でございます。
 資料の不足がございましたら、お手数ではございますが、事務局までお申し付けください。
 以上です。

【見上委員長】
 資料はおそろいでしょうか。
 それでは、議題1に入ります。昨年11月にパリのユネスコ本部におきまして第38回ユネスコ総会がございました。これに関しまして、事務局より資料2、3、4、5に基づきまして説明をお願いします。

【福田国際戦略企画官】
 失礼いたします。
 それでは、まず資料134-2、第38回ユネスコ総会の結果について(概要)の方を御覧いただきたいと思います。このユネスコ総会自体は、昨年の11月に大体2週間ぐらい行われていたものでございますけれども、そのうちのポイントになる部分、それから主な決定事項ですとか、そういったところをまとめて御説明させていただきたいと考えております。
 まず、冒頭、先ほど統括官から挨拶申し上げたとおり、馳文部科学大臣が今回、10年ぶりにユネスコ総会に出席したということでございます。この概要といたしまして、4.にございますけれども、ユネスコ総会において、一般政策演説を行ったほか、ボコバ事務局長との協議、それから各国の教育・科学技術・文化・スポーツ担当大臣とのバイ協議を行った。また、我が国の支援によりユネスコが創設した「ユネスコ/日本ESD賞」の表彰式に出席したというようなものでございます。以下、それぞれの中身について、簡単に御説明申し上げます。
 (1)の一般政策演説でございます。この一般政策演説というのは、各国の出席者が総会でそろうわけでございますけれども、その中で各国それぞれがユネスコに対してどのようなことを今後求めていくか、また、加盟国に対してどういったことを呼び掛けていくかといったようなことについて、決められた時間で発表するというものでございます。この中で、馳大臣の方からESDの推進ですとか、あるいはそれ以外にも教育分野におきましては途上国への教育支援といったようなこと、それから教育以外の分野につきましても、ここに書かれているようなことについて発言をされたということでございます。それから、昨今、これはよく報道されているところではございますけれども、ユネスコには記憶遺産事業というものがございます。このことにつきまして、その在り方について、ガバナンスや透明性の向上を含む改善を早急に実現するよう、加盟国に呼び掛けるとともに、事務局長による強いリーダーシップを要請したというところでございます。
 そして、その翌日、(2)でございますが、ボコバ事務局長との協議というものを行った次第でございます。この中でも、下線部が引かれておりますが、記憶遺産に関するやり取りがあったということ、それから一番下でございますが、本年5月にG7の教育大臣会合が岡山県倉敷市の方で開催されることになっており、現在、文部科学省において、その準備を進めているところでございますけれども、そこへの参加――ユネスコというのも当然、国際機関の中で教育関係の重要な役割を担っているものでございますので、参加を要請したというものでございます。
 引き続きまして、1枚おめくりいただければと思います。(3)各国の大臣との会談と。この中でも記憶遺産だけではなくて、教育、文化、スポーツ等に関して、幅広く意見交換を行ったというものでございます。
 そして、一番最後、(4)のユネスコ/日本ESD賞授与式でございます。これは世界会議の関係で、既に各委員の先生方、御承知かと思いますけれども、世界会議において、下村前文部科学大臣が公式に創設を発表したというものでございます。つまり、日本政府の支援により、ユネスコが実際に賞というのを運営していくというものでございます。その第一回の授賞式というものをこの総会に合わせて開催したというものでございます。第一回の授賞式においては、グアテマラ・エルサルバドル、インドネシア、ドイツの3団体の受賞者が出席し、馳文部科学大臣より副賞を授与したということでございます。
 この詳細につきましては、資料134-5を御覧いただきたいと思います。資料が飛んでしまって恐縮ですけれども、この中で一番下にございますけれども、ESDユースアンバサダー、それからエコフレンドリー社会起業家プロジェクト、そしてグリーン・オフィス・モデル、三つのところに対して、初めてのESD賞を授与したというものでございます。
 実際、総会の中で行うことによりまして、この授賞式にはもちろん、ボコバ事務局長にも参加していただき、そして馳文部科学大臣の方から授与したということでございまして、当然、各国の総会に出席したほぼ全ての加盟国が見守る中での授与式となったということでございまして、大変、ESDのプレゼンスというものを示すことができたということでございますし、終了後にボコバ事務局長の方からも、大変、ESD賞はよいものであると。ユネスコはほかにもいろいろな賞を授与しておりますけれども、その模範となるような取組であるというような言葉を頂いたというふうに聞き及んでいるところでございます。
 次に、資料134-2に戻っていただきまして、2.のステートメントの手交についてということでございます。これも先ほど統括官の挨拶の中で触れたとおり、安西会長が総会の開催に先立って、11月1日から2日、出席をしたということでございます。その中で、国内委員会会議、つまり、日本ユネスコ国内委員会のような委員会が各国それぞれ設けられているわけでございますけれども、その国内委員会会議というものが開かれ、そこに御出席いただくとともに、また、安西会長もボコバ事務局長と会談をして、その中でステートメントをボコバ事務局長に直接手交したというものでございます。
 このステートメントの中身につきましては、資料が度々飛んで恐縮ですが、134-3の方を御覧いただきたいと思います。ステートメント、全体自体はやや長い文書でございますので、かいつまんで教育関係について御紹介申し上げますと、冒頭、はじめにということ、それから2枚目で世界の変化とこれからのユネスコの在り方ということで、総論的なところを記した上で、3枚目でございますが、2.で新しい時代の国際社会における「知的リーダー」としての役割と。もちろん、これまでもユネスコはそういった役割を求められてきたわけでございますが、70周年を迎えた中で、また新たな観点からどういう知的リーダーとしての役割が求められるかということにつきまして、この中で記しているというものでございます。
 そして、次のページをおめくりいただきまして、4ページの3.持続可能な社会の実現への貢献というものでございます。もちろん、持続可能な社会の実現というのはESD以外にも、あるいは教育以外にも様々な観点で貢献というのが求められるところではございますが、この中で真ん中からやや下の辺りで、とりわけで始まる段落でございます。とりわけ、持続可能な開発のための教育(ESD)においてはということで、日本がこれまで行ってきた貢献ですとか、また、ESDがこれから先求められる意義というものについて記しているというものでございます。また、ESDだけに目を向けるというわけではございませんで、教育のいろいろな取組に対する理解というのも当然示す必要がございますので、例えばグローバル・シチズンシップ教育ですとか、いろいろな新たな動きというものも、これを歓迎するということで記しているというものでございます。
 そして次のページの4.でございます。ここで多様性を尊重する社会の実現への貢献というものでございます。いろいろな世界全体での課題というものがある中で、多様性というものを尊重しながら、そして対話というものに努めていくと。これがユネスコに求められる、なかなかほかの国際機関ではできない役割であるというようなことをこの中で記しているというものでございます。また、それに関連して、例えば文化の関係ですとか、あるいはコミュニケーションの関係ですとか、求められることというものをこの中で記しているというものでございます。
 そして、最後に6ページの5.ですが、おわりにというところでございます。この中で、今回、これは70周年のステートメントでございますので、70周年の中で日本がどういう役割を果たしてきたかということについてアピールすることも当然重要でございます。これに関しまして、具体的には7ページ、一番最後のページの冒頭でございますけれども、日本は国際連合に加盟するより以前にユネスコに加盟したと。そして、その加盟以前に民間の組織が既に活動を開始して、そして多くのユネスコ協会というものが大変優れた活動を懸命にされてこられたということをきちんと触れさせていただいた上で、また、今後ともユネスコが知的リーダーとしての役割を果たす上で、日本として政府、あるいは民間、様々な組織が連携して貢献していきたいということで結んでいるというものでございます。
 以上がステートメントの関係でございます。
 そして、また戻っていただいて恐縮でございます。資料2の2ページ目の3.のところに戻っていただければと思います。その他の主な決定事項ということでございます。
 (1)の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)の推進についてというものがございます。これはいわゆる各国の首脳が合意したものとして、開発目標というものがございます。昨年まではミレニアム開発目標というものが2000年から2015年までの開発目標としてあったわけでございますが、それに続く後継目標として、このSDGs、サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズというものが昨年の9月、合意をされたというものでございます。この中で、教育分野に関しましては、別途、ハイレベル会合というものがユネスコでも開催されまして、そして行動枠組みというものを採択したと。その中でも一つの大きな戦略としてESDというものが触れられているとともに、当然、教育関係の様々な目標、例えば識字率の向上でありますとか、あるいは一定の層が教育をきちんと修めることができるですとか、そういったことについて記しているということでございます。
 その具体的な中身につきましては、資料134-4にございます。実際、詳細につきましては、行動枠組みというのを今後どのように実施していくかということにつきまして、例えば数値目標を定めてフォローアップをしていくインディケーターの在り方だとかを含めて、現在も国連、そしてユネスコにおいて議論が行われているという状況でございます。そういった目標というのが具体的に定まってくれば、またそれに従って各国がその目標達成に向けてどのように取り組んでいるかというものをモニタリングしていくことになるということでございます。これは当然、教育以外にも、例えば保健分野ですとか、様々な分野の目標というものが国連全体でまたフォローされていくというものでございます。
 最後に、また度々資料が飛んで恐縮でございます、134-2の一番最後、(2)のユネスコ世界ジオパークの正式事業化でございます。これは教育分野というよりは、主に科学の方の分野でございますが、新しい事業が立ち上がったということで、ひとつ、御承知おきいただければと思いますけれども、ジオパーク、すなわち地質学的な遺産の保護というものを新たに行っていこうというものでございます。詳細について3ページの方にございますけれども、実際にこれまでも関係する団体というものがそういう取組をしていたわけでございますが、これを新たに正式事業化すると。それは当然、これまでの取組というものをある程度、尊重した上でということではございますけれども、新たに事業化されたというものでございます。日本国内でも既に幾つかの世界ジオパークというものが登録されておりますし、また、こういった登録審査を行う日本の中での関係団体というものもございます。ユネスコ国内委員会といたしましても、今後、そういった団体と連携していきながら、この事業を適切に行っていきたいと考えております。
 雑ぱくでございますが、ユネスコ総会の結果、また、それに関連する事柄につきましての御説明は以上でございます。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 ただ今の説明に関して、何か御質問や御意見を頂きたいと思いますが、安西会長、パリに行ってくださいましたので、一言、何か御意見等を頂ければと。

【安西委員】
 馳大臣に総会でスピーチいただいたというのは、特に記憶遺産手続について改善をということをおっしゃったというのは非常に大きかったと思います。
 こちらの方の国内委員会につきまして、今、福田さんから説明のあったとおりでありますけれども、一つだけ申し上げれば、6ページの終わりの数行のパラグラフで、会長ステートメントでもやはりそのことは入れてございます。また、この会長ステートメントは、私が勝手に書いたということではなくて、総会で了承されているということでございますので、全体的に一行一行、かなりしっかり考えて作られたものでございますので、私が一人でやったということではありませんので、この国内委員会としてのステートメントだというふうに御理解いただければと思います。
 いろいろ御協力いただきましてありがとうございました。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御質問、あるいは御意見でも結構ですが、お願いします。何でも結構ですので。
 日本ESD賞については、日本からの応募も結構多かったんでしょうか。

【福田国際戦略企画官】
 はい、日本からもございました。残念ながら、ユネスコの方では採択はされなかったですけれども、また第二回の募集というのが、恐らくまた近日中に始まると思っておりますので、またその際は私ども事務局の方から全国のユネスコスクールですとか、そのほか関係者の方にも周知をさせていただいて、積極的な応募をお願いしたいと思っております。

【山脇国際統括官】
 私もユネスコ総会に馳大臣に同行する形で出張してまいりまして、このユネスコ/日本ESD賞、ちょうど教育関係のセッションの直後に表彰式があったものですから、各国の代表者も大勢参加して、ESDのこれからとか、特に若者の取組が結構多かったですが、それを表彰するということで、ボコバ事務局長も馳大臣も表彰式に出席をして、ESDの盛り上げと日本の貢献ということを皆さんに印象付けるというか、改めて認識をしていただいたということでは非常にいい機会になったのではないかなと思いましたし、先ほど福田が申し上げたように、ボコバ事務局長も非常にこういう取組を評価して、ESDに対する日本の貢献を特に再評価しているというようなお言葉もありましたので、これは5年間ではあるんですが、今後もうまく生かしていきたいと考えております。

【見上委員長】
 それはよかったですね。
 はい、黒田委員、お願いします。

【黒田委員】
 コメントと一点、質問させていただきたいんですが、まず、会長ステートメントは本当に素晴らしいものが最終的にできて、前回、総会で議論したときに最初に提出されたものよりも、その後、素晴らしいものにしていただいて、本当にありがとうございました。特に多様性の重視というところ、昨今の国際情勢の中でユネスコが独自に持っている役割ということを強調していただいたこと、それに対して日本がコミットできるというようなお話をこの中に入れていただいたということで、本当に素晴らしいと思います。この会長ステートメントの使い方というのをこれから考えていかないと。ただ言っただけという形ではなくて、これからこのユネスコ国内委員会での議論が常にこの会長ステートメントに一度戻っていくようなことも考えながら、実施につなげていく必要があるのかなと思います。
 質問といいますか、国際的な課題として、持続可能な開発のための2030アジェンダがありまして、その中の教育のところで10項目、大きくは7項目ですが、目標が設定されまして、それに加えて教育のフレームワークができているということなんですが、その二つの間に若干、ディスクレパンシーといいますか、差がありまして、マスカット合意の部分というのがもう一度、行動枠組みの方に戻ってきているという形で、ちょっとおもしろい構造になっているかと思うんですね。そこがどういう経緯といいますか、もちろん、10項目のグローバルなアジェンダがあって、一方で行動枠組みの方に定められたものからすると、少し違う形になっているというところで、例えば財政のところなんかはマスカット合意は教育大臣でやっているので財政を何%というのは当然合意されるわけですけれども、国際的なフレームワークの中ではなかなか難しい、国連の大きなほかのセクターも入る中では難しかったと思うんですが、どんな整理がされて、これからどういうふうにこの二つの目標の違いについて関係者は考えていくのかというところについて教えていただければ有り難いんですけれども。

【見上委員長】
 事務局の方から。

【福田国際戦略企画官】
 かしこまりました。
 正しく先生御指摘のとおりでございまして、私どもの役所としても今後の課題の一つかなと考えております。
 そういったことになっている背景といたしましては、先ほど申し上げたようにSDGs、目標全体は国連、国連の中でまた専門家の組織を作って、そこに各国政府が出るような形でそれを見ていくということになっているわけでございますけれども、教育関係であればユネスコ、ほかの分野であれば、またほかの国際機関というように、俗に言う主導機関というものをそれぞれ定めて、ある程度、そこの自主的な取組というのも期待するという格好になっていると。したがって、どうしてもそういうディスクレパンシーというものがある程度できる余地があるというところでございます。当然、行動枠組みの方に関しましては、ユネスコが主導しつつ、ユネスコ以外の教育に関する国際機関、例えばOECDでございますとか、あるいはそれ以外にも、例えば学習成果に関していろいろな国際的なテストをやっているような団体さんですとか、そういうようなところも含めていろいろな議論に関わってきていると。
 そういう中で、先ほど御指摘のあったマスカット合意も含め、様々な議論というのが盛り込まれるようになってきていると。実際には、それをどのように今後、インプリメントしていくのか、その中で国連全体が定めるところのインディケーターというのと、それに多少、アディショナルに様々なものを定めているユネスコのものも含めて、どう全体をフォローしていくのかというのは、実は詳細はまだはっきりと私どもに示されていないと理解しております。この点は、ユネスコの方でも、ハイレベル会合の後、今後どういうふうにそれをやっていくかと。恐らくまた専門家の会合というものが組織されて、その中でそれをフォローしていく、あるいは詳細を決めていくということになるとは思うんですけれども、この目標自体が今度、2015年、昨年から2030年までというかなり長いスパンのものでございますので、なかなかすぐに決まるというふうにはならないかもしれないと。
 もう一つは、前回のミレニアム開発目標の際には、非常に開発、つまり、途上国をどう発展させるかという比較的分かりやすい設定というのが多かったのですが、今回は持続可能性というところに着目していると。つまり、途上国だけではなくて、先進国にとっても課題となるような共通の課題を共通の土俵でやっていこうということになっております。そうしますと、どうしても目標の設定自体がある種、単なる開発ということだけではなくて、教育であれば教育政策そのものにもなっていく。したがいまして、そういう学習成果的なものも今、目標に盛り込もうというふうな動きもあるわけですけれども、当然、そういったものをなかなか、先進国はいざ知らず、途上国はすぐにできるというわけでもないであろうと。そうしますと、そういうような議論というよりも、ある程度、時間を要さざるを得ないと。また、逆に言えば、そういう議論は国連ではなくて、やはり専門家がいるユネスコですとか、そういうところでの議論というのに委ねるべきというところもある。したがって、どうしても当面は国連とユネスコのダブルトラックというものがある程度は続いていかざるを得ないのかなというように考えております。いずれにしろ、日本政府としても、きちんとその状況をウォッチして、また関与していきたいと考えております。

【黒田委員】
 今のお話を受けて、一点、よろしいでしょうか。

【見上委員長】
 はい、どうぞ。

【黒田委員】
 きちんと御説明いただきまして、本当にありがとうございます。
 正に、これから指標設定というのが非常に重要な国際社会の活動になっていくんだろうというふうに私も考えます。いずれにしても、二つのフレームワークのどちらにもESDは入っていまして、特に新しいユニバーサル・アジェンダとしては、2030アジェンダの7項目ですね、教育におけるESDとか、カルチャー・オブ・ピースとか、グローバル・シチズンシップということがずっと並べられたようなところというのは非常に曖昧な目標設定になっています。そうすると、指標設定に対して、もちろん、国際社会から提示されるというところはあるんだと思いますが、日本からもイニシアチブをとって果敢に発信していくことも非常に重要なことかなと考えます。正にESDを言い出しっぺとしての日本がけん引してきたというところもありますので、これから指標設定、もちろん、行動そのものもなんですけれども、イニシアチブをとっていくことが非常に重要かなと私は考えます。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 今、黒田委員が最初におっしゃられたこともとても大事で、御意見のとおり、大変いい会長ステートメントをまとめていただいて、これを我々、有効に使えればいいなと思います。こういうネット社会ですので、ウェブ上でどんどん広がるとは思うんですが、印刷物みたいなものでも、何か事務局としてはあるんですか。

【福田国際戦略企画官】
 現時点ではちょっと考えていなかったのですが、せっかく頂いた御意見でもございますので、その辺りもまた検討させていただきたいと思います。

【見上委員長】
 御検討いただければと思います。

【山脇国際統括官】
 その点に関連して、例えばこの会長ステートメントは、今後のユネスコの方向性もありますし、日本としてのユネスコ活動の方向性を示していただいていると思いますので、2月にユネスコ国内委員会の総会が予定されていますので、そこで改めて御紹介して、この方向性に沿った具体的なプログラム、アクションについて、いろいろ意見を出していただきたいなと思っているところであります。
 それと関連してですが、先ほども話しましたが、今年の5月にG7の教育大臣会合というものを開催する予定です。これは伊勢志摩サミットが5月に主要国首脳会議としてありますけれども、それに関連した閣僚会合の一つとして、G7の教育大臣が集まる会合を5月の13日から15日に岡山県倉敷市で開催する予定です。一応のテーマは教育におけるイノベーションにしておりますけれども、今、各国と意見調整をしている中では、やはり先ほど先生がおっしゃった多様性を認め合うような社会だったり、今、移民の問題とかテロの問題とか様々な課題がありますけれども、その中で教育が果たす役割というのが非常に重要になってきているのではないかというような問題意識がやはりG7各国の中でも共通のものとしてあると。それは私はこの会長ステートメントの中で言われている多様性を尊重する社会における教育の在り方ということにも通じるのではないかなというふうに思っているので、教育大臣会合の中でもこのような方向性の具体化ということを図る一つの機会になるのではないかなと。うまくそこがリンケージするような形で今後進めていければいいのかなと、ちょっと今、そういう構想をしているところでありますので、またいろいろ御意見を頂ければ有り難いと思っています。

【見上委員長】
 安西委員、どうぞ。

【安西委員】
 これは言わずもがなではあるのですけれども、会長ステートメントという名前は付いているのですが、これは国内委員会ステートメントにしていただきたいと相当粘ったのでありますが、どうしても会長ステートメントにしろということでこういう名前になっております。これは教育小委員会も含めて、国内委員会として、私は黒田委員、皆様と同じで、多様性ということと持続可能性ということをはっきり二つ、きちんと柱として打ち出していただいているというのが非常に大きなことだと思いますので、そういう意味で、いろいろな日本の教育の方向付けのためにも使っていただければ、国内委員会全体として有り難いと思います。

【見上委員長】
 ありがとうございます。
 ステートメント検討の中では、外国流でいけば、安西ステートメントの方がいいんではないかという御議論もあったんですが、会長のそういうお気持ちでこのような形になっていると思います。
 ユネスコってどういう活動をしているんだというのは、なかなか一般の方々には理解されない部分もありますので、是非これを有効に使って、こういうことをやっているということを我々も折あるごとに紹介していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、もしまた後ほど思い出されましたら戻るということにいたしまして、一応、議事を前に進めさせていただきたいと思います。
 第二の話題に入りますが、まずは昨年、本小委員会の下に設置されましたESD特別分科会というのがございまして、そちらにおける議論につきまして、分科会の委員長を務めましたので、まず私の方から簡単に御案内させていただいて、その後、具体的なところを事務局の方から説明いただければと思います。
 資料134-6というのがございますが、まず、これにつきましては国連がESDの10年の実績、それからその後の将来に向けての動き等も見据えた形で開催されました。このフォローアップのために平成27年2月に教育小委員会の下に、今、申し上げましたように、ESD特別分科会を設置いたしました。本分科会では昨年の7月頃までの間、5回にわたりましてESD、今後の推進方策について議論いたしました。それが8月頃に完成したわけですが、まとめたものが今、お手元にあります資料6というものでございます。内容的には、これまでのESDの成果、それからESDの取組の推進に関する課題、今後のESDの推進方策というような三つに分けてまとめたものでございます。
 特徴としては、一つはESDが課題の発見と解決に向けた主体的、共同的な学び、いわゆるアクティブ・ラーニングというものを実践するものとして大変効果的であるというように考えられることから、全ての学校でESDの実践を目指すべきではないかというようなこと、それからESDを更に推進する上で、ユネスコスクールに対してのアンケートでは教職員のESDに関する理解がまだ不十分だということもございまして、ESDの実践の手引、こういうものを作ってはどうかということ、また、国内外のユネスコスクールの間の交流を促進することでユネスコスクールの活動の質の向上を図ることが必要であろうということで、手引を活用した研修会を行ってはどうかということ、さらには国際的なESDの推進に向けて、日本が引き続きリーダーシップを発揮するためには、日本がユネスコに拠出しているGAP、信託基金ですとかユネスコ/日本ESD賞を通じて海外におけるESDの実践の向上につなげる取組を推進するというようなこと、他のESD先進国、ドイツですとかスウェーデンとも連携を強化していってはどうか、そんなことが特徴として含まれております。
 では、続きまして、具体的なところを御説明いただければと思います。

【福田国際戦略企画官】
 失礼いたします。
 今、委員長から大まかなところは大体、御説明いただきましたので、そのほか、ポイントとなるところを幾つか御紹介したいと思っております。
 この冊子の2ページから3ページのところをお開きいただきたいと思います。まず、教育小委員会の下の特別分科会ということでございますので、これまでのESDの取組の教育的な観点からの成果というものをきちんとまとめるということが重要ということでございまして、ユネスコスクールのアンケートですとか、その他、優れた先進事例を行っているところの取組などについて整理をしているというものでございます。具体的な成果などにつきましては、例えば3ページの下の中黒のところから、以下、次のページ以降にございますけれども、こういったような成果があったというように整理をさせていただいているところでございます。
 また、事例ということに関しましては、1枚おめくりいただいて、5ページ以降に幾つか事例というものを紹介させていただいております。最初にある多摩の事例というものは総合的な学習の時間において取り組んだ事例でありますとか、あるいはその後、次、お開きいただいて、7ページ、それから8ページのところにある中学校、高等学校の場合やクロスカリキュラム、様々な教科を通してESDを行っている優れた事例というようなことで整理をさせていただいているというものでございます。
 それから、当然、ESDというのは学校だけで行うものではございませんで、様々な地域団体、あるいはPTAですとか、そういったところの御助力を頂いて進めていくということが重要でございます。そういった非常に開かれた学校、あるいは連携として優れた事例として、9ページの四角囲みのところでございますけれども、岡山の事例などを御紹介させていただいているところでございます。
 こういった成果がある一方で、当然、成果があれば課題もあるということでございます。その辺りを今度、10ページ以降でまとめているというところでございます。10ページ以降の中黒では、これまで様々な取組があったわけでございますが、他方でいまだ全体として見たときに十分にESDが理解されているとはなかなか言い難いのではないか、また、ESD自体は知っていても、それをどう取り組んでいけばいいのかというところが実はまだよく分からないといったようなこと、また、それを進めていくに当たって参考となるような情報がもっと必要だというような課題というものを指摘させていただいているということでございます。
 それから、次の12ページのところで、ユネスコスクールの関係で声としてあるのは、本来、ユネスコスクールというのは、ユネスコというのが国際機関であるだけに、国際的な交流ですとか、相互理解だとか、そういった活動というものが奨励されるわけでございますけれども、ここで海外とユネスコスクールとの交流を予定しているユネスコスクールは16%に留まっていると。つまり、そういった国際理解と国際交流といったようなものをもっとやっていきたい、やっていく必要があるけれども、なかなかそこまで手が回らないといったような課題などが指摘されているということでございます。このほか、こういった学校を支援する大学の立場ですとか、あるいは地域における様々な立場からの課題といったようなものなどについても触れさせていただいているところでございます。
 その後、15ページ以降におきまして、今後のESDの推進方策ということでまとめさせていただいているところでございます。
 具体的なところにつきましては、先ほど委員長から幾つか御紹介いただいたとおりでございますけれども、大きなところとしては、先ほどのESDの手引というもの、その手引の具体的な在り方につきましては16ページの方で御提言というものを頂いているところでございます。また、このほかにも手引を活用した研修の実施ですとか、あるいはそれを通じての大学から学校へのアドバイスですとか、そしてまた地域における様々な取組、また、若者の参画、そういったことなどについても提言をさせていただいているというものでございます。
 そして、先ほどユネスコスクールの課題ということで申し上げましたけれども、その点に関しましては20ページ以降、ユネスコスクール間の交流の活性化に向けた支援というようなことで、具体的には国の方からの支援、あるいは関係団体からの支援というものも含めて、これを積極的に検討していくべきであるといったようなことなどがこの中で記載されているというものでございます。
 また、そのためには、ユネスコスクール、御承知のとおり、既に1,000校近くの学校が取り組んでいるわけでございますけれども、その模範となるような取組といったようなものを更に周知していくべきではないかというようなことでございまして、例えば22ページの上の方の下線部でございますけれども、他のユネスコスクールやユネスコスクール以外の学校のモデル校となり得る学校を育成することが望まれるといったような御提言なども頂いているところでございます。
 まずは以上でございます。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 では、引き続きまして本提言の中で述べられておりますESD実践の手引、これはまだ仮称ですが、この作成に関しまして、事務局より資料資料7に基づきまして御説明をお願いいたします。

【福田国際戦略企画官】
 引き続いて御説明させていただきます。
 134-7の前に、もう一度、冊子の134-6の16ページをお開きいただきたいと思います。16ページの下の方に中黒が六つございます。これは以下の事項について、学校現場での学習活動を計画する際に活用しやすい形で示すことが必要と、つまり、手引において盛り込むべき中身ということでございます。学校におけるESDのねらい、ESDを通じて重点的に育成する資質・能力、ESDを実践することの意義及び実践することにより得られる効果、育成した資質・能力やテーマに応じた具体的な学習活動の事例、ESDの視点を踏まえた教科横断的なカリキュラムづくり、そして指導方法、学習評価、指導体制等といったようなことについて盛り込むべきであるというような御提言を頂いているところでございます。
 これを受けての検討状況ということで、134-7の一枚ものでございます。当面、私どもといたしましては、年度内、既に残り3か月を切っているわけではございますけれども、具体的に誰を対象にするかというところで幾つか考え方があるかと思うのですけれども、まずは学校の教員、もちろん、教員向けというのもあるわけでございますが、教員に対して指導助言を行う教育委員会の指導主事又は学校管理職を対象とした手引というものを作成してはどうかということで作業を進めております。つまり、提言の中でも全ての学校における何らかの活動をというように提言しているわけでございますので、そうしますと、全ての学校に対して指導する立場からの強力な後押しというものが必要になるということでございまして、まずはこういったものを作ろうというものでございます。
 現時点での構成の案ということでございまして、これは事務局案というふうにございますけれども、実際は様々な先生方ですとか、あるいは学校現場の方々、そしてそのほかESDに関して特に知見を有しておられる方々の御知見を頂きながら検討を進めているところではございますけれども、この手引を作った趣旨ですとか、あるいは効果、そしてやはり事例がないとなかなか分かりにくい、特に学校現場、これは指導主事も含めてですけれども、そういったことでございまして、そういった事例を手掛かりとした指導助言上のポイント、そして指導助言を行う立場からいたしますと、研修をどのように企画、あるいは運営していくかということが非常に重要になります。もちろん、手引を活用するというのが前提ではございますけれども、じゃあ、どのようなプログラムを組んで研修をやっていけばいいのかというところについても、留意点ですとか、あるいはこういうふうにやっていくとうまくいくんじゃないかというようなことを記載してはどうかという、非常にプラクティカルな手引というものを作っていきたいというように考えております。また、5.でESDを理解する上での留意事項ということでございまして、ESDという概念というのがなかなか分かりにくいという御指摘が今でも非常に多く頂くところではございますが、もちろん、答えは一つである必要はないわけでございますけれども、どのように考えていけばいいのか、あるいはそれぞれの地域、それぞれの学校におけるESD、あるいは持続可能性の在り方というのをどのように考えていけばいいのかという手掛かりになるようなことというのをできるだけQ&A形式で、すぐにそれを使えるようにやっていきたい。逆に言えば、学校現場でよく聞かれ得るような質問に対して、ぱっと指導主事が答えることができるようなヒントというものをこの中で盛り込めるといいのではないかというようなことで作業を進めているというものでございます。当然、ESDというのはユネスコに関する取組であるということも踏まえまして、ユネスコの紹介ですとか、そういったところもこの中で簡単に触れたいと思っております。
 以上、しっかりと盛り込んでいくと、どうしても大部のものになってしまうのですけれども、できるだけコンパクトなものにして、そして現場でハンディーに使えるようにしていきたいというように考えております。そのためには、どうしても、ある程度、中身は精選せざるを得ないと考えておりますが、また別途、下に※印でございますけれども、教職員を対象とした手引ですとか、そういった言わば手引の第二弾、あるいは第三弾、そういったものにつきましても、また引き続き来年度以降、検討していきたいと考えております。
 以上でございます。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 委員会の中でもこういったマニュアル、手引というのがESDにそぐわないんではないかという議論もあったり、いろいろありましたが、今、御説明いただきましたように、一つは指導主事、あるいは学校管理職を対象として、そういうところが理解を深めてもらえるようにということもあります。
 ただいまの御説明に関しまして、何か御質問、御意見をよろしくお願いしたいと思います。はい、どうぞ、黒田委員。

【黒田委員】
 度々発言して申し訳ありません。
 素晴らしい取組だと思うんですが、これの国際発信といいますか、日本語でお作りになる御予定ですか。もちろん、第一弾は多分、日本語であると思うんですけれども、将来的には、少なくとも英語で作って、国際的に発信できるような形にしていくというのはいかがでしょうか。もちろん、日本政府からだけではなくて、例えばユネスコのアジア太平洋教育事務局とジョイントでということもあり得ると思うんですが、正に日本だけではなくて、多分、各国、世界でこういった情報といいますか、教員、若しくは学校関係者の中でESDについてのマニュアル的なものが欲しいというニーズはあると思うんですね。これから正に推進に向けての中の最後のところで、国際的な推進をどうしてやっていくかということもお話があるわけですけれども、例えばインディケーター作りも大切だというふうにここに書いていただいているんですが、こうしたマニュアル、こうした手引が英語化されて、若しくは多言語化されて国際発信できるような形にしていくと、非常に大きな国際社会に対する貢献になるんではないかと思いますので、御高配いただけると有り難いと思います。

【見上委員長】
 ありがとうございます。いい御指摘だと思います。
 はい、安西委員。

【安西委員】
 実践の手引を作っていただくのは非常に有り難いというか、結構なことだと思います。その上でなのですけれども、このESD特別分科会のこの冊子の最初の事例等々に、例えば児童生徒の思考力、判断力、表現力等が向上するとか、児童が主体的に互いに協力しながら工夫して話し合う、といった文面は、今、高大接続システム改革会議の座長をしておりまして、その一番ベースになっておりました2014年12月に中教審が出した主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度と、それから思考力・判断力・表現力等、それから知識・技能、この三つは全部大事だという答申とかなり文面が一致しておりまして、さらに思考力・判断力・表現力等という、この用語というのは学校教育法の小学校でいえば第30条にそのまま書いてある文面なわけです。大変結構なことなのですけれども、思考力・判断力・表現力等が養われたというのが結果として出てくるというのは、例えば欧米の子供たちだと、むしろ、そっちがすごく出ていてというか、自動的に養われるようなことになっていて、特に日本でのいわゆるコンピテンシーを養成しなければいけないということ、特に日本の教育ではそういうことが必要だということで中教審答申も出てきているというふうに考えられますし、また、いわゆる入試改革もそういうことが背景にあって議論が行われているわけです。
 このESDを本当に国内、あるいは世界に広めていきたいと思うと、いわゆる抽象的なコンピテンシーを身につけるということを目標にしていると、既にやっているではないかなどといろいろなことを言われるのではと思います。やはり2030アジェンダにあるような、本当に貧困の撲滅とか食糧の問題とか、あるいはジェンダーの問題とか、そういう本当に大事な具体的な問題があるわけです。そういうことをきちんと勉強するのだということを出していかないと、ESDの目標がコンピテンシーを身につけることだと言われると、そこでやはりいろいろなことが重なってきてしまうのではないかと思います。多様性と持続可能性ということをベースに置いて、その実際の具体的なコンテンツをみんなできちんと勉強していきましょうということをある程度入れていただいた方が、広がるのではないかと思います。
 長くなって申し訳ありません。

【見上委員長】
 ありがとうございます。大事な指摘だと思います。
 要するに、これを読むと、ESDという範疇のものをやれば、もう文句なしにこれがいつでも身につくような、そういう感じで受け取ってしまわれがちなんです、特に学校の先生方は。でも、授業を比べてみると、どう考えても、アンダーラインが引いてあるような能力がつかないような、極端に言うと、そういうやり方をやっておられる方も見受けることもあるんですね。要するに、先生方の御指導のやり方によって、これは結果としてこういうコンピテンシーが身につくかつかないかというのが決まるんで、ESDと直結してないんですね。

【安西委員】
 日本の状況の方が、欧米に比べてですけれども、ある程度、特殊で、日本の教育では統合的な思考力を身につけるということが緊急の課題だというふうに思われます。ESDの目標が統合的な思考力を身につけることだというふうになってくると、いろいろなことが重なって、みんながよく分からなくなってくるというところがあるのではないかと。むしろ、具体的な課題をしっかり勉強して、主体性を持って協力して勉強して、結果として統合的な思考力が実についていくということになるのではないかと思います。
 突然申し上げて恐縮ですが、どうも思考力・判断力・表現力等を身につけるということがESDの目標であるかのように、何となく国内で議論していると、そういうふうになっていく。それはなぜかというと、国内の子供たちがそういうことがまだできてないからのように見えるのです。けれども、世界的には、食糧の問題、人口の問題、貧困の問題、そういう具体的な課題を解決していくのにどうしたらいいかということがやはり大事なことなので、そうしたことも是非重みを持っていただけると有り難いと思います。

【見上委員長】
 正にそのことを私も感じておりました。今、安西委員おっしゃったのですごくすっきりしたんですけど、要するにESDをきちんとやれば、こういうコンピテンシーが身につくんだけれども、それが目的ではないんだろうと思います。
 寺本委員、いろんな学校の現場等からで、もし御感想があれば。

【寺本委員】
 正に安西先生おっしゃったとおりでして、三つの要素をメーンに、現場では教員の方々が一生懸命やっていらっしゃるんですね。でも、ESDとか持続可能なという話になると、どうしても別に捉えているというか、理解がまだ進んでいないのもそうなんですけれども、そこをどうしたらというところにまだまだ行っていないんですね、現場の方は。そうすると、私たち保護者の立場でも、また、学校の先生と話をしている中でも、そういった持続可能なという、ESDという言葉だけは何となく分かるけれども、具体的にどうしたらいいのかというところについて、さっきもおっしゃったように、日本人としてまだ足らないところというか、求められるところを何とか強化しよう、教育しようというところはあるんですけれども、おっしゃったとおり、本来的に、先ほどの食糧だとか、水だとか、環境だとか、地球規模で考えたときにどうなのかというお話になってくると、きちんとそこを分かるように書き加えていかないと、どうしても中教審で出てきたような話と抱き合わせで、全部やらなきゃいけないみたいな、すごく重たい大きいものとして捉えてしまって、結果的に重過ぎて進まないんじゃないかという懸念もあるんじゃないかなと、そんな気がするんですね。その意味でも、作るんであれば、分かりやすいマニュアル的なものにして、具体的なものももう少し取り入れて、具体性も、日本だけではなくて、世界ではこういうことをやっているというのも両方やっていくことによって、何が求められているのかというのがもう少しグローバルに見れるような状況ができるんではないかなというふうに思います。

【安西委員】
 現在、各学校で努力しておられるESDの教育がどうだと言っているわけではありません。全く矛盾しないのですけれども、実施の手引を作るのであれば、思考力・判断力・表現力が養成されるのであれば何をやってもいいのだという感覚よりは、具体的に、例えば食糧問題を扱うときにこういうデータをこういうふうに、ないデータもあるから、それは自分たちで考えてみましょうとか、具体的な例でもって本当に世界のグローバル・イシューを、そのまま持続可能性と多様性に関わるグローバル・イシューを具体的に考えられるような例題を、それが先ほど言われた事例ということだと思うのですけれども、それを重視していかなければというふうに思います。それでないと、とにかく、思考力何とかを育てられるのだったらどういうテーマでもいいですよというふうになると、いろいろなところで今までやってきたこととどう違うのだということに必ずなっていくと思いますので、そのときに先ほどのステートメントでも、あるいはいろいろなことが使えるといいとは思います。
 この2030アジェンダの問題がたくさん書いてあります。これは確かに非常に大事なテーマだと思いますが、そういうことを例にたくさん挙げて、こういうコンテンツが大事なのだということだけではないのですが、出していただけるといいのではないかと思います。

【見上委員長】
 今の意見は事務局の方から、協力者会議が、作成委員会があるんですか。

【安西委員】
 これは私の個人的なことですので、私も教育小委員会に入った当時、ESDとは何かと相当言いました。見上先生は御存じだと思いますが、だんだん本当に分かってまいりまして、ただ、具体的なコンテンツがついてこないと曖昧に見えるという点が脱却できないのではないかと思います。

【見上委員長】
 そうですね。
 はい、では重委員、どうぞ。

【重委員】
 今、おっしゃっていただいたこと、とっても大事なことで、現場の先生方とお付き合いしていますと、1年目ぐらいはなかなかそこが御理解いただけなくて、とにかくこの三つがちゃんとできればいいというお考えで、私たちにはアクティビティを求められるんですね。とりあえず、そのアクティビティをやることで、学校としてはESDをやった。でも、次の年にそのことをまた御一緒にし出すと、ようやく私たちが言っているESDの意味というのを御理解いただけるというような形がこの頃、続いているんですね。現場の子供たちは4年生が5年生になると、全く理解が変わってきているんですね。それこそ、新聞に入っているチラシを見て、食材のことから、旬のものだとか、海外からの輸入のものだとかというのを自分たちで問題を見つけられるようになっていくんですね。だから、私がちょっと心配しているのは、ESDを理解する上での留意事項をQ&Aの形式で、ESDの理解増進とおっしゃってくださっているんですが、これが余りにも直接の回答ではなくて、先生方がそれを理解するためのサポートをどうするかという、そういうやり方でないと、即での答えはなかなかないんだと思うんです。あれもこれもとお互いに話をしながら、すごくカリキュラムを作るのに時間がかかるんですけれども、そのことでようやく分かっていただける。先生方は、ユネスコスクールの発表会を何とかしようって、頭がそこにあるので、それをバックキャッピングで何とかしようと思ってくださるんですけれども、そのためには1年も2年もゆっくりかかりますので、これは直接、答えではなくて、ヒントをたくさんあげられるようなやり方をしていただけるといいなと思います。

【安西委員】
 おっしゃるとおりだと思います。現場の先生方がESD教育をやるときの具体的なヒントになるような実施の手引であっていただきたいと思いますので、例えばエネルギー供給の問題を小学校の高学年の子供たちと一緒に先生が考えていこうというときのその手引というのは一体どう作ったらいいのかというのは相当難しいと思います。そういうことをむしろ出していただけると、自分が考えても、相当悩みます。例えば、原子力をどう扱えばいいのかということに対していろいろ考えなければならない。先生は学びのマネジメントをするためのその手引であってもらいたいなと思います。

【見上委員長】
 榎田委員、お願いします。

【榎田委員】
 是非お願いできればと思うのは、この検討状況の中で、2のESDの推進が求められる背景と指導による効果、ここが一番大きなポイントになってくるだろうと思います。それはせっかくこちらで作られた冊子のアンケートに出ているのですね。ユネスコスクールでは教職員の理解は不十分だということよりも、その上にあります概念が分かりにくい、効果が分かりにくい、ここをうまく表現して、この2のところでやっていただかないと。この上の二つが分かれば理解が行くのだと思うのですよね。そのためには、その下の実施方法を知らないというのは、概念や効果が分かれば、そのためにどうすればいいかということで次のステップに行くので、そのときに、安西さんがおっしゃったように、幾つかの具体的な事例とセットにしていただきたい。ここに載っている学校の幾つかの例示ですけれども、抽象的な、学校としての取組事例というよりも、概念整理のようなのですよね。もう少しそこら辺がうまくつながっていけば、教職員は理解しやすいし、取り組みやすいと思いますので、そこら辺、ちょっと配慮していただければなと思いまして。

【見上委員長】
 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
 秋永委員、どうぞ。

【秋永委員】
 安西先生がおっしゃったことに非常に共感しております。今、コメントいただいたとおり、例えば事例を載せるに当たっても、共通して抽出したい項目があると思うんですが、それぞれの取組がどのような地球規模の課題に挑戦しているかというところ、若しくは生徒にどのような地球規模課題について考えさせているかというところ、取組の中でどのように持続可能性というものを定義しているかですとか、多様性というものが教育の中でどのように捉えられているか、若しくは多様なステークホルダーとの関わりというのを多様性と捉えるのか、若しくは多様な価値観、文化的な価値観がそこにあることを多様性と捉えるのか、いろいろな多様性の捉え方があると思うので、その辺りをきちんと考えられているかというのを手引の方でもうまくガイドできたらというふうに思っております。

【見上委員長】
 ありがとうございます。大変重要な御指摘を何点か頂きました。是非、手引の作成の方に生かしていただきたいと思います。

【福田国際戦略企画官】
 ありがとうございました。いずれも大変重要な意見だと思います。是非、今後、参考にさせていただきたいと思っております。実際、作成している際に、いろいろな先生方の御意見を伺いながら進めていくふうに申し上げましたが、実際に先生方の中でも、非常に激論というものがございまして、ESDというのは結局、特定の教育内容というものに関する、例えば地球環境問題であるとかエネルギーというようなことなのか、あるいはそれはある種の教育手法と申しますか、あるいはいろいろな教育を行う上での視点、あるいはアプローチということなのかというところで様々な御意見を頂いている。そういったものを踏まえて、どういう形で手引を作るというのが一番、現場に訴えるものになるのか、大変熱心に御議論いただいているところでございます。その中で、より分かりやすい、端的に言えばエッジの効いた中身にしていくべきだという御意見もある一方で、重委員からも御指摘ございましたけれども、ESDの実践というのは非常にそれぞれの現場の多様な思いというものがあって、また、いろいろな時間をかけていきながら、そういったものが尊重されているというようなところがあると。それは逆に言えば、それぞれの地球規模の課題、あるいは持続可能性というのをどのように捉えるかによりまして、例えば人権に関するものですとか、あるいは平和に関するものですとか、様々なそういったものもESDというふうなことで捉えて進めておられるような取組というのもあるというようでございまして、そういった状況にも配慮はしながら、どういう形で作っていくのがいいかというところ、私どもの方でもよく全体に目を配りながら、引き続き作業を進めていきたいと考えております。

【見上委員長】
 あと、これを発言したいとかありますか。よろしいでしょうか。
 続きまして、議題3に入りたいと思います。議題2で説明のありましたESD特別分科会報告書における提言も受けまして、現在、ESDの推進に向けての取組が進んでおります。これについて、事務局から資料に基づいて説明をお願いしたいと思います。福田企画官からでよろしいですか。

【福田国際戦略企画官】
 はい。失礼いたします。それでは、資料134-8、それから9、10ということで簡単に御説明申し上げたいと思います。
 まず、資料8、第7回ユネスコスクール全国大会の結果についてということでございます。これはつい先日、12月5日に東京の昭和女子大学の方で開催されたものでございまして、約600名の御参加いただいたというものでございます。安西会長と、昭和女子大学の学長で、非常に男女共同参画とかで多大な功績を残された坂東学長に、特別対談を行っていただいて、グローバル人材の育成の在り方などについて、大変、素晴らしい対談をいただいたというものでございます。
 また、ちょうどこの時期、これは報道でもございましたけれども、フランスでCOP21というものが行われておりましたけれども、関連イベントとして、ユネスコスクール気候変動国際セミナーというものをユネスコが開催しました。これに参加する日本国内の学校の先生方、要はフランスでセミナーが開催される直前に当たるわけですけれども、こちらの方に出ていただいて、フランスに行かれる意気込みというものを発表いただいたと。それによって、少しでも各学校の国際交流だとか、そういった活動を行う上での参考になればというようなことでやったものでございます。
 また、ユネスコスクールの全国大会、毎回、協力企業ということで、多くの企業さんからも社会貢献という観点で御協力を頂いております。そういったところからも、様々な企業さんの取組というのを紹介していただいて、学校の方で是非これを活用したいというのであれば、どのようにすればよいかということについて、相談に応じていただくといったようなことも行ったというものでございます。
 そして、全国大会の一番肝でございますけれども、ESDに関する様々な観点というのがございます。その教育内容の面ですとか、あるいはそれをどう評価していくか、あるいは学校として、それをどうマネジメントしていくか、様々なそういったことにつきまして、テーマ別に12の分科会というものを開いて、それぞれの中で非常に熱心に意見交換というものが行われたということでございます。また、これに関連して、NPO法人の日本持続発展教育推進フォーラムの方でESD大賞というものを行っておりますけれども、これの表彰式も全国大会に併せて行ったというものでございます。これが全国大会の関係でございます。
 次に、資料134-9の方でございます。これから国会の方で御審議をいただくことになります来年度の予算案でございます。この中でユネスコの教育関係予算案ということでございますけれども、大きくは白い丸の三つということでございます。
 一つ目は、ユネスコとのパートナーシップ事業というものでございます。例えばユネスコスクールの全国大会を開催したり、あるいはユースのフォーラムですとか、そういったこと、そしてまたESDの実践の手引、これが作成された暁には、手引を活用した研修の実施などにつきましても、このパートナーシップ事業の中で行っていきたいと。したがいまして、手引の作成について、どうしても年度内にある程度のものを作りたいということで作業をしております。これが一つ目の事業でございます。
 そして、二つ目でございますが、グローバル人材の育成に向けたESDの推進という事業でございますが、これはいわゆるコンソーシアム事業と私ども呼んでおりますけれども、ESDを実施するに当たりまして、様々な学校ですとか教育委員会、あるいはPTAですとか、そういった民間団体、そういったところがコンソーシアムを形成して、そして地域の中でESDを推進していくというものをやっております。コンソーシアムは全国の複数地域で行っておりますが、何とかこれを更に広げていきたいということでございまして、非常に財政状況が厳しい中ではございますが、増額というのを何とか確保したというものでございます。
 一番最後でございますが、これはユネスコへの信託基金というものでございまして、先ほど説明申し上げましたユネスコ/日本ESD賞でございますが、こういったものなどはこの信託基金の中から出されているということになります。これはグローバル・アクション・プログラムでございますので、今後またそれが実施されていくに当たって、更に基金ということで、ユネスコへ拠出していくということになるというものでございます。
 それから、最後、資料10でございます。これはグローバル・アクション・プログラム実施計画というものでございまして、若干、名前が紛らわしゅうございますけれども、これは表題にございますとおり、関係省庁連絡会議が定めるというものでございます。これまで申し上げた取組というのは、いずれも文部科学省、あるいは日本ユネスコ国内委員会がかなり主体になってやっているものでございますけれども、当然、ESDというのは政府一丸となって進めていくべきものであるということでございまして、これは環境省だけではなくて、ほかの様々な関係省庁も含めまして連絡会議というものを設けておりますけれども、その中で実施計画を定めるというものでございます。当然、そうしますと、様々な省庁の取組というものがこの中でも記載されているというものでございますが、幾つか中身だけ紹介させていただければ、例えば6ページ、(3)の国際アジェンダへのESDの反映というものがございます。つまり、ESDというものの重要性、これは当然、ユネスコの中では非常によくうたわれているところではございますけれども、これは当然、ほかにも様々な教育、あるいはそれ以外の分野におかれましても、国際条理で議論が進められているところでございまして、そういう中でESDというものを反映していくと。そうしますと、当然、これは外交当局、外務省の協力というものも必要なものになってまいります。そういったことで、外務省、もちろん、一部には文部科学省を含め、ほかの役所も当然ありますけれども、取り組んでいくというものが記載されているというものですとか、それから1枚お開きいただきまして、8ページを御覧いただきたいと思います。8ページの下に中黒が三つ並んでおりますが、この中で一番上のところに、全国的なESD支援のためのネットワーク機能の体制整備というものがございます。これは連絡会議及び円卓会議での議論を踏まえということでございますけれども、「ESD活動支援センター(仮称)」というものを設けていこうというものでございます。これは当然、学校に限ったものではございません、様々な地域の中での活動支援センターというものがあり得ると思いますし、また、それを全国的に引っ張っていく組織というものがあると思いますけれども、そういったものを新たに整備していこうというものでございます。具体的な支援につきましては、環境省の予算措置の中で行っていくというものでございますけれども、当然、私ども文部科学省ですとか、あるいはESDの実施にこれまで取り組んでこられた関係団体の方々の御協力を頂きながら、これを実施していくということになろうというふうに思っているところでございます。
 また、これは文部科学省の中でも、私どもユネスコ国内委員会だけではなくて、文部科学省の様々な部局が協力していくべきということでございまして、例えば10ページの下から少し上にいった黒ぽつでモデル校等の作成というものがございます。この中で、下3行にございますけれども、エコスクールというものを――私どもの中で文教施設企画部というところがございます。いわゆる施設に関するものでございますけれども、この中で関係省庁と連携して、エコスクールというプロジェクトを実施しているわけでございますけれども、当然、これはESDの実践にも資するということでございまして、こういったものなどを実施計画の中でも位置付けているというものでございます。
 また、地域の中でESDを実施していくというときに、文部科学省の関係、あるいは学校関係の中では当然、限界があるということでございまして、その点につきまして、13ページの方をお開きいただきたいと思います。一番上の中黒で、地方環境パートナーシップオフィス等におけるコーディネートの推進というものがございます。これは通称、EPOと呼ばれておりますけれども、これは環境省の支援というのを踏まえつつも、様々な地域の団体の主体性をできるだけ重んじる形で、このパートナーシップオフィスというものが運営されております。当然、それは地域ごとに様々なありようというのがあるわけでございますけれども、こういったものをESDにしっかりと位置付けてやっていくということを環境省と連携してやっていくということでございます。
 最後に、実施計画のモニタリングということでございます。最後の14ページをお開きいただきたいと思っております。この中で取組状況の点検、あるいは見直し、そして最終年における評価ということでございまして、基本的には当然、これは関係省庁連絡会議で定めるものでございますので、政府の方でそのモニタリングを行っていくわけでございますが、それぞれの主体、それはNGO、NPO、あるいは企業、メディア、様々なところがございますけれども、そういったステークホルダーがそれぞれの立場でできる範囲で自主的、主体的な点検というのを是非行っていただきたい、また、そういった情報を政府の方でも共有していきたいということ。そして、当然、これはグローバル・アクション・プログラムの実施計画ということでございますので、ユネスコが当然、GAPというのを主導していくわけでございますので、ユネスコがそれを行っていくものとも連動していくということを(2)のところでも記載しているというものでございます。
 以上が実施計画ということでございます。
 以上、三つについて、御説明申し上げました。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 どうぞただいまの説明につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。はい、黒田委員、お願いします。

【黒田委員】
 ありがとうございます。
 他省庁、若しくはODAとの関連なんですが、例えば外務省が中心になって、これは政府全体の方針なんですが、「平和と成長のための学びの戦略」というのを9月の国連総会のサミットの方で安倍首相が発表されております。外務省のドラフティングに私も関わらせていただいて、その中でESDが明確に位置付けられました。また、同じ時期にJICAのポジションペーパーというのが発表されておりまして、JICAの中でもESDということを教育分野の戦略として掲げていただくということができました。残念ながら、2010年に外務省とJICAでそれぞれ教育協力の方向性についての同じようなペーパーを作っているんですけれども、そのときにESDが入っておりませんでした。例えば日本の教育ODAについては理数科教育でありますとか、教員養成でありますとか、学校運営でありますとか、得意分野があるわけですけれども、ESDはこれだけ日本が文科省を中心としてやってこられている部分であるにも関わらず、ODAの中では余り大きく推進されてこなかったというのが現状です。今後といいますか、やっと政策的なところでは推進がもう外務省やJICAの方ではできていく方向にありますので、是非文科省としても御協力いただいて、日本が国際社会に本当に大きな貢献としているESDのコンセプトを推進していくことができればというふうに思います。

【見上委員長】
 ありがとうございます。
 ほかにございますか。

【重委員】
 今の黒田先生の御意見に全く同感でございます。よろしくお願いいたします。

【見上委員長】
 福田企画官、お願いします。

【福田国際戦略企画官】
 黒田先生のサポートを頂きましてありがとうございます。
 この実施計画の中でもODAに関する記載というのは当然、盛り込んではおりますけれども、実際、ESDというのはどうしても地球規模課題ですとか、あるいは地球温暖化だとか、そういう観点で、先進国が割と主導しているのではないかというイメージを持たれがちかと思われるんですけれども、実際、各国の国内委員会がこういうことをやっているというのをユネスコに報告する報告書というものがあるんですけれども、それを見てみますと、必ずしもそうではなくて、例えばアフリカなどにおいても、ESDをこういう形でやっているという報告を幾つかの国からは頂いたりというものがございます。したがいまして、そういうニーズというものはODAの対象国であるところのアフリカですとか、その他の地域も含めて、当然、大いにあるだろうというふうに考えております。その辺りも含め、よくニーズの把握、そしてそれをシーズとして育てていくということも含めて、外務省、JICAともよく連携させていただきたいと思っております。

【見上委員長】
 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ、秋永委員。

【秋永委員】
 御説明ありがとうございました。
 ESD推進のためのコンソーシアムの掲載という、134-9の資料を拝見しているんですけれども、中にも図を作っていただいていまして、そこも拝見したのですが、何を目的にこのコンソーシアムを形成するのかというところを是非もっと盛り込んでいただきたいなと思っていまして、というのも、日本でのユース・コンファレンス、そして世界会議の後にも、そこに集まった各国の各地域の代表がまた集まれるような、こういったプラットフォームを形成しようという話はよく出ておりまして、また、昨年もASEANのヤングリーダーズ・サミットというものに参加させていただいたんですけれども、そこでもこういった各組織や各学校のつながりを生み出そうという提案が、プロポーザルが多く出てまいりました。ただ、いつも感じるのは、そのプラットフォーム、つながりを生み出すことがゴールになっているんじゃないかなという懸念がすごくありまして、こういった各組織のつながりを作った上で、交流を生み出した上で何がしたいのかというところまでいつも議論が、自分も含めてなんですけれども、足りないなというふうに感じてしまうことがよくユースの中であります。ですので、このコンソーシアムで、例えば学校ごとの交流の際に何を目的に、例えば各地域の課題というのを、いきなり地球規模課題を考えるのは、子供にとっても難しいことだと思うので、交流した先の学校の周りの地域の課題をともに学び合うですとか、若しくは交流した先に日本に学びに来るような仕組みを作る、日本の科学技術や文化、そしてESDというものに触れるようなきっかけを作るですとか、そういった循環が生まれるような仕組みの一つとしてコンソーシアムを形成するんだというようなストーリーを描けたらいいなと思っております。せん越ながら、コメントさせていただきます。

【見上委員長】
 ありがとうございます。
 何かコンソーシアムの現状についてありますか。

【福田国際戦略企画官】
 このコンソーシアム、現状ということですと、今年度は10地域、来年度は15に増やすということを考えているのですが、実際はそれぞれのコンソーシアムごとにかなり異なるところがございます。当然、それぞれに懸命に取り組まれているわけではございますけれども、ともすれば、どうしてもそれがこれまで取り組んでいる方々への継続的な支援に留まっているようなところというのも、あるいはあるかもしれない。なので、せっかくコンソーシアムを組んだからには、それをどういう形でより取組を深めていくか、そしてまた、取組自体の、言ってみれば持続可能性というのでしょうか、明らかに御指摘のようなコミュニケーションというものをどう継続していくかということも非常に重要な課題であろうと思っております。そして、特にそれを海外とも広げていくということであれば、最近であれば、例えばスカイプだとか、いろいろなものを活用したコミュニケーションもあり得るわけでございますけれども、そういうようなノウハウ面も含めまして、どういうことを私どもとしてサポートできるか、そして、具体的な中身というのは、当然、学校現場で考えていただかなければならない、それを考えていく際のヒントになるようなことですとか、あるいはそういったものを、例えば特定の先生方、例えば英語の先生だとか、そういった方だけが負担されているような実態というのはありはしないかだとか、そういうことも含めて、掘り下げていくようなことというのを是非、私どもとしても考えていきたいですし、その際には、様々な関係団体、全てをこのステークホルダーでやるということではなくて、いろいろな方々の御意見を頂きながら、是非進めていきたいと思っております。

【秋永委員】
 ありがとうございます。

【見上委員長】
 今までは、どちらかというと、やっぱり企業が少し弱いというんですかね、参画が少ないように全体的に思っているんですけれども、もうちょっとCSRに訴えかけるとか、何かそういう形で加わっていただくと、よりいいのかなと思っております。
 どうぞ何かお気づきの点がございましたら。

【安西委員】
 今、秋永委員の言われたことは、私も全くおっしゃるとおりだと思いますが、コンソーシアムで何をしたいのかということがなかなか国内委員会側からも事務局側からも打ち出せていないように見えます。
 それと、この絵の左側の下、前から申し上げているのですけれども、ESDを通じて育まれる力、これを見た途端に、例えば体系的な思考力と代替案の思考力というのは同じレベルではないので、もうすぐ気が付くのですけれども、何となく並べているということだと思います。現在、高大接続のいろいろな議論をやっておりますけれども、そこでは思考力という言葉は余りにも曖昧なので、その内容をきちんと構造化するという、その議論をやっておりまして、それまで入って思考ということを考えないと、ただ思考力と言っていても、思考力が育まれると言っても、何を言っているのか全く理解できない。先ほど、多少コンテンツの方を出していただいて、例えばエネルギーにしても、小学生であれば使わない電気は消しましょうということはあると思うのですが、そういう体験的な活動が一体、どういう意味を持つのか。例えば、全国の小学生がみんなそういうことをやったら、一体、電気がどのぐらい節約できるのかとか、そういうことを考えていくということだと思います。何かそういう具体的なテーマを持ってコンソーシアムをやるのであれば作っていかないと、なかなか企業側も乗りにくいのではないかと思います。それは企業の方もそう言われているのですけど、ただ思考力をかん養するのだといっても、企業としてはどうしたらいいのか分からないのではないかなと思います。
 できれば具体的なテーマで、事例報告というのは実際に現場でやっておられる努力をただ集めて、こちらサイドとしてはこういうのがありますと、みんなで共有しましょうということですよね。けれども、本当に作らなければいけないのは、現場が参考になるデータ集とか、そういうものだと思うのです。食糧でもいいのですけれども世界でどういうことが起こっていて、これまでの年次推移でどういう状況があってということをなかなか現場の先生方が自分でそれを集めるといっても大変ですので、そういうことのデータソースをきちんと提供するとか、そういうことの方が大事なのではないかと思います。それを置いておいて、現場に頑張ってくださいというふうに申し上げるのは申し訳ないなというか、そういう感じがしております。一方で、あの予算だと、なかなか事務局も大変だというのは知っていますので、何とも申し上げにくいのですけれども、先ほどの手引ということでしたら、こちら側が努力をして作る手引であってほしいというふうに思います。

【見上委員長】
 それぞれの地域の課題について取り組んでいるんだろうとは思うんですけれども、御指摘のように、それが明確ではないというところはあるので、実際にそれぞれのコンソーシアムでも、自分のところがどうフォーカスを当てていけばいいかというのがまだ薄いという感じは確かにいたしますね。

【安西委員】
 林原さんと企業からの募金、寄附について相談はさせていただいたのですけれども、一般的に言って、企業としては、なかなか抽象的なレベルでは出しにくいということはあるわけで、林原会長も相当、いろいろな方に聞いてくださいました。そのポイントは、今、申し上げたようなところにあるのではないかなと思いますので。それぞれの地域で、例えば地場の企業がいろいろなことで協力をして一緒にやろうというがあるのであれば、非常に有り難いことだと思います。

【見上委員長】
 ありがとうございました。
 秋永委員。

【秋永委員】
 企業の巻き込みということが話題に上がりましたので、私も一応、今は株式会社リバネスという企業体におりまして、かつ、全国の300社を超える企業様とともに教育活動に取り組んでおりますので、その立場からちょっと意見があるんですけれども、やはりおっしゃるとおり、寄附だけに頼るというのは余り現実的ではなく、かつ、仕組み自体が持続可能ではないなというのは正に感じております。
 ちょっと紹介させていただきますと、我々はこれまで教育CSR活動という呼び名のもとに、企業の方が社会貢献活動、若しくは社内の人材育成活動の一つとして学校現場に行くと。見方を変えれば、私はそれはESD活動の一つだと思っているんですけれども、そのようなことをやってまいりました。そのときには、やはり寄附ではなくて、その企業の自社のテクノロジーであるとか産業がどのように子供たちの学びや学校の理科の単元に結びついているかというところの橋渡しが必ず必要でありまして、それは単純に学校Aと地域と企業を一つ結びつければいいというものではなくて、それらが共通して取り組む地域の課題や地球規模課題というのが真ん中にあってこそ、つながりが生まれるんじゃないかなと思っております。なので、安西先生がおっしゃったように、このコンソーシアムの中で、例えば食糧問題ですとか、環境問題、エネルギー問題、産業と結びつくような部門やカテゴリーがあって、そこに学校や企業が応募してくるような仕組みというのも、今後はひとつ、考えられるんじゃないかなと思っております。また、企業の側がそこにペイする、ビジネスとして参加するメリットとしては、自社のテクノロジーというのを学校の学びに結びつけることで、学校にとってもメリットがあるということだけではなくて、企業の人材、中にいる研究者の方や広報の方というのが関連する産業やテクノロジーをよく理解して、中の人が育つということで、お金を出すメリットがあるということは、実際、事例として多く存在していますので、企業を巻き込む場合には、どのような課題や産業をターゲットにした教育なのかというところを明確にできるとよいのではと考えております。

【見上委員長】
 ありがとうございました。これはお金を配分するときも、そういった視点が、今もあるんだと思うんですけど、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。
 有意義な御意見、ありがとうございます。
 私もこの間、ユネスコスクール全国大会のときにいろんな先生方、学校の先生方ともお話ししたりして、先生方の間にユネスコスクールも1,000校に近くなってきたということもあって、ようやく学校間交流を活発にしなければいけないとか、ネットワークを改めて作ろうとか、そういう動きも聞きました。また、実践の方々と研究者の方たちが評価の問題を含めて、まだまだ深めなければいけない問題もいっぱいありますので、学会のようなものを作ろうとか、そんな新しい動きを耳にいたしました。これから今、御議論いただいたようなことも生かしながら、そういうものが発展していくといいなというふうに思います。
 それでは、一応、今のところについての御意見、御議論はそこまでといたしまして、次に事務局から日本ユネスコ国内委員会の関係行事等の説明をお願いいたしたいと思います。

【野田国際統括官補佐】
 御報告申し上げます。参考資料2を御覧ください。
 今後の日本ユネスコ国内委員会関係行事についてでございますけれども、まずユネスコ関係、これはパリのユネスコ本部の会議としまして、3月14日から19日にかけて、エコパーク関係の生物圏保存地域世界大会並びにMABの国際調整理事会がございます。そのほか、4月4日から15日まで、パリにおきまして第199回のユネスコ執行委員会がございます。
 その下に日本ユネスコ国内委員会関係会議としまして、関連しますのは1月28日に運営小委員会がございます。第497回でございます。それと2月1日、月曜日でございますが、第138回目のユネスコ国内委員会総会がございますので、御参集方、よろしくお願いいたします。そのほか、最後になりますが、7月から8月にかけまして、第139回の日本ユネスコ国内委員会総会を予定してございます。併せて御紹介申し上げます。
 以上でございます。

【見上委員長】
 はい、ありがとうございました。
 これについての御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そのほか、特に報告、審議いただく案件ございますでしょうか。これまでのところで何かこれを言い忘れたのでというようなことがもしございましたら御発言いただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 それでは閉会としたいと思います。本日は御多用のところ、ありがとうございました。

―― 了 ――

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