別添1 ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)について

1.概要

ユネスコエコパーク※(生物圏保存地域、英名:BR: Biosphere Reserves)は、生物多様性の保全、持続可能な開発、学術研究支援を目的として、1976年(昭和51年)にユネスコが開始。ユネスコの自然科学セクターで実施されるユネスコ人間と生物圏(MAB: Man and the Biosphere)計画における一事業として実施。
「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界遺産が、手つかずの自然を守ることを原則とする一方、ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)が目的。「保全機能」、「経済と社会の発展」、「学術的支援」の三つの機能をもつ地域を登録。そのため、ユネスコエコパークは、「核心地域」、「緩衝地域」と共に、「移行地域」(地域社会や経済発展が図られる地域)を設置。
登録総数は、120か国、669地域(2016年(平成28年)3月現在)。
※ユネスコエコパークは我が国の国内呼称。

2.期待される効果

ユネスコエコパークの登録地は、ユネスコエコパーク世界ネットワークに登録。
ユネスコという国際機関からの世界的な評価を受けることにより、自然環境の保全や自然と人間社会との共生に関する地域の取組を、国際的にも発信し、ネットワークを通じて情報の共有化が図られることや、それにより当該取組がより一層推進されることを期待。
また、地域における持続可能な発展に関する学習の場としての活用、自然環境の保全や持続可能な資源の利活用に関する普及啓発、持続可能な社会の構築のための人材育成への貢献を期待。

3.我が国のユネスコエコパーク

・1980年(昭和55年)  「志賀高原」(群馬県、長野県)、「白山」(石川県、岐阜県、富山県、福井県)、「大台ヶ原・大峯山」(奈良県、三重県)、「屋久島」(鹿児島県)登録
・2012年(平成24年) 「綾」(宮崎県)登録
・2014年(平成26年) 「只見」(福島県)、「南アルプス」(山梨県、長野県、静岡県)新規登録、「志賀高原」(群馬県、長野県)拡張登録*
・2016年(平成28年) 「白山」(富山県・石川県・福井県・岐阜県)、「大台ヶ原・大峯山・大杉谷」(奈良県・三重県)、「屋久島・口之永良部島」(鹿児島県)拡張登録*

*「拡張登録」とは、1995(平成7)年にユネスコエコパークの機能として、「経済と社会の発展」が追加されたため、それ以前に登録されたユネスコエコパークについて、その機能を果たす「移行地域」を追加するもの。

お問合せ先

国際統括官付