新国立競技場整備事業に関する連絡会議(第9回)

 1.日時

平成30年3月27日(火曜日)17時00分~17時30分

 2.場所

文部科学省16階3会議室

 3.議題

新国立競技場整備事業の進捗状況について

 4.出席者

文部科学省/小松文部科学審議官,山下施設部長,山﨑技術参事官
スポーツ庁/今里次長,平井総括官
独立行政法人日本スポーツ振興センター/大東理事長,望月理事,下野総括役,下村企画調整役
内閣官房/羽山審議官
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会/井上大会準備運営第一局長(代理出席)

5.配布資料

6.会議録

※ 本会議録は、司会部分を省くとともに、発言内容を変更しない範囲で校正し、読み易くしています。

【大東JSC理事長】
 新国立競技場整備事業の進捗状況と今後の予定について、JSCより御報告いたします。まず、今月19日に第3回「新国立競技場整備事業に係るアドバイザリー会議」を開催し、デッキ形状の見直しなどの変更内容等についてご確認をいただきました。
 次に、新国立競技場には、47都道府県から調達した木材を使用することとしていますので、このことについて説明させていただきます。また、新国立競技場整備事業における健康管理に係る取り組みについて、新たに医師やカウンセラーを配置するなど着実に進めているところでございますので、その進捗状況についても、あわせて説明いたします。
 最後になりますが、工事は計画通りに進捗していますので、工期及び事業費を遵守し、本連絡会議及び関係閣僚会議のご確認をいただきながら着実に進めてまいりますので、引き続き、ご指導を賜りますようお願いいたします。

【望月JSC理事・新国立競技場設置本部長】
 資料1、アドバイザリー会議について、まずは工事の進捗状況をお伝えいたします。
 1ページ目は、新国立競技場整備スケジュールです。現在は全体工期36か月のうち16か月目であり、工期の2/5を終えました。躯体工事は屋根の根元鉄骨工事を主に実施しており、内装工事にも着手しております。現在、約1,400~1,600人の作業員が入場しています。
 2ページ目は、屋根鉄骨実大施工検証の写真です。
 3ページ目は、スタンド1層目のレイカー梁を設置しているところです。
 4ページ目は、スタンドPC段床の設置が始まったところです。
 5ページ目は、西側の敷地外側から東側に向かって全体を撮影した写真です。根元鉄骨の設置を開始しております。
 6ページ目は、敷地南側から敷地北側を撮影したものです。建物のフレームがほぼ完成し、建物の概形が現れてきております。南ペデストリアンデッキ部分の躯体工事にも着手しております。
 7ページ目は、1層目のスタンド部分から北東方向を見上げた写真です。
 8ページ目は、根元鉄骨の設置状況写真です。現在は、108スパンのうち、32スパン分の根元鉄骨を設置しております。
 9ページ目は、鉄骨の先端に立っている2名の職人が建て入れ作業を実施している写真です。
 10ページ目は、地下1階の建物内の状況です。鉄骨躯体に、耐火被覆が吹き付けられています。また、フレーム内にオイルダンパーが設置されています。
 また、資料にはありませんが、工事の進捗にあわせて、建築部材の形状や納まり・色彩などの詳細な検討、設計の必要な見直しを行い、2月末に第3回の契約変更を行いました。全体事業費の中でコストコントロールを行っており、契約金額、工期の変更はございません。
 11ページのデッキ形状見直しについては、組織委員会からの要望を踏まえ、東京大会時の運営に配慮し、大会時には平坦な状態で整備し、大会後にせせらぎや植栽等を整備していく二段階整備の方向性について、昨年8月のアドバイザリー会議で確認いただきました。
 その後、11月14日に開催された閣僚会議においても、この方向性について了承され、11月30日には、東京都において、この二段階整備の前提となっている立体都市公園に係る都市計画の変更が告示されました。
 今回のアドバイザリー会議では、デッキ形状見直しの実現に向けて行ってきた検討内容について説明し、確認いただきました。具体的には、敷地の変更に伴う様々な調整や、法令基準への適合性、各種シミュレーションによる検証等について説明させていただき、問題ないことを確認いただきました。
 現在、関係する行政手続きを進めているところであり、今後、8月頃には、見直し後のデッキ部分の整備に着手し、2019年11月には予定どおり全体が竣工できる見込みです。

【下野JSC企画調整役】
 資料2について、JSCの定例ブリーフィングで、設計者である隈研吾氏が同席されまして、説明された資料です。
 2ページ目ですが、今回、新国立競技場の大きな特徴は「軒庇」となっております。北は北海道から南は沖縄まで、全国の人々が心を一つにするスタジアムとしての顔をつくるために、47都道府県から調達した木材を使用します。
 南北東3か所にあるメインのエントランスゲートの「軒」には、近年に起きた震災の復興祈念として被災地の木材を使用します。具体的には、2011年の東日本大震災と、2016年に起きた熊本地震で被害の大きかったと思う岩手県、宮城県、福島県及び熊本県から調達した木材の使用を検討しています。
 3ページ目は、「軒庇」を具体的にどのように配置していくかについて表したものです。スタジアムの方位に応じて、北側には北海道・東北地方の木材、南側には九州・沖縄地方の木材、東側には関東・中部・近畿・四国地方の木材、西側には中部・近畿・中国地方の木材を使用します。
 木の材種は調達しやすいスギを使います。沖縄県はスギが自生していないため、同じ質感の針葉樹であるリュウキュウマツを使用します。
 4ページ目は、震災被災地県の木でつくるエントランスゲートについて、北側と東側には、東日本大震災で被災した岩手県・宮城県・福島県の木材を使用し、南側には熊本地震で被災した熊本県の木材を使用します。
 5ページ目の「軒庇」と、エントランスゲートの軒に使用する木材についてはすべて、持続可能な管理が行われているとして認証を受けた森林認証材です。47都道府県のうち、森林認証材の調達可能な県が平成28年度時点で7割程度で、すべての県から調達できる状態ではありませんでした。その後、行政や森林組合のご協力をいただき、すべての都道府県で森林認証材の調達が可能となりました。
 6ページ目は、実際にどのような木材を使用するのか説明しています。
 住宅の間柱として全国に流通しているもので、安く、そして容易に調達ができるようになっています。
 7ページ目は、日本らしい細部のデザインについての説明です。
 庇の先端を薄くし、環境に溶け込ませる日本建築の手法に倣っています。
 8ページ目は、コンコースの休憩所として設けたテラスの外にある「風の庭」についてです。立ち上がりのない床で、風景をつなぐ日本建築の手法に倣い、床の砂利で外の景色を見切るディテールとします。
 9ページ目は、最上階に設けました「空の杜」です。こちらに、丸みを帯びたベンチを設置予定です。角を落とすことで、安全性にも配慮しています。

【水落副大臣】
 春には桜が、秋には紅葉が楽しめるようにするなど、集客を考えた植樹を考えていただきたい。

【望月JSC理事・新国立競技場設置本部長】
 「新国立競技場整備事業における健康管理に係る取組」の進捗状況について、昨年12月に開催された「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会大会施設工事安全衛生対策協議会」の資料をもとに、説明させていただきます。
 3ページをご覧下さい。
 「1.作業従事者の健康管理体制の整備」については、1点目として、昨年6月より、現場内に「健康相談室」を設置しています。看護師を常駐させており、3月24日時点で、1日あたり約11件程度の利用があると聞いています。
 加えて、昨年11月末より、新たに医師及びカウンセラーを配置しました。医師は1日あたり約6件程度、カウンセラーは1日あたり約3件程度、受診されていると聞いています。
 2点目として、昨年11月中旬に、作業従事者が、電話やメールにより 、カウンセラーに無料で相談できる窓口として、「心と体の健康相談ホットライン」を設置しました。
 3点目として、東京産業保健総合支援センターの協力を得て、3月16日に、労働衛生コンサルタントの医師より、下請事業者へ健康管理に関する講話を実施していただきました。
 次に、4ページをご覧下さい。
 「2.時間外労働の短縮化の促進」については、1点目として、下請事業者及び作業従事者に、時間外労働の短縮化を促す方策として、昨年5月より、現場内詰所の原則20時閉所を徹底し、見回りを開始しています。
 2点目として、昨年8月より、下請事業者に対し、自社の作業従事者の現場の入退記録を提供することにより、各事業者が労働時間の適正な把握へ活用することを支援しています。
 また、「3.日常的な健康管理の促進」については、下請事業者に対して、作業開始前に、自社の作業従事者個々の体調の確認を行い、体調不良を把握した場合には、健康相談室を活用するなどの措置を講じるよう、要請しています。
 次に、5ページをご覧ください。
 ストレスチェックについては、年に数回、各下請事業者に対し、厚生労働省のチェックリストを配布することとしており、まずは昨年12月に実施しました。その後の朝礼時に、作業員に対し、セルフチェックを促すとともに、高ストレス判定時には地域産業保健センター等を活用するよう勧奨しました。
 次に、6ページをご覧ください。
 「5.その他」として、災害防止協議会において、下請事業者に対し、独立行政法人労働者健康安全機構のリーフレットを配布し、周知を図っています。
 次のページ以降は、割愛させていただきます。
 最後に、9ページ目をご覧ください。
 北西側の最上階に設置されている白い箱のようなものがありますが、これが、先ほど紹介しました、作業場所の近傍で、作業従事者が室内で休憩できるよう、現場各所に設置されているスポットの休憩所の一つです。作業の進捗に併せて位置を移動させるなどして、作業場所の近傍で利用できるよう整備しています。
 JSCにおいては、引き続き、大成JVに対して、法令遵守の徹底等を、下請事業者を含めて周知するよう要請するとともに、大成JVより健康管理に係る取組の実施状況を聴取し、適宜本協議会に報告するなど、今後もしっかりと対応してまいります。

【水落副大臣】
 今後ともこのような取り組みをしっかりと続けて行ってください。

お問合せ先

スポーツ庁政策課

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(スポーツ庁政策課)