スポーツ審議会(第2回) 議事録

1.日時

平成28年3月16日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省旧文部省庁舎6階第二講堂

3.議題

  1. (1)独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興投票等業務にかかる平成28事業年度事業計画、予算及び資金計画案の認可について
  2. (2)平成28年度におけるスポーツ団体に対する補助について
  3. (3)スポーツ基本計画の進捗状況と課題について
  4. (4)第2期教育振興基本計画のフォローアップについて
  5. (5)その他

4.議事録

【山脇会長】  皆さん、おはようございます。定刻の少し前ですけれども、お集まりいただいておりますので、ただいまからスポーツ審議会の第2回総会を開催いたしたいと思います。

皆様方には、大変お忙しい中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。

議事に入ります前に、まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたしたいと思います。

【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。

それでは、お手元、お配りしております資料の議事次第をごらんいただければと思います。本日の会議は4つの議題を予定しております。1つ目がスポーツ振興投票等業務、toto事業に係る平成28年度の事業計画、予算並びに資金計画の認可でございます。2つ目の議題が、28年度におけるスポーツ団体に対する補助、3つ目がスポーツ基本計画の進捗状況と課題についてフォローアップ、4つ目が第2期教育振興基本計画のフォローアップという形でございます。

資料につきましては、資料1から4までということで、それぞれの議題に対応する形で、お手元にお配りをさせていただいております。

あと、直接の議事とは関わりはございませんが、参考の1から参考の6まで、それぞれお手元に資料をお配りさせていただいております。

資料に不足等ございましたら、事務局まで、お手を挙げてお申し出いただけますよう、お願いいたします。

また、参考資料1でございますが、先月、新国立競技場の財源を確保するための法案を国会に提出しております。参考の1という形で、お手元にお配りさせていただいておりますので、お時間のあるとき、ごらんいただければと思います。

また、参考の4でございますが、本年1月に、2020年の東京大会組織委員会が発表いたしましたアクション&レガシープランの中間報告を配付しております。また、これも御参照いただければと思います。

なお、前回、昨年12月24日になりますが、第1回スポーツ審議会総会の議事録につきましては、参考の6として配付しております。既に、委員の方からいただいた修正については反映したものという形でお配りをしております。

あと、机上配付資料でございますが、本日、伊藤委員並びに庄野委員から資料の提供がありましたので、お机の上に配付させていただいております。後ほど意見交換の機会がございますので、その際に、それぞれの委員から、適宜、資料の御説明、御発言をいただければというふうに思っております。

事務局からは以上でございます。

【山脇会長】  ありがとうございました。

それでは、開会に当たりまして、国会開催中の御多忙の中、御出席賜りました馳文部科学大臣に御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【馳大臣】  どうも、おはようございます。

3月になりまして、卒業式や、また新年度の準備でお忙しいところ、こうしてお集まりいただきましたこと、改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。

我が国のスポーツ政策に対して、スポーツ基本法ができた、スポーツ庁ができたと、政策の一元化をしていこうと、そして、いよいよ、こういう状況の中でスポーツ基本計画を見直していこうと。こういう流れになってきている中で、改めて私の方からも、これまでの期待も含めて、今後の期待も含めて、6つぐらい、こういう論点も配慮してほしいということをちょっと申し上げたいと思います。

1点目は、障害者スポーツのことであります。皆さん御存じのように、JPCももちろんそうですが、障害者スポーツの団体、それから、障害者がスポーツに取り組む環境、なかんずく、地方自治体は、残念ながら、それを取り巻く環境が極めて脆弱であります。ここをどのようにフォローアップしていけるのか、これが1点目です。

2つ目がレガシーの点であります。ようやく招致が決まり、運営の準備が組織委員会を中心に始まっておりますが、我々、政策として考える場合に、オリンピックを通して、パラリンピックを通して、どのようなレガシー、これが形も必要です。しかし、その価値観をいかに残していけるかという、ここに是非、ポイントをお願いします。

3点目は、稼ぐ方でありまして、スポーツGDPの議論を、私は今、1億総活躍社会の中で、折に触れて、このスポーツGDPの話をしております。よく、アリーナ文化、スタジアム文化と言いますけれども、今まではアマチュアだからというふうな切り口でしたが、逆に、スポーツで稼いで、また還元していくと。稼いだものを還元していく。こういう論点というのはやはり必要だと思います。

4つ目は現場の声であります。特にコーチングについては、もちろん学校体育でいえば、学校体育というか、学校教育でいえば部活動の問題もあるんですけれども、ナショナルチームもそうですし、コーチングがプロとしてしっかりとした専門的な能力、これは技術だけではなくて、やはり人間的にどうあるべきか。また、特に身体的な負担の問題、最近よく申し上げております女性アスリートの点もそうであります。是非、ここにスポットライトを浴びせて、現場の声、コーチング、そのために必要な能力、知識は何かということ。

次に、インテグリティーの問題で、今、野球界の賭博に関する一連の報道に大変心を痛めております。ここはやはり軽々に扱ってはいけないと思っています。IOCも、このインテグリティー、スポーツの高潔性ということについては、アンチ・ドーピングとか不正、こういった問題にも大変厳しい目を光らせておりますので、改めて我々も、このインテグリティー、高潔性、フェアプレー精神を含めて、これは、どちらかというと青少年が、何だ、そんなもんかと、こういうふうに思わせないように、我々は、ここは政策としては厳しくやはり扱っていくべきだと思っています。

最後になりますけれども、デュアルキャリア、いわゆる日本的に言えば文武両道でありますが、これも、トップアスリートもそうですが、生涯スポーツを通じて、ただ強くなればいいのではなくて、やはり立派な社会人として自立をしていただきたいと。そのためには、スタート地点から、スポーツをしたら、確かに強ければメダルがもらえたり、強ければスカラシップで高校、大学に進学できたり、強ければ、プロになって何億円も稼いだりすることができる世界もありますが、我々、目指しているのはそんなものではない。

このデュアルキャリアの観点は、是非、スポーツ庁において、特に鈴木長官は健康とスポーツについての研究をしておられた専門家でもありますが、デュアルキャリアという考え方は、我が国のスポーツ政策全般を通じて、スポーツに取り組む私たちはどうあるべきかという、この根源的な問題にも関わりますので、是非、次期のスポーツ基本計画に入りますときに、こういう議論をしっかりと踏まえた上で、だから、法律に基づいてでも、やはり国が支援をする、自治体も支援をしていく価値があるんだと、こういうふうな位置付けで進めていただければ、ありがたいと思っています。

それぞれの分野で、専門的な知識、経験を持つ皆さん方なので、改めて、きょう申し上げるまでもありませんでしたが、こういったところに配慮しながら基本計画を作り上げて、作り上げた計画は必ずフォローアップしますから、作りっ放しは許しませんので、そういう決意で、せっかくこのスポーツ庁を作り上げることができた。それをやはり前に進めていきたいと思います。

大変申し訳ありませんが、きょう、この後、国会答弁がありますので、退出させていただきますが、充実した議論をしていただきますように、特に山脇会長には気合いを入れてやっていただくようにお願いを申し上げて、終わりたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

【山脇会長】  大臣、どうもありがとうございました。

御指摘いただいた6つの論点と、あと、力強いフォローアップとサポートをしていただけるということで、十分、議論をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

【馳大臣】  よろしくお願いいたします。

【山脇会長】  朝から、大臣から気合いを入れられましたので、2時間でありますけれども、いろいろな議論をさせていただきたいと思います。

それでは、議事に入りたいと思います。本日は、次第にありますとおり、先ほど事務局から説明がありましたけれども、4つの議題、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興投票等業務に係る平成28年度事業計画予算及び資金計画の認可。それから、28年度における、スポーツ団体に対する補助。スポーツ基本計画の進捗状況と課題。この3番目を一番、きょうは集中的にやろうと思っております。それから、4番目に教育振興基本計画のフォローアップ。この4点について、皆様方と御審議、御議論をしていただきたいというふうに思います。

なお、本日は報道関係者より、会議の撮影、録音を行いたいという旨の申出がありまして、許可をしておりますので、どうぞ御承知おきいただきたいと思います。フルオープンで議論を行うということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、最初の議題に入ります。独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興投票等業務に係る平成28年度事業計画予算及び資金計画案の認可について、意見聴取を行いたいと思います。

文部科学大臣がこれらの計画を認可しようとする際には、独立行政法人日本スポーツ振興センター法第21条によりまして、当審議会の意見を聞いた上で行うということになっておりますので、これが皆様方に、この議題の説明を行い、意見を聴取する理由でございます。

それでは、JSCの今里理事、説明をよろしくお願いいたします。

【今里JSC理事】  日本スポーツ振興センターの今里と申します。どうぞよろしくお願いいたします。御説明をさせていただきます。

お手元の資料の1がスポーツ振興投票等業務に係る平成28事業年度事業計画等(案)の概要と1枚紙がございまして、その後ろに事業計画、予算、資金計画という本体がございます。時間の関係もございますようですので、この概要の1枚紙で御説明をさせていただきたいと思います。

まず、何といっても、平成28年事業年度事業計画、この骨格の1つは、くじを売るということでございます。まず第1に書いてございますが、売り上げ確保への取組ということでございます。ここ数年、売り上げが堅調に推移しておることを踏まえまして、平成28年度のスポーツ振興くじの売り上げ目標としては、1,100億円を設定しているところでございます。ここのところ、数年、年度の売り上げは1,000億円を超え、安定的な売り上げを確保しているところでございます。

なお、今年度につきましては、3月12日現在ですので、まだちょっと日が残っておりますけれども、今のところ、本年度は1,043億円の売り上げを売り上げているところでございまして、翌年度も、平成28年度も、この水準を若干上回る形の1,100億円を設定しようとしているところでございます。

この売り上げを確保いたしますためには、1つの取組といたしまして、2のところにございますように、100円BIGというものを販売しようとしております。これは、今のBIGというのは、御案内かと思いますけれども、1口300円という形で、300円のくじを売るということでございますが、今回の、この1口を100円ということで、当選金が最高1億円、キャリーオーバーが発生しているときには最高2億円という、今のBIGの、それぞれ2億円、6億円の3分の1と同じ構えで、100円単位で買えるという商品の販売開始を予定してございます。

また、BIGの特別回、通常は、キャリーオーバーがあったときで6億円、キャリーオーバーがないと3億円というのが1等賞金の限度でございますけれども、この特別回と申しますのは、今まで年に2回ほど行っている、最高10億円のくじというものでございます。この最高10億円のくじにつきまして、そこに27年度と書いてございますように、キャリーオーバー、つまり、前からの当選金の残りの積み残しがある場合には約10億円、キャリーオーバーがない場合には6億円という形で1等賞金を設定したわけでございますけれども、28年度には、このキャリーオーバーがなかった場合にも7億円ということで、通常回の最高額である6億円より高いということを訴えていくという形で、賞金を設定しようということを予定してございます。

また、インターネットでの販売が全部の売り上げの3分の2ほどを今は占めてございますけれども、じぶん銀行totoサイトという新たな販売チャネルを開始するということも含めまして、販売チャネルの拡充をしていくということでございますが、引き続き、売り上げの向上に努めていくということで、売り上げ確保をしていこうということが1点目でございます。

効率的な運営と2つ目にございますけれども、今、まずは売るということでございますけれども、もともとのこのくじの目的というのは、これによって、御案内のように、スポーツ振興のための、助成のための財源を確保するということでございますので、その基本的な目的を達成するためには運営費のところを効率的にやっていくということが重要となってございます。これまでも経費削減に取り組んできたところでございますけれども、システム開発、広告宣伝、販売促進、広報等の業務のより一層の効果的、効率的な実施に取り組んでいくということを予定してございます。

また、助成金を使ってのスポーツ振興くじ助成でございますけれども、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ2019に向けて、助成対象事業を充実させてきているところでございます。ただ、助成の適正な執行ということが非常に言われているところでございまして、助成団体における対象事業の経理状況でありますとか、そういったことについて、外部の専門家による調査、それから、団体の方々の会計処理に関する研修ということを実施する。また、スポーツ団体等のガバナンス強化に対する支援を継続して検討を実施していくということを通じて、助成の適正な執行を図っていこうと考えております。

大きな2点目の事業予算でございますけれども、まず、収入につきましては、先ほど申しましたように1,100億円を売り上げ目標として設定をしておりまして、払戻金の時効というのが若干ありますので、1,106億円を収入と見込んでございます。支出の内訳といたしましては、この売り上げ、1,100億円の半額、550億円が当選金ということで、払い戻されるという規定になってございますので、ここにまず550億円を計上し、くじの販売等を行うための運営費については203億円、そして、新国立競技場の建設などに使われる特定業務勘定への繰入額を、これも法律で決まっているとおり、売り上げの5%ということで55億円。これらが、いわば広い意味での経費になるわけですけれども、残った収益というものが約300億円ございますが、このうち、これも法定されておりますように3分の1が国庫納付金。助成財源として199億円を確保するということを予定しているところでございます。

先ほど参考資料に法律案があるという御説明がございましたけれども、これにつきましては、当該法令が参考1ということでございますけれども、ここのところで、この法令と併せて改正される予定の省令が成立した場合には、運営費の額が、若干、上限が下がるという仕組みを改正されるということを予定しているというふうにお聞きしております。その場合には、本事業計画も変更ということがあるというふうに考えておりますので、その際は、改めて、こちらにお諮りするということになろうかと私どもとしては考えているところでございます。

いずれにいたしましても、JSCとしては、予算の変更を念頭に、今ほど御説明を申し上げました従前からの経費節減の取組に加えまして、広告宣伝や販売促進等の業務のより一層の効果的、効率的な実施に努めていく所存でございます。

以上、簡単でございますけれども、御説明でございます。ありがとうございました。

【山脇会長】  ありがとうございました。

それでは、本件について、御意見などをお伺いしたいと思いますが、その前に、本議題につきましては、スポーツ審議会運営規則第5条におきまして、利益相反に関する規定が書かれております。自己、配偶者若しくは三親等以内の親族、または自己の関係する法人若しくは団体等に関する案件につきましては、審議に参加することができないというふうに規定されております。事務局が把握している限りでは、該当する委員はいらっしゃらないということでございますけれども、もし該当委員がいらっしゃいましたら、御発言及び議決への参加は御遠慮いただくようにしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、何か御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。

特に御意見等がないということでございますので、本件につきましては、今、御説明いただきました原案どおり了承とさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。はい、結城さん。

【結城委員】  意見と申しますよりも、お願いというか、これからのことを伺わせていただければということだけでございます。当然、JSCの方の助成対象事業の中には、ドーピング検査推進というものがございます。昨今のドーピングの状況を見ても、1つは、日本の教育啓発の面では非常に進んでいらっしゃるし、いい効果を上げていらっしゃると思うのですが、まだ、その検査を、海外、世界アンチ・ドーピング機関がおやりになっているような調査、そして、狙い撃ちに基づく、絞り込んでの検査実施といったところ。この間、いろいろ法改正されて、今度、新たに盛り込まれるやには伺いますけれども、これからかなと。東京2020に向けて、一番、鍵になる部分にもなってくるのかなと感じますもので、ここの部分がどのようになっていらっしゃるのか、予算的にもお教えいただければ。

もう一点は、昨今の、やはり国内外の情勢で、いわゆる不正な、若しくは不法なベッティング、賭け事というものが、特にネットを通じて増えているというふうに伺います。これは、今のところ、非常に大きな問題になっているのは海外、特にサッカーなんですが、国内でも今後問題になり得ると伺っておりますので、このあたり、世界的には、国際的な取り締まり体制、これから推進をしようという動きがございますが、助成対象の中には入っていない。そのあたりをどうお考えなのかも、併せてお教えください。

【山脇会長】  今の話は、運営に関するコメントということで、本件の意見とは直接は関係しないということですね。もし何かありましたら。

【今里JSC理事】  まず、ドーピング検査推進事業、資料の本体の方の6ページに、今、御指摘のようにございます。スポーツ団体スポーツ活動助成という、助成対象事業の一覧の表がございまして、その中のドーピング検査推進事業というのが真ん中から少し下のあたりにございます。これは、平成27年度の配分額ということで申しますと、66件ございまして、11億4,530万7,000円という額が、このドーピング検査推進事業の方に助成金として配分をされてございます。これは、申請件数も66件でございました。

また、取り締まり体制等につきまして、この助成金の枠組みで、今後、確保していくべきではないか、あるいは、ネットを通じての不正等、インテグリティーの広いものについても、この助成金の対象とすべきではないかという御指摘でございましたけれども、これは助成審査委員会の方とも、御意見を伺いつつ、また、スポーツ庁とも御相談しながら対応していきたいと考えております。ありがとうございました。

【山脇会長】  ありがとうございました。よろしいですか。

【結城委員】  はい。

【山脇会長】  それでは、本件につきましては、原案どおり了承とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

それでは、次の議題に移りたいと思います。平成28年度におけるスポーツ団体に対する補助金の交付について意見聴取を行いたいと思います。

なお、本議題につきましても、先ほどの議題と同様、スポーツ審議会運営規則第5条におきまして、利益相反に関する規定が置かれておりまして、自己、配偶者若しくは三親等以内の親族、または自己に関する法人若しくは団体に関する案件につきましては、審議に参加することができないというふうにされております。資料2にありますとおり、私が理事を務めております公益財団法人日本障がい者スポーツ協会が補助の対象になっておりますので、本議題に関する進行は、友添会長代理にお願いをしたいと思います。

また、本日、御出席になられております泉委員におかれましては、公益財団法人日本体育協会において、あと、御欠席になられておりますが、竹田委員、高橋委員、それから田嶋委員におかれましても、それぞれ日本体育協会及び日本オリンピック委員会において、それぞれ役員になっていらっしゃるということですので、それぞれ該当団体に対します補助につきましては、また、他の該当する委員がいらっしゃいましたら、該当部分につきまして、御発言及び議決への参加は御遠慮いただくようにお願いをいたしたいと思います。

それでは、友添会長代理、よろしくお願いいたします。

【友添会長代理】  それでは、よろしくお願いします。

スポーツ基本法第35条によりまして、国はスポーツ団体に対する補助金の交付につきましては、スポーツ審議会の意見を聞いた上で行うこととなっております。

まず、事務局から資料の説明をお願いします。

【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。

それでは、お手元、資料2をごらんください。スポーツ基本法第35条に基づきます、文部科学大臣がスポーツ審議会の意見を聞くとなっておりますスポーツ団体への補助、平成28年度におきます補助でございます。1、2、3、4ということで、4団体への補助を盛り込んでおりまして、総額が12.4億円というふうになっております。

各団体に対します補助事業の概要でございます。まず初め、1番目、公益財団法人日本体育協会についてでございますが、総額約5億円、前年度同額を計上しているところでございます。総合型クラブをはじめとする地域スポーツクラブの指導者を養成とか、あと、競技力向上等を目的として行われますアジア地区のスポーツ交流事業などに要します経費の一部を補助するものというふうな形になっております。

2番目が公益財団法人日本障がい者スポーツ協会への補助でございます。総額が約3.9億円ということで、前年度を約1.4億円上回っているところでございます。具体的な中身といたしましては、障害者スポーツの振興ということで、障害者スポーツの普及、啓発ということ、あと指導者の養成とか、あと、2番目のところになりますが、リオデジャネイロパラリンピック競技大会への日本代表選手団の派遣とか、あとは、競技力の向上に資するものとして、国際競技力関係の情報収集、提供、あとドーピング防止活動の推進に要する一部の経費を補助するというふうな形になっているところでございます。

先ほど1.4億円の増ということで申し上げさせていただきましたが、この1番のところにスポーツ用具の整備費を盛り込んでいること、並びに(2)のところでリオ大会への派遣費を計上したことなどが主な増要因となっているところでございます。

あと、1枚おめくりいただきまして、3番目、公益財団法人日本オリンピック委員会に対します補助でございます。総額につきましては2.9億円ということで、前年度を約8,000万円上回っているところでございます。(1)にございますリオデジャネイロオリンピック競技大会をはじめとする各種国際競技大会への日本代表選手団の派遣のほか、あと、(2)になりますが、各競技会におきます日本人の国際審判員の養成に必要な経費の一部の補助とか、あとは、(3)にあります日韓の交流事業などでございます。

増額の理由につきましては、先ほどの2番の日本障がい者スポーツ協会と同様でございますが、リオ大会への派遣費などを計上したことによりまして、増となっているところでございます。

あと、最後、4番目でございます。公益財団法人日本武道館ということでございます。補助につきましては、約6,000万ということで、前年と同額を計上しております。九武道と言っておりますけれども、柔道、剣道、相撲、空手など、九武道につきまして、小中高校生を対象とした錬成大会を開催する。(2)のところでございます。また、武道の指導者、将来、武道の指導者になりたいという人も含めた講習会の実施とか、あとは国際交流に関する事業、あと、(1)に戻りますが、古武道の保存に要する事業の一部を補助するというふうな形になっているところでございます。

私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【友添会長代理】  ありがとうございました。

それでは、本件につきまして御意見などございましたら、お願いしたいと思います。

なお、先ほど山脇会長の方からお話がありましたように、利益相反規定に該当する委員につきましては、該当部分についての御発言及び議決への御参加は御遠慮いただくようにお願いしたいと思います。

いかがでしょうか。御意見等ございますでしょうか。はい、どうぞ、鈴木委員。

【鈴木委員】  アンチ・ドーピング機構の鈴木でございます。ただいまの御説明の中で、2番目の公益財団法人日本障がい者スポーツ協会様への補助の中で、アンチ・ドーピングに関する教育というものを盛り込まれたということでございますけれども、これは大変ありがたいことでございます。

世界アンチ・ドーピング規程というものは、健常者の方、そして障害者の方、全てのスポーツに共通して対象となるものでございまして、これに対して、やはり今まで、なかなかその補助というものが十分ではなかったというふうに考えております。

その中で、2015年の新しい規程、アンチ・ドーピング規程ができましたが、この中では、競技団体の自主的なアンチ・ドーピング教育あるいは情報提供というものが新たに盛り込まれております。すなわち、障害者スポーツ団体様がそれぞれ独自でアンチ・ドーピング教育をする必要がございまして、そういう点では、このような形で御予算を付けていただけるということは、ありがたいことだと思います。

以上でございます。

【友添会長代理】  ありがとうございました。原案に対する御意見というよりも、むしろ、この盛り込まれたことに対しての御賛意をいただいたというふうに理解をいたしております。

いかがでしょうか。ほかに御意見等ございますでしょうか。

それでは、原案どおり了承をさせていただいて、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。

それでは、司会進行を山脇会長にお戻しをさせていただきます。

【山脇会長】  友添会長代理、どうもありがとうございました。

それでは、次の議題に移りたいというふうに思います。

当審議会では、平成29年度から5年間、2017年から2021年になりますけれども、次期スポーツ基本計画のあり方につきまして、現行計画の期限であります平成28年度末までに審議を行う必要があります。今後、春以降に開催する総会におきまして、スポーツ庁長官から正式に諮問を受けまして、本審議会の下に部会を設けて、集中的に審議をしたいというふうに考えております。

そこで、本日はまず、現行スポーツ基本計画の進捗状況と課題について、事務局から聴取した上で、委員の皆様方の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。

その際に、ここに資料にもございますけれども、現行計画にあります7つの政策課題を次期計画において、どのような理念や政策体系で掲げるべきか。2020年の東京大会に向けた取組や、その後のレガシーをどう継承していくか。また、現行計画にはなかった新たな課題にどのように取り組んでいくか。非常に環境が激変しておりますので、こういうような視点で、大くくりの意見交換を皆様にしていただきたいというふうに思っております。

なお、教育振興基本計画にもスポーツ関連の内容が盛り込まれておりまして、中央教育審議会から、特に子供の体力向上について、現状と課題を報告するよう依頼がございましたので、本日の議論の内容のうち、関係部分につきましては、中央教育審議会教育振興基本計画部会に報告をすることというふうにいたしたいと思っております。

それではまず、事務局の方から資料の説明をお願いいたします。

【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。

私の方から、議事の3と4ということで、資料の3-1、3-2並びに資料の4を用いまして、御説明をさせていただきたいと思っております。

議事の方、若干、時間が遅れ気味でございますので、簡潔で、ちょっと早口になるかもしれませんが、御容赦いただければと思います。

まず、資料3-1でございます。A3横長の紙でございますが、これは、現在のスポーツ基本計画の概要についてまとめたものでございます。一番上にありますとおり、平成24年度からということでございますので、28年度末で一定の5年間の期間が満了するというふうな形になっているものでございます。

現行のスポーツ基本計画、1章から4章に分かれております。1章が資料3-1の左上のところでございます。スポーツを通じて、全ての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会の創出をするという大きな目標、理念を掲げているところでございます。

第2章が、資料の左下になりますが、今後10年を見通した基本方針という形でございます。10年のスパンでの基本方針ということで、1から7ということを掲げているところでございます。

第3章が、このスポーツ基本計画の中核、コアというべきところでございまして、今後5年間の政策目標ということでございます。これは資料の中ほどから右側に書いてあるところでございます。この今後5年間の政策目標につきましては、10年間の基本方針に対応する形で、1番の子供のスポーツ機会の充実から7番のスポーツ界における好循環の創出まで、7つの政策目標を掲げているところでございます。そのそれぞれの7つの政策目標につきましては、それにぶら下がるというのでしょうか、大項目を政策目標といたしますと、それにぶら下がる中項目ということで、資料の一番右側にございます施策目標というものを掲げているところでございます。

例えば、政策目標1の子供のスポーツの機会の充実につきましては、子供の体力向上、学校体育、社会のスポーツ環境という3つの施策目標を掲げているところでございます。

あと、資料の関係で、この3-1には書いてございませんが、それぞれの施策目標には具体的な施策というものがぶら下がっておりまして、例えば国は○○を推進する、○○を充実するとか。あと、地方公共団体は○○をすることが期待されるなどなど、個別具体の施策が書いてございます。数えてみますと165の具体的な施策がぶら下がっておるというふうな形でございまして、今回、お諮りいたしますのは、御説明させていただきますのは、このフォローアップということでございますので、この第3章、今後の5年間の政策目標、施策目標、具体的な施策が今現状、どのようにあるのかという観点から御説明をさせていただきたいというふうに思っております。

なお、スポーツ基本計画の第4章は留意事項でございますので、この資料には掲げておりませんので、御了解いただければと思っております。

なお、スポーツ基本計画全体は、資料、参考の2-2ということで、お手元にお配りさせていただいておりますので、お時間のあるときに、それをごらんいただければという形でございます。

それでは、資料3-2をごらんいただければと思っております。これは、先ほど申し上げました現行のスポーツ基本計画のフォローアップについてでございます。この資料3-2は、前半と後半、2つに分かれております。前半が1から3ページまでのところ、後半が4ページ以下ということで、総論と各論というふうな形でやっております。

時間の関係で、各論について御説明いたしませんが、具体的にどういう形でまとめたのかということで、4ページをお開きいただければと思っております。先ほど申し上げました資料3-1で、それぞれスポーツ基本計画は大項目、中項目、小項目というものがあるという形で御説明させていただきましたが、この資料4ページについて見てまいりますと、大項目、子供のスポーツの機会の充実については、一番上、政策目標のところでございます。これは基本計画から抜粋したもの、そのまま引用しているものでございます。

あと、中項目でございます。施策目標については、一番左側のところに書いてございます。これは(1)、(2)、(3)がございますので、それぞれ、これも基本計画から引用しております。

あと、その右側、具体的な施策というふうに書いておりますが、先ほど申し上げました165の具体的な施策がございます。これについては、全部検証することも、なかなか物理的に困難でございますし、名宛て人が必ずしも国になっていないということがありますので、主なというふうな形にしております。

それぞれの具体的な施策に対応する形で、現在の状況をいろんな数値を挙げまして、エビデンスという形でお示ししているところでございます。これに基づきまして、課題というふうな形で、足りないところとか、今後さらに充実することが期待されることをまとめているところでございます。

こういう作業を繰り返しまして、6ページになりますが、この1番目の政策目標であります子供のスポーツの機会の充実については、進捗の状況と課題というふうな形で整理をさせていただいているところでございます。7つの政策目標があるわけでございますが、それぞれの政策目標について、個別の施策目標、具体的な施策というものを具体的に検証しながら、大きな形で進捗状況と課題というふうな形で取りまとめをしているところでございます。

ここにあります、一番下の進捗状況と課題という記述を、行ったり来たりで申し訳ございませんが、1ページのところになりますが、1ページのところに掲げているところでございます。政策目標は現行の基本計画を引用し、進捗状況と課題については、今まで御説明してきたようなプロセスを経て、私ども事務局として取りまとめをしたものでございます。

なお、評価の客観性を保つために、私の隣におられますスポーツ庁参与、順天堂大学の木藤先生にも、この庁の中での議論に御参画いただきまして、この評価の客観性、公正性ということにできるだけ留意したつもりでございます。木藤先生には御礼申し上げたいというふうに思っております。

それでは、フォローアップの核心でございます、それぞれの政策目標ごと、7つの政策目標に対応する進捗状況と課題について、ちょっと駆け足になりますが、御説明をさせていただきたいというふうに思っております。

まず、第1番目、学校と地域における子供のスポーツの機会の充実でございます。政策目標につきましては、全ての子供がスポーツを楽しむことができる環境の整備を図るという形でございます。さらに、数値目標ということで、子供の体力が昭和60年頃の水準を上回るということと、あと、今後5年間、体力の向上傾向が維持されるということを掲げております。

その評価でございますが、直近の17年間、新体力テストの動向を見てまいりますと、ほとんどの年代で緩やかな向上傾向という形になっております。ただ、体力の水準が高かった昭和60年頃との比較につきましては、一部を除き、依然として低い水準にとどまっているということでございます。また、子供のスポーツの機会の充実ということで、学校、体育、運動部活動、地域スポーツの連携の重要性ということが言われているところでございます。

あと、2番目の政策目標。ライフステージに応じたスポーツ活動の推進のところでございます。政策目標につきましては、いつでも、どこでも、いつまでも安全にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備ということを掲げております。また、数値目標として、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%、3人に2人以上にすること。また、週3回以上の実施率を30%程度にすること。さらに、スポーツの未実施者、1年間に1度もスポーツをしない人の数をゼロにするということを掲げているところでございます。

これに対する評価でございますが、成人のスポーツ実施率は、これまで穏やかな上昇傾向にあったわけでございますが、平成27年度の調査では減少という形になっておりまして、新たな取組が必要と。特に20歳代、30歳代の実施率が低いということで、取組の重要性がございますと。

また、今後の課題でございますが、スポーツにより健康寿命が平均寿命に限りなく近付くような社会の構築でありますとか、障害者が身近な地域においてスポーツに親しむことができる社会の実現に向けた議論が必要としてございます。

あと、3番目の政策目標、地域のスポーツ環境の整備でございます。これに関する政策目標は、総合型地域スポーツクラブの育成、スポーツ指導者、スポーツ施設の充実を掲げているところでございます。

これに対する評価でございますが、2ページになります。総合型クラブが創設されている市町村の割合は8割という形になってきてございます。今後は、質的な充実を図っていくことが求められるという形です。また、多様なニーズでありますとか、地域それぞれの課題に対応するための新たな仕組みとかということの検討が必要というふうになっております。

また、スポーツの指導者につきましては、スポーツ指導から暴力を一掃する、そういう取組を進めてきたところでございますが、今後はスポーツ指導者のさらなる資質能力の向上、アスリートのキャリア形成の支援、ボランティア、審判などの人材育成などが求められるという形でございます。

また、スポーツ施設につきましても、一番下にございます計画的な整備、民間活力の導入、収益性の向上が求められているというところでございます。

あと、4番の国際競技力の向上のところでございます。ここの政策目標につきましては、ジュニア期からトップレベルに至る体系的な人材養成システムの構築というものを掲げてございます。

また、数値目標として、過去最多を超えるメダル数の獲得、過去最多を超える入賞者数の実現、また、オリンピックの金メダルにつきましては、夏季5位以上、冬季10以上ということです。

また、パラリンピックの金メダルにつきましても、直近の大会をそれぞれ上回るということを目標として掲げてございます。

評価につきましては、金メダルの総獲得数については一定の成果を得ることができたとございますが、下のところ、金メダルのランキングにおきましては、当初設定した目標には達していないということでございますので、今年のリオ大会の結果も踏まえて、戦略的支援の充実など、さらなる取組を推進する必要があるとしております。

あと、おめくりいただきまして、5つ目の政策目標、国際交流、国際貢献についてでございます。政策目標としては、国際競技大会等の積極的な招致、円滑な開催、国際的な情報収集、発信、人的ネットワークということを掲げてございます。

それに対する評価でございますが、まずは2020年東京オリパラの招致に成功したということで、今、開催に向けた支援を行っているところでございます。また、今度も大規模な国際大会を招致するということでございます。また、オリパラのレガシーを今後の課題として残し、さらにスポーツの価値を国内外に広げていくことなどを課題として挙げてございます。

あと、6番目、スポーツ界の透明性、公平性、公正性の向上のところでございます。政策目標としては、ドーピング活動防止のための環境の整備、スポーツ団体のガバナンスの強化、スポーツ紛争の仲裁のための基礎環境の整備と掲げてございます。

これに対する評価につきましては、1番目、ドーピングにつきましては、検査体制の拡充等を進めてきたところでございますが、今後は2020年東京大会に向けたドーピング防止体制の構築が課題となっているということを挙げております。

また、ガバナンス、紛争の仲裁につきましては、フェアプレーガイドラインの策定でありますとか、スポーツの仲裁、調停に関する理解増進を進めてきたところでございますが、今後とも、関係団体と協力して、このような整備を進めて、自立的に活動していける環境整備をしていくことを課題としてございます。

あと、政策目標、最後になりますが、7つ目、スポーツ界における好循環ということでございます。政策目標としては、好循環創出のために、トップスポーツと地域スポーツの連携、協働を掲げてございます。

これに対する評価でございますが、総合型クラブから学校へ指導者を派遣する取組などは進んでいるところでございますが、さらなる指導者の活用ということが求められているところでございます。

また、一番下にございますスポーツ産業の活性化、また、その収益をもって環境の充実に向けて再投資すると、そういう好循環を生み出すことが必要としているところでございます。

スポーツ基本計画のフォローアップにつきましては以上でございます。

あと、議事の4でございますが、資料4の教育振興基本計画におきます現状と課題について、簡単に御説明させていただきたいと思っております。

スポーツ基本計画のほかに、文部科学省が教育振興基本計画というものを策定しているところでございます。2つの基本計画があるわけでございます。両者の関係は上下というわけではございませんで、併存しているわけでございますが、この教育振興基本計画の中にも、子供の体力の向上など、幾つかスポーツに関連する部分が盛り込まれているということでございます。

この教育振興基本計画、実は平成25年度から29年度までの5年間ということで、スポーツ基本計画より1年遅れで策定されておるものでございますが、現在、中央教育審議会の部会におきまして、その見直しに向けた議論を行っているという形でございます。それぞれ関係する審議会、部会に対しまして、それぞれの個別の重要事項について御検討いただきたいという依頼があったものでございます。特にスポーツ審議会に対しましては、子供の体力の向上について御議論をいただきたいということがございましたので、きょうの御議論を中央教育審議会にフィードバックするという形でそれぞれの審議会で意見交換を進めていきたいというふうに思っております。

この資料4の中ほど、成果目標の達成状況のところは、先ほどスポーツ基本計画のところで述べたところと同じでございますが、近年、緩やかな向上傾向にありますが、60年との比較では依然として低い水準という形でございます。

あと、下から2つ目の白丸にございますが、全国的な調査によりますと、子供の二極化、スポーツの面での子供の二極化、特に中学校女子については、全くスポーツをしないという子が5分の1いるんだという現状について掲げてございます。

2ページになりますが、文科省の主な取組という形でございますが、幼児期からの体力の向上ということで、運動指針を示すなどの取組を行っております。

また、各学校に対しまして、予算事業を活用しながら、いろいろ、特に体力が低い、握力などの具体的な種目について、課題解決型の事業を実施しております。

また、今、学習指導要領の改訂に向けた議論を行ってきているところでございまして、運動の習慣化とか、様々な体力に関する諸要素をバランスよく育むことなどについて議論を行っているところでございます。という形でございます。

本日、御議論いただきたいのは、スポーツ基本計画のところで、体力の向上を1番目の政策目標として掲げてございますので、そこの御議論をいただきますれば、その議論の内容を私どもで整理いたしまして、資料の一番下に取りまとめて、中央教育審議会のところに返したい、事務方から返す予定になっておりますので、今月末に開催されます中央教育審議会に返答したいと思っております。

なので、中身としては、2つ、それぞれ別ではございますが、時間の関係がございますので、一緒に御議論をしていくような形で対応させていただきたいというふうに思っておりますので、御審議のほど、よろしくお願いしたいと思います。

私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山脇会長】  ありがとうございました。

それでは、御意見、御質問等々に入りたいというふうに思いますけれども、先ほど申し上げましたように総会でございますので、この現行計画にある7つの政策課題をどういうふうにこれから変えていくのかということとか、東京大会に向けたレガシーの問題、それから現行計画になかった新たな課題と、こういうようなものをどうするかという大きな議論をまずきょうは集中的にさせていただきたいと思います。

それから、今、御指摘がありましたけれども、教育振興基本計画の中の子供の体力向上というものの方向がありますので、今、一緒にというふうに申し上げましたけれども、先にこの子供の体力の向上ということについて、もし御意見がありましたら、そこから始めてまいりたいと思います。

ということで進めたいと思いますけれども、まず、子供の体力向上のところから、何か御意見ございますでしょうか。じゃ、田邉委員、お願いします。

【田邉委員】  田邉です。ありがとうございます。私の方からは、子供の体力の向上についてということでお話しさせていただきます。

まず、先ほど御説明があったように、新体力テストで見ると緩やかな向上傾向にあるということで、それぞれ基礎的運動能力を見ると、まだまだ改善していかなくてはいけない部分があると考えます。長期的に見ると、昭和60年に比べれば、まだ依然として低いまた、運動をする子供としない子供の二極化というところがあります。

文科省が出している体格のデータを見てみますと、小学校、中学校、高校の身長、体重に関しては、肥満の傾向児は2000年代前後までは増加傾向にあったが、その後、男女ともに減少傾向に転じていると。そして、痩身の傾向児は男女とも増加傾向が続いているということもあります。このように体格的な視点とも合わせながら考えていく必要があると考えます。

その他として、先日、新聞等に載っていましたが、出生時の低体重のことです。こちらの方に関しても、出生時の平均体重がここ35年で200グラム減少したということで、その関係とは、直接、因果関係は分からないところではありますけれども参考資料として出すことも必要かと考えます。

中教審の委員をされている福田委員の方から、練馬区の春の風小学校で実際行われた、平成25年度、26年度の練馬区の教育委員会の教育課程研究指定校に指定され、そこでの研究成果を一つの例としてお話させていただきます。

まずは、改善したところは、授業作り、体育という授業内での工夫と、あとは授業外における体育的活動による成果という、この2つの面から行い、実際、その調査結果としては、子供の運動に対する意識、そこが前年度に比べると、体育の学習について肯定的に捉える子供が多くなった。それによって、休み時間に外遊びをする子供が増加傾向にあるという調査結果が出ています。

それから、運動能力の方の調査をその後、行った。そうしたら、前年に比べたら向上した種目が多く、研究の成果が表れたというところです。

あとは、歩く歩数です。1日平均歩数について、全ての学年で東京都の平均の歩数を上回ったということで、この学校が行ったのは、体力というのは、もともと体力だけの問題ではなくて、子供にとってみたら、意欲であったり、気力であったり、忍耐力などの精神面にも深く関わっていくということで、体力を大きく取り上げ、2年間にわたる成果だと思います。

もう一つ、授業外に行われた体育的活動における成果では、木曜日の中休みに時間を設定して、全校で体を動かすという活動を行い成果があらわれた。

この2つの方法から、大きな成果を得られたということが挙げられております。

私の方からは、やはり体育の授業だけでは、これ以上時間を増やすということは本当に難しいですし、体育の時間だけでは、なかなか体力の向上は求められないのではないかという点です。体育の授業以外でどのような活動ができるのかということで考えることが必要かと考えます。チーム学校というスタッフが動いている中で、体育を専門に指導できるスタッフというものも盛り込んでいければと感じました。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。それでは、本件につきまして、何か違う視点で。泉委員、お願いします。

【泉委員】  体力向上という観点から、日本体育協会で行っておりますアクティブ・チャイルド・プログラムという、これをちょっと御報告しておきたいというふうに思います。

スポーツ基本計画の5年間の政策目標にもリンクしておりますが、子供を取り巻く環境の変化といいますか、体力が低下している、こういった提言を受けて、実際に塾ですとか習い事、テレビゲーム、あるいはエレベーター等の移動手段、こういったところで、体を動かす機会が減少をしております。また、先ほどもお話がありましたように、20年前と比較して体力が低下傾向、これはなかなか止まらない。あるいは、運動をする子としない子の二極化が見られるというようなことで、子供時代の身体活動については、大人になってからの身体活動や健康、体力にも大きく影響を及ぼすと、こういうことから、実は平成20年から文部科学省の委託事業をいただきまして、子供の発育、発達段階に応じた体力向上プログラムの開発を行ってまいりました。総合的な観点から研究を行いまして、この成果をまとめたものがこれでございます。アクティブ・チャイルド・プログラム、こういうものにまとめております。

この中の一番の大きな提言は、子供たちが1日60分以上の身体活動を伴う運動をやりましょうということを提言しております。大きく内容的に見ますと、1つ目が子供の身体活動の意義、2つ目が基本的な動きを身に付けることの重要性、そして、3つ目に、実際に遊びのプログラムがこの中にいっぱい紹介されております。そして、4つ目として、場、仕掛けの重要性ということで、学校あるいは地域、いろいろなところでこれを、実践事例をこの中に網羅してございます。

学童に対して、こういったことを実際にやってまいりました。その結果、もう既に身体活動の低下ですとか、あるいは運動離れ、これはもう幼児期から始まっているんだと、これが分かりまして、実は第2弾を作りました。幼児期からのアクティブ・チャイルド・プログラム、これが第2弾。これが実は、昨年の2月に出来上がったばかりで、今、一生懸命これの啓発活動をしております。

実は、大変残念なことに、スポーツ少年団という組織が日本体育協会にございます。これは、指導者を入れまして、今年が94万人です。小学生の参加率が9.59、1割を切りました。これは、実は平成23年のときには104万人いたんです。そして、小学生の参加率も10.64%ございました。子供の減少よりも、少年団の参加率がそれ以下なんです。下に行ってしまう。非常に危惧いたしております。ということで、少年団に入れていくのに、もう幼児から、この運動体験をしっかりやらせようという考え方で、今、進めております。

展開の状況としましては、平成22年に小学校、2万2,258校、総合型の地域スポーツクラブ、2,905クラブ、ここにこの教材とDVDを全部、お送りいたしました。送るだけでは意味がありませんので、送ったと同時に、指導者に対しての普及講習会を実施いたしました。平成22年から24年まで、約4,200名が受講いたしております。

今年度、27年度につきましては、スポーツ少年団が3万3,000団あります。3万3,000カ所。ここへ教材、この幼児のアクティブ・チャイルド・プログラムを含めまして、これを配付し、なおかつ、少年団の指導者に講習会を実施いたしております。

また、体協のホームページでは、いつでもこのチャイルド・プログラムが携帯で見られるといったような施策もしているところでございます。来年度につきましても、同様に、こういった啓発活動を、まず指導者をしっかりと育てていこうということで、現在はこの幼児のアクティブ・チャイルド・プログラム、実は、その指導者、指導できる方が20人ぐらいで、今、講習会をやっておりますが、この講習会をやれる講師を150人程度に増やしていこう、こういうような取組を今はいたしております。

今後の課題でございますが、体協のスポーツ医・科学専門委員会の方で検討しておりまして、このアクティブ・チャイルド・プログラムをよりバージョンアップさせる、これが1つ。それから、もう一つがスポーツ少年団あるいは総合型スポーツクラブにこのプログラムをどうやって導入していくか、ここが今、これからの活動の中心になるかなというように思っております。

では、最後に一言言わせていただきますと、運動をしない子、あるいは、ほとんど運動しない子のアンケートの結果が、そのうち3分の2が体育、スポーツが好きだというわけです。そして、なおかつ、このやらない子供たちのアンケートで、2分の1がスポーツ、体育をやりたいと答えている。この子供たちをどうやって我々は吸い上げて、常に1日60分、運動ができるように変えていくか、ここが非常に大きな課題になるのかなということで、今、体育協会としては取組をいたしております。現在の中間報告も含めて、御報告と、今の方向性、体協の方向性を御報告させていただきます。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。じゃ、根木さん。

【根木委員】  根木です。私の方からは、今、一般のものも含めて、体測であったりというのは評価されていると思うんですけれども、その中の障害児、障害者にとってのスポーツの参加率であったりとか、体測結果、済みません、僕、ちょっとはっきり分かっていないのですが、どういうもののデータが出ているか分からないですけれども、まず、明らかに一般と障害者について、スポーツをする機会というものが減っていっているというのも出ているものがあると思います。

そのものからいくと、そこに向けて、どのようにそれを評価していくか、行われていくか。全国で行われている参加率であったりというもので、一般的にも、その活動量が減っていくとか、スポーツの量が明らかに増えている、減っているというところもあると思うんですけれども、その中の、障害があることによっての学校のスポーツの取組の量がどんなふうに行われているかということもリンクされていっているのかなというふうに思うので、その辺の項目というか、検討というものが必要ではないかなと。

済みません、うまくまとめないですけれども。

【山脇会長】  ありがとうございました。

【友添会長代理】 子供の体力低下の問題というのは先進諸国共通の課題だということで、推奨運動時間は1日1時間、中等度の運動をすべきだという提言などもなされています。子供の体力低下をどう防ぎ、向上させるかを考えていくには、根本的に発想の転換が必要な時期に来ているのではないかなというふうに思っています。

例えば投運動だとか、あるいは握力が低下しているという問題、これは大きな問題だと捉えておいた方がいいと思います。

というのも、体力の低下はある意味で技能の低下と直結しているということだと思います。体力というよりも、これは身体運動能力の問題でもあると思います。日常生活で、握ったり、ねじったりする経験がなかったり、あるいは投げるという動作をすることがほとんどないことの反映で、体育の授業だけでやっても、実は定着しないように思います。

昔、私達が子供のときに、路地で餓鬼大将のお兄ちゃんからボールを思いっ切り投げてみろと言われて投げたりするような経験をする中で学んでいったことがない。今は街の公園へ行ったら、どこの公園もキャッチボール禁止という札が掛かっている。それから、昔は子供たちが路地でやったボール投げが、今は車が入ってきて、やったらすぐ叱られる。歩行者天国というのがかつてありましたけれども、例えば、子供天国という時間帯を設けて、路地や公園を開放する必要があるのではないかということが必要な気がしています。

あと、子供の体力の問題に関していえば、政策をすぐ反映できるところでもあると思っています。昭和40年代の学校体育は、総則の第3番目で、学校教育全体を通して体育をやろうということで、業前体育、業中体育、業間体育と、授業の前だとか授業の間だとか放課後に、全身運動をする機会、あるいはスポーツをする機会を作って、積極的にやりました。それから、ちょうど、その子供たちが成人していく頃が恐らく昭和60年代で、なおかつ、社会体育から生涯スポーツ論という考え方が生まれてきて、ゲートボールがブームになっていく時期でもあるわけなんですが、ちょうどこの頃は体力もピークになっているかと思います。昭和40年代の体力向上をめざした体育に対しては、確かに批判もありましたが、体育の授業と子供たちの日常生活をうまくリンクして政策を考えていくと子供の体力問題は解決の方向が見えてくるようにも思います。

一例をあげれば、学校の校舎を走ってはいけないと私達は教わりましたが、今は安全に配慮できれば、走っていい時代だというふうに切り替えていかなければいけない。あるいは、ロープを廊下にぶら下げてターザンごっこをやっていいよと。あるいは、廊下や空き教室にマットを置いておいて、そこででんぐり返りをどんどん休憩時間にやっていいよと方向を転換していくことが大切だと思います。何も、運動場や体育館まで行かなくていいよということです。そういう意味でいうと、大きな発想の転換をしていって、子供の運動する喜びとか、あるいは体を動かす楽しさを教えてあげる機会をどのような場でも提供していかなければいけない時期に来ているのではないかというふうに思っています。

特に、よく言われているように、女子の場合、初潮年齢を迎えるまでに運動経験を十分につまさないと、将来的に骨粗鬆症だとかサルコペニアになる可能性が高いともいわれています。あるいはフレイルといって、ちょうど健常と要介護の中間になっていくというデータも出ているように思いますし、国民総所得が360兆の中で、40兆円の医療費を投入するというのは大きな政治課題だというふうに考えるべきだと思っています。

そういう意味では、子供の体力というのは非常に重要な問題だと思っていますので、発想の転換が必要な時期ではないかと思うということで、意見を述べさせていただきました。

【山脇会長】  ありがとうございました。

それでは、これから、この問題も含めて、この問題だけをやっておきますと、それで終わってしまうかもしれませんので、この問題も含めて、全体的な、先ほど言いましたような今回の7つの政策課題とか理念とか、いろいろなことをどうするかという意見の方にも入っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。じゃ、髙橋委員。

【髙橋(和)委員】  失礼します。

この基本計画そのもの、それから第2期の教育振興基本計画も、よく出来ていると思います。とりわけ、改めて第1章のスポーツを通じて全ての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会を創出するんだという、もう一度、見ると、本当だなというふうに思って、それを掲げた、この1章から2章の上の5項目と7項目、それから、それを具体的にする政策が165もあるというのは、きょう初めて聞きましたけれども。

それで、体力も含めてですけれども、学校体育の観点から少しお話をさせていただきたいというふうに思います。子供の体力を高めるとか、それぞれ国民の健康で豊かな生活を営むためにどうするかということの基本は、やはり学校体育の中にあるんだというふうに思っています。小中高は必修で体育はあります。ところが、大学になると必修ではありません。小中高、大体、週3回、90時間から105時間、体育の時間があります。

これを担っている教員がどうかというお話を最初にさせていただきたいと思いますが、90時間や105時間は、24時間で割ると4日か5日、体育をやるという形になると思いますが、そこで楽しかったなというふうに思うことが、生涯、私たちは体を動かすことがおっくうではなくて、例えば、私は新橋からここまで、きょうだけじゃなくて、いつも歩いてくるんですけれども、それは、年をとってきているから運動しなきゃならないということもありますし、息が上がるような感覚というのが日常、余りないわけで、そういうことが日々できるような感じになることが、子供のときに、ああ、こういうものをやったなということがずっと続いていくんだというふうに思います。

そのために、教師の運動体験がそもそも少な過ぎる。それから、それに基づいて、そういうことを指導できるかというと、そこも少な過ぎるという現状が、いろんなデータから見えてきました。なぜかなというふうに思うと、教育職員免許法施行規則で必修な科目というのが4つありまして、日本国憲法と体育と外国語コミュニケーションと情報機器というのが各2単位あります。これをとらないと先生にはなれないわけです。ただ、体育は2単位必修になっているにもかかわらず、体育の実技を確実にしているかというと、大学の裁量で講義をして終わりというところもある。そうすると、何も体育の基礎的な教え方にしても、体験しないで教員になっている方が多い。だから、部活は体育の先生がなるわけではないので、部活指導のところにも、全然分からない方が教員としてやっている現状もあります。

それから、保健体育の教員になるためにはどのぐらいの実技が必要かというと、これは1つとればいいんです。半期、15時間掛ける90分、これで何を学べるかというと、これまた大変なことになっている。それから、教員採用試験で実技もしない。いろんな面が、今はあると思います。

ですから、まずは、私は、すばらしい先生を作るためには、難しい部分もあるかもしれないけれども、教育職員免許法を改正できないかなというのが希望です。

そしてまた、この背景になるお話なんですが、柔道とダンスの全国調査を子供3万人、教員400人にしたところ、柔道を指導できる人は自分の体験がちゃんとあるんです。それが得意である。それを受けた子供たちは、やはり満足度が高い。技もできるようになる。とりわけダンスの方は、体験をしている人は1割ぐらいしかありません。それでも指導はできます。危なくないから、ダンスは指導できる。ところが、柔道を教わった子供たちよりも、ダンスを指導して、余り体験がない先生から教わった満足度は低いという状況が見えています。これは当たり前なことですね。

ですから、そのために文科省も始め、各県教育委員会もいろんな研修をしています。ところが、中学校の先生は非常に多忙で、そこに出ていく時間がないということも一方にはあります。子供たちが体力を高めるためには、やはり体育の中でいかに楽しい体育をできるか。そのためには、すばらしい教員が体育の資質を持っているというのが私の言いたいことです。

そして、中央教育審議会でも新しい指導要領やアクティブラーニングということを打ち出して、自立して、協働して、創造的な教育活動をしていきましょうよと打ち立てていますけれども、それを指導者がどう受けとめて、できるようになるかというのは、またここで1つ、大きなギャップがあるのかなというふうに思っています。すばらしいことを掲げていることは本当にありがたいなというふうに思いますが、それを実現するために、具体的にどうしていくかということを大きな目で変えていく必要があるかなと思います。

中2の女子の運動、体力が低い。中2の女子も、ダンスはいいなと言っているんです。ところが、指導者は余りいないので、おもしろいダンスの授業をするよりは、何かビデオを見せて、ほとんどアクティブラーニングとは関係ないような指導法をしているというのが一方で見えてきます。もうちょっと話させていただきたい。

2つ目、子供の体力、小中高、必修であります。大学は必修ではない。20代の体力が低くなっている、運動体験が少ないというのは、大学が必修でないこと、それから、企業に勤めて忙しい。大体、70代になると、初めて健康スポーツを一番やりたいなという生涯、内閣府からこの間、2月に出ました世論調査でも出てきています。そこの真ん中のあたりをどうやって、日々豊かなスポーツライフに近付けていくかという施策がもう一つ必要かなというふうに思います。

最後は、体力向上、とてもいいと思います。ところが、毎回行われているテストです。運動能力テスト。それに費やす時間、予算、労力、大体4時間ぐらいは使う。90時間で4時間は使う。数値で表す、説明責任が必要で、エビデンスはとても大事かもしれませんが、学力調査もそうです。この調査のために、私たちは、いかにそこに費やす労力が必要なのか。子供はそのことによって、本当に自分の体力を知れて、学力を知れて、ああ、次にいけるというふうに持っていくことの方が大事であって、やりっ放しでは何のための調査なのかということが感じられます。

神奈川は残念ながら全国最下位の体力なんです。だから言っているわけではないですが、横浜の例でいうと、朝も食べてこない、昼はコンビニのお弁当、給食はありませんから、夜のお仕事をしているシングルマザーの御家庭はそのような状況で子供を送り出しています。動くことはつらい。体育、まして調査なんていったら、とてもやらないという状況も一方ではあります。それを押しなべて並べて、低い、高いというふうにすることよりも、私は、ちょっとでも、その4時間あったら楽しい体育をやってもらえるような流れになっていったらいいかなと思います。

ちょっと長くなりました。

【山脇会長】  ありがとうございました。体力向上と体育のことにちょっと偏っていきましたので、全体の話で、じゃ、上治委員、お願いします。

【上治委員】  2点申し上げたいと思います。

総論の4番目の国際競技力の向上のところのページなんですが、メダルの獲得目標とか、いろいろNTCの充実とかということが書いてあるんですが、実際にアジア連盟、IFに役員を出すという数値目標はここには書いていないんですが、実質、IOCの加盟競技団体に今、日本人の方が十七、八名出られていると思いますけれども、これこそが充実して、どんどんIFの組織等に入っていただかないと、東京の結果もなかなか大変なものになると思います。

現実、マイナー競技という言い方は適当じゃないかも分かりませんけれども、各競技団体のマイナー競技の連盟は、外国語も含めた語学力という問題で、なかなかそういう会議に出ていけないというのが現状です。JOCでは今、国際人養成アカデミーということで徹底フォローを開始されておりますけれども、是非、ここにも何らかの対策を整えていただきたいと思います。

それから、もう一点なんですが、やはり環境の整備というところで、この場では適当じゃないかも分かりませんが、オリンピックに対する、メダリストに対する報奨金の問題なんですが、ここは制度がスタートしてから、ほとんど金額が変わっていないと思うんです。海外のメダリストのリスペクトに対するもろもろの金銭的なもの以外も含めて、大変充実しております。是非、メダル目標だけではなくて、こういったサポート体制、成果に対する貢献ということの価値も含めて、少し検討していただきたいと思います。

以上でございます。

【山脇会長】  ありがとうございました。ここに書いていないようなことを、こういう課題を取り上げたいというようなこともありましたら、御意見を。伊藤委員、お願いします。

【伊藤委員】  伊藤です。よろしくお願いいたします。

私たちが生まれてから死んでいくまでの間にスポーツをする機会というのが訪れたり、訪れなかったりすると思うんですが、その機会を創出しているタイミングというのもたくさんあると思うんです。例えば、幼児期から学校へ行って、社会に出て、あるいはリタイアして高齢者となっていったり。もう一つの流れでいうと、家庭にいて、それから学校、地域社会にいたり、それから、さらに生活圏が広域になっていく。そういったときに、例えば卒業したタイミングで部活をやめる。学校を卒業すると体育がなくなる。など、社会人になって体を動かす機会がなくなってしまいます。

運動したり、スポーツしたりしたいなと思うんだけれども、探して、見付けて、そこに思い切って飛び込んでいってというのは、老若男女にとって、とてもハードルの高い行動です。ものすごく積極的に行動しないと、スポーツをする機会は獲得することができないというような感じがいたします。

そこで、学校でこういう競技、こういう体育をしていたら、卒業するとこんなところがあるよとパスしてもらえる。あるいは、つなぎや架け橋があるといいと考えます。あるいは連携という言葉かもしれません。せっかくスポーツをやっていたのにやめちゃったという人はとても多いと思うので、いろんなシーンにおいて、次のライフステージでも、またそういう機会を簡単に手に入れることができるような、つなぎの施策というものがあったらいいんじゃないかなと感じました。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございます。結城さん。

【結城委員】  子供に戻ってもいいでしょうか。

【山脇会長】  はい。

【結城委員】  済みません。先般、弊紙、論点にも登壇いただいた先生の話を伺った際に印象に残ったのは、子供の数が過去30年に3分の2になっていますけれども、いわゆる故障、スポーツを通じての故障というものが1.4倍になっていると。それがいわゆる小学生の五十肩であるとか、飛び箱をやって手首を骨折するとか、とんでもない異変が起きているというような点でした。

今回、体力の項目をいろいろ拝見をして、上昇を緩やかにしていると。これはひょっとすると、子どもの体格がよくなっていることで数値が上がっているものなどが勘案されにくくなっているのかもしれないと思いますし、あと、特定の項目を奨励して、反復練習なんかをすると、当然、数値が上がるものやに思います。

先ほど友添先生がおっしゃった、投げる力、それから握力というのは、投げるのはむしろ総合的な動きですし、握力というのは全身の筋力の象徴ですから、これは非常に意味がある部分で、これが下がっているということの意味を考えるべきだと感じます。多くの項目で緩やかに向上しているから、もう安心するのではなく、逆に、子どもの体の異変がどこから来ているのかを考える一助にする。

組体操もそうですけれども、事故が起きる背景にどんな異変があるのかというところをもう少しごらんいただいて、例えば、こちらの現状と課題、資料4の中の2ページ目、2のところ、体力低下種目に関する課題対策プログラムの開発等とおっしゃるんですが、これは多分、目的若しくはお考え方はもう共有をしていらっしゃると思うのですが、ボール投げ、握力に特化したようなプログラムではなく、むしろ、いろんな形で体を動かすとか、遊びの要素を取り入れるとか、若しくは先ほどのお話にあったように、体を動かすことは楽しいんだと、中学校の女の子に対しても、楽しいんだ、みんなでやるのが実はおもしろいんだ、ゴム段であったり、鬼ごっこでもいいんだという形で働き掛けられるような開発プログラムであってほしいなと思います。それが1点。

あと、もう一点は別途、基本計画の方で、これは逆にもう友添先生が御尽力なされて作られたものと拝見いたしますので、質問の形で、先生、それから田邉さんの御持論でもいらっしゃる、ある意味で、勝ちを目指すのは大事だけれども、スポーツそのものをなぜやるのか、それによって、どういうふうに子供たちの人間性を豊かにしていくのか。その大切さを子供たちに教えるには指導者の理解と工夫が必要で、この指導者養成などの具体的方策をもう少し盛り込まれていかれると、よりそちらに関心が振れるのかなと思うのですが、その部分をどのようにここまでやっていらしたかなどをお教えいただければと思います。

【山脇会長】  ありがとうございました。じゃ、渡邉委員。

【渡邉委員】  渡邉でございます。

大くくりな話を端的に申し上げます。この基本計画が出来たのが2012年の3月、その後、2020年のオリパラ招致が決まり、昨年10月にスポーツ庁が発足した経緯を考えれば、馳大臣がおっしゃった6つの論点、これらは当然、盛り込むべきだと思います。

見直しに当たって何より大事なことは、これから見直すべき計画とスポーツ庁の所掌業務との連動が一番大事だと思います。なぜかと申し上げますと、推進主体、責任の所在、それと財源、これが伴わないと、具体的に計画が推進されないという理由からです。

また、今後予定される1億総活躍社会プラン、あるいは、組織委員会のアクション&レガシープラン、これらとの連動、整合性ということが非常に大事になってくるだろうと思います。

基本法の第10条には、スポーツ基本計画を参酌して、都道府県、市区町村がスポーツ推進計画を作るとあります。これは努力義務です。今現在、どうなっているか申し上げます。データが2年前のもので古くなりますが、私どもの調査結果では、都道府県が94%、市区町村が31%となります。これは推進計画だけでなくて、以前のスポーツ振興法、振興基本計画に基づき都道府県、市区町村が策定したスポーツ振興計画を含めた数字です。どちらかというと、この振興計画に基づいた計画の方が多かったのです。ただし、どこの自治体でも、総合計画を持っていますので、個別のスポーツ計画がなくとも総合計画の中でスポーツ施策が示される場合が多いことも事実です。市区町村でも90%を超えておりました。

ただ、これをどう考えるかという話だと思います。先ほど髙橋(和)委員からお話がありましたけれども、今の基本計画はよく出来ているとは思います。中身はですね。ただ、文書の主語を見ますと、国の場合は、述語が「何々する。」となっておりますが、主語が地方公共団体やスポーツ団体である場合には、「期待する。」という表現にとどまっています。問題は、その期待する地方公共団体やスポーツ団体に対して、国がどう働き掛けるのか。ここが、一番大事になってきます。この働き掛けにより、計画の内容を実効あらしめるためには、先ほど私が申し上げたように、スポーツ庁の所掌業務と基本計画の連動というのが重要なのです。推進主体、責任所在、財源、これを一致させないと、基本計画が絵に描いた餅で終わってしまうのではないかと危惧しております。

基本計画の見直しにあたっての総括的な意見は以上です。続きまして、第2期教育振興基本計画に対するコメントをさせていただきます。

笹川スポーツ財団では、青少年のスポーツ実態調査を2001年から実施しています。調査を重ねることで、運動・スポーツ実施の二極化の現状を把握したのですが、これは青少年より前の段階に根源があるんではないかという仮説の下、2010年から4~9歳、子供の調査を始めました。要するに、9歳以下のスポーツ経験やライフスタイル等が影響しているのではないかと。調査結果をみると、週7回以上、運動、スポーツを実施する子供は、2015年度では約50%に達しますが、女子の場合、その中心は運動あそびです。スポーツ種目はあまり見られません。

ところで、男子と女子を比較しますと、どこで運動、スポーツの実施頻度に差が出てくるかというと、1つは8歳というデータ結果を得ました。

先ほど中学生の女子、5人に1人が週1時間未満という話がありました。これはいろいろ分析してみますと、男の子に関しては、サッカー、野球、バスケットなど様々な種目を体験できる機会というのが幼児期から小学校の低学年の時期にあります。ところが、女子に関しては、男子に比べてこうした機会が少ないのが現状です。一部、スイミングなどはありますが、それ以外の種目で、競技性を持つようなスポーツに触れる機会が少ない。ここが1つ、課題だと思います。

これを社会の中でどういうふうに確保していくのか。考えるに、スポーツ基本計画には、地域コミュニティーの核になるという位置づけでの、総合型地域スポーツクラブ、あるいは少年団、スポーツクラブなどが示されていますが、ここの環境創出をどうするか。つまり、女子がスポーツを経験するプログラムを複数準備できるかということです。ここはすごく大事になってくると思います。

また、私どもの調査結果では、週60分未満の、スポーツをやらない女子に聞きますと、約8割がスポーツが嫌いだと答えています。ここは、学校教育、体育の授業の中で、どうやってスポーツを好きになってもらえるかが肝になるのではないでしょうか。髙橋(和)委員が発言されていたように、運動・スポーツを実施する中に楽しむ要素が必要になってくると思います。言い換えれば、ゲーム的な要素を含んだものがプログラムに導入されることです。

例えば、最近、学校でも導入されているタグラグビーやフラッグフットボール、あるいはスポーツ鬼ごっこなど、レクリエーション的な要素を持ち、加えて、そこにチームワークが醸成されるような要素があること。こういったプログラムを学校教育の中に導入、促進することを考え、進めていくことが大事ではないかと思います。

ちょっと長く話し過ぎました。以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。大日方委員。

【大日方委員】  大日方です。

私の方からは、この政策目標、今後、7つの視点をどのように立てていくのか。これをそのまま踏襲するのか、少し変えるのかというような視点からお話をしたいと思います。

まず、前提として、大前提として考えなければいけないことは、スポーツの社会的な役割ということだと思います。社会的な課題解決のために、一体、スポーツはどのような貢献ができるのかということ。この視点が誰が見ても分かるように、政策目標の柱を立てていくということ。これが大切だろうというふうに思っております。恐らく、先ほど馳大臣がおっしゃったレガシーというところの価値観をどう残すかという、ここの意に対する重要な柱になるのではないかというふうに考えております。

もう一つ大事なのは、国の方針の中でどのようにスポーツが、そこをしっかりと支えていくのかというところであります。国の方では今、先ほどもお話がありましたが、1億総活躍社会ということで、いわゆるインクルーシブな社会をどのように実現していくのかといったことを非常に大きなテーマというふうに考えていると承知しております。その中では、では、スポーツはインクルーシブな視点をどのように入れていくのか。これは非常に重要な視点であろうというふうに考えております。

3つ目として、スポーツ庁が創設をされました。何のためにスポーツ庁が作られたかというところですと、なかなか、これまでスポーツに関する所掌の業務というのが、これまでも、これからも、今もそうですが、複数の省庁に分かれているところがある。それらを通じて、そこはそことしてありつつも、どのように横連携を図り、そしてスポーツの価値というものを社会に貢献していくのかという、そこをリードしていくというのがスポーツ庁の役割であろうと、そのように考えます。

以上の前提に立った場合に、この7つの視点をどのように変えていくのかということで、最も、まず足りないなというふうに思っておりますのが、7つの視点の全てが入っているけれども、少しその課題が大きいというのが障害者スポーツという視点だと思います。障害者スポーツをどのように進めていくのか。まさにインクルーシブな社会をどのように作っていくのか。あるいは、高齢社会の中でスポーツがどのような役割を果たしていくか。極めて重要な視点であろうというふうに考えております。

柱として、1つ、しっかり立てるのか、あるいは複数の柱の中で、それぞれの中で横軸と縦軸というような形で必ず入れるという形にするのかというところは、今後、議論が必要だというふうに考えております。

2つ目ですが、健康寿命の増進とスポーツという視点です。現状では、2のところで、若者のスポーツ機会の拡充というのと高齢者の体力作りというところで一緒になってしまっていますが、高齢社会を考えたときに、ここの健康寿命の増進とスポーツの役割というところについてはニーズが高まっているのではないかというように感じました。

それから、スポーツを支える人材養成についても、今、1から7まで全ての視点で入ってはいるんです。ところが、やはりスポーツを支える人材養成は、例えば競技力だとコーチということ、あるいは国際大会の審判というところです。そこをどうつないでいくのか。日本においてスポーツが、先ほど申し上げた社会課題にどのように貢献できるかといったときに、人材養成をどのように様々な視点でしていくのかということで、人材養成として1つ立てるというのも方法の1つかというふうに考えます。

このことは、スポーツのGDP、スポーツからの経済効果というところにおいても重要な視点になるというふうに考えておりまして、これの2つを、むしろこの7つをもう一度、分け直して、どこかつなぎ合わせるというようなドラスティックな考え方もあるのではないかと、そのように考えました。

そして、最後は地方創生というキーワードも、国の方では重要な視点というふうに考えておりますので、地域とか学校とか、様々な総合型スポーツクラブというような言い方もありますが、もしかしたら地方創生とスポーツというような立て方というのも考え方としてはあるのではないかと、そのように感じた次第です。

以上になります。

【山脇会長】  どうもありがとうございました。済みません、庄野委員。

【庄野委員】  自分の意見を言う前に、まず、先ほど渡邉さんがおっしゃったように、法律としての表現を考えたときに、ほかの法律、例えば私の近くでいえば健康増進法ですとか労働安全衛生法とかと比べたときに、スポーツ基本法はある意味、自由度が高い。というか、表現の問題なんですけれども、逆に言うと、誰がいつ何をするかというところに関しての努力義務とか義務という規定まではなかなか踏み込めないかもしれませんが、もう少し、そこをしっかり表現していかなければ、地方の行政担当者が「やらなきゃいけないみたいだけれども、やらなくてもいいみたい」なことを言っていたのです。ですから、どこまで強く打ち出すかは検討の必要はあると思うんですけれども、期待するという意味合いの表現よりも、努めるべきである(努力義務)という表現、そして推進主体として誰が何を努めるのかというような、少し表現の工夫があった方がいいのではないかという印象を持っております。

今日私がお伝えしたいことは3つほどあります。まず学校、地域の子供たちのことですけれども、先ほど髙橋委員も言われていたように、学校の教員における資質向上というのは確かに大事なことだと思うんですけれども、私は医師として、疲弊してしまった教員や保護者を診ております。教員たちも、もういっぱいいっぱいです。改めて、この資質向上のための研修を受ける余裕はない教員が多いと思います。そういう人が病院に来るからかもしれませんが。

各論を見ていたときに、小学校で言うと体育専科教員採用率が8%台です。でも、3年前に比べて、余り伸びていないですね。そこをどこら辺まで持っていこうと思われているのかということと、どういう人が体育専科教員になっているのかということも、少しまだ見えてこなかった。中高でいうと部活動です。部活の専門種目の経験もない教員が、そこに監視のためにいて、土日も付いていて、もう自分の時間が全くなく、疲労こんぱいして病気になっているという現状があります。外部の指導者を活用すると書いてありますので、もっとそこをどんどん進めてほしいんですけれども、進んでいかない何か壁があるのかなというところが疑問です。

それと、総論の1のところで、学校体育・部活動・地域スポーツの連携という記載があります。確かに連携は大事なんですけれども、もう一つ、すみ分けすなわち役割分担は考えていらっしゃらないのか。つまり、部活動は学校教育の一環と言いながら、日本では人間形成の目的ということにされていますけれども、海外では必ずしもそうじゃないというのがあるようです。なのに、日本の部活動は人間形成目的と言いながら勝負にこだわる部分もあって、そこで運動をやり過ぎて壊れていく子も一方ではいるという側面をどう見ていくのか。学校体育・部活動・地域スポーツの連携並びにすみ分け的なところをどう考えていらっしゃるのかというのが少し疑問があります。

それから、2つ目、ライフステージに応じたスポーツ活動のところで、スポーツは医療費を抑制できる可能性は確かにありますけれども、スポーツを振興すれば、それが短絡的に医療費削減につながるということは、余りにもシナリオとしては単純過ぎて、実際、スポーツをやり過ぎれば障害が起きて、そっちの医療費も掛かってくる可能性があるので、安全対策というものは絶対に十分やっていかなければいけないんです。

各論を見ていくと、AEDの設置とか、つまり事故が起こった後の対応について、しっかりできるようにすると書いてあるので、そこも確かに大事なんですけれども、もう一つ手前の、事故を起こさないための施策に関して、メディカルチェックを含めた予防的な施策が必要だと思うのです。

その際に、やはり基本計画にはスポーツドクター等との連携と書いてありますけれども、そういった医師の中にもスポーツに関する教育、研修を受けているドクターがいるということで、そういったドクターの活用を積極的に進めていただきたいということです。お手元の追加資料ですが、日本医師会の健康スポーツ医学委員会が2年ごとに答申を出していまして、今回、スポーツ庁の健康スポーツ課の方の御協力も得て平成26・27年度の答申が出来ました。

これは日本医師会内部のものだけではなくて、産学官すなわち外部に向けても発信をしているので、お忙しいと思いますけれども、是非、一度、御一読いただきたいということと、スポーツドクターの資格としては現在4種類あり、日本医師会とか日本体育協会、日本整形外科学会、もう一つ、日本障がい者スポーツ協会が障害者スポーツドクターを養成しています。そういった人材もドクターの中にはいるということを知っていただければと思います。

もう一点、最後、住民の参画のところで、総論には出てきていないんですけれども、基本計画の中で唯一、固有名詞として、スポーツ推進委員というのがあります。私は、これはどういう方たちなのか、よく存じませんが、以前は体育指導員と言われていたそうです。唯一、基本計画の中に固有名詞として挙がってくるスポーツ推進員は市町村の委嘱によって任命されると書いてあります。どういう教育を受けた、どういう資質のある人がなっているのかを、私は知りませんけれども、そういう人が基本計画の中に挙がってくるということは、その方たちにかなり負うところが多いでもボランティア的な形と書いてありますので、そのスポーツ推進員のあり方、教育といったものを今度どうされるのかというところをお伺いしたいと思って来ました。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。境田委員、お願いします。

【境田委員】  弁護士の境田でございます。

まず1つは、スポーツ団体のガバナンスというところでございます。この資料の18ページにございますとおり、平成26年度に文科省が委託事業でスポーツ団体のガバナンスに関する協力者会議というものを開催されて、私、その委員として、大体、20団体ぐらいのいろんなスポーツ団体を回らせていただいて、そこで実際、どういう業務をされているのか。また、本来、NFはどういう業務をするべきなのかというところを調査して、そこのガイドライン本というものを1年ぐらい掛けて作らせて、NFに配付させていただいて、勉強会などをやりました。

実は、そのときの、これはちょうど作り終えた後にバスケットボールの制裁問題というのが起きて、我々、これを作ったときは、こういうスポーツ団体の不祥事が起きないようにと作ったんですけれども、あれで結局、国際大会に出られないという大きなペナルティーを受けることになって、そのときは、こういった本を作ったときは、そういったことは想定はしていませんでした。

それで、今回のバスケットボールの制裁案件の経験を通じて得たことは、実はIFです。International Federation、そこの求めるガバナンスというのは、我々が想定していた以上に、結構、重たいんです。例えば、FIBA、国際バスケットボール連盟は、要はNFに対してMaintains Full Control and Governance of Basketball in their Countryということで、要は、日本バスケットボール協会というNFがある。その下にプロリーグがあったり、それから各都道府県協会があったり、連盟があります。そこを完全にFull Controlしようと。いわば、もう強制的に言うことを聞かせろという話なわけです。かつ、それをIFはNFにそういうふうに言うと。そういったルールの中で活動していかなきゃいけないわけです。バスケットボール協会は、2つのリーグがあると。これはおかしいと。Maintains Full Controlしていないよね、じゃ、制裁だということで、そういう制裁がされたわけです。

だから、IFのガバナンスというものをもう少し意識して、国内ガバナンスも構築していく必要があるというのは、これは1つ、私が得た教訓で、今後、このガバナンスのところも、もう少し、そういったことも考えながら、ほかのIFがどうなっているか、私も全部は調べていませんが、そういうところもきちんと考えていかなきゃいけない。

あと、私が1つ、経験したのは、例えばFIBAは、理事長のコントロール、NFの理事長、会長は任期4年にしろと言うんです。ところが、日本の公益財団は、法律で2年なんです。日本はできないと言ったら、いや、それは認められないと言って、そこもすごく争いになるわけです。だから、IFのルールメイキングのところにきちっと日本人が意見を言うというのが必要で、先ほど上治委員がおっしゃったように、IFのボードとか、少なくとも事務局にいつも人を出して意見交換をするという体制がすごく重要かなというのが1つの経験でございます。

それとあと、私もFIBAの幹部の方と何度も打ち合わせしました。彼らが一番言っていたのは、トップリーグだと。トップリーグと協会が一緒になってマーケティングをして、規模を拡大して、先ほど馳大臣がおっしゃったようにバリューを上げて、お金を稼げる構造にしろと、こういうふうなことでした。

それで、今、今年の9月に発足するBリーグということをやっておりまして、制裁前に比べると、今、NBLとbjと2つのリーグがありますけれども、スポンサー収入は恐らく10倍以上になります。それから、恐らく協会のスポンサー収入も倍以上、3倍ぐらいになるかなというふうに思っています。こういう形で、新しいプロリーグを日本に立ち上げていきたいと思うんです。

実は、そのときにネックになっているのがアリーナなんです。それで、今、ある県では、1万人収容のアリーナを作ろうとしていると。そうすると、1万人になると、1試合で1人平均3,000円としても、3,000万円の収入があるんですけれども、45のクラブチームが今回参加しているんですけれども、あるクラブは、もう1,000人しか入らないとかがあるわけです。1,000人のアリーナというか体育館だと、もうたかが、収入は稼げるので、そこでビジネスを回していくというのは極めて厳しいんです。そういうことで、アリーナというものが、本当にこれからプロ競技を日本で普及させるにはすごい重要でございます。

それで、この地域スポーツ振興というところの、今年の2月にそういった、10ページです。資料3-2の10ページですが、本年2月にスポーツ未来開拓会議を設置し、スポーツ産業の活性化等を目指す中で、スポーツ施設のプロフィットセンター化について検討を開始するとありますが、まさにここが、非常に今後、重要になってくるのかなと思います。ここはやはり自治体の協力とか、あと国の協力とか、あと地域を巻き込んだムーブメントとか、いろんな要素がありますので、こういったところも、今後、引き続き支援していただければと思います。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。佐藤委員、お願いします。

【佐藤委員】  佐藤です。

先ほど委員の方々がおっしゃったことですが、スポーツ基本計画を拝見させて頂き、私自身も良く出来ていると思います。スポーツ基本法の前文には、「スポーツは、世界共通の人類の文化である」の言葉から始まっています。それではスポーツは文化であるとは何かというと、常に生活に密着しているとか、身近なところにスポーツが存在するということだと私は思います。その観点からこの基本計画というものを見ますと、1章の「スポーツを通じて、全ての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会の創出」を目指すことを掲げ、今後5年間の政策目標として、1番「子供のスポーツ機会の充実」、2番「ライフステージに応じたスポーツ活動の推進」、3番「地域のスポーツ環境の整備」、4番「国際競技力向上に向けたスポーツ環境の整備」など、それぞれ環境に関する整備について目標が掲げられています。

実際、果たしてその環境の整備が具体的に進められているかと見ますと、私は疑問に思いますし、まだまだ十分でないと考えます。先ほど子供の体力についての評価等がありましたが、なぜなかなか上がらないのか。結局はスポーツの環境や機会が子供たちにしっかりと提供されていないということが明らかだと思います。それをどう具体的に進めるかというのが見えてきません。

前回、私自身の自己紹介の時に私の子供の環境を伝えましたけれども、私は神奈川県に住んでいます。先ほど髙橋先生から神奈川県の体力は全国最下位ということをおっしゃっていたと思いますが、そのデータは本当に有効なデータなのか、私は少し疑問に思います。私の故郷は秋田県ですが、秋田県は上位に位置づけられています。しかし、人口からみますと、神奈川県は人口が大変多く、おそらく体力のある子供達も大変多くいると思います。私の子供は体力が抜群にあります。同様に体力のある子供達は他にもたくさんいます。しかし、体力のない子供も神奈川県にたくさんいるのも事実です。

小学校から中学受験のため、スポーツを全くしない子供が多くいます。すなわちそれは私の故郷秋田県とは環境が全く違い、都会はまさしく二極化の環境にあると言わざるを得ません。最近、地方もその傾向にあると思いますが。ですから、一概に各都道府県の体力テストのデータだけで全国上位下位でスポーツの取り組みを評価しても難しいかもしれません。スポーツも二極化、そして勉強も二極化。幼少期のスポーツと勉強における環境、やはりこれらの根本の原因と思われる日本の教育のシステムを変えていかない限り、大変厳しいと思います。この問題を解決する上でも、全ての子供達がスポーツをするための機会と環境の提供をいち早く教育のシステムに具体的に組み込むことが重要と強く思っております。

また。2013年の東京の体力テストでは、富裕層の多い中央区と港区の子供は運動能力が高いというデータが出ていました。それはどういうことかというと、幼少期からスポーツクラブに通える子供が有利になっているのです。すなわちお金を掛けているということです。神奈川県も同様です。学力テストにおいても勉強も通塾の費用が負担できるかなど勉強ができる環境、すなわち年収が高い家庭の子どもほど教科の正答率が高いという事実があります。しかし、このような環境を我々は果たして見過ごしていいかということです。公園や遊び場があっても、子供の自発的な外遊びが減っています(難しくなっています)。体力格差、学力格差を改善するためには、具体的な形で公的に用意する努力が必要です。 前回の自己紹介でも話しましたが、私の子供たちはテニスやサッカーを行っていますが、私も必死になって通わせています。長官はスイミングクラブに通っていました。そこにはお金に支払いが生じますし、親の時間も奪われています。しかし皆さん、そのような環境に行けない子供達をどうしますかということです。特にそれが都会には多いと感じています。勉強についても同様です。

能力のある子供たちは学校にたくさんいます。そうであるならば、私がこの中で強く言いたいのは、やはり学校の施設をさらなる開放に向けていかなくてはいけないということをスポーツ基本計画の中で議論する必要があると思うのです。開放時間の問題、利便性の追求、その中で国が安全の確保をどのように担保するのか。先ほど泉先生がおっしゃいました日本体育協会で行っておりますアクティブ・チャイルド・プログラムなどをうまく組み入れて活用するとか。これらを各自治体に対してモデルケースとして取り組んで頂き、全国的に広げるなど、基本計画の中で目標や推進、充実という言葉が多く用いられていますが、具体的にどうするかというのはなかなか見えてきていないというのがこの基本計画の中で強く感じていますので、取り組んで欲しいと思います。

次に大学の授業の問題ですが、現在私は専修大学にいますけれども、体育を必修から外そうという傾向が非常に強くなっています。実際、2年前のカリキュラム改正の時ですが、改正前は実技2単位と理論2単位は必修でしたが、実技は選択、必修は理論だけでいいと。我々は実技なくして理論はないということ、スポーツをすることの必要性を主張し、結局は必修として実技2単位を確保、理論2単位は選択となりました。大学当局のスポーツへの理解度がないのが残念でなりませんでした。将来におけるスポーツと健康を考えた場合、大学体育実技の必修化は重要と考えます。

また大学スポーツのあり方ですが、私自身は大学のスポーツ施設と地域への関わり方は大変重要と考えます。また大学におけるスポーツ系教員や運動部部員などの人材の活用についても話し合われなくてはいけないと。大学の強化と研究、地域に貢献できるための大学スポーツセンター等の設置を含め、地域の総合型のクラブなどとどのようにうまく連携し、具体的に進められるのか。地域としてスポーツが発展していかないと、スポーツというのは文化としても残らないと思うのです。アメリカの大学スポーツは、スポーツ施設を含めて地域に対しての存在は大きく、地域の活性化に貢献していますし、スポーツが文化として根付いています。参考にする価値はあると思います。

そして先ほど小学校の教員の問題もありましたが、私は授業の中でスポーツをする時間が本当に短いと感じています。具体的に言いますと、45分の授業の中でスポーツをどれだけ行っているかです。着替えて、体育館に行って、準備をして、話をして、実際にスポーツを行う時間は15分、20分という授業になることも多々あります。例えば、授業を5限、6限など2限続けて体育の時間にするとか、指導者の問題もありますが、授業の組み立てを含めて文部科学省との連携を考えていかなくてはいけないのかなと。子供のスポーツと勉強の環境、体育の授業、大学の役割などを話しましたが、これらを解決する上でも本日話がありました教育振興基本計画との関わりも大変重要となってきます。馳浩文部科学大臣の話されたデュアルキャリアにも関連しています。

基本計画では環境の整備を数多く挙げていますが、スポーツを身近な存在とするにはその環境が必要です。それを実現するためには、小中高大の学校開放を進めて、施設や時間の管理について地域住民などの協力を得ることです。学校と地域社会の連携を深めながら

スポーツの機会と環境を充実させることが重要と考えます。とにかく常に身近にスポーツがあれば、子供の体力は自然に増加します。握力など体力測定の話をしていますが、子供はまず神経系を育てることだと思います。授業や放課後にそのような要素を含んだプログラム等を提供し、楽しい中でスポーツが行われれば自然に体力も向上すると思います。そして将来的には専門的な体力を適時性に合わせて向上させることです。このプロセスが競技力向上にも繋がりますし、「スポーツは文化である」という身近な存在にもなると考えます。

議論を深めるためには、このような全体会議だけではなく、例えば7つの政策目標をテーマ別にするとか、文部科学大臣から6つの論点ということもありましたが、各先生がそれぞれ各分野の専門性を持たれていますので、分科会などで話をさせて頂ければと思います。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。高橋知事。

【高橋(は)委員】  ありがとうございます。

まず1つは、国がスポーツ庁を発足させて、スポーツ行政というものを権限、予算も含めて、しっかりやっていくと。これからこの計画に基づいてやられるということの議論の中で、やはり我々、地方自治体の地域や地域の人々のスポーツに対する対応の重要性ということを改めて認識をさせていただいたところです。これからも、しっかり勉強をさせていただきたいと思っております。

加えて、先生の話であるとか、いろいろ出てまいりました。スポーツを楽しむということ、これはやはりとても重要なことと改めて思っております。私自身、実は小中学校のときは体育は大嫌いであり、50メートル走をやると必ずびり、ボールを投げても、必ず、一番距離が短い、握力もない。もう全てびり、びりであり、本当に体育は1日でも少なければいいとずっと思っておりました。しかし、大学生活を経て社会に入り、会社の仲間あるいは家族、主人などと、例えば皇居の周りをゆっくりと走って、その後に飲むビールもとてもおいしい。それから、仲間と一緒にテニスなどに行って、これも下手ですが、それぞれのレベルに合わせて、みんなで楽しくやる。スポーツはこんなに楽しかったんだと私自身が知ったのは、やはり社会人になってからだと思います。

それは小中学校時代の先生方のせいにするつもりはさらさらないのですが、スポーツというのは楽しいということを小さいときから子供たちが身に付けるということはやはり重要と思った次第です。

そういう観点から、この資料3-1の今後5年間の政策目標のところなどを見ながら、幾つか申し上げさせていただきますと、まず、3の住民の方々が主体的に参画する地域のスポーツ環境というところで、総合型地域スポーツクラブをもっと充実していくということが掲げられているところです。もちろん学校の先生の役割も大きいわけですが、お父さん、お母さん、父兄の方々、おじいちゃん、おばあちゃん、また地域の周りの住民の方々とともに子供たちが、あるいは御高齢の方も含めて、身近なスポーツをする環境整備というものは、これは私ども自治体も関与する形で、是非、もっと進めていかなければならないと思いますので、こういったことについて、国としての支援をさらに充実していただければという思いもございます。

それから、これはどこに入っているのか、7と関連するのでしょうか。プロスポーツについて、いろいろな御意見はあろうかと思いますが、北海道ですと、10年ぐらい前に、日本ハムファイターズが東京から移転をしてまいりました。今、北海道日本ハムファイターズと言っておりまして、このようなプロスポーツが大変身近になることによって、北海道は冬場も長いし、雪の上だと白球は見えないということもあって、野球少年は余り多くなかったかと思いますが、こういうプロスポーツが身近に、選手を札幌の街なかで見ることもできるという環境の中で、札幌ドームに行けばプロのスポーツが見られるという中で、子供たちが、僕たちも頑張ろう、または私たちも頑張ろうという、そういう機運が少しずつ出てきたのではないかと思います。

北海道の場合には、サッカーもバスケットボールも、プロチームがあるわけですので、こういった地域のスポーツ振興や、先程お話しした楽しむという観点からの子供たちへの啓発などの意味では、なんらかの位置付けがあっても良いのではと、地域からの見方ですが思います。御参考になればと思います。

以上です。

【山脇会長】  ありがとうございました。

それでは、時間も押しておりますので、最後にしていただいて、あと、じゃ、鈴木委員と、それから山本委員はきょう、御発言がありませんので、できるだけ要点をよろしくお願いいたします。

【鈴木委員】  それでは、1点だけコメントさせていただきます。

7つの柱の6つ目にドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平、公正性の向上ということを挙げていただいたおかげで、日本のドーピング違反というのはスポーツ界では非常に少ないという状況にあります。しかしながら、アンチ・ドーピングも含めたスポーツの公平、公正性というのは、先ほど出ておりましたスポーツの高潔性というところにつながり、さらに、これは社会的な影響も非常に大きいというふうに考えます。

したがいまして、スポーツ界にとどまらず、広く教育、そして地域等のスポーツ活動においても、スポーツの公正性、公平性、スポーツの価値とは何かということは、やはり広く伝えていくべきではないかというふうに思います。

その観点で、例えば3のところに住民が主体的に参加する地域のスポーツ環境の整備とございますけれども、ここに出てくるグッドコーチ育成、このコーチの育成ということに関しましても、この中に、先ほど馳大臣もおっしゃっていた人間性というところで、スポーツの公正性、公平性、アンチ・ドーピングも含めていただいて、そういったことを是非盛り込んでいただくというふうに、幅広く、この問題に取り組んでいただきたいと思います。

ありがとうございました。

【山脇会長】  ありがとうございます。それでは、山本委員、よろしくお願いします。

【山本委員】  先週、経団連でオリンピック・パラリンピック等推進委員会というのがございまして、その中身をちょっと御紹介させていただきたいと思います。

委員会の構成としては大きく2つございまして、第1部の方がパラリンピアンの水泳の河合純一さんの御講演と寺川綾さんの御講演がありました。2つ目の柱として、経団連として、これからどんな動きをしていこうかという議論をさせていただいたというものであります。

御講演の内容はともかくとして、河合さんのお話も寺川さんのお話も、ものすごく心に響くんです。一流のアスリートの方の御講演というのは人を動かすというか、140人以上の方が聴講されていたんですけれども、涙する方もいらっしゃるぐらい感動的なというか、いいお話を頂戴しました。

そこで経団連として、改めて分かったわけでありますけれども、今申しましたように、極めてアスリートの方の言葉というのは重みがあるということで、経団連の会員会社の人間プラスアスリートの方々で、一緒になっていろんな活動をしていこうよということを決めております。

まず、その活動のコンセプトでありますけれども、主役はアスリート、アスリートファースト。あるいは国民だということにベースの考え方を置いてありまして、その中でも、メジャースポーツではなくて、注目されることの少ないスポーツ、あるいはアスリート、あるいは若手、あるいは裏方の方々、スタッフの方々に光を当てる、評価する。それを広く皆さんにお伝えすることで、国民全体が幅広くスポーツに対する理解を深めてもらえるんじゃないか。応援するムーブメントが出てくるんじゃないかというような動き方をしていこうということを決めました。

具体的な事例としては、4月の7日か何かから動くんですけれども、トヨタ自動車の豊田社長と室伏広治さんが御一緒になって、2人で東北を回られるということが決まっておりまして、この経団連のこの委員会の広報委員長を務めていらっしゃいますパナソニックの長榮会長も、アスリートの方とどこかへ動いていただける。各参加企業のトップがアスリートの方とそういった動き方をしていこうということを決めております。

経団連というと、今まではサポートするとか、支えてあげるよみたいな意識、見られ方をしているんじゃないかと思うんですけれども、そういう上から目線じゃなくて、実際に現場に足を運んで、地元の地域の方々といろんなコミュニケーションをとって、アスリートの方の一挙手一投足の重みを直に感じていただいて、その上で、今までのいろんな恩返しだとかというような気持ちを伝えていけるということを目標に、これからの活動をしていこうということでございます。

具体的なものはこれからどんどん決まってまいりますけれども、とりあえず、こういった形で、経団連として動きをスタートしたよということを御紹介させていただきました。

【山脇会長】  どうもありがとうございました。

それでは、まだ全体の話でお話が足りない方もあるかと思いますが、もし、きょうのいろいろなお話を聞いて御意見がありましたら、別途、事務局の方に、メールでも何でも結構ですので、言っていただければというふうに思います。

それでは、本日、このいただきました御意見、それから、これから追加でいただきますような御意見を参考にしまして、今後、審議会をどういうふうに進めていくか、この改訂に向けてどういうように進めていくかということを検討したいと思いますので、事務局においては、少し取りまとめと今後の方向性というのを準備を進めていただければというふうに思います。

本日、予定した議題は全部終了いただきましたけれども、長官にずっと来ていただいて、御発言をいただいておりませんので、最後になって申し訳ございませんけれども、締めというか、お願いします。

【鈴木スポーツ庁長官】  皆さん、きょうは活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。中には胸がすかっとするような御意見もいただきましたし、胸にぐさっとくるような御意見もいただきました。まだまだ本当に議論の時間が足りないというのが正直なところで、新年度以降、部会を設置し、集中的に審議していくということになるかと思います。

いろいろ冒頭、大臣からも6つの論点を御指摘もいただきましたし、きょうはいろいろとお話をいただいたんですが、1つは、子供の体育の問題ですとか指導者の問題。子供の体力に関していえば、スポーツ選手が今、高度化したり、あるいは早期にトレーニングに入ったりしてきますので、8歳で運動をやめられるという方も多いということで、体力自体は全体的に伸びているけれども、二極化しているのではないかとか、それから、平均値で見ないで標準偏差で見なきゃいけないとか、実際、一部の人が平均値を押し上げているんじゃないか。いろいろな点がありました。また、嫌いな人に対してどういうふうにアプローチするのかとか、体育教員の専科とか、子供の体力1つとっても、大変いろいろな問題点があるんではないかということで、また次回以降、あるいは部会で細かいところを御議論いただきたいというふうに思います。

本日はありがとうございました。(拍手)

【山脇会長】  どうもありがとうございました。事務局は何かございますか。

【澤川スポーツ庁政策課長】  特にございません。

【山脇会長】  それでは、次回の日程につきましては、別途調整の上、事務局の方から後日、連絡をしたいと思います。

それでは、本日はこれにて終了いたします。皆さん、どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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