スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会(第1回)

スポーツ国際戦略部会(第1回)議事概要 平成29年10月4日


【今泉国際課長】  皆様、おはようございます。定刻よりも少し早いですが、本日御出席の皆様お集まりでございますので、始めたいと思います。
 それでは、ただいまから第1回スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会を開催したいと思います。皆様、大変お忙しい中、御出席ありがとうございます。本日は本部会の最初の会議に当たりますので、後ほど部会長をお決めいただきますが、それまでの間、便宜的に私、スポーツ庁国際課長、今泉の方から議事を進めさせていただきたいと思います。
 まず初めに、本日の配付資料及び議事次第の確認をさせていただきたいと思います。皆様、お手元の議事次第をご覧いただけますでしょうか。1に議題がございます。2に資料1から資料7まで資料名が書いてあります。ざっとお手元の資料を御確認いただいてもよろしいでしょうか。もし不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 なお、本日、皆様のお手元に旅費・委員等手当調査票を配付させていただいております。こちらにも後ほど御記入いただきまして事務局まで御提出いただければと思います。
 それでは、初めに本日御出席の委員の方々から自己紹介をお願いしたいと思います。五十音順で有森さんからお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【有森委員】  皆さん、おはようございます。有森裕子です。今現在、スペシャルオリンピックス日本の理事長をやらせていただいております。そして、ハート・オブ・ゴールドという認定NPO法人の理事もやらせていただいております。今回はいろいろとまだまだ勉強不足なところもありますが、この委員会に来させていただいて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大塚委員】  日本トライアスロン連合の大塚と申します。よろしくお願いいたします。おはようございます。国際トライアスロン連合の方の副会長もやらせていただいております。IFと日本のスポーツ界、又はそういう人材、国際戦略を私の方で持っている知識をできる限り活用できるように頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小野寺委員】  日本体育協会国際課の小野寺と申します。このような会議に出るのは初めてですので大変緊張しておりますが、日本体育協会としてお話しできること、御協力できることをしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【大日方委員】  おはようございます。大日方邦子と申します。日本障害者スポーツ協会、日本パラリンピック委員会の運営委員、そして日本パラリンピアンズ協会の副会長等を務めさせていただいております。現在、日本障害者スキー連盟の理事等もやらせていただいておりまして、パラリンピアンの立場からどのような貢献が国際的なことでできるのかということを是非お話をさせていただきたいと思っております。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
【斎藤委員】  おはようございます。IMGの斎藤麻美と申します。今、IMGではオリンピック関連のスポンサーの方のお世話をする担当をやっております。これまで2016年のオリンピック招致から始まって、2018年と2020年、あと2024年と4つの招致に関わってきました。なので、そういったところから現場の生の情報を皆様とシェアできたらなと思っております。よろしくお願いいたします。
【境田委員】  東京大学の理事で弁護士の境田と申します。あと、日本バスケットボール協会の理事とBリーグの理事もやっております。約3年前に日本バスケットボール協会が国際バスケットボール連盟から制裁を受けた際に、その制裁の解除に向けて国際バスケットボール連盟と様々な交渉を重ね、その後、Bリーグの設立に向けても彼らと協力して実現したという経験がございます。そういった経験から得た知見などにつきまして、この会でご紹介させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【篠原委員】  おはようございます。福岡県の篠原でございます。名簿には人づくり・県民生活部という大変聞きなれない部署名だと思いますけれども、スポーツを所管している部でございまして、私も昨年まではスポーツ振興課の課長をしておりまして、現在は福岡県で開催されますラグビーワールドカップの開催推進委員会事務局長を務めているところでございます。自治体、地方として国際戦略を行う上でいろいろな課題がございますので、そういったことをこの場でいろいろ共有させていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【清水委員】  おはようございます。筑波大学副学長教育担当の清水諭です。SFT事業ではスポーツ国際アカデミーを行っています。それから、筑波大学にはもう一つ英語で学修するマスターコースとしてIDS、スポーツを通した国際開発と平和に関するプログラムを展開しています。教育、それから国際貢献という立場から発言できればと思います。よろしくお願いします。
【野口委員】  おはようございます。日本貿易振興機構JETROの理事をしております野口でございます。よろしくお願いいたします。国際ビジネスの支援を通じたスポーツ産業の振興に努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
【鈴木委員】  おはようございます。独立行政法人国際協力機構JICA理事の鈴木でございます。JICAは皆様御存じのように途上国の開発、人々の育成といったものに携わっておりますが、特にセーフティーの観点ではJICAボランティア、青年海外協力隊、スポーツの隊員を多数海外に派遣し、かつ、様々な形で途上国のスポーツに貢献をしていきたいと思っております。今回もこの国際戦略部会ということで、是非我々の途上国におけるスポーツ開発、どのように日本として戦略的に行えるのか、そこを議論させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【田邉委員】  おはようございます。日本大学の田邉陽子と申します。今現在は日本アンチ・ドーピング機構の理事、そして全日本柔道連盟の理事を仰せつかっております。スポーツのインティグリティーということで教育、啓発、アンチ・ドーピングを通した教育啓発の方にも深く関わっております。そのような立場でも御意見をしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【原田委員】  早稲田大学の原田と申します。今日は日本スポーツツーリズム推進機構の代表理事という立場で参加させていただいています。JSTAといいますが、インナーの政策では日本全国にスポーツコミッションを作ろうということで、スポーツ庁さんと一緒に協力して仕事をやっています。アウターの国際的なところでは、スポーツアコードにJSCと組んでいろいろな自治体を共同出展、来年の9月には中国の北京である氷雪産業、スキーとスケートですね、これの展示会にオールジャパンで出展を試みようと考えております。よろしくお願いいたします。
【前原委員】  日本卓球協会の前原と申します。よろしくお願いします。現在、国際卓球連盟の副会長と、そして日本オリンピック委員会のナショナルコーチアカデミーの専任ディレクターを仰せつかっております。競技団体の立場でいろいろ発言ができればというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
【安岡委員】  日本パラリンピック委員会の安岡と申します。安岡由恵(なおえ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。パラリンピックがスポーツの枠組の中に行政の中で取り入れていただきましたのが2014年、国際戦略を考えられるようになったのはそれからということですので、私どもも国際戦略、まだまだこれからではあるのですけれども、IF役員の選出、それから国際貢献、アンチ・ドーピング、それぞれJPCの中では国際課が担当させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
【山下委員】  Jリーグマーケティングの山下と申します。Jリーグは全国54クラブ38都道府県に広がっておりまして、スポーツという特性を踏まえて海外と地域をつなげることができると思っていますので、そういう活動でスポーツを通して日本全国を元気にしていく、企業のアウトバウンド、観光客のインバウンドなどにも貢献できればと思ってやっております。なお、先週、私はバヌアツに行かせていただいておりまして、JICAさんに大変御協力を頂きまして、バヌアツの子供たちにJリーグのクラブのユニフォームを600枚近く配ってくるというような活動もさせていただいております。ありがとうございます。
【今泉国際課長】  どうもありがとうございました。また、本日御欠席されておりますが、このほか秋元札幌市長、長ケ原神戸大学教授兼関西ワールドマスターズゲームズ評議員、宮嶋テレビ朝日スポーツコメンテーター、來田中京大学教授、和久JSC情報国際部長、この5名の方々が委員となってくださっております。御紹介申し上げます。
 また、本部会においては、スポーツ審議会総会の委員の皆様にも御案内を差し上げております。本日は御欠席はございませんでしたけれども、御都合のつく限り、総会委員の皆様方にも御参加いただく予定で考えているところでございます。
 それでは、続きましてスポーツ庁からの出席者を紹介させていただきます。
 鈴木大地スポーツ庁長官です。
【鈴木スポーツ庁長官】  おはようございます。よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  今里スポーツ庁次長です。
【今里次長】  よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  藤江スポーツ庁審議官です。
【藤江審議官】  よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  平井スポーツ庁総括官です。
【平井総括官】  平井です。よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  澤川スポーツ庁政策課長です。
【澤川政策課長】  澤川です。よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  最後に、本部会の事務を担当いたします、私、スポーツ庁国際課長の今泉です。よろしくお願いいたします。
 それでは、次に本部会の所掌等について御説明申し上げます。資料2-1、2-2をごらんいただけますでしょうか。
 まず、資料2-1でございます。御存じのとおり、この部会につきましては、スポーツ審議会の下に置かれる部会でございます。所掌事務といたしましてはスポーツ審議会の所掌事務がこちらにありますとおり、スポーツ庁の諮問に応じてスポーツの振興その他のスポーツに関する施策の総合的な推進に関する重要事項を調査審議すること。上記の重要事項に関し、スポーツ庁長官に意見を述べることというふうになっております。この重要事項の中に注の1の3つ目のポツですが、スポーツを通じた国際交流・国際貢献というものが入っているところでございます。
 おめくりいただきまして、参照条文をごらんいただきますと、特に3ページ目でございますが、スポーツ審議会令の第五条のところに部会がございまして、審議会には部会を置くことができると。そして、そこには委員、臨時委員、及び専門委員を会長が指名するという形になっております。そして、この部会には部会長を置き、部会に属する委員の互選によって選任するという形になっているところでございます。併せて、この部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が部会長代理としてその職務を代理するという形になっているところでございます。
 資料2-2をご覧いただけますでしょうか。先ほどご覧いただきましたスポーツ審議会令第五条の規定に基づきまして、本年7月7日にスポーツ審議会の方で2つの部会の設置を決議されております。そのうちの一つが本部会でございまして、スポーツ国際戦略部会という名前でございます。所掌としてはスポーツの国際交流、協力において戦略的な推進に関して調査審議することというふうになっているところでございます。
 簡単でございますが、本部会の所掌につきましては以上でございます。
 それでは、続きまして本部会の部会長の御選任をお願いしたいと思います。部会長の選任につきましては、ただいま御説明申し上げましたとおり、資料2-1の3ページにございますスポーツ審議会令第五条第3項の規定によりまして、部会に属する委員の互選によって選任することとされております。どなたか御推薦いただけませんでしょうか。よろしくお願いします。
【大日方委員】  失礼します。私からは田邉陽子委員を是非部会長にお願いしたいと思います。スポーツ基本計画の策定に当たりましたスポーツ審議会の総会でも大変議論をリードしていただきましたし、国際的な状況、そして日本国内の状況全てに精通していらっしゃるということで、大変適任だと思いますので御推薦いたします。よろしくお願いいたします。
【今泉国際課長】  ありがとうございます。ただいま大日方委員から部会長に田邉委員の御推薦がありましたが、皆様、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
【今泉国際課長】  ありがとうございます。それでは、田邉委員が部会長として選任されました。恐れ入りますが、田邉委員には部会長席にお移りいただくとともに、一言御挨拶を頂ければと思います。
【田邉部会長】  皆様、おはようございます。ただいま部会長を仰せつかりました田邉陽子と申します。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて、日本の国際的なプレゼンスを高める絶好のチャンスだと捉えております。皆様の専門的なお立場での御意見を頂き、是非この部会が活発になり、そして最終的なまとめをしていけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
【今泉国際課長】  それでは、今後の議事進行につきましては田邉部会長にお願いしたいと思います。
【田邉部会長】  それでは、早速ですが、まず部会長代理を決めさせていただきたいと思います。部会長代理は、部会長に事故等の不都合があるときに職務を代理していただくことになります。部会長代理の選任につきましては、資料2-1の3ページにございます。スポーツ審議会令第五条第5項の規定により、審議会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされております。
 そこで、私としては境田委員にお願いしたいと考えております。境田委員は弁護士としてもお務めの傍ら、東京大学の理事を務めていらっしゃいます。また、スポーツ審議会総会の委員としてもスポーツ政策全般に深く関わっておられますことから、是非部会長代理におつきいただけたらと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【田邉部会長】  ありがとうございました。それでは、境田委員に部会長代理をお願いしたいと思います。恐れ入りますが、境田委員には部会長代理席にお移りいただくとともに、御挨拶をお願いいたします。
【境田部会長代理】  弁護士の境田でございます。大変重要な職務の任命を受けまして、田邉部会長をお支えして、この会というのは本当に重要な会だと思っておりまして、これから日本がスポーツにおいて世界貢献、協力していくための極めて重要な戦略を立案する場だと考えておりますので、是非力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
【田邉部会長】  それでは、次の議事に入ります。スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会運営規則(案)について事務局から説明をお願いいたします。
【今泉国際課長】  それでは、資料3に基づきまして、スポーツ審議会スポーツ国際戦略部会運営規則の案についてお諮り申し上げます。
 本部会の運営に関しまして詳細を定める規則でございます。要点のみ申し上げます。この運営に関しましては既にスポーツ審議会令及びスポーツ審議会運営規則というものがございます。そのほか、この部会に関して定める事項がこの今お諮りするものでございます。
 第二条におきまして会議の公開について定めております。会議については基本的に公開とさせていただきたいと考えております。ただ、人事に関する事項を決議する場合と、あと、部会長が公開することによって公平かつ中立的な審議に著しい支障を及ぼす恐れがあると認める場合、そのほか正当な理由がある場合については非公開とする旨の提案をさせていただきたいと思います。
 第三条でございます。会議の傍聴に関する定めでございます。基本的に会議の傍聴についても認めることとさせていただきたいと考えております。ただ、その際にはあらかじめ定める手続によって登録を受ける形とさせていただきたいと思います。
 第四条でございます。会議資料の公開についてでございます。基本的に本部会において配付いたします資料は公開しなければならない定めというふうにしたいと考えております。ただし、部会長が公開することによって公平かつ中立な審議に支障が生じると認める場合、そのほか正当な理由があると認める場合には全部又は一部を非公開とすることができるという定めを提案したいと思います。
 第五条が議事録の公開でございます。基本的に議事録についてもこれを公開しなければならない規定とさせていただきたいと思います。ただし、同じように部会長の判断によりまして一部非公開とすることができるという規定を設けさせていただきたいと思います。ただ、この非公開とする場合においても議事要旨を作成してこれを公開するという形にしたいと思います。そのほか本部会の運営に関して必要な事項が生じれば部会長が本部会に図って定めるという形にしたいと思います。
 最後、この規則についてでございますが、本部会の決定の日から施行することというふうに考えて提案させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【田邉部会長】  ただいまの説明について質問等ありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。
(「なし」の声あり)
【田邉部会長】  ありがとうございます。それでは、本部会の運営規則について原案のとおり決定したいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【田邉部会長】  ありがとうございます。
 これで本部会の発足に必要な手続は終了しました。
 それでは、ここで報道関係者等の入室を許可します。なお、本日は報道関係者より会議全体についてカメラ撮影を行いたい旨の申出があります。許可いたしますので御承知おきください。
(報道入室)
【田邉部会長】  それでは、スポーツ国際戦略部会の発足に当たり、鈴木スポーツ庁長官から御挨拶をお願いいたします。
【鈴木スポーツ庁長官】  改めましておはようございます。本日は大変お忙しい中、委員の皆様に全国からお集まりいただきましてありがとうございます。ちょっと座ったまま失礼いたします。
 スポーツ庁が創設されてちょうど2年たちまして、先日、3年目以降の話もさせていただいたところであります。我々、このスポーツ庁は、やはり全体としてスポーツの価値を上げていくということが究極の目標であろうというふうにも思っております。この2年間、スポーツの競技力の向上はもちろんなのですが、そのほかに国民の健康増進ですとか、あるいは部活動、学校体育のところ、そして障害者スポーツの振興、そして地域経済の活性化、そしてスポーツによる国際交流、国際協力ですね、こういったところを中心にやってまいりました。
 先日、文部科学省が第2期のスポーツ基本計画を策定したところですが、その中で、スポーツで人生が変わる。そして、スポーツで社会を変える。そして、スポーツで世界とつながる。そして、スポーツで未来を創るという指針を立てさせていただいたところでありまして、この2019年、20年、21年、国際的なスポーツのメガイベントが日本で開催されるということで、おのずと日本と外国との関わりが増えていくという中で、そういう中でこのスポーツの国際戦略をどう考えていくのか、様々な専門家の皆様にお集まりいただきまして考えていくということとさせていただきたいと思っております。
 きのう、クロアチアのスポーツ庁の長官のコステリッツ長官がいらっしゃいました。こちら、スキーのゴールドメダリストでありますが、やはりお話の内容は、もうスポーツの競技力向上は当たり前の話でありまして、そのほかにスポーツに何ができるかということに会話の中心が割かれたわけでありまして、スポーツに対する期待といいますか、諸外国もそういう関心も非常に高いし、我々は競技力向上以外に何ができるのかというところに焦点が移っているというふうに思っております。
 この中で有森さんと、あとサッカーの田嶋さんと私で、数年前に外務省さんが主催のスポーツ外交の有識者会議というのをやらせていただきまして、私自身はその中で、当時は水泳連盟の関係者でしたが、外国に行って、正直、飲み水に苦労している国があると。そういう中で、水泳どころじゃないんですね。そういう環境が世界では当たり前のようにあって、私はオリンピックのチャンピオンと名乗っていいのだろうかと、そういう話をさせていただいたんですね。当然、試合の中では同じルールの下で勝敗を争うわけなのですが、それ以前の環境が本当に公平なのかとか、平等なのかと、いろいろ考えさせられるところがありまして、その辺から私の国際的な諸問題の出発点があるわけですが、今、日本が諸外国に対して何か協力する、そういったことを日本にどうフィードバックするのか。国際協力ばっかりして、国内のことを考えろという声もあります。今回はそういう協力をして、それがどう国内に対して還元できるのか、そういったところも含めて、スポーツが世界に対して何ができるのか、何をすべきか、皆様から忌憚のない御意見を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移ります。スポーツを通じた国際交流等の現状と課題について事務局より説明をお願いいたします。
【今泉国際課長】  失礼いたします。それでは、スポーツを通じた国際交流等の現状と課題について御説明申し上げたいと思います。まず、スポーツを通じた国際交流につきましては、スポーツ基本法の前文の中で、国際相互理解を促進し、国際平和に大きく貢献するなど、我が国の国際的地位の向上に極めて重要な役割を果たすというふうになっているところでございます。これを踏まえまして、これまで行ってきた施策としては大きく4点ございます。まず1点目は、国際競技大会を通じた我が国のスポーツ並びに経済、社会の発展でございます。ここにおいて国際的な観点で言うと、まさに国際的な競技大会の積極的な招致なり開催の支援等がございます。
 2番目に、国際的な地位の向上、プレゼンスの発揮につきましては、国際競技団体、いわゆるIFに対する役員等の派遣でございます。あと、オリ・パラムーブメントの促進、これも入るかというふうに考えております。さらに、国際的な大臣会合等の参加、又はその開催、主催、そういうものも入ってくるかと考えております。
 3番目が国際交流の各事業についてでございます。これに関してはスポーツ庁にはスポーツ・フォートゥモロー事業というものがございまして、その取組を行っているところでございます。もちろん、JETROさん、JICAさん、外務省さん、それぞれ行っていらっしゃるスポーツに関する国際交流の各取組もあるところでございます。
 4番目がスポーツの高潔性の確保、いわゆるインティグリティーの確保でございます。この観点では、アンチ・ドーピング活動の推進を行ってきているところでございます。
 おめくりいただきまして、これらのスポーツに関する国際展開を進める事業といたしましては、スポーツ庁は、スポーツ国際展開基盤形成事業というものを設けております。本年度予算においては約1億円の予算で実施しているところでございます。3つの分野に分かれておりまして、1つ目は赤字のところでございますが、基盤形成をするものでございます。ここもお金の中で、例えばネットワーク形成なり大臣会合等への参加なり、又はJSCさんにローザンヌの海外拠点の設置に関する調査研究というものを行っていただいているところでございます。それ以外にIFの役員ポストとして各NFの方々のIFの役員のポストを獲得するためのロビーイング活動の支援というものを実施しているところでございます。青色のところで、それだけではなくて、NFの若手人材をIFに短期でございますが派遣して、人材育成を支援するという取組を行っているところでございます。
 おめくりいただきまして、その後は、今後開催されます我が国の国際競技大会の一覧を付けさせていただいております。
 おめくりいただきまして、現在のIFの日本人役員の状況でございます。9月現在で26名、プラス統括団体でありますIOC、IPCの2人を入れますと、計28名でございます。これを第2期スポーツ基本計画においては35名に増やすということを目標として掲げさせていただいているところでございます。
 おめくりいただきまして、IF等のスタッフ派遣、先ほど説明申し上げたものでございますが、29年度派遣一覧としては御覧の4団体を予定しているところでございます。
 おめくりいただきまして、次は大臣会合の開催についてでございます。昨年9月に第1回目の日中韓のスポーツ大臣会合を開催させていただいているところでございます。ここにおきましては平昌宣言としてその成果についてはまとめられまして、5つの点についてこの平昌宣言について書かれております。1つ目は、来年の平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会、そして22年の北京の冬季オリンピック・パラリンピック大会のリレー開催が東アジアで行われます。そこにおけるノウハウの共有や共同のムーブメント作り、そしてスポーツを通じた東アジアの平和共存、3か国それぞれのインクルーシブな社会発展、アジア発展の原動力としてのスポーツ産業の推進、さらにドーピング活動の連携、こういうものが掲げられております。そして、来年、日本でこの第2回の日中韓のスポーツ大臣会合を開催するということが決められております。
 おめくりいただきまして、資料5-7でございますが、本年7月にユネスコのスポーツ大臣会合でありますMINEPS Ⅵが開催されております。この会議では万人のためのスポーツのアクセス、持続可能な開発と平和に向けたスポーツの貢献、スポーツの高潔性の保護、この大きな3テーマが議論されております。その成果についてはカザンアクションプランということでまとめられているところでございます。
 おめくりいただきまして資料5-8でございます。このような全体的なスポーツ大臣会合の方針を踏まえまして、本年10月に第1回目の日ASEANのスポーツ大臣会合がミャンマー・ネピドーにおいて開催される予定でございます。この日ASEANのスポーツ大臣会合といたしましては、2013年に日ASEAN友好40周年記念として開催されました特別首脳会談の成果、ビジョン・ステートメントを基にして、そのビジョン・ステートメントに書いてあるスポーツ交流の促進を図るものでございます。また、2015年には下村元大臣がASEANスポーツ大臣会合に出席しまして、その中でASEANにおいてオリ・パラムーブメントを広めるためのスポーツ大臣会合の開催を提案いたしまして、合意されて開催されるものでございます。
 来週でございますが、ここにおいては日ASEANの大臣の共通ビジョンの採択と政策ガイドライン、共同作業プログラムの採択がされる予定でございます。
 おめくりいただきまして、資料5-9になります。現在、日本との間で結ばれている二国間覚書、いわゆるMOUについてでございます。二国間のMOU一覧については、ご覧の一覧のとおりでございまして、東京オリ・パラ大会が決定した2013年9月以降、この二国間覚書の締結が進められてきております。現在、ギリシャまでの17か国、そして昨日、イスラエルの大使とスポーツ庁長官の間で新たに二国間覚書を結ばれましたので計18のものが結ばれております。サウジアラビアが2つありますので、それを数えると国としては18の国と結ばれているところでございます。
 続きまして、今申したのが現状の取組でございまして、資料6以降が今後の課題等についてでございます。資料6が今後のスポーツ国際戦略を考える上での検討のイメージでございます。まず、左上からでございますが、ビジョンとして目指すべき姿は、既に第2期スポーツ基本計画で掲げられております。先ほど、長官の挨拶にもありましたが、第2期スポーツ基本計画の中では、世界とつながるというものがございます。その世界とつながるの中に、点線囲みの四角囲みのように、スポーツを通じた多様性を尊重する社会、持続可能で逆境に強い社会、クリーンでフェアな社会の実現が掲げられているところでございます。これらビジョンの達成におきましては、まさに第2期スポーツ基本計画に書いてある全ての施策項目がそれに該当するものでございますが、特に国際展開の中においてはミッションとして左下の四角囲みのものを考えております。つまり、具体的な個々の施策は国内施策、国外施策あるわけではございますけれども、このスポーツの国際戦略でやらなければならないミッションとしては、スポーツに関する様々な国際的な潮流がございます。また、グッドプラクティスがあります。先ほど説明したようなユネスコのスポーツ大臣会合、又は様々な取組がございます。それを国内に還元をして、国内のそれぞれの施策の推進に役立てるというのが一つのミッションと考えています。もう一つのミッションは逆のベクトルで、国内にも既にいい取組が様々ございます。その国内のいい取組を国際的に展開していくと。そうすることによって真の意味の日本のプレゼンスの向上というものが果たせるんじゃないかというふうに考えております。この2つがミッションというふうに考えているところでございます。
 このビジョンとミッションを達成する上での戦略をこれから皆様にお知恵を拝借したいところでございますが、我々が見ている課題としては大きく3点あると考えております。1つ目は、ネットワークの不足でございます。もとよりスポーツ庁は人的リソースも財政的リソースも限られております。その中、スポーツの国際展開を果たす上においてはどうしても関係各機関の御協力が必要になってまいります。ただ、それを行うに当たってのネットワーク作りが中央のレベルでも、中央と地方との関係においても、また、国際的なカウンターパートの間においてもまだ十分できているとは限りません。このネットワークを構築して一つのビジョンに向かって、それぞれがそれぞれの持つリソースと目的で活動していくと。その成果がこのスポーツの国際戦略、国際展開に軌を一にすると、そういうような形をとることが必要ではないかと考えております。
 2つ目が、顔の見えるスポーツの国際展開・対外発信でございます。実は、スポーツ庁ができるまで国際会議は多々あったわけですが、それに十分参加してきたわけではありません。又は、日本が大臣会合の開催を主催したり、又は参加したりということも十分ではございませんでした。先ほど御説明申し上げたとおり、幾つかの大臣会合、第1回目ではございますが、既に開催されているところでございます。また、二国間覚書も今後、政略的に締結して実効していかなければなりません。さらにIFについても第2期基本計画の目的のように多くの役員を輩出していく必要がございます。
 3番目が、こういう国際展開を行うに当たっては、やはりスポーツ団体、地方公共団体、そしてNGO、こういうところが主なプレーヤーになると思っております。ただ、そういう方々の活動の基盤をどう整備していくのか。特に地方公共団体においてはホストタウンの仕組みがいい起爆剤になると考えておりますけれども、これらを活用してどういうふうに体制整備を行っていくのかというのが課題になると思っております。今後、この部会において1年をめどに御議論いただきまして、その成果についてはスポーツ国際戦略という形で提示したいと考えております。
 最後、すみません、長くなりましたが、資料7でございます。本部会の成果イメージとしては、今、申したスポーツ国際戦略という形でまとめていただければと考えております。総論と各論がございます。総論としては国連の持続可能な開発目標は2030アジェンダ、いわゆるSDGsがございます。また、先ほどMINEPSのカザンアクションプラン、こういう国際的な動向があります。それと、我が国のスポーツの国際展開というものをどう関連付けていくのかというのが大きな課題となるかと思っております。ミッションの課題で言えば、先ほど申したようなことが課題になるかと思っております。さらに、スポーツの国際展開を考える上で、我が国の強みは何なのか、そして我が国が他国から学ぶべき点は何なのかということもあると思っております。
 (4)と(5)は同じことでございますので、(4)は飛ばさせていただいて、(5)でございますが、それぞれ限られたリソース、そして時間的にも限られております。その中で最大効果をもたらすための工夫というのはどういうものがあるのか。限られたリソースですので、どうしてもターゲットを絞る必要があります。そうすると、ターゲットとする地域、時間軸、競技、活動、そしてタイミングはどうなるのかというのがあります。限られたリソースで最大効果をもたらすためにはやはりネットワークが必要と考えておりますが、どのような機関と連携すべきなのかというのもあると思います。各スポーツ団体、地方公共団体、そしてNGOのスポーツの国際展開を支える人材をどういうふうに体系的、組織的に育成し、採用していくのかという課題もあるかと思っております。
 さらに各論で言えば、例えば国際競技大会の招致、開催支援については、これまでアドホックに招致活動が進められております。これをどういうふうに組織的に情報連携を図っていけるのか。又は、国際競技大会の開催効果が例えばスポーツツーリズムの促進や地域スポーツの振興、地域の経済発展、こういうものにどう役立てることができるのか。こういうことが課題としてあるかと思っております。IF等の役員、又はスタッフ派遣についても組織的な人材育成をどうしていくのか、リクルート活動をどうしていくのか。各IFにおいても女性役員比率の拡大の要請がありますので、日本人の中で女性の役員候補となり得る人がいれば、ヘッドハンティングの可能性が高まります。今後、国内の女性役員の候補をどう育成するのかという課題もあると思っております。
 さらに今後、理事、ポストだけではなくて会長ポスト、副会長ポストをどういうふうにとっていくのか。また、IFだけではなくて統括団体のスタッフをどういうふうに増やしていくのか。こういう派遣の効果をどういうふうに指標化して評価するのかということもあると思っております。
 あと、スポーツ交流、国際展開についてでございます。スポーツ・フォートゥモロー事業がありますけれども、100か国、1,000万人以上の目標を今後どういうふうに達成していくのか。さらに、この事業は時限措置でございます。2020年度にこのスポーツ・フォートゥモロー事業が終了いたしますが、それ以降のスポーツ交流、これをどういう仕組みで担っていくのか、受け皿はどうすべきなのか、リソースをどうすべきなのか。また、さらに各国のスポーツに関する社会課題は何なのか、ニーズ把握をどうするのか、官民の対話枠組をどう作っていくのか。さらに、その成果をどういうふうに指標で評価していくのか。もろもろ本部会で検討しなければならない課題は事務方が考えるだけでも多々あると考えております。恐らく先生方におかれては、更にまた幅広い視野があると思います。是非これらの点を御議論いただければと考えております。
 以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日は最初の会議になりますので、各委員からただいまの御説明に対する御意見等についてお1人3分で御発言いただきたいと思います。なお、本日、和久委員は御欠席ですが、独立行政法人日本スポーツ振興センターよりお越しいただいております。御発言いただきたいと思いますが、御意見、御異議ありますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【田邉部会長】  それでは、有森委員から順次。
【有森委員】 
 いろいろ、ざっと、いっぱい内容があったのですけれども、今ちょうど私自身、IOCの方のスポーツアンドアクティブソサイエティーコミッションという、日本の国内にはまだないコミッションになるわけなのですが、もともとスポーツフォーオールというところが細分化されて、今からIOCが一番力を入れていく、スポーツと社会がどういうふうに、何ができていくか。特にスポーツが社会に対して何ができていくか。どういう意義を持っていくべきか。そういったことを大まかに考えていく、非常にIOCが力を入れていきたいというコミッションとして作られた部署に昨年から入らせていただきまして、ただ、ここも何が決まっているわけではなくて、これからいろいろ生み出していったり、考えていかなければいけないというような話を聞いておりますけれども、そういったことで言いますと、最初に鈴木大地長官が言われたように、本当にスポーツが、ただやるだけではなくて、以前に比べるとスポーツをやるのにどれだけ何が掛かっていくかということを考えると、やはりこれが社会に落とされない。特に人間の本当に生きていく人生の中に落とし込まれないような形というのは、これはもうある意味やる意味がない。やっぱりやったこと、スポーツで養ったことが生きる力につながるということをどれだけ考えていけるかというようなプログラムや、掛ける年数であったり、人材というものはものすごく大事になっていきますし、それが受け入れられて初めて国民の皆さんがスポーツを支持し、スポーツをやるようになり、それで世界中がつながっていくという、こういった流れは全体的にこれから必要ではないかなと感じておりますし、やはりそうでなくてはいけないのかなというふうに感じております。
 私自身はNPOでカンボジアの方にスポーツ教育、今、小学校、中学校にNPOを通して体育事業、そして運動会であったりフィジカルエデュケーション、そういったものを取り入れる流れをさせていただいた経緯が一度ありますけれども、実際にやってみてやはり人間がスポーツを通して健康になっていくということが、どれだけ国に対して大事か。ハードの支援も大事だけれども、やはりソフトの支援。ソフトの支援にやはり一番使えるのは文化。スポーツのみならず、スポーツ、アート、ミュージック、この情操教育と言われる教育が一番やはり人間を、そしてその人間が住む社会を元気にしていく、影響を及ぼしていける、変化を起こしていけるという、非常に大事な要素になっているのかなというふうに、実際カンボジアをやってみて今、感じております。
 ですので、こういったことが、たくさん、いっぱいするというよりは、きちんと一つ一つが丁寧に、謙虚に行われていくということは非常に大事かなと。何でもかんでもいっぱい広げればいいという、これはいっぱい一気にできることではなくて、本当に一例一例をきちんと形にして見せていく。こういった経緯も大事だと思いますので、そういったことが少しでも案として、計画として、この会で練っていけることが大事なのかなというふうに改めて感じました。
 3分たちましたでしょうか。以上です。
【田邉部会長】  ありがとうございました。
 では、次、大塚委員、お願いいたします。
【大塚委員】  まず、現在、IFの役員もやらせていただいておりますけれども、この国際スポーツ社会の中で日本人の地位を上げていくということの難しさですね、これは以前より痛切に感じております。IFの役員になったとしても、IFの役員になって、更にそれを日本のスポーツ界にフィードバックするというところにおいては、やっぱり何が必要かというところが相当議論が必要だと思います。
 現在、IOCのメンバーが東京2020オリ・パラのプロジェクトレビューで来ておりますが、このプロジェクトレビューの会議のやり方、それからサイドミーティングなどに出席していますけれども、やはり相当タフな能力とネゴシエートな力が必要だということですね。ここに日本人を人材として送り込むという、もう具体的なターゲットを示して、現在のスポーツ庁の国際戦略をさらに高めていくことが必要じゃないかなと思っております。
 そういう中、私が今、日本オリンピック委員会の理事もやりながら、ナショナルコーチアカデミーと並行して総務系の国際人養成アカデミーというのをもう5年以上やらせていただいておりますが、この国際人養成アカデミーも当初はIFの役員を作ろうというスタートだったのですが、今はIFのアドミニストレーター、それから、専門委員、カウンシルメンバーを送り込もうというターゲットに明確に変えました。そうなると、今度はNFから即戦力の人材が送り込まれてきて、このアカデミーでさらにブラッシュアップして、何人も今、IFの事務方の方に入り始めています。ここの部分のこのような流れを、是非とも今後、日本の国として、NFを対象にするだけじゃなく、ここはもう即戦力ですので、教育ですね。中学生、高校生、大学生、ここに向けたスポーツ人材、国際戦略の人材育成、ここの何かプログラミングができていけば、その人たちが就職先としてNFを選び、JOCを選び、日本体育協会を選び、そういったところを選び、そこから国際的な舞台に出ていくと。いわばもうプロパーの国際戦略人材の育成というものを試みていければ、非常にすばらしいものになっていくんじゃないかなということを現在実感しているところでございます。
 以上です。
【田邉部会長】  大塚委員、ありがとうございました。
 では、小野寺委員、お願いいたします。
【小野寺委員】  それでは、第1回の部会ですので、少し本会の事業についてもお話しさせていただければと思います。日本体育協会では、日本オリンピック委員会、さらに加盟団体とともに2011年「スポーツ宣言日本~二十一世紀におけるスポーツの使命~」を採択いたしました。本宣言では、公正で福祉豊かな地域生活の創造への寄与、環境と共生の時代の生きるライフスタイルの創造への寄与、平和と友好に満ちた世界をスポーツの果たすべき社会使命とうたっております。そして、この宣言の考え方は、第2次基本計画、また、SDGsの考え方と同様であると認識をしております。
 日本体育協会ではスポーツ宣言日本に基づきまして、スポーツ推進方策を策定し、その中で国際交流事業を実施しております。本会の国際交流事業は、韓国、中国とは25年以上、ドイツとは45年以上の交流を継続的に行っておりまして、これら全ての交流の根底に平和と友好があります。単なる競技交流だけではなく、相手国の文化や歴史を学びまして、さらには友情を深めることも最も大切な交流の目的に位置付けております。
 今後の国際交流の展開につきましては、現状の交流を基本といたしまして、韓国、中国とは昨年の平昌宣言を受け、現在はそれぞれ2か国で実施している交流を、順次段階を踏んで3か国交流にしていくことを検討しております。
 また、遅ればせではございますが、本年度から新たにASEAN諸国の生涯スポーツの基盤作りのお手伝いができるよう、各国のニーズを見極めた国際協力に関する取組をスタートさせたところでございます。本年は本日御出席いただいております清水先生、山下委員にも御助言を頂きながら、国内・国外調査を実施するなど、具体的な事業展開に向けた準備を進めているところでございます。しかしながら、本会だけではいろいろな意味で力不足のところがございますので、国際戦略という形で日本としての方針を示していただければ、他の団体様と協力しながら使命の実現に向けて事業展開していけると思いますし、本会だけではなく、それぞれの団体が特徴を生かしつつ、協力体制を築いていくことができるのではないかと考えております。
 以上です。
【田邉部会長】  小野寺委員、ありがとうございました。
 では、大日方委員、お願いいたします。
【大日方委員】  資料6が非常に分かりやすく整理されているなと思っております。特にミッションのところ、2つやるべき方向性があるよねということで書いていただいておりますけれども、まず1つ目の国際的潮流の国内への還元と、さらっと書いてあるのですが、これは実現はすごく難しいなと思っております。先ほど大塚委員のお話の中にありましたけれども、まず潮流をどうつかむのかというところ、そこから始めないといけないだろうと。さらに人材をどう送り込むのか。どの階層に送り込んでいくのかというところで、今まではあまり様子が、まさに潮流がつかめていないところもあって、高い目標を掲げておりますけれども、なかなかその実態が見えてくるほどに難しさというものがある。理想の姿と現実と、そこのある種のギャップをどういうふうに埋めていくのかというところを具体的に考えていく必要があるだろうと思っています。まず、潮流をつかんだ上で、次にどのように国際的な議論をリードし貢献していく、そして日本から発信していくというような、これが次の段階だろうというふうに思っています。
 そして、国内への還元という、これにつきましては、まず日本から国際社会に対して何をどのように発信していくのかというようなところの共通理解がまず必要で、その上に立って、どのような方法で還元していくのか。それをさらに国際的な情勢、潮流といったものを還元していくのか。こういったようなステップで考える必要があるだろうと考えています。
 直近ではアジアで行われる国際大会が多いわけですが、私、冬季の大会の出身者ということもありまして、アジアでのスポーツ振興、また冬季競技の発展への貢献について、日本に対する期待は高まっていると考えております。来年には18年、平昌が行われて、そして20年、東京大会を挟んで再び22年北京で、冬季大会が行われる。こういう状況の中で、冬季の大会、冬のスポーツといったものに対して日本としてどのような貢献ができるのか、発展にどのような貢献ができるのか。これは大きなテーマだろうと考えております。
 冬のスポーツの中の大きな特徴の一つとしては、まずスポーツの施設ですね。自然環境も含めて、こういったものがないとなかなかできないというところがありまして、特にアジアの地域でこれらのスポーツの普及をどのようにやっていくのか。方向性というものを示す必要があるだろうと。国外に作るというのもありますし、この非常に恵まれた自然環境の中で日本を中心に、例えば呼んで、招いて積極的に何か行うというような方向性もあるだろうと考えております。
 2つ目は、道具を使うスポーツです。このスポーツ用具の発展に日本としてどのように貢献できるのか。これはパラリンピックも大変難しい課題、大きな課題を抱えていて、発展させるためにはより多くの人たちが競技の用具の供給を受けられるような状況というのを考えていく必要がある。こうしたときに決して国だけでできるものではなくて、企業の協力といったような民間の協力が欠かせない、連携が欠かせないだろうと思っています。
 それから、一方でアジアという地域のことを考えたときに、それぞれの国の事情にあわせたニーズをどのように拾い上げるのかという、ここも非常に難しいだろうと思っております。もう6年も前の話になるのですが、JICAさんの仕事でフィリピンに行かせていただいたときに、私、大変大きな衝撃を受けました。車椅子陸上の選手として、パラリンピックを目指しているフィリピンの代表選手たちにお会いしたときに、5人の選手が1台の中古の陸上用の車椅子を使って、練習していました。体形に合っていないその競技用車椅子を、大切に大切に乗られていたというのが非常に印象的でもありました。一方で、日本ではメダル獲得をめざし、フルカーボンで何百万もするような競技道具の開発もされているわけです。競技を取り巻く環境が国によって大きく異なる状況のなかで、世界全体としてはどのように折り合いを付けていくのかと。こういったところは日本から発信できるところ、リードできるところではないか、そのように考えております。
 そして最後に、人材をどのように育成するのかというところで、目の前にあることだけでも大きな課題はたくさんあり、そこにできる人をどう出していくのかということもあるのですが、これはやはり長期的に育成をしていかない限り、課題は幾らたっても解決が実は根本的にはしないだろうというところであります。人材育成、ターゲットを決めて教育をするというようなところを具体的な戦略として描いていく必要がこの国際戦略の分野では求められているのではないかと、このように感じています。
 以上です。
【田邉部会長】  大日方委員、ありがとうございました。
 続きまして斎藤委員、お願いいたします。
【斎藤委員】  国際舞台における人材、日本のプレゼンスを向上させていくという点に関してなのですけれども、約10年招致をやってきまして、主に日本とフランスの招致をお手伝いしていたのですが、ほとんどのIOC委員と会って話をしてきた経験があるのですけれども、日本は今、竹田会長がIOC委員としてやっていらっしゃいますが、2020年以降、会長が終わったときに日本が国としてどういった戦略をもって次のIOC委員を誰にするのかと、あと、もっと数を増やしていくのかということを戦略的に考えていかないといけないんじゃないかなと思っています。フランスですと、もともとはジャン=クルード・キリーという委員と、あとギー・ドルーという委員が2人、個人枠で長らくやっていまして、ジャン=クルード・キリーは途中で定年を待たずに引退してしまっています。その前にアスリート委員としてもう1人増えて、長らく2人体制でギードルーとエスタンゲと2人体制でやってきたのですけれども、やはり国として戦略としてIFの会長にまずはフランス人をならせて、それからIOCになるというような動きをとって、現在は3名のIOC委員を据えています。パリ招致をやっていたということもありますので、そういった枠組が作りやすかったのだと思うのですけれども、日本もそういった形で、こういった機会でどういった形でIOC委員を増やして、国際舞台、会議での発言力を増していくのかということをこのような会議でお話しできたらいいのかなと思っています。
 あと、実際に海外に出て、いろいろな会議に出て触れてみて思ったことは、やはりIOCの事務局ですとか、IFに日本人を入れるというのは、普通に門戸をたたいて入ろうとすると非常に難しいなというのは見ていて分かります。それを何か国としてサポートして、それを押し上げるような仕組みが必要なんじゃないかなと思うと同時に、やはりNFの段階で長期的に若い人材を育成していくことは大事だなと思いつつ、近々に何かができるのかなと考えたときに、もしかしたら例えば、NF全体が共有できる何か国際的な人材を置いておいて、NFが共有して、例えば英語が不得手なNFがあったらそこを利用して何か海外とやりとりするようなものがあってもいいのかなというのは感じました。それがどんなふうに実現できるのか、ちょっと細かくは考えてはいないのですけれども、そういった漠然としたアイデアではありながらも、何かNF全体が共有できるものがあれば、中長期で人材育成をしていくと同時に、近々で何かできることの一つかなと思っております。
【田邉部会長】  斎藤委員、ありがとうございました。
 続きまして、篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  今回委員に御指名いただいたことを踏まえて、地方公共団体が独自に国際戦略、こういったものに取り組む上での課題、また、目的といったものをもう1回整理してみようと思って、いろいろな方にも話を聞きながら整理をしてみたのですけれども、やはり一番、地方公共団体がこうやって独自に国際戦略が変わろうとしたときのメリットとすれば、やはりスポーツを通じて国際交流というのは当然あるのですけれども、もう一つはよくFIFAの2002年、中津江村に例が挙げられますような、ネームバリューの向上といったものはよく皆さん言われます。福岡の場合を見てみますと、ちょうど今、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致、また、2019年のラグビーワールドカップの開催のキャンプ地誘致、そういったことで非常に各公共団体、自治体も国際戦略に非常に関心の高い時期ではあるのですけれども、福岡は幸い今、オリ・パラに関してキャンプ地誘致で言うと、4つの国又は競技団体ともう基本合意、キャンプの事前合宿の合意を結んでいますし、それ以外にもオセアニアを含めて、今、10か国以上の国といろいろな交渉をやっています。
 なぜ、今、こういうことができるようになっているかというと、やはりこれまで例えばJOCとパートナー協定を結ばせていただいています。スポーツ・フォートゥモローの加盟もしています。JSCともいろいろな交流をこれまでさせていただいた中で、いろいろな情報が比較的、我々福岡県の方に入ってきたなと。そういうネットワーク、情報があったからこそ、今こうやって国際大会の誘致も含めてできているんじゃないかなと思います。
 じゃあ、それを今後いろいろな自治体で進めていく上で、やはり先ほどからも議論になっていますけれども、やはりまずは情報、ネットワークがない。今回のキャンプ地誘致に関しましても、ほかの県とかいろいろ聞きますと、やっぱり県の競技団体と中央のNFとのコンタクトのそういうネットワークが全然ないために、やりたくてもできない。また、自治体の行政としても国のそういう機関とつながっていない。だから、どこにどう働きかけたらキャンプ地誘致ができるのかというのがなかなかないといったような現状があります。
 それから、もう一つは、自治体の中に組織体制として、通常これまでそういう生涯スポーツも含めて地域スポーツ、それから競技力向上、教育委員会が担っているところがまだ多いのですけれども、そういうところに新たに今、こういう国際戦略をしようとしたときのスタッフもいなければ、なかなかそれをこれから具体的に進めていこうとするときの人材、そういう体制が十分でないというのが2つ目の課題として挙げられると思います。
 もう一つは、地方の財源を使ってまで国際展開、戦略を行う大義名分といいますか、そういったものがなかなか見出せないとなかなか進んでいかないというところはあろうかと思います。例えば、ネットワークに関しましては、きょう、JICAさんとかJETROさん、それからもちろんいろいろな機関の方がおられますので、そういったところとこれからどういうふうに、そういうところから地方に情報がおりてくるのか、そういうところのネットワークをつくらなくちゃいけないと思うし、自治体の中でも実は国際担当の部局がありますので、そういった自治体の中でも横の連携を図っていかなければいけないのだろうと思いますし、その1つのいい例とすれば、スポーツコミッション、先ほどありましたけれども、そういったものを各自治体で設置を促進していく。そういった方策も一つあろうかなというふうに思っております。
 まだ幾つか課題等が多々あるのですけれども、やはりそういった今回の審議会、部会の中で地方の実情等をお話ししていきながら、我々としてもいろいろなアイデアをもらって帰って、これからまた進めていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
【田邉部会長】  篠原委員、ありがとうございました。
 では、清水委員、お願いいたします。

【清水委員】  先ほど今泉課長から、資料6のような検討のイメージが出され、鈴木長官からは今後の様々な政策について出されているところですが、大きく言えば、まずはスポーツが持っているものについて、やはりスポーツの中だけではなくて、スポーツを基にして社会における外交、テクノロジー、国際協力、あるいは人権、教育、ダイバーシティー、そういうところにスポーツが波及する効果があるというところをまず共有するということは非常に重要なことだと思います。現状既に、長官が先ほど説明されたほうに、スポーツ、体育、身体活動に関する政策はもう示されているわけですので、その政策をいかに実行するか、うまくマネジメントするかというところが次の課題なのだと思います。そのマネジメントを実行しながら、例えば大規模イベントを利用しながら、将来に向けてスポーツが持っている様々なものを展開する、こういうような大枠から考えることがまず必要かなと思います。
 そのときにやはり、スポーツ庁長官やこの審議会、あるいは現在動いているSFTのコンソーシアムなどの委員会など、要するに国のこういった決定についてどこが、どういう責任を持ってやるかという、その組織作りというのがまず必要だと思います。それから、今、篠原さんが言われたような、地方自治体、公共団体においてコミッショナー、そのほかを作っていくような、組織作りというのは必要ではないかなというふうに思っています。
 それで、その中で、この資料6にあるところで、どういう展開をすればいいか。まずは教育的な展開。これは大塚さんがさっき言われたような、国際人の養成アカデミーがあるわけだし、今、TIASとして筑波がやっているほか、日本体育大学と鹿屋体育大学で国際スポーツアカデミーを展開しています。そういうような人材養成の中で世界展開の基礎作りができると思います。そして、そこでネットワークの構築ができます。教育機関は、世界の様々な国から学生を呼び込んだり、日本から国際機関に出ていくことでできるネットワークを構築していきます。学生が教育の中でインターンシップをすることによってIFに出ていくし、IOCやIPCのところに関わることができていくわけです。だから、教育機関をベースにして国際ネットワークを作っていくことは大事です。今、TIASはAISTSと連携もしているわけですので、そこでローザンヌのネットワークとも連携することができるわけですし、国際人養成アカデミーでも様々展開はされているわけですので、ネットワーク作りの一つのプラットフォームに教育の人材育成アカデミーの展開が重なるわけです。
 そして、もう一つは、やはり現状の学校の体育や部活動についてですが、今までの体育的、スポーツ的イメージというものを、やはりユネスコなどのスポーツの概念を採り入れて考えていくことが必要だと思います。現在のスポーツの価値教育、あるいはユネスコの概念を採り入れた形での、スポーツが持っている国際協力などを小学校、中学校、高校に入れていくような形が進んでいくと、やはり教育というところでも変わるだろうし、それから、実践家の人材育成というのもネットワークのプラットフォームができるでしょう。
 あと、もう一つはやはり産業のところです。ここは私ではなくて、皆さん、専門の方がいらっしゃると思うのですけれども、産業とどういうふうに連携しながら国際貢献をされていくかというところは、やはりスポーツの今後にとって非常に重要だと思います。政策的なところはそれぞれの計画が作られているわけですので、そこはいかに実践するかが重要だと思うのですけれども、今日ひとつ言わせていただければ、国際協力のところで、国のスポーツ国際化というところだけではなくて、やはりインターナショナルなNGOとかNPOをいかに育てて、大きくして、そこをベースにしながら官民で協力してやれるかという、そういうシーズをまいていくということが必要ではないかと思います。

 以上、大きなところと各論と申し上げさせていただきました。
【田邉部会長】  清水委員、ありがとうございました。
 では、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】  私どもJETROは、未来投資戦略2017において新たにスポーツ分野に対して海外展開支援を実施していくようにという御指示を頂戴しております。その面でJETROは海外ビジネス支援を通じてのスポーツの成長産業化にしっかり取り組んでまいる所存でございます。
 私どもは、ASEANにおいてこれまで健康長寿広報展と称する、スポーツを含む幅広いヘルスケア関連製品やサービスを現地の消費者の方々に紹介する取組を行ってきております。これには毎回50前後の企業や自治体の方、あるいは団体の方の参加を得て取り組んでおるわけでございます。この広報展は、2015年の3月にミャンマー・ヤンゴンを皮切りに、ホーチミン、バンコク、ハノイと回数を重ねておりまして、次回は来年の3月にインドネシア・ジャカルタで日・インドネシア国交樹立60周年を記念したイベントとして開催する予定でございます。
 ジャカルタの広報展では特にスポーツにスポットライトを当てて日本の産業の紹介に取り組んでまいります。スポーツ用品やフィットネスなどの製品・サービスなどのアウトバウンドの展開支援はもとより、スポーツツーリズムで外国人の誘客を図る日本の地方自治体の取組など、そういったものを紹介することでインバウンドの流れを支援していきたいというふうにも考えております。
 また、今年3月にハノイで開催されました広報展では、現地消費者11万人に向けて、スポーツ・フォートゥモローの動画を紹介しております。次回ジャカルタでも同様にこのスポーツ・フォートゥモローを普及すべく貢献してまいりたいと思っております。
 スポーツの国際戦略の実行あるいは実現の鍵というのは、この戦略の下で実施されるプロジェクトの持続性、いかにこれを持続的に実施していくかというのが大きな鍵になろうかと考えております。特にこれは民間企業の方々がビジネスとしてメリットを感じて参加していただけるように、国際展開できるような仕組みを作っていくことが重要と考えております。私どもJETROは海外に70か所以上のネットワークを持っておりますし、また、国内にも40を超えるネットワークを有しております。日本企業が海外でビジネスを行うに当たって、私どもは一気通貫で支援するようなシステムを構築しておりますので、スポーツ分野においても積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 例えば、関西国際空港には御自身の自転車を担いで到着される外国人のお客様が結構いらっしゃるということで、こういったお客様向けのサービスには可能性があるかもしれません。こうした方々は日本でサイクリングを楽しまれた後、また関西国際空港からお帰りになるのですが、その前に日本の自転車用品のメーカー様とタイアップしたディーラー様の協力を仰いで、御帰国される前にマイバイクの整備をしっかりとして、気持ちよくお帰りいただくような取組をやってはどうかとも考えます。自転車に例えばではありませんが、これから私共ではギアを1段も2段も上げて取り組んでまいりたいと思っております。
 スポーツ分野というのはJETROにとって必ずしも伝統的にやっている分野ではございません。新しい分野でもあります。スポーツの成長産業化に向けて、スポーツ庁をはじめ関係省庁や自治体、団体、企業の方々の御支援を頂戴しながら、一層骨太の取組としてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【田邉部会長】  野口委員、ありがとうございました。
 では、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。
 JICAは開発途上国に対して支援を行っている組織です。これまでスポーツ・フォートゥモローにつきましては、JICAボランティアを中心に貢献してまいりました。本日は、頂いているこの資料の中のスポーツ基本計画、第2期スポーツ計画のスポーツで世界とつながると書かれていること、この辺りについてコメントさせていただければと思います。
 さきほどのスポーツは波及効果があるというお話と符合しますが、スポーツは豊かな人間性、公平性、寛容性といった価値を広めるという点で、非常に重要だろうと思っております。これはもちろん日本特有の価値ではございませんが、そういった考え方、そういった精神といったものが社会作り、国作りの基本になるのだろうと思っております。
 私はかつて、スリランカという国に駐在しており、そこに空手のシニアボランティア(青年海外協力隊より少し年齢が行かれた方です)が来られていました。子供たちの空手のクラブにおいてその方が教えたのは、まず礼から入ることでした。まず挨拶をして、空手の一つ一つの技を教えることよりも、まず挨拶から入らないといけない。そこが人の多様性を尊重する、礼を尽くす、公平性、寛容性というのを磨いていくとおっしゃっていたのを非常に強く覚えております。やはりそれが非常に重要だろうと思っております。
 先ほどの車椅子のお話のような、優れた技術をもちろん紹介することも重要ですが、日本の心としてのスポーツの包摂性というのも重要で、JICAボランティアも含め日本のスポーツ指導者が海外に行って、現地のその状況に向き合うことによって、その方々がまたそこから学んだことを日本に戻ってこられた後フィードバックすることで、今後スポーツをどう考えていくかについての示唆につなげていくことができるのではないかと思っております。
 また、障害者スポーツについて日本は貢献できるところがより一層あるのではないかなと思っております。幾つもの途上国に駐在したり行ったりしたときに、様々な障害者の方々に会いました。途上国の障害者が置かれている環境は非常に厳しい。スポーツどころか、社会参画自体が困難な障害者の方が多い。そのような方に、日本のパラリンピック、スペシャルオリンピックも含めて障害者の方々が実際にスポーツを通じて参画しているというのを見ること、それだけでも非常にすばらしい動機付けになり、いろいろな場面での開発効果につながるものと思います。そのような取組は包摂性、インクルーシブネスというところにつながる非常にすばらしい事業だと思います。日本の障害者スポーツについては、競技人口やと指導者が少ないかと思いますが、それでも十分日本が貢献できる部分かなと思っております。
 最後にJICAの紹介をさせていただきますが、最近、JICAの新ビジョンというのを新しい理事長の北岡の下で作りました。日本語で「信頼で世界をつなぐ」、英語で「リーディング・ザ・ワールド・ウイズ・トラスト」というビジョンです。信頼というフレーズはJICAの職員みんなの声を集めてつくったものですが、この信頼といったものを作ることができるのが、やはりスポーツを通じた国際協力なのだろうと思います。信頼という言葉を重要なキーワードとして、国際戦略および日本として貢献できるような事業を考えられればよいと思っています。
 以上でございます。
【田邉部会長】  鈴木委員、ありがとうございました。
 では、原田委員、お願いいたします。
【原田委員】  先ほどの政策別の論点の中にある国際競技大会の招致、支援関係のことで少し意見を述べさせていただきます。2012年にロンドンでオリンピックが開かれましたけれども、ここほどレガシーをうまくアクティベートしている国はないなと感じております。国際競技大会に関しては2014年にコモンウエルスゲームズ、2015年にラグビーワールドカップ、2016年は世界陸上と、もう既に2012年のオリンピックの前からポストオリンピックのイベントを仕込んでいると。それと同時にスポーツMICEを動かしながら、イギリスが持っているスポーツ産業の資産をチームグレートブリテンということで売り込んでいます。例えば、スポーツアコードに行くと、必ずチームグレートブリテンが来てサッカーの芝生はどうだとか、スタジアムはどうだとか、そういう産業を売り込んでいると。そういう海外の売り込みというのは非常に盛んにやっております。その結果、インバウンドの観光客が3,000万人から3,500万人にこの5年ぐらいで増えているわけですね。こういうのは学ぶべきところが非常に多いと。
 では、東京は今、2020年に向けて動いていますが、オールジャパンで見た後、その後何か目標があるのかと言われると、26年のアジア大会、あるいはワールドマスターズゲームズがある程度で、更なる国際競技、大きな総合大会の招致というのは考えていく方向があるのかなと考えています。
 私は今、スポーツツーリズムでいろいろなところで講演していますけれども、地方に行くともう例外なく高齢化と人口減に悩んでいるわけです。地方は本当に疲弊しています。その中でスポーツ合宿というのは、インバウンドのスポーツツーリストをどう取り込んでくるかというのが期待されているわけですが、その反面、中国では2016年から共産党政府の指導意見ですね。指導意見っていうのは、もうやれっていうことなのですが、スポーツ産業とスポーツツーリズムと氷雪産業にかなりの額の補助金が出始めました。すると、5年前には三十幾つしかなかったマラソン大会が、多分今年は400、500に近付く数が今、増えていると。その結果、何が起きるかというと、日本製のシューズが、今、倍々で売れているんですね。非常に大きなマーケットがあると。
 氷雪産業に関しては、まさにギアスポーツというか、用具がついてくるし、先ほど大日方さんの意見にもあったし、それからリフトとか雪上車とか、物すごいインフラ産業なんですね。9月の北京で行われた展示会なんかに行きますと、ヨーロッパのスキー産業がこぞって展示をしているわけです。売り込みに来ているわけです。今後、恐らくマラソンをする、あるいはスポーツをする、スキーをする、スケートをする人が増えてくる。そういうマーケットをどう取り込んでいくかというのは非常に大きな視点かなと考えております。
 国際競技大会の招致に関して言いますと、やはり2022年の北京のオリンピックというのが非常に大きな起爆剤になって動き始めたというのがありますし、じゃあ、日本はどうだということで、今、札幌市が2026年のオリンピック招致に乗り出します。誰に聞いても、いや、アジアで3回連続は無謀だろうとかあり得ないと言っているのですが、いろいろ世界の情勢、特に今年はTIASの皆さんの情報を、パイプを使いながらいろいろ情報収集しましたけれども、10月にシオン2026、それからインスブルック2026の住民投票、あるいは連邦議会投票があるのですが、これで否決されれば、じゃあ、どこでやるんだという話になる。ということで、まだ分かりませんけれども、札幌市は98年の長野がやったような、あんな大規模な招致活動は一切必要ないと。じっくり待っていれば果実が飛び込んでくる可能性もあるのかなというふうには考えております。
 あるいは26年にとりあえず手を挙げて、30年との抱き合わせ開催になると、31年に新幹線が札幌まで通るんですね。それを前倒しするような計画が必要です。今、北海道は本当に人口減ですね。離職率も高いということで、今、本当に疲弊しているわけですね。そういったオールジャパンの中で、このスポーツを使って日本をどう変えてくかというのは非常に大きな局面にあるのかなと考えています。私もたまさか秋元市長に頼まれて札幌の開催概要計画の座長を務めましたが、本当に可能性がありますね。特に日本のスキー人口は減っているのですが、今後、オーストラリアを含め、インバウンド、第2のニセコを北海道あるいは東北にどうやって作っていくかというのは非常に重要な展開ではないのかなと。
 最後に、結局、先ほど大塚さんの方から人材の話がありましたけれども、人を育てても仕事をするところがない。これは困りますね。だから、そういった総合的なスポーツ政策の中で雇用をどう生んでいくかというのが重要な仕事になってくると思いますので、是非こういった国際競技大会の招致をてこに、様々な波及効果で産業を勃興させていくということは今後考えていくのが重要ではないかなと考えています。
 以上です。
【田邉部会長】  原田委員、ありがとうございました。
 では、前原委員、お願いいたします。
【前原委員】  私の方からはNFが実際行ってきて、日本のプレゼンスを上げるということと、IFの役員にどのように入り込んでいるかということについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。今、国際卓球連盟は226の国と地域の協会がありまして、スポーツ団体での登録協会数はナンバーワンになっております。それは国際卓球連盟の政策として途上国に技術指導者を派遣して地道にやってきた成果がここに表れているなと。そこから私が学んだのは、国際交流をやっていく上で本当に丁寧にやっていけば、そういった支持を受けられるんじゃないかなと思っております。
 日本のプレゼンスを上げるという意味で、世界選手権であればNFの考えとしては10年に一度は世界選手権大会を持ってこようというようなペース。まあ、少しずつ早まっていますけれども、そしてまた、国際会議を頑張って開催していること。2014年から2017年までスポーツサイエンスの会議を毎年、味の素ナショナルトレーニングセンターで開催をしております。そして、ジャパンオープンという国際大会も毎年行っておりまして、実際、私が、国際卓球連盟の副会長に就いている関係上か、アジア卓球連合からは国際卓球連盟の大会を、よく日本で開催をしてくれているが、アジアの大会も日本で開催して欲しいというようなことも言われます。そういったこともあり、今回の国際卓球連盟の改選の前に、神奈川県、横浜市と交渉しまして、2018年と2019年にアジアカップ大会を招致したりするなどして役員選挙に臨んだりしました。
 そしてまた、この会議にJICAさんも出席されていますが、実は私JICAの技術審査員もやっておりまして、そこでこういうタイプの方は、例えばブラジルに行った方がいい、このぐらいの技術レベルであればドミニカに行った方がいいとか、そういったアドバイスをしておりましす。それで派遣が決まりますと、例えばドミニカの会長やガテマラの会長とお会いすると、JICAから派遣してくれてありがとうというふうに言われるわけですね。このようなスタイルで私としては非常に国際交流がうまく行く形になっています。
 そして、あと、途上国で一番問題なのは、用具ですね。ラケットも大体単価1万円ぐらいするんです。ラバーも今、高騰していまして4,000円、5,000円かかりますが、トップ選手はそんな長く使わないんですね。ラバーの表面が少し消耗すると、次の新しいラバーに取り替えます。そういった使用済みのラバーをスポーツ・フォートゥモローにお願いしまして、ラバーやラケットなどの用具を途上国に送るということも実際行っています。
 あと、IFへの役員、委員会委員のポジションなんですけれども、現在、私が国際卓球連盟の副会長、そしてアンチ・ドーピング委員会の委員長も送り込んでいます。そのほか、スポーツ科学&メディカル委員会、用具委員会、ルール委員会、レフェリー&審判員委員会に対し5名の委員も送り込んでいます。これはやはり国際卓球連盟で活動をされた先人の荻村伊智朗さんや木村興治さんがやってきたことが非常に世界の協会で支持されているんです。特にアジアの場合はどちらかというと今までプレーヤーだったり、あるいは監督であったり、コーチであったり、そういった実績をすごく重視する傾向にありますね。そういう意味でアジアの支持を受けるには、実績のある選手、監督だった人を、大塚さんがやっておられる国際人養成とか、あるいは私もJOCの在外研修で1年間イギリスに行った経験がありますが、そういった派遣を活用して経験を積んでいきますと意外とIFの役員、あるいは委員会の委員になれるチャンスが増えると考えております。
 あと、今、非常に卓球が強くなって注目を浴びています。いろいろな国から選手の派遣依頼が届いています。全部は受け入れられませんので、やはりこれから日本との友好関係を継続していける協会を受け入れて、一緒にジョイントトレーニングをしたりやっております。そういった国際交流を、丁寧にやっていくことが、日本のプレゼンスを上げていくことにつながると考えております。 以上です。
【田邉部会長】  前原委員、ありがとうございました。
 それでは、安岡委員、お願いいたします。
【安岡委員】  パラリンピックの方では、まず組織の話から説明させていただかないと分かりにくいかなと思うんですけれども、健常の方と異なりまして、IFの役員のポジションというのが実際に存在しない競技団体が大半なんですね。それはつまり、選手に直接の影響を及ぼすようなポジションという意味なんですけれども、例えばIPCの理事ですとか、アジアパラリンピック委員会の理事ですとかっていうのは日本人からも出ているのですが、彼らが直接競技規則を触るわけではないんですね。ですので、オリンピックの方のように、選手に直接影響が及ぼされるような競技規則に関すること、それから、障害者スポーツの場合はクラス分けという障害の程度を判定する委員があるんですが、そういう規則に関わる部分で直接その影響を及ぼせるところでIFの役員という、そういうポジション、例えば理事のポジションをとったら、そこに直接影響を及ぼせるかというと、多分、障害者スポーツ独自の競技団体がIFとしてある場合だけ。パラリンピック競技30近くあるんですけど、多分5競技ぐらいです。残りは理事を選出しても、その人たちは直接競技規則には関われない。例えば、健常と同じIFに含まれている競技、テニスとか卓球とかはまさしくそうなのですが、そこの理事に障害者スポーツの分野から役員を送り込むということは実質問題として非常に現実的ではないわけですね。
 では、どうするかというと、それぞれの、例えば車椅子テニスとか、パラ卓球とか、そういうディビジョンの中、IFの中にあるディビジョンの中にあるテクニカルコミッティーに人材を送り込むとか、クラスフィケーションコミッティーの中に人材を送り込むとか、そういう方法になるんですが、こちらは実際に国際役員の資格を得て、10年、15年という時間を掛けて、実績を積んだ上で、信頼を得た人がアポイントされるという約束なので、選挙じゃないんですね。そうすると、急に国際的にこういうふうに国が戦略を作りましたから誰か役員を送ってくださいと言われても、きょうあすにどうこう対応できるような状況ではないわけです。
 一方で、東京2020に向けて現在のこの状況がございまして、そういう土壌を作るんだったら今だっていう機運があることもたしかなんですね。ですので、私どもの方では、多分、東京までの間にそんな急激に国際役員は増えないだろう、だけれどもその後、5年後、10年後もしかしたら20年後ぐらいにきちんと国際社会に送れる日本からの人材を育成するための土壌、基盤作りをしようということで、現在、そういった国際的な素地を持つ人材の育成を始めております。どういう形に実になるのかというのはこれからの戦略次第なのですけれども、状況としてはそのような形になっております。
 最近ようやくNFの方にも、それを仕事にして活動できる者が増えてきました。だけど、国内全部合わせても数十人という単位です。この中で、例えば海外のパラリンピック委員会から、例えば陸上競技のコーチを派遣してほしいとかっていう依頼があった場合に、通常はその方は本業がありまして、お仕事を休んでしか海外に協力に行けないという状況があるんですね。そうすると、長くても1週間、大抵の場合は海外から希望者を日本に招聘して一緒に合宿をさせていただいたり、国際のクラス分けの機会を一緒に持っていただいたりという形でその機会を増やす努力をしているのですけれども、そうすると今度は宿泊ができない。アクセシビリティーの問題で宿泊ができないという問題があるんです。だから、スポーツの枠組だけで解決できない問題がたくさんございまして、今、関係各所にいろいろ働き掛けはしているところなのですが、事前キャンプとか、それからホストタウンとか、いろいろな国から希望は頂くのですが、実際にその場所に選手たちが泊まれる場所があるのかどうかというと、そこが今、一番大きなハードルになっているかなと。東京2020の大会にしてもそうです。都内にまとまった数の車椅子の方たちが同時に宿泊できるところがなくて、今、非常に苦慮しているような状況があるというのが私たちが今持っているチャレンジングなところですね。
 ただ、もうちょっと大きい話をしますと、日本パラリンピック委員会とか日本障害者スポーツ協会では、2013年にビジョンを策定いたしまして、その中で、国際役員を増やすというか、もっと大きい枠組の中で、国際的にもっと協力の機会を増やしていこうということを掲げております。この国際的な協力という枠組の中では、私どもだけで実現できる部分は非常に少なくて、基本的にJPCというのは強化費を基盤にした活動を行っている組織なものですから、国際的な貢献をしようと思うと、自己財源を使わなければいけなくなるのですが、ここが非常に少ないわけです。例えば、JICAさんの取組ですとか、そのほか、国がやっているそれぞれの取組の中、ほかのスキームの中に同乗させていただくような形でしか現在はその機会を提供できていないようなことがございます。
 近々では、東京2020に過去最大のパラリンピックの参加国を呼ぼうと。多くの国に来ていただこうというプロジェクトが発足いたしまして、今、そちらの方に全力投球をしている状況で、ここにはある程度の予算も付けていただいています。ただ、そうすると、そこの枠組に入らない、自力で選手は送れるんだけれども、要は出場枠は自分で取れるんだけど、やっぱり困っていますという国もたくさんあって、そういった国に対する支援が今、全くできない状況になっているんですね。多分、JICAさんのお力を借りたりしながら、何とかいろいろな国のニーズにお答えできるような方法を探っていくという方向になってくるのかなとは思いますが、JPCもつい最近まで非常に低予算の中でやってきた経験があります。なので、逆にそれは私どもにとっては強みと言うと変なのですけれども、恐らく多くの国が持っているであろう同じ課題を私たちも最近まで共有していた。ですので、低予算で人材もない中で、だけどどういうふうに展開していけば、しかも持続可能な形で活動を続けていけるのかということを、知恵を絞る方法と言うと変なのですが、そこを提供できるかな、みんなで一緒に考えられるかなというふうに思っています。
 パラリンピックというのはもともと選手、パラリンピックアスリートが活躍している姿を見ることで、それを見ていただいた人たちがインスパイアーされる、気持ちが動かされるんですね。それをもって人々が持っている認識を変えて、最終的にはそれを行動の変容につなげていこうと。パラリンピックムーブメントを通じて共生社会を実現していきましょうという、すごく大きな目標がございまして、そういう意味ではどんな小さい活動もそういった社会の変容につながるような活動だというところで関わっている人たちみんなが意識を持って活動しているわけなんですね。そこをまた世界に対して還元していく方法の一つといたしまして、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、国際パラリンピック委員会の公認教材を日本もJPCも関わらせていただいた形で昨年度から開発させていただいています。「I'm POSSIBLE」という名前なんですけれども、まずはIPCがそういった公認の教材を持っていなかったものですから、国際版を開発いたしまして、それを日本の教育現場に落とし込めるような形で現在、4ユニット、4授業分出ていますが、これ、最後は15ユニットまで出ます。ちょっとずつ毎年出すのですけれども、その授業を通じてそういうパラリンピックの考え方が国内に広まっていく、世界中に広まっていく。そのお手伝いをJPCとしてもさせていただけたらいいかなと思いますが、パラリンピックムーブメントそのものが非常に常にチャレンジしていく、難しい状況を超えていくという性質を持っているものですから、この国際貢献、国際協力、日本のプレゼンスといったようなことにつきましても様々あるのですけれども、みんな知恵を絞りながら先に進んでいく。多分、日本独自じゃなくてよその国と一緒にまとまって動かないとできないレベルの国も多いので、ネットワーク作りから始めてという形なんじゃないかとは思っております。
 最後になりますが、先月、9月の初めにIPCの総会がございまして、ここで4年に一度の選挙がありました。私どもの委員長の山脇は2期目になるのですけれども、IPCの理事に立候補させていただいて、当選させていただきました。これは全部で投票権のある加盟組織が162か3あったと思います。そのうち、123票入った。同じように理事に立候補していた国が20か国ございますので、恐らくその20か国は自分の国に投票されている。と考えると、85%以上の国が山脇に投票してくださった計算になります。これは本当にひとえに東京2020に対する期待、日本の国際貢献に対する期待という数字かなというふうに私どもは受けとめておりまして、これに対してどういうふうに対応させていただくか、1個ずつ皆さんと協力させていただきながら考えていきたいと考えております。
 ありがとうございました。
【田邉部会長】  安岡委員、ありがとうございました。
 では、山下委員、お願いいたします。
【山下委員】  Jリーグの山下です。私の方からは、スポーツを通した地域経済の活性化と国際交流というようなことで、Jリーグが実際、実践してきています事例を紹介させていただくことによって、スポーツ国際戦略の立案、実行に少しでもお役に立てればと思っておりますので、少し話をさせていただきたいと思います。
 まず、Jリーグなんですけれども、私たちはサッカーという競技の枠を超えてスポーツを通していかに日本とか世界の役に立てるかというようなことを考えて国際的な活動をやっております。その中で、やはりスポーツ、サッカーの強みを生かして海外とつながろうと思って活動し始めたのですけれども、その中で力を入れ始めたのは2011年ぐらいからになるのですが、何が強みになるかなというふうに考えたときに、一つは、93年にJリーグが開幕して、今年で25年目なのですが、開幕前はワールドカップも夢のまた夢で、日本の国内リーグもお客さんがほとんど入っていないような状況から、いろいろな方々の御協力をいただいて成功してきまして、ワールドカップも来年を含めて7回連続出場、オリンピックも7回連続出場というようなことで、世界各国から、あの弱かった日本が何でこんなに強くなったんだというふうに思われているような現状がありました。
 そこで、私たちの強みとしては、弱かった国が強くなってきたノウハウがあると。お客さんがほとんどいなかったスタジアムが満員になってきたノウハウがあるというようなことで、弱みを強みに変えるような発想の転換をしました。ASEANを1回ターゲットに置いたのですけれども、ASEANを軸に考えて、タイとかマレーシアから見て、自分たちのように弱かった国がワールドカップ常連国になったというのは日本しかないんですね。世界で唯一の存在である日本のノウハウというのを提供していこうというようなことを強みに考えました。
 もう一つの強みが、今、J1からJ3と、1部から3部リーグまであるのですが、54クラブ38都道府県、日本全国に広がっているノウハウがあります。サッカーを通して、その地域地域のクラブに焦点が当てられるんじゃないかと。なぜならば、Jリーグが開幕したときから強みとして生かしているのが、クラブ名に必ず地域名を入れているんですね。ヴァンフォーレ甲府とか、北海道コンサドーレ札幌というふうな形で。ですので、サッカーを通してチーム名が呼ばれれば呼ばれるほど、地域に光が当たるということで、これはファッションとかアニメとか音楽を通じてクールジャパンということで日本を売り出しているとは思うのですが、そのファッションを通じてなかなか地域にまでは人を呼び込めないかもしれないのですが、サッカーのチーム名を通じて地域に注目を浴びせることができる。クールジャパンの先のクールローカルということがJリーグならお役に立てるのではないかなというようなことを考えておりまして、弱かったところからのノウハウがある、そして日本全国に広がっているという強みをJリーグとしては国際展開としてお役に立っていこうというふうに考えました。
 一方、海外では、特に我々は今、ASEANに注力しているのですけれども、ASEANはサッカー人気がすごく高いですね。国民の人気ナンバーワンスポーツとなっております。その国の代表選手は、我々が考える以上にものすごくスター性があって、国民への影響力も強いというようなことがあります。一方、経済が伸びてきている中で、リーグとかクラブのオーナーがその国の政財界のかなりの大物の人たちが関わっています。彼らはお金はあるのですがノウハウがなくて、お金を投資しているのですが、なかなか自分の国のチームが強くならないとか、自分の持っているクラブが強くならないという課題を抱えていたので、私が現地に赴いて話していったときに、Jリーグが過去培ってきたノウハウを無償で提供しますと。無償で提供して、あなたの国が強くなることをサポートしますと言ったら、ものすごく喜んでくれたんですね。一方で、何でそんなことしてくれるのと、何か裏があるんじゃないのと言ったときに、私が言ったのが、私たちはともに成長したいんですというようなことで、これはJリーグの国際展開のコンセプトなのですけれども、やはり世界的に見てJリーグというのはまだまだトップレベルではありません。私たちはもっともっと成長したいと思っています。その中で、アジアの中でのトップで満足するのではなくて、自分がいるアジア地域のレベルを上げていかないと、我々は世界でもっと上に行けないと思っているので、ともに成長していきたいので、なので培ってきたノウハウを無償で提供します、ともに成長しましょうと言うと、彼らからは本当にありがとうというようなことで、すごく信頼感を得られます。
 必ず言われるのが、代わりに何をお返ししたらいいんだというようなことを言われますので、そのときに、政財界の大物だったりとかしますので、じゃあ、あなたの持っているビジネスネットワークをJリーグのスポンサーとかクラブのスポンサー企業に紹介してくださいというふうに言うと、非常に喜んで、そんなの当たり前だと言って紹介してくれるんです。そうしますと、各地域の企業とかで海外に出たいと思っているけれどもノウハウがなかったり、ネットワークがなかったところが、ビジネスネットワークを一気にクラブを通じて紹介してもらって、一気にオーナーからビジネスを紹介してもらって海外展開が決まる。海外展開が決まってから、じゃあ営業所を作ろうかみたいな形で行きますので、物すごくスピード感があって、リスクを下げられてビジネスを始められるというようなことで、地域の企業にとっても非常に魅力があるというようなことがありますので、このノウハウを提供する代わりにビジネスネットワークを返してもらってともに成長していくというようなことをやっております。
 その中で、企業のアウトバウンドとかもあるのですが、インバウンドとしましてやはりスター選手を日本に呼んでくるということをやっています。今、ASEANのスター選手をどんどん呼んできているのですが、去年、1つのいい事例ができまして、こちらは今年のスポーツ文化ツーリズムアワードで鈴木長官からも茨城県が表彰していただいたのですが、去年、水戸ホーリーホックというJ2のクラブにベトナムのスター選手が来たのですが、非常に彼が人気選手ということで、茨城空港に直行便がチャーターで飛んできたというようなことがありまして、やはり地域の空港、しかも成田がすぐ近くにあるところにも関わらず、直行便が地方空港に飛んでくるっていうのは、本当に行政だけのアプローチではなかなか難しいと思うのですが、サッカー人気、スター選手の人気っていうのを活用して、地域に人を呼び込んでくることができたかなと。
 こういうことが起きると、例えばですけれども、茨城県というと鹿島アントラーズというクラブがあって、Jリーグのチャンピオンだったりとかするんですけれども、茨城県民からするとJ2の水戸ホーリーホックというのはどうしても下に見ていたかもしれないのですが、直行便を呼んできて経済を活性化してくれる水戸ホーリーホックというのが茨城県にあってよかったよねってなると、地域の人がもっともっと水戸ホーリーホックを応援してくれるとか、地域にクラブがある存在意義が出てくると思っていますので、こういうようなことが54クラブ38都道府県でできるというのがJリーグの強みかなというふうに思っておりますので、このような事例をどんどん増やしていこうと思っています。
 長くなりましたが、最後に国際交流のところで1点御紹介させていただきたいと思っております。先ほど少し申しましたバヌアツに行ってきたというので、何をしてきたかというと、これは2011年から行わせていただいているのですが、日本全国のサポーターの方に呼び掛けて、ユニフォームをまずJリーグに送ってもらっています。サポーターの方が着ていたユニフォームというのは単なる古着ではなくて、選手とともに1年間戦ってきた大事な宝物なのですけれども、その宝物を世界の子供の笑顔につなげるので送ってくださいということで送ってもらいます。それを世界各国、今年はバヌアツに行かせていただいたのですが、何か地震の被害が多いとか、内戦をやっていたような地域にあえてJICAさんの協力を頂いて持っていって、その国の子供に1枚1枚配っていって、一緒にサッカーをするんですけれども、そうすると、サポーターの方からすると、自分の宝物がどの国に行って、どんなことをやったんだと、バヌアツに対しての興味がすごく湧いたりとか、バヌアツに対して何か支援ができないかということで、Jリーグのクラブを応援しているのですけれども、海外に対しての意識の高まりとかというようなことができますので、現地に赴かなくても国際交流というようなことが図れるのではないかということを思っていまして、毎年継続して行かせていただいています。
 今年も現地に赴いたときに、予想以上に人が集まり過ぎちゃって、配れない子供たちがいたのですけれども、すごく礼儀正しく待っていてくれたりとかしたので、終わった後にその学校の先生に、せっかく来ていただいたのに配れなくて、それでも礼儀正しく待っていただいて本当にすみませんでしたと謝ったところ、先生からは、大切なのはものをもらうことではなくて、あなたたちが来てくれたことで、そして子供たちの心にはJリーグという言葉が残ったことが大事なんですというような言葉を頂いて、本当に涙が出る思いだったのですけれども、やはり、すごく小さなことかもしれないのですけれども、いろいろな形で貢献ができるんじゃないかなというふうに思っておりまして、このような事例をJリーグの中にためるだけではなくて、いろいろな競技団体の方にもどんどんシェアしていただいて、もしまねできるところがあればまねしていただきたいですし、Jリーグもいろいろなところから学んでいきたいなというふうに思っております。
 ありがとうございます。
【田邉部会長】  山下委員、ありがとうございました。
 では、次に、本日、和久委員が御欠席ですけれども、独立行政法人日本スポーツ振興センターより野口氏が来ておりますので、野口さんの方から発言をよろしくお願いいたします。マイクを。
【野口氏(和久委員代理)】  大丈夫です。地声で話させていただきます。
 和久の代理としてJSCから4点、この部会で議論していただけるとありがたいという4つ、紹介させていただきます。
 1つ目が、まず海外の各国の国際戦略をきちんと把握した上で、把握して分析する必要があるという点です。例えば、オーストラリアではアジアパシフィックをターゲットにスポーツ対策のプログラムを推進しています。アジアに関してはアジアスポーツパートナーシップ補助金というのを設置して、恐らく日本と競合するような国をターゲットに国際開発を図っていますし、UKスポーツとMOUがありますが、そこの情報を通じて、イギリスは国際戦略上、メジャーイベント招致とIF役員を増やすという点、それからアフリカをメーンのターゲットとした国際開発をしていますが、それに加えて2015年に政府がイニシアチブをとってガバナンスをベースにしたスポーツインティグリティーの国内の整備をするとともに、IFを結節点にして、これを世界の基準にしていこうという動きがあります。フランスも恐らくこれから新体制の下、国際戦略が策定されていくと思いますが、こういった情報の把握をして、競合するところを一緒に組んで狙うのか、それともブルーオーシャンで行くのかというところをコンテンツやターゲットの組み合わせで考えていければと思っています。
 2点目は、ポスト2020に力をいかに日本が持てるかというところの議論が必要かと思っています。原田先生もおっしゃったように、イギリスがベストプラクティスだと思いますが、ロンドン2012を終えた後も、2013から10年間のイベント招致の戦略を立てて、60億を投資していますし、いかに日本に情報や人が2020以降も集まってくるのかという仕掛けをしていくことも重要かと思っています。JSCにも国際ネットワークを通じて、いろいろな国際団体から2019年に、20の前にイベントを開催してくださいという依頼がたくさん来ていますが、今の観点の下、2020以降にずらしてもらえるような交渉をして、幾つかのイベントは既に2020以降に日本に来るような取組をしています。なので、この場では2020までの最後の2年間に成果が出るような仕掛けを議論できれば幸いです。
 3点目が、国際交流協力に関しては、持続性と実態が重要かと考えています。持続的な成果を生み出すには、いかに実態のあるプログラムを開発できるかというところが焦点になるかと思いますので、この場で議論をする必要があるかと思っています。例えば、JSCだとASEANとかアジアの国際戦略として、ASEANやアジア諸国に貢献できるように、通称アジアという国際団体をJSCがリーダーシップをとって設置したりしていますし、各国のMOUの中で具体的な情報共有やプログラムができるように1つのプログラムの軸を各国と作ったりしています。そういうような中で、全体的にどういうふうなプログラムを開発するのかという議論がなされればと思っています。
 最後に、成果と効果のKPIを議論する必要があるかと思っています。今までは各組織のKPIはあったかと思いますが、国としての国際スポーツ戦略を掲げていく上で、この各論に関しても総論に関しても、1つの同じ方向性を向いて各組織が役割を果たせるように統一されたKPIが設定されるような議論が進められることを期待しております。その4点ですね、JSCの方から共有させていただきます。
 ありがとうございました。
【田邉部会長】  野口さん、ありがとうございました。
 では、最後に境田先生、お願いいたします。
【境田部会長代理】  これまでに大塚委員からIFの役員としていろいろな貴重なお話をお聞かせいただき、さらに、前原委員からも卓球の国際連盟に関わる貴重なお話を聞かせていただきました。そこで、私は、日本バスケットボール協会が約3年前に国際バスケットボール連盟から資格停止を下された問題に関わった経験に基づき、IFが求める人材像などについて、少しお話をさせて頂きたいと思います。
 日本バスケットボール協会には、制裁が科された当時、28人の理事がいましたけど、FIBAは全理事が辞職することを求めました。また、新しい理事の人数や人事案につきましても、すべてFIBAの意向通りに進められました。Bリーグを創設するときも、最初の理事は、川淵さんと私境田の二人でやるようにと、FIBAからはバスケットボール関係者は入れてはいけないという強い要請がありました。
 川淵さんも私もなぜ日本国内の組織の人事案も自分たちで決められないのかという忸怩たる思いでおりましたが、制裁期間中は仕方ない、従わざるを得ないのだと自らに言い聞かせる日々でした。川淵さんも敗戦直後の吉田茂首相のような気持ちを抱かれていたのではないかと思います。
その間、改めてFIBAの定款や内規などを読み直しますと、やはりFIBAにはとても大きな権限があるんですね。実は、FIBAはスイスで設立された一つの民間団体に過ぎないのですが、FIBAには一国のバスケットボール団体の資格や権限をすべてはく奪できるような大変大きな権限を持っているわけです。これは大変な驚きでした。実際、FIBAの内規には、国内のNFの組織の在り方だとか、プロリーグの在り方とか、地方協会の在り方とか、事細かにいろいろ定めているんですよ。そういったルールを正確に把握していなかったから、制裁を受けるということになったのですけれども、今後は、そういうルールのところもきちんと正確に把握しなきゃいけないし、さらに言えば、そういう様々なルールのルールメーキングのところに携わっていかなければいけないということです。ルールメーキング、さらにそこから導かれる政策や施策など、そういったところにまで、自分たちの立場を主張し、また、自分たちの権益を守るために、深く関わっていくことも必要でしょう、そのためには、今後、日本協会もそういった人材を育成し、さらに国際機関に派遣をしていかなければならない、そのような人材育成システムを構築することも必要ではないかと思っています。
 それから、今回の件についていえば、なぜFIBAは、あえて日本協会に対し、資格停止という強力な制裁を科し、さらには、日本協会の全面改革や新リーグの設立にまで深く関与をしてきたのかということです。それは今になって振り返ってみますと、おそらくFIBAは、FIBA自身の財務基盤のさらなる拡充を目指していたのではないか、そのために、バスケットボールビジネスのグローバル化やアジアでの規模の拡大を目指していたのではないか、そのために日本に対し、FIBAの強力なパートナーになることを求めていたのではないか、とこのように考えています。FIFA、すなわち国際サッカー連盟の年間収入は500から600億円で、ワールドカップのある年は4,000億円です。平均すると年間1,500億円の収入があります。これに対して国際バスケット連盟の年間収入は大体40億円前後です。要するにFIBAの事業規模はFIFAの3%から4%の規模しかないということです。したがって、FIBAは、今後、サッカーワールドカップのようなビッグな大会を主催し、それにより規模を拡大し、大きな利益を得たいわけです。だから、2019年に今度、中国でワールドカップが開催されますけれども、それに向けてアジアでのマーケット基盤を拡大する必要がある、そこで、日本がその中心的な役割を担ってくれと、こういう思惑があったと推察しています。
 また、彼らは、日本バスケットボール協会やBリーグの売り上げ規模の拡大についても様々な支援をしてくれました。つまり、日本バスケット界は、この2年間で事業規模が約5倍に増加したのですが、そこに至るまで、FIBAは様々なノウハウやアイデアを提供してくれたわけです。今後、国際競技連盟と関わる際には、彼らのマーケット規模をいかに拡大するかというところにも協力をしていくということがとても重要だと思います。おそらく、トライアスロンの大塚さんはそのような役回りも期待されて国際連盟の理事に任命されてたのではないかと拝察しております。つまり、我々は、スポーツ団体のガバナンスを構築できる人材とともに、国際スポーツビジネスにも長けた人材を育て、輩出し、スポーツ界のグローバルな発展に貢献していく、こういったことが必要であろうと考えております。これが国際スポーツ界において我々日本が貢献できる大きな役割であろうと考えております。
 以上です。
【田邉部会長】  境田先生、ありがとうございました。
 最後に私からなのですけれども、時間も迫っていますので手短にお話しさせていただきたいと思います。
 資料の6、先ほど今泉国際課長から検討のイメージということで、皆さんから御意見を頂きました。皆さんから頂いた中から、キーワードとしては情報であったり、ネットワークであったり、人材の育成、それをサポートする組織、それから国際協力とか、スポーツを通した教育的側面とかというキーワードが挙げられているかと思います。鈴木委員からもありましたように、JICAの交流ですね、私の所属している全日本柔道連盟も指導者を毎年多く派遣させていただいておりますやっております。日本への要請はかなり数多くありまして、それに追いつけないような状況でもあります。日本の指導者が現地で指導することによって、日本と交流を持つことができまた、そこで指導を受けた人が今度はそこの国のNOCの会長になったり、ポジションの高い位置につかれる方が多く見られます。そうすると、その方が今度は国際舞台で日本をサポートしてくれるという、そういうシステムが自然に作れてくるのかなと思っております。国際戦略という点では重要な点ではないかなと思っております。
 2つ目は、資料5-9にありますMOUを結ばれている国が幾つかあるかと思います。先ほど来、鈴木スポーツ庁長官からも、昨日、MOUを新しく結ばれたということで、このMOUをもう一度見直すことによって、日本の強みとか弱みとかっていうところがはっきり出てくるのではないかなと思います。せっかく結んだMOUですから、これをもうひとつブラッシュアップしながら活用できるというところも考えていったらいいのではないかなと思っております。
 以上です。
 時間も迫ってまいりましたけれども、そのほか、先生方で何か言い忘れたこと等がございますでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。本日の委員の皆さんから頂いた御意見を踏まえ、事務局はスポーツ国際戦略の策定に向けた方向性の整理を行ってください。
 本日予定していた議題は以上で終了しました。今後の日程(案)について事務局より説明をお願いいたします。
【今泉国際課長】  失礼いたします。お手元に配布してある一番下の「(参考)」と書いてあるものをご覧ください。今後、11月から12月にかけて第2回を開催したいと思います。その後、1月に第3回、そして中間まとめを3月頃一旦まとめさせていただきたいと思います。その腹としては、日本再興戦略にこの議論の成果を一言入れさせていただきたいと思っておりまして、一旦その関係もあり、3月に中間まとめを出させていただきたいと思います。その後、その中間まとめを更にブラッシュアップする形で、4月、6月ぐらいに御議論いただきまして、最終まとめの答申を7月か8月をめどに頂いて、それを基に我々は具体的な施策として来年度以降の概算要求に当たっていくと、そういうビジョンで考えているところでございます。
【田邉部会長】  それでは、本日はこれにて終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。

── 了 ──

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