資料1 第2期スポーツ基本計画の策定について(諮問)

                                                                28ス庁第163号
スポーツ審議会

次に掲げる事項について,別紙理由を添えて諮問します。

第2期スポーツ基本計画の策定について

平成28年6月1日

スポーツ庁長官 鈴木 大地

(理由)

平成23年に制定されたスポーツ基本法においては,スポ-ツは,世界共通の人類の文化であり,国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものであるとともに,スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であるとされている。

また同法において,スポ-ツは,青少年の健全育成や,地域社会の再生,心身の健康の保持増進,社会・経済の活力の創造,我が国の国際的地位の向上など,国民生活において多面にわたる役割を果たすものとされている。

このようなスポーツ基本法に掲げられた「スポーツの価値」を実現するため,文部科学省においては,国,地方公共団体及びスポーツ団体等の関係者が一体となってスポーツ立国を実現していく重要な指針として,「スポーツ基本計画」を平成24年3月に策定し,平成24年度から28年度までの5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策等を掲げ,スポーツの振興に取り組んできた。

この結果,例えば,子どもの体力の低下傾向に概ね歯止めがかかるとともに,ロンドンオリンピックにおける総メダル獲得数が過去最高となるなど,一定の成果が認められる。しかし,なお計画に掲げる目標には達していないなどの課題が残されている。

その間,2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催が決定するとともに,スポーツ行政を総合的・一体的に推進するためのスポーツ庁が昨年10月に創設され,昨年行った内閣府の世論調査では「大会に関心がある」とする者が8割を超えているなど,スポーツに対する国民の注目がこれまでになく高まっている。

一方で,スポーツ選手による賭博やドーピング違反,指導者による体罰など,スポーツ界への信頼が脅かされる状況が生じている。スポーツ界においてコンプライアンス,ガバナンスを徹底するとともに,その前提であるインテグリティ(高潔性・健全性),フェアプレーを確保することは,スポーツの価値を社会に広めていくための前提であり,スポーツに関わる全ての人々が一丸となって取り組むことが急務である。

以上のことを踏まえつつ,平成29年度からの第2期スポーツ基本計画を策定するに当たり,計画に盛り込むべき内容として,主に次の事項を中心にご審議をお願いしたい。

第一に,平成24年3月に策定されたスポーツ基本計画に基づき,これまで約5年間にわたり講じられてきた諸施策の達成状況や,昨今の社会情勢の変化を踏まえた諸課題を検証・評価していただきたい。

第二に,スポーツ基本計画は,スポーツの振興に関する国の取組等を実現させることはもとより、多面にわたるスポーツの価値を高め,広く国民に伝えていくことを目的とするものであり,計画が目指す方向性をできるだけわかりやすく簡潔に示し,国民向けに発信できるよう,特に以下の点について検討いただきたい。
○ 第2期スポーツ基本計画の策定に向けた検討においては,スポーツを「する」「観る」「支える」などスポーツに関わる全ての人々が,スポーツを通じてその価値を学び,具体化・共有することにより  ,スポーツを国民の文化として根付かせることを基軸とすること。
○ その前提として,スポーツ界全体のコンプライアンスやインテグリティの徹底を図り,国民から信頼を確保することにも留意すること。
○ スポーツは積極的に社会を変える重要な媒体となり得るものであり,例えば,スポーツを通じて障害者,女性,子供,高齢者等の社会参画が促され,周囲の人々の意識改革が図られることで「共生社会」の実現につながっていく。このように,スポーツを通じて社会の発展や変革が実現するというスポーツの価値についても,国民の実感が湧くような形で具体的に示すこと。
○ その際,2020年東京大会等を好機としてスポーツの価値を飛躍的に高めるとともに,大会後のレガシーとして確実に引き継がれ,持続するよう配慮すること。

第三に,第2期スポーツ基本計画の具体的内容については,第二に掲げる点に留意しつつ,以下のような視点からご検討いただきたい。
○ スポーツの価値の実現に係る方策について検討し,現行の計画における7つの政策目標にとらわれることなく,簡潔な形で施策等の体系化を図ること。
○ スポーツの各政策分野を横断する視点として,スポーツ環境整備の基盤となる「人材」や「場」といった切り口から包括的に検討すること。
○ スポーツ庁の創設を踏まえ,スポーツを通じた健康増進や地域活性化,国際交流及び貢献の拡充,スポーツビジネスの拡大など,スポーツ庁として関係省庁や関係団体の中核となって取り組む政策を積極的に取り入れること。

第四に,各々の政策目標や具体的施策について,達成状況の検証が事後に適切に行えるよう,できる限り成果指標を設定していただきたい。
また,スポーツ基本法に基づき,地方公共団体が地方スポーツ推進計画を策定するに当たっての指針となるよう,国と地方公共団体が一体となって果たすべき役割についてもご留意いただきたい。

  以上の点について,自由闊達にご審議いただき,今年度中に,今後のスポーツ施策の推進についての基本的方針及び諸方策をご提示いただきたい。これが今回の諮問を行う理由である。

お問合せ先

スポーツ庁政策課

(スポーツ庁政策課)

-- 登録:平成28年06月 --