スポーツ審議会健康スポーツ部会(第1回) 議事録

1.日時

2017年9月20日

2.場所

経済産業省別館各省庁共用会議室108

3.議題

  1. 部会長等の選任等について
  2. スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則について
  3. 今後の審議の進め方について
  4. スポーツ参画人口の拡大に関する政府の取組について
  5. 自由討議
  6. その他

4.出席者

委員

泉委員、後山委員、大久保委員、工藤委員、小松原委員、髙﨑委員、津下委員、友添委員、萩委員、早野委員、藤田委員、松永委員、村上委員、渡邉委員

スポーツ庁

鈴木長官、今里次長、藤江審議官、平井総括官、澤川政策課長、安達健康スポーツ課長、由良参事官(民間スポーツ担当)

5.議事録

スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第1回)

平成29年9月20日

 

 

【安達健康スポーツ課長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第1回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。皆様、大変お忙しい中御出席いただき、まことにありがとうございます。

 本日は本部会の最初の会議に当たりますので、後ほど部会長をお決めいただきますが、それまでの間、便宜的に、事務局のスポーツ庁健康スポーツ課の私、安達が議事を進めさせていただきます。よろしくお願いします。

 まずは、お手元の本日の配付資料の確認をさせていただきます。議事次第が1枚ありまして、資料1としまして、健康スポーツ部会委員名簿がございます。資料2-1、スポーツ審議会の概要、資料2-2、スポーツ審議会における部会の設置についてでございます。資料3、スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則(案)でございます。資料4-1、第2期スポーツ基本計画の着実な実施について、資料4-2、横置きでございますけれども、健康スポーツ分野検討のイメージ、1枚紙でございます。資料5、ご検討いただきたい主な事項(案)・審議スケジュール(案)についてでございます。資料6、横置きの少し分厚いですけれども、スポーツ参画人口の拡大に関する政府の取組についてでございます。あと、参考資料としまして、スポーツ基本計画を配付させていただいています。

 資料の不足等がありましたら、事務局までお申し付けくださるようお願い申し上げます。

 それでは、本日の御出席の委員の方々を御紹介させていただきます。なお、後ほど、議題5のところで自由討議の時間がございますので、ここでは委員の皆様のお名前のみ御紹介させていただきます。委員名簿は、お手元の資料1がございますので、御参照ください。

 (委員及びスポーツ庁出席者の紹介)

【安達健康スポーツ課長】  それでは、まず、議事に入ります前に、健康スポーツ部会の設置につきまして、御報告させていただきます。また、併せて、本部会の所掌についても簡単に御説明を申し上げます。

 まず、資料2-1と2-2を御覧ください。

 資料2-1が、スポーツ審議会の概要でございます。スポーツ審議会におかれましては、スポーツに関する施策の総合的な推進に関する重要事項について調査審議をするということになっています。

 3ページのところに、第5条、部会とございます。このスポーツ審議会におきましては、その定めるところにより、部会を置くことができるというふうになっております。

 資料2-2を御覧になってください。その規定に基づきまして、今年の7月7日のスポーツ審議会におきまして、この健康スポーツ部会の設置が決定されました。健康スポーツ部会の所掌事務としましては、スポーツ実施率の飛躍的向上に向けた方策について調査審議すること、設置期間としては、所掌事務に関する審議が終了したときに廃止するということになっております。

 以上、御報告をさせていただきます。

 続きまして、早速ですが、議事に入らせていただきます。議題1、スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則についてということで、資料3を御覧になってください。「スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則(案)」でございまして、これについて御審議を頂きたく、お諮り申し上げます。

 簡単に御説明申し上げます。本運営規則につきましては、第1条にございますけれども、本部会の議事の手続その他運営に関する必要な事項を定めるものでございます。

 第2条に、会議の公開に関する規定がございます。1号のところに、部会長の選任等、人事に関する事項を決議する場合等規定がございますけれども、こういった場合を除き、公開として行うこととしております。

 第3条、会議の傍聴に関する規定がございます。2項にございますけれども、部会長の許可を得て、会議を撮影、録画、録音することができるということになっております。

 第4条、会議資料の公開でございますけれども、中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合など、非公開のものを除きまして、公開とすることとなっております。

 第5条の議事録についても、同様の取扱いとなっています。

 以上が、本部会における運営規則の(案)でございます。

 この資料3につきまして、何か御質問等ありましたら、お願い申し上げます。

 よろしいでしょうか。それでは、本部会の運営規則について、この原案のとおり決定したいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【安達健康スポーツ課長】  ありがとうございます。それでは、この運営規則は、原案のとおり決定しました。

 それでは、これより、部会長等の選任手続に移ります。なお、人事に関する手続となりますことから、ただいま決定いたしました運営規則第2条に基づきまして、この議題につきましては非公開とさせていただきます。大変恐縮ではございますけれども、報道関係者の方、一般傍聴者の方におかれましては、これより、事務局が許可するまでの間、一旦御退室をお願いします。御協力をお願い申し上げます。

(報道関係者、一般傍聴者退室)

(非公開で部会長及び部会長代理の選任が行われ、部会長に渡邉委員、部会長代理に泉委員が選任された。)

(報道関係者、一般傍聴者入室)

【渡邉部会長】  それでは、皆様戻られましたようですので、議事を再開いたします。

 非公開の審議におきまして、部会長の選任、部会長代理の指名が行われました。部会長に選任いただきました、笹川スポーツ財団の渡邉と申します。よろしくお願いします。また、部会長代理には、日本体育協会の泉委員にお願いすることとなりました。御報告申し上げます。

 それでは、健康スポーツ部会の発足に当たりまして、鈴木スポーツ庁長官から御挨拶をお願いいたします。

【鈴木スポーツ庁長官】  

 御紹介いただきました、スポーツ庁の鈴木大地でございます。まずは、委員の皆様、大変お忙しい方ばかりでございますが、お集まりいただきまして、また御就任いただきまして、ありがとうございます。

 4月から第2期スポーツ基本計画が動き出しましたが、この中で、成人の週1回以上のスポーツ実施率を42%から65%程度に上げるという目標を立てたわけであります。これは、パーセントにするとそうなんですが、実際には2,000万人についてこれから新たにスポーツへの参画を促さなくてはいけないということになるわけで、大変ハードルの高いものであります。

 これまで、各自治体で、スポーツは健康にいいというのが大分分かってきて、それがほぼ既成事実となりました。それを全国でどう行っていくのかというのが、これからの大きな焦点になってくるのではないかということで、皆様方には、日本の中でこの行動変容をどう起こしていくのかという具体的なアイデアなり議論を頂ければと思っております。

 そういうために、今回、官民連携をして、日本中で健康に向けての新たなスポーツの価値を生み出すいいチャンスでもあるかなと思っていますし、2019年、2020年、2021年と大きな国際的なスポーツイベントもありますが、こういう大きな大会を機に、国民の皆さんが健康の大事さに気付き、スポーツを通して、また、もっと言うと、健康な国民をつくって医療費を抑制するというところにもスポーツが寄与していけるのではないかと思っていまして、この健康スポーツ部会、何となく地味には聞こえますが、日本にとって非常に重要な会議だと思っています。

 これまでスポーツビジネスのところで、経産省さんとコラボさせていただきながら会議を進めて参りましたが、これから、健康のところも関係する省庁とコラボレーションを図りながら、日本全体として今大事なこと、これを進めるために、スポーツ庁も皆さんとともにスポーツの価値を上げる、そして、スポーツの新たなすばらしいところを国民の皆さんにも共有してもらうために頑張ってまいりたいと思います。

 どうぞ、皆さん、そして、渡邉部会長、泉部会長代理を中心に、円滑な議事運営、そしてまた、いい形での意見の集約ができればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】  ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移ります。本部会におきまして、御議論いただきたい主な事項、また、審議スケジュールにつきまして、事務局より説明をお願いいたします。

【安達健康スポーツ課長】  それでは、御説明申し上げます。資料4-1、資料4-2を御覧になってください。本部会における検討事項がございます。資料4-2がポンチ絵になっていますので、こちらで御説明申し上げます。

 本部会におきましては、先ほどございましたけれども、スポーツを通じた健康増進の推進ということで、スポーツ参画人口を拡大して、一億総スポーツ社会の実現を目指すということでございます。今、長官から御挨拶ございましたが、成人のスポーツ実施率(週1回)の向上ということで、65%程度を目標、新たに2,000万人程度のスポーツ参加機会の増加、これを課題に取り組んでまいります。

 こちらの検討スケジュールですが、資料4-2の中央部分に、第1弾(1年を目途)とございます。1年を目途に行動計画を策定することとしております。スポーツ参加促進に向けた新たなアプローチ、国民全体に対する普及・啓発策はどうあるべきか。当面の実施率向上に向けた即効性のある短期的施策はどうあるべきか。これについて、ここ1年で御議論いただきたいというのが1つでございます。

 その後、第2弾としまして、政策パッケージとございますけれども、制度改正や地方公共団体の体制整備等の中長期的な対応策について御議論いただくこととしております。スポーツ実施率について、主要なターゲットということで、こちらでは、ビジネスパーソン、女性、子供(特に幼児期)、高齢者、こういった方を重点的な対象として捉えて御議論いただくこととしております。

 続きまして、資料5を御覧になってください。本部会におきまして御議論いただきたい主な事項ということで、こちらは事務局のたたき台の案という形でお示しさせていただいております。

 1の御議論いただきたい主な事項ということで、今申しましたスポーツ実施率を向上するための主な対象として、ビジネスパーソン、女性、子供、高齢者とございます。これらの主な対象毎に特有の課題の洗い出しとそれらの課題への対応策はどうあるべきか。国民全体、それぞれの属性に対する効果的なプロモーション策はどうあるべきか。従業員のスポーツ実施を促す企業の取組の促進策はどうあるべきか。女性特有の課題に対する対応策。従来のスポーツへのイメージによるスポーツ嫌いへの対応策。子供(特に幼児期)におけるスポーツの楽しみ方を身に付ける対応策。高齢者が無理なく楽しくスポーツを続けるための対応策。こういったことがまずございます。

 あと、環境整備に関する課題として、1つは場所の問題がございます。スポーツをする場所の確保策をどう考えるか。いわゆるスポーツ施設のみならず、他の用途の施設の有効活用等はどう考えられるのかなどでございます。

 指導者の育成について。例えば、草の根レベルの指導者の育成策をどう考えるかなど。

 次に、各主体の取組についての課題でございます。政府、地方自治体、企業等における課題と取り組むべきこと。地方自治体よりもさらに小さい地域の単位で取り組むことはどうあるべきか。あるいは、企業経営者がトップダウンで実施するために必要なことはどういうことか。これらの主体が連携して取り組むべきことはどういうことがあるか。モデル的な取組の横展開を促進させるために必要なことは何なのか。総合型地域スポーツクラブ、スポーツ推進委員が担う役割についてということがございます。

 次に、無関心層へのアプローチについてということでございます。こちらは、スポーツ以外の分野、例えば、ファッションですとか旅行などの考えがありますけれども、そういうものとの融合により誘引策が考えられないか。また、新たなスポーツの開発・普及策というのは考えられないか。

 次に、スポーツの習慣化に向けた取組についてどう考えるかということでございます。きっかけづくりのみならず、習慣化に向けた方策をどう考えるか。あるいは、外的動機から内的動機、いわゆる自分事としてどういうふうに誘導していくかということがございます。

 こちらは、あくまでも事務局が提示したもので、この項目に限定されるものではございませんので、御参考にしていただきたいと思います。

 次のページを御覧になってください。審議のスケジュール(案)でございます。第1回目は本日開催しておりますけれども、第2回以降は、それぞれのテーマ毎に分けて御議論いただきたいと考えております。第2回につきましては、例えば、自治体等の取組、ビジネスパーソン、第3回につきましては、女性、子供、高齢者、障害者、第4回は、新たなアプローチ、即効性のある取組、第5回、第6回につきましては、全体的な行動計画をとりまとめ、こちらの案では、6月中旬頃を目途に、行動計画をまとめていきたいと考えてございます。

 第2回から第4回までの、個別のテーマについて御議論いただく際には、御専門である各委員から場合によってはプレゼン等をお願いすることもありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それぞれの回でこの部会において御議論いただいたことで、すぐさま実行できることは、順次実践に移していきたいとも考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 審議スケジュールについては、以上です。

【渡邉部会長】  ありがとうございました。資料の方は大体御理解いただけたと思います。

 それでは次に、事務局の方から資料6の説明をお願いします。

【安達健康スポーツ課長】  資料6を御覧になってください。スポーツ参画人口拡大に関する政府の取組ということで、現状のスポーツ庁の取組を中心に御紹介させていただき、この後の各委員による討議に向けて、参考にしていただきたいと考えています。分厚いので、少し駆け足になるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。

 2ページ、今年度から始まりました第2期スポーツ基本計画でございます。右上のところの赤いラインで、第2期基本計画の策定とございますけれども、この5年間には、先ほど長官の御挨拶にもございましたけれども、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2021年ワールドマスターズゲーム関西ということで、非常にビッグなスポーツイベントが目白押しでございます。こういった非常に国民の関心が高まる中で、先ほど申しましたスポーツ参画人口の拡大に向けて取り組んでいきたいと考えております。

 3ページでございます。スポーツ実施率の現状でございます。左が年代別の週1回のスポーツ実施率でございまして、下の方の合計を見ていただくと、現状、42.5%となっております。どういう層の実施率が低いかというと、上の方にございますけれども、20代から40代の年代、特にビジネス層ですとか、例えば、女性の出産・育児の時期ですとか、こういった年代の実施率が低くなっているような状況がございます。

 右側に国民医療費の推移がございます。国民医療費の推移を見てみますと、平成元年から平成27年を見ていただくと、ほぼ倍増していまして、27年度は42兆を超えております。スポーツ実施率を上げて、スポーツを通じた健康増進を通じて、こういった医療費の抑制にも貢献できるのではないかと考えております。

 4ページでございます。スポーツ実施に当たっての要因、あるいは阻害要因ということで、スポーツ庁が行った調査結果でございます。

 まず左側、この1年に運動、スポーツを実施した理由ということで、やはり一番多いのは、「健康のため」、「体力増進・維持のため」というところが非常に多くなっています。それ以外にも、3つ目の「楽しみ、気晴らしとして」、少し下になりますけれども、「友人・友達との交流として」ということで、様々な価値が見出されるものだと考えております。

 一方、右側でございます。スポーツを実施する頻度が減ったまたは増やせない理由ということでございます。やはり一番多いのが、「仕事、家事が忙しいから」、あるいは、「面倒くさいから」というところが多くなっています。5番目のところに、そもそも「運動・スポーツが嫌いだから」という理由も10%ほどございます。こちらの内訳を見ますと、女性が男性よりも倍近くこの理由を選択しております。あと、ずっと下に行きますと、「特に理由はない」というところも22%ございます。こういった無関心層をどうスポーツに振り向けるかというところも課題でございます。

 5ページでございます。改めまして、スポーツ実施率の数値目標としましては、現状42.5%を、このスポーツ基本計画の5か年の間に65%を目指して取り組むという形で考えています。

 6ページ目でございます。スポーツ実施率が低くなっている、特にビジネスパーソンのスポーツ習慣づくりというところでございます。こちらは、先ほどございましたけれども、1つの企業、1つの働き手というだけではなくて、産業界、保険者、国、地方公共団体、こういった異分野間の連携、あるいは、官民連携の推進体制で進めることが必要と考えています。また、下にありますように、なかなか時間がないという中で、スポーツに手軽に取り組める環境作りというのも必要だと考えています。

 7ページ目、女性の課題でございます。スポーツ実施率を見てみますと、平均よりもさらに、20代の女性、30代の女性は特に低くなっております。2のところで、女子生徒の1週間の総運動時間を見てみますと、オレンジ色のラインですけれども、1週間の総運動時間が60分未満の方が20%を超えておりまして、900分越えのところにもう1つのピークがございます。女子中学生の運動習慣が二極化していることが、ここで分かります。あと、3番目のスポーツ指導者の割合が、女性が27.5%、4番目、スポーツ団体の役員に占める女性の割合が9.4%ということで、女性活躍の環境整備の必要も、ここでうかがえるところでございます。

 8ページ目でございます。無関心層へのアプローチをどう考えるかというところでございます。無関心の方にスポーツをやろう、運動しようと言っても、なかなか振り向いてはくれません。そこで、例えば、民間事業者の取組でございますけれども、スポーツと違うものの組合せ、例えば、健康とスポーツ、ファッションとスポーツ、観光とスポーツ、異なるものとの組合せで、魅力の向上ですとか、あるいは、意欲の向上といったことで、これまでスポーツに関わってこなかった人が親しめるスタイルを提案できる部分があるのではないかということでございます。

 9ページでございます。それぞれの対象に対して実施中の主な施策が書いてございます。こちらは、次のページ以降に簡単なポンチ絵がございますので、こちらで御説明します。

 10ページ目でございます。官民連携プロジェクトということがございます。左下のところに、ビジネスパーソン向け国民運動を実施するという形で考えています。これは、忙しいビジネスパーソンの方が気軽に運動・スポーツに取り組めるように、例えば、通勤時間、休憩時間等に運動・スポーツをする習慣づくりを行っていこうということで、官民連携によるムーブメントの創出とございますけれども、こういったものにこの秋以降に打ち出して取り組んでいきたいと考えています。こちらは現在検討中でございまして、次回の部会には詳細なものを御説明できると思います。右のところには、新たなスポーツの開発も進めていくということが書いてございます。

 11ページ、スポーツ医・科学等を活用した健康増進プロジェクトでございまして、こちら、中段にスポーツガイドラインの策定ということがございます。こちらは、様々なライフステージに応じた効果的なスポーツ実施のアプローチですとか、具体策を提示するものを今年度策定していきたいと考えております。

 12ページ、子供の運動習慣アップ支援事業というのも、今年から実施しております。こちらは、楽しみながら幼児期の子供たちに日常的に運動・スポーツを実施する習慣を身に付けていただこうということで、プレイリーダー等を活用したモデル事業をやっております。こういったものの事業普及のためのマニュアル策定ですとか、啓発ということもやっていきたいと考えております。

 13ページの運動・スポーツ習慣化促進事業でございます。こちらの事業内容のところに書いてございますけれども、地方自治体におけるスポーツを通じた健康増進に関する施策を実施しまして、習慣化につながる取組を国としても支援するという形に考えております。今年度は14の自治体におきまして、それぞれ創意工夫を持った、地域におけるスポーツを通じた健康増進の取組を展開していただいております。

 14ページ、Specialプロジェクト2020でございます。こちらは、全国の特別支援学校で、スポーツ・文化・教育活動の全国的な祭典を開催するということでございます。2020年に向けたモデル事業の実施ですとか、あるいは、特別支援学校を地域の拠点とした障害者の地域スポーツクラブの設立ですとか、そういったことを事業として行っております。

 15ページ、地域における障害者スポーツ普及促進事業でございます。こちらは、都道府県・市町村において、域内の障害者スポーツ普及のための体制づくりですとか、地域の特性に応じた先進的な取組を支援していくという事業を展開しております。

 以上が、現在実施している事業でございます。

 16ページからは、最近のスポーツ庁の取組を簡単に御紹介させていただきたいと思います。

 16ページは、ビジネスパーソン向けの運動習慣づくりの取組例ということで、なかなか時間が取れないということがございますので、例えば、あさ活ですとか、中央は、通勤時間の時間を利用した取組ですとか、こちらは、長官がスポーツ庁がございます13階まで階段で登庁していることを実践しているところが書いてございます。右側は、ゆう活でございます。昨今、働き方改革の中で、労働時間の削減等が行われる中で、その余暇時間の過ごし方として、例えば、スポーツの活用というのが考えられるのではないかということでございます。写真は、スポーツ庁が7月に行った「ゆう活」を活用したスポーツとレクリエーションの様子でございます。こちらは空手を実践しているところの写真でございます。

 17ページでございます。こちらも働き方改革の一環として、最近「プレミアムフライデー」という取組が進んでおります。スポーツ庁としては、プレミアムフライデー、外食した・お酒を飲みに行ったという割合が多いのですが、是非、こういう時間を活用してスポーツを楽しもうということで、5月はプレミアム“スポーツ”フライデーと銘打った取組を、こちらは経団連さんとも連携しながらやったということです。下にありますのは、企業対抗マイルリレーということで、スポーツ庁からもチームとして参加をしたというふうなことでございます。

 18ページでございます。「健康経営」という言葉は最近非常に定着していますけれども、企業における健康づくりというのが、コストではなくて、積極的な投資として捉えて、健康な社員をつくって、企業に非常にメリットがあるような形になってくるというところでございまして、スポーツ庁におきましても、企業にビジネスパーソン向けの運動習慣づくりを促した「健康経営」を推進していこうということで考えています。

 19ページでございます。具体的に、企業における「運動習慣」から期待される効果というところでございますけれども、いろいろ効果があるとは思いますが、1つのポツにございますけれども、社員への運動習慣づくりが、健康増進、ストレス解消、コミュニケーションの活性化ということで、社員の働く意欲や生産性の向上が見込まれるのではないか。2つ目のポツにございますけれども、企業の生産性向上やイノベーション創出、生き生きとした職場環境の醸成、こういったことで企業の業績の向上、あるいは、ブランド価値の向上が生み出されるということが書いてございます。

 20ページでございます。スポーツ庁としましては、今年度から、社員の健康増進のためにスポーツ実施に向けた積極的な取組を行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定する制度を創設いたしております。こういった企業を認定して、そういった企業の社会的評価を向上させることで、「働き盛り世代」をはじめとした、国民全体のスポーツ実施率の向上につなげていければと考えています。

 一番下に書いてございますけれども、10月31日までが募集期間で、12月頃にこういった企業を発表する予定でございます。

 21ページでございます。スポーツを通じた女性の活躍促進会議ということで、こちらについては、別途こういった会議を現在開催して、女性のスポーツ参加に関わるいろいろな課題について、今、御検討いただいております。本部会の委員の方にも何名か参加していただいて、議論をしていただいています。こちらの会議の結果につきましても、後日、部会の方にもフィードバックして、議論していただきたいと考えています。

 大変長くなりましたが、以上が、現状の取組の御説明でございます。是非、御参考にしていただければと思います。

 以上でございます。

【渡邉部会長】  ありがとうございました。

 スポーツ参画人口の拡大に関する政府の取組についての説明でした。

 前半に御説明いただきました検討のイメージ、あるいは、御議論いただきたい主な事項、審議スケジュール、さらには、ただいまの説明に基づきまして、各委員の皆様におかれましては、皆様御自身のこれまでの取組、研究等の内容に加えまして、本部会のとりまとめに向けました論点、課題に対する提案等について、一人5分を目途にお話しいただきたいと思います。

 それでは、泉委員からよろしくお願いします。

【泉部会長代理】  それでは、トップバッターで恐縮でございますが、自己紹介も兼ねてということでございますので、少しお話をさせていただきます。

 日本体育協会、来年4月1日から日本スポーツ協会に名称が変更になります。体育とスポーツの考え方もしっかりしていきましょう、ネーミングからということで、国民体育大会についても、基本的にはまだ仮称ですが、国民スポーツ大会に変更する予定です。

 日本のスポーツ界全体を統括し、JOCが強化、日本体育協会が生涯スポーツ普及、原則的に役割分担しておりますけれども、実際は、日本体育協会の中でも、国民体育大会は強化の一環でありますし、最近は「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」ということで、新しい金の卵を探すプロジェクト、要するに、トップアスリートまで上り詰めていく選手の発掘という事業にも取り組んでおり、大変多岐にわたっております。

 日本体育協会には、47都道府県体育協会、それから、ほとんどの競技団体が加盟しておりまして、最近は日本フライングディスク協会も準加盟団体として、加盟承認しています。全部で117の団体が加盟している大変大きな組織であります。

 事業についても、国体、日本スポーツマスターズの成人の大会、あるいは、日中韓等、外国とのスポーツによる国際交流。地域では、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、それから、指導者養成事業については、約49万人を数え、前の東京オリンピックのレガシーとして、指導者養成を始めて、昨年で50年になりました。スポーツ少年団も、東京オリンピックのレガシーとして、少年団組織を作って50年になっております。70名程度の職員しかおりませんが、大変多岐にわたった事業をしているというのが日本体育協会の現状でございます。

 実は、きょうのこの部会で、私もふと気が付いたのですが、日本体育協会というのは、どちらかというとスポーツが大好き、こっちの方を向いてくれている人を中心に今まで実は活動してきたと感じています。今後、運動が嫌いな人とか、ビジネスパーソン、主婦層のところをどうしようか、今まで対応が遅れていたというのが現状かなと、そんなふうに思っております。

 今、力を入れておりますのが、文部科学省の委託事業として、「アクティブ・チャイルド・プログラム」という、子供たちの遊びから入るプログラム、これを作りまして、それを、三つ子の魂百までもとよく言いますけれども、スポーツ嫌いをまずつくらない、そのためには、幼児期からしっかりとスポーツの楽しさを教えていく、こういったところに着眼をいたしました。今年度から――実は、スポーツ少年団活動を50年やってまいりまして、一時期は団員数100万人を超えていたんですが、今、少子高齢化ということもありまして、80万人ぐらいまでに減少してきています。そこで、今まで少年団は小学生以上しか参加できなかったんですが、今度は幼稚園児、3歳児からこのアクティブ・チャイルド・プログラムを導入して、スポーツの楽しさを小さなときから体感させようということで取り組んでいます。今はまだ本丸には届いておりませんが、その指導をするリーダー、これを全国で養成し、スタートしているという現状です。まずは入口からスポーツに対する思い入れをしっかりと作っていきたいなと思っております。

 最後に1点だけ、私、このスポーツ実施率の調査、これが非常に気になりまして、どんなふうに調査しているのかなということで、ちょっと調べてまいりました。大変細かく、60ぐらいの種目・内容が、これがスポーツですよということでアンケートされており、それを推計して週1回やる方が何%と、実施率が出てくるというのがよく分かりました。

 例えば、ウォーキングについては、歩け歩け運動も入ります、散歩も入りますと書いてあるんですね。では、実際に歩いている人たちが、自分たちは運動しているというふうに感じて散歩しているのかなというのをちょっと感じまして。私もビジネスパーソンの一員かなと思っていますが、やっぱり仕事が忙しくて、なかなか一日、あるいは、時間を取ってスポーツをするという機会が意外と少ないものですから、実は携帯の万歩計で、1日9,000歩が1つ目標で、今、一所懸命頑張っております。できるだけ階段を上がったり、ひと駅前に降りて歩いてみたりというようなことで、意図的にやっているんですが、これがスポーツの範疇に入るのかなと感じています。生活の中の1つの大きなポイントといいますか、この辺のスポーツ実施率の調査についても、大きく変えるということはできないと思いますが、もう一度何がスポーツ実施率なのかということも、この機会に考えてみたいなと思っております。

 以上です。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 後山委員、お願いします。

【後山委員】  よろしくお願いします。博報堂の後山と申します。

 私、広告会社の博報堂というところに勤めておりまして、大きく国民運動等々を弊局の方でやらせていただいた経験がございまして、そちらを中心に、今回、この活動ということに参加させていただければなと思っております。

 今回、メインのお話としては、ビジネスパーソン向けの国民運動ということがございますので、こういったビジネスパーソンのスポーツ実施率の向上に資するようなアイデア等々を考えていきたいなと思っております。

 過去、弊社では、クールビズといったような運動、いわゆる皆さんがネクタイを外して会社に来てもいいよというような形の運動等々も我々の方で仕掛けさせていただきまして、形になっていったということもございますので、そういった新しいアプローチで、いかにビジネスパーソンの人を動かしていけるかというところを考えていきたいなと思っております。

 また、今年度の取組といたしましては、今、スポーツ庁様と一緒に、資料4-2にございますような、スポーツ参加促進に向けた新たなアプローチ、国民全体に対する普及・啓発策というところを少し検討させていただいておりまして、まさに今年度、一回、まずそういったトライアルといった形で、ビジネスパーソンに向けてこの活動を実施していけたらいいなと思っております。

 また、来年度以降に関しましては、まずビジネスパーソンから広げていき、女性であったり、子供であったり、高齢者であったり、そういった多くの人たちに対しまして、今後は、その活動を広げていくことで、日本全体が健康になるというようなことを我々としても実施していきたいなと考えております。

 また、このビジネスパーソンというところなんですけれども、最近、IT企業の方々とよくお話しさせていただくんですけれども、SEの方を多く抱えている業界に関しましては、ほとんど動いていないということもございまして、腰痛とか健康被害というものが非常に多くなってきております。そういった方々にお話を伺うと、生産性がどんどん下がっていってしまうので、できれば会社としても、社員の方々に運動してほしいという意思はあるようなので、そういった会社のトップとか、経営層とか、そういった方々を巻き込みながら、いかにこの健康的な国をつくるということを国民全体に浸透させていくかということを我々としてはやっていきたいなと考えております。

 ですので、また次回以降でもしかしたら御説明差し上げる機会もあると思いますが、そういった活動についての皆様からの御意見等々もまた伺いながら、世の中全体にスポーツ参画人口を増やしていくというような取組をやっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 それでは、大久保委員、お願いします。

【大久保委員】  順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科、また、スポーツ健康科学部健康学科で教員をしております大久保菜穂子と申します。よろしくお願いいたします。

 私は現在、順天堂で健康教育学というのをメインに教えております。その中で、特に順天堂大学では、保健体育科教員や特別支援学校の教員、そして、養護教諭という保健室の先生など、そういった児童生徒の健康を司る職に就いていくことを希望している学生に対してアプローチをしています。そして、大学院では、同じ健康教育学が専修免許状の必修科目になっており、実際にその後臨床現場で教員の活動を積んだ後、管理職としても、そういった資質を持てるような大学院生を養成しています。

 前任校では、聖路加看護大学という、現在、聖路加国際大学という名前に名称変更しましたが、その大学で、ちょうど21世紀COEプログラムという大きな研究助成金を採択されまして、「市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点」というテーマで行う研究に携わってまいりました。

 そのときに、やはり私がヘルスプロモーションとか、ヘルスエデュケーションとか、そういった視点からアプローチする際には、市民主導型の健康生成というところで、看護の先生はたくさんおりましたので、そのキーワードで一緒に取り組んでいったというような経緯がございます。

 今回のいろいろな大きな取組に関しても、やはり市民が自分でやりたいと思えたり、また、楽しいな、またしたいなと思えるような、そういった取組ができるアプローチ、そして、一方では、それがまた健康生成につながっていくというあたりを考えながら議論をさせていただきたいと思っております。

 今回、いろいろな資料を拝見しまして、私の方でちょっと思ったことは、特にWHOの21世紀の健康戦略として出されているヘルスプロモーションの中のプロセス戦略のうちの一つであります「唱道」なんですけれども、「advocate」というものが重要になっておりまして、今回も、子供から高齢者まで、様々な人々に対しての取組というのがなされている中、特にセッティングス・アプローチというんですか、生活の場に即したところでのアプローチということもまた頭に入れながら、現在行っていることをまた考えていくということも1つかなというふうに思っておりました。

 特に、今申し上げました「唱道」とか「advocate」という視点で言いますと、学校であれば校長先生とか、会社であれば社長、地域であれば市町村長の、今回御参加いただいている庁の部長さんとか、そういった方たちを巻き込んで、そして、その方たちに理解をしていただいた中での実施ということが、我々にとって――私も労働者の一人ということになりますが――もやりやすいのかなとも思っております。

 また、もう一つ考えたのが、今回、コラボということで、連携もしていくということで、もう既にスポーツ庁の方たちで行っている取組も拝見しておりまして、様々な組織から同時に同じメッセージを送るということも、とても重要なのかなとも思っております。そういった意味でも、スポーツ庁からの発信というのが、とても今回のことは重要であると思い、私自身も、微力ですが、邁進してまいりたいと思っております。

 また、健康教育学という専門の中でも重要なキーワードになります行動変容ということ、そういったことに対しても、これから先生方と御議論していきたいと思っています。

 最後、実際に無関心層へのアプローチというあたりで、民間の取組などもされているかと思っておりますが、ちょうど私も、今度、企業名を出していいのか分かりませんが、イオンのタウンホールというんですか、そういったところで、医師の方とセットで健康的な生活習慣に向けてというような講座を開いたりしております。そういったことの中で、もちろん、体を動かすとか、スポーツということの重要性なども入ってきておりますので、そういったことも、また自分自身も勉強しながらですけれども、進めていきたいと思っております。

 今後ともよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 工藤委員、お願いします。

【工藤委員】  大東文化大学の工藤保子と申します。

 私の専門はスポーツ社会学で、社会現象とスポーツを結び付けながら問題解決をしていくという分野です。この春までは、笹川スポーツ財団で26年間調査研究を担当しておりました。今回のスポーツ庁が基準とされている調査とは別のものになりますけれども、26年間動向を見てきた中での、4歳から成人含めてのスポーツライフ、「する・みる・ささえる」という視点でのエビデンスがありますので、そちらの情報も踏まえて、この委員会のお力になれればなと思っております。

 今回の資料を拝見させていただいて、4点ほど考えるところがあります。

 まず女性の問題です。私は、スポーツ庁内に設置されている別の「スポーツを通じた女性の活躍促進会議」の方にも委員として参画させていただいています。そちらの会議でも女性の指導者の問題ですとか、キャンペーンの話ですとか、並行して議論しておりますので、そちらの情報も共有できればと思います。

 また、女性と言っても問題は「女子」になってきます。様々な女子に関するスポーツ実施のデータを見ていますと、良くなってきているように感じております。これは各所各所で、中学生、小学生の女子に対する取組として、頑張っていらっしゃる結果だと思いますが、でも、やはり男子との差がなかなか縮まらないというのが現状です。また、その女子たちが将来は母親になるという循環がありますので、女性の問題のところは、10代と書いてありますけど、10代以前の女子・女児から考えないといけない状況です。笹川スポーツ財団のデータでは、小学校の3~4年生ぐらいの女子にターニングポイントがあることが見えていますので、幼児のところから女子のスポーツ活動をサポートしていかなければならないと考えているところです。

 2点目は、子どものスポーツ実施には、結局、保護者の関りが強く、例えば習い事の中で、スイミングに行かせるのか、英会話や音楽教室に行かせるのかという、同じ費用を掛けるところの選択に、スポーツが入るか否かということがありますので、保護者の意識も併せて進めていかなければならないと思います。

 3点目ですが、私は、スポーツボランティアについて長年研究と実践を行っております。今回の行動計画を「する・みる・ささえる」の視点で見たときに、スポーツを行うのはあまり得意でないという人たちへのアプローチとして、スポーツボランティアという切り口が、何かスポーツの接点を持つきっかけになりはしないだろうかと考えています。今後、国内ではラグビーのワールドカップや、東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。これまでとは異なるボランティアの実施動機が働くと見ていまして、当然、データでも、スポーツボランティアの実施希望率は上がっていますので、せっかくのメガスポーツイベントが開催されるのを機に、スポーツボランティアという切り口が、新たなアプローチの方法としてお役に立てないかなと、まだこれは漠然と考えているところです。

 最後、4点目は、泉様と同じなのですが、「スポーツ」実施率という言葉の定義を見直す時期でもあるかなと考えています。実際は身体を動かしているのに、スポーツという言葉に引っ張られて「スポーツやってないよ」と思っている人たち、アンケート調査のスポーツ実施者になかなか反応してくれないところもあると感じています。笹川スポーツ財団では、4歳から9歳を対象にした、スポーツライフ調査の全国調査も実施していますが、何回か前から、運動・スポーツ種目のほかに「運動遊び種目」も含めて実施状況を調査し、身体活動量としてどのぐらい、本当に女の子と男の子が身体を動かす量に違いがあるのだろうかと見ましたところ、低年齢だとあまり差がないことがわかりました。運動遊びとしてはブランコや駆けっこ、自転車遊び、木登り、缶蹴りなどを含めました。

 では、どこで男女差が出てくるのかというと、スポーツという種目に関わる年齢が、男の子はサッカーを4歳くらいから実施していることが全国調査の結果からも把握できており、5歳以降は、男子の実施種目の第1位となっています。一方、女の子は4歳くらいですと、やはり鬼ごっこだったり、駆けっこだったりと運動遊びが上位を占めています。バレーボールやバトミントン、バスケットボールなどの10代で実施率の高いスポーツ種目が、低年齢児に親しむ環境が無いことがわかります。ですので、スポーツ少年団で、低年齢の女の子向けのスポーツがどのぐらいあるのかなど、そのような視点も踏まえて、女子のスポーツ環境を整備することも考えていかなければならないと思っています。

話をもとに戻しますが、泉様もおっしゃっていた通り、スポーツ実施率というものの定義を一度見直してもいいのではないかと私も考えております。文言にエクササイズ系を入れるなど、レクリエーションや野外活動など、少し回答する側のイメージが膨らむような工夫をするなど、そのようなことも少し検討できる機会になればと思っております。 

【渡邉部会長】  小松原さん、お願いします。

【小松原委員】  健康保険組合連合会の小松原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私ども健康保険組合は、全国に約1,400ほどございます。よく新聞報道等で大企業中心の健康保険組合と言われますが、実は中小企業もたくさん入っておりまして、皆さんのイメージでは、例えば、トヨタ自動車ですとか、パナソニックの健康保険組合というふうに思うかもしれませんが、同業種が集まって健康保険組合を設立しておりまして、設計事務所や出版業界だけが集まって1つの健康保険組合も作っております。ですので、たくさんの中小企業も入っているということをお伝えしておきたいと思います。

 全国に約3,000万の加入者がおります。全て企業にお勤めの従業員とその家族になっております。私どもの健康保険組合連合会、特に私の保健部というセクションは、その方々に対する健康づくりや疾病予防、また、メタボ健診と呼ばれております特定健診・保健指導をはじめ、医療費の適正化に関する事業を行っているところでございます。私は実はそういう事業を日々行っているのですが、最近は厚労省の仕事よりも、経済産業省の健康経営、健康投資の仕事がかなり多くなっておりまして、先ほど鈴木長官からお話もありましたように、他省庁との連携というのは非常に大事だなと思っております。

 特に、社員の健康づくりや疾病予防というのは、やはり経営者のトップ層がいかにそういう認識になっていただくかどうかということが非常に大事だと思っておりますので、私は、スポーツの普及というのも、いかに企業のトップが大事だということを認識するか否かにかかっているのではないかと思っております。

 健康経営が非常に今うまくいっているのは、企業の経営者が社員の健康に要する費用がコストという意識から投資という意識に変わったことだと思っております。投資というのは、金銭的投資もあるとは思いますが、特にスポーツを行うことも健康に対する投資だというふうに考えれば、経営者に対して、時間的投資と空間的投資を行っていただくという、こういうお金をかけない投資をいかにやっていただくか。ここが鍵になるのではないかなと個人的には思っておりますので、皆様とそういうところも議論できたらと思っております。

 もう一つ、今日、久野先生御欠席ですが、久野先生の研究の中で、国民の約7割が健康無関心層だと言われております、この7割の方々にどうアプローチをしていくのかというのが非常に大事だと感じておりまして、私どもも今ここを試行錯誤しているところでございます。

 実は、先週の金曜日から、この健康無関心層に対して、ウォーキングをしていただくモデル事業を開始いたしました。これは、歩けば歩くほど熊本の被災地に社会貢献できる、寄附が行くという形で、ふだん健康に意識がない方も、自分がちょっとでも歩けば困っている方々を助けられるかもしれないといった取組を今モデルで始めたところでございます。こういう事業がうまくいけば、健康無関心層、あるいは、スポーツにあまり興味ない方も参加していただけるのではないかなと思います。

 今回、こういう場所にお声掛けいただきまして、すごく私自身勉強させていただきたいと思っておりますし、この健康無関心層に対してどうアプローチをしていくかについても、皆さんと議論ができたらと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 髙﨑委員、お願いします。

【髙﨑委員】  ルネサンス、髙﨑でございます。よろしくお願いします。

 会社は、スポーツクラブやリハビリ型のデイサービスを全国で150か所、国外はベトナムに2か所の施設を経営しております。会社の仕事以外には、健保連の小松原さんの部下のようになり、健保組合・企業を回って、健康経営等の仕事をしております。今月は、「健康経営会議」というものを経団連会館で開催しましたが、現在当社が健康づくりのお手伝いしている法人会員の社員の総数は4,000万人おられ、個人会員の40万人より多くなっています。今年は鈴木長官にも健康経営会議で御講演いただき、「スポーツエールカンパニー」の啓発もしていただきました。他には、イオンモールさんなどと一緒に健康づくりのプログラムなどを相談しています。

 さて、どうやってスポーツの実施率を上げるかというのを考えてきましたが、42%を65%にすると、1年で二桁成長して6年間かかりますが、今までの方法だけでは、なかなか厳しいとも考えます。今まで、取り組んできた施設やプログラム提供という「ハードアプローチ」は勿論必要だと思いますが、それ以外に、どう進めていくのか?という「ソフトアプローチ」も必要になると考えられます。今日集まった委員の中には博報堂さんもおられますので、例えば「ソーシャルインフルエンス」等の、人を動かすノウハウを教えていただきたいと思います。

 私たちの多分強みは、「スポーツはすごく素晴らしい」「健康はすばらしい」という信念を持っていることです。しかし、その強みこそが、時には弱みとなってしまいます。例えば、公衆衛生の一つの考えで無関心期というものがありますが、「無関心のままでもスポーツをしてもらえばいいのではないか?」という考え方をすることもできます。私達の信念でもある「スポーツは素晴らしい」というデフォルト:我々の初期設定を再設定してみることも、大切な気がします。

 スポーツ庁は、英語にすると、Japan Sports Agencyと表記されます。例えば、博報堂さんのような広告代理店とは違いますが、スポーツ実施率の向上に関して、直接お金をばらまいて推進するという手法ではなく、スポーツ実施率向上策に付帯させる推進エンジンの役割を担うことが大切だと思います。私達は企業社員の健診受診率向上等の推進に関して、時折コンサルティングをしますが、お金をかけなくても結果が何倍かになる手法を持っています。それは「理念」だけに訴えると時間がかかり成果が出にくいのですが、時には「利害」や「力学関係」に訴えるとその成果は数倍になるということです。

 もう一つ、最後に「連携」を進めていただきたいと思います。私の例で言えば、今日はスポーツ庁の会議に来ているのですが、今月はスポーツ庁以外に、経産省・厚労省・総務省・国交省・内閣府に来ていています。ある地方都市へ、経産省のヘルスケア産業課に関する仕事で行きましたが、出てこられるのは産業系だけでなく、厚労省系の仕事の方、スポーツ庁:文科省系の仕事の方々が出てこられました。スポーツを通した健康づくり事業に廃校になった小学校を使うという課題だったので、様々な担当の方が集まったということです。文科省の方にお聞きしたら、全国には廃校になった学校が6,800か所、余裕教室が7万教室ぐらいあるそうです。霞が関の中央省庁では連携が進んできましたが、地方自治体でももっと連携して欲しいと感じています。基礎自治体である地方都市の中で、役所内や地域の産業界がうまく連携すれば、スポーツの実施率を向上させる新たな取り組みももっと推進できるはずです。私達も精一杯努力しますので、場所も作っていただき、例えば総合型スポーツクラブの方々に人を出していただき、人手が足りない介護予防などに取り組みたいと思います。健康スポーツの推進という課題については、このようなことをJapan Sports Agencyに期待しております。私たちも精一杯、一緒に働きたいと思いますので、よろしくお願いします。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 津下委員、お願いします。

【津下委員】  あいち健康の森健康科学総合センターの津下と申します。

 私は、糖尿病を中心とした臨床医だったのですが、予防の必要性を感じて健康づくり、生活習慣病予防の分野に転身しました。現在のあいち健康の森のセンターでは、センターに来られる方の指導だけでなく、市町村や企業の健康づくりの支援にも取り組んでいます。厚生労働省の検討会はもう十数年前から出ていまして、今のメタボ健診の制度設計の頃からずっと一緒に走ってきました。また、経済産業省の次世代ヘルスケア産業協議会で健康投資について議論したり、IoTを使った行動変容のモデルをやったりしています。いつも小松原さんとか髙﨑さんとよくお会いするという、こういうことでございます。

 私は運動嫌いな人に出会うのが常日頃でありまして、糖尿病の患者さん、それから、メタボの保健指導の対象者は運動実施率が3割しかありません。ですが、翌年、保健指導を受けた方の実施率は高まり、前の年に運動してないよと言った人の4分の1、25%の方が新たに始めています。ですから、個別に会って、あなたの健康の課題を話し合って、3%減量するといいよ、歩くのはとってもいいよということを個別に話すことで、一般論ではなくて、自分事化してスタートし、そして、歩数とか活動量を記録していただいて、応援をすると、こういうことで、一定の方々の行動変容がおきます。もともと運動習慣のない方々でも、健診・保健指導の機会での働きかけにより、新たに4分の1が始めることは重要と思います。健診とか保健指導とかの制度はもう広く普及しておりますので、その機会をどう使うかというのが1点あるかと思います。

 逆に、去年運動していたんだけど、やめちゃう人がいるんですね。やめちゃう人はどうしてやめているかというと、異動とか、それから、勤務場所が変わったということで、今までやっていた環境を失ってしまうとやめてしまいやすい。中には、やり過ぎてひざを痛めて歩けなくなったという方も見えて、自分に合った運動の方法ではなくて、ちょっと頑張り過ぎちゃった方が脱落してしやすいこともわかります。その人に合ったやり方をきちっと伝える、そして、個別に伝えるチャンスというのをうまく活用していただくといいのかなと思います。

 パパメタボに対してアプローチすると、子メタボまで良くなるということが報告されていました。パパが運動し始めて、奥さんも食事を変えていくと、子供も一緒に体重管理ができてくるということで、家族ぐるみのアプローチにもつながっていくのかなというふうに思います。

 それから、週1回ということについてですが、これはエビデンスがあって、週1回60分以上の汗ばむような運動をすると、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸につながると。私自身も子育てと仕事が忙しくて、なかなか運動する時間ないなと思っていたんですけど、週1回1時間の運動の重要性を知っていましたので、自分の時間として大切にしようと思いました。子供がスイミングをやっているときに週に1回は隣のコースで泳ぐということを、これを何よりも優先課題を高くしてやろうということを決めてやってきました。週1回1時間の運動が自分にとって絶対必要なんだという知識があったので、優先順位を上げることができました。週1回1時間は生涯健康できるだけ健康に生きていくためには、最低限生きていくために必要なんだという知識をもっと強くアピールしてもいいのかなと思います。

 それと同時に、日常活動の中で、厚生労働省では、プラステン、10分間余分に歩くだけでも効果があるよという易しい目標と、それから、週1時間、これだけの運動でも違うんだということを、その必要性を強くアピールするというのは、すごく大事なことなのかなと思います。

 それから、糖尿病の方などは、やっぱり運動し始めると血糖値が下がったり、薬の量を減らすことができたりとか、効果を実感できる場面があります。当センターでの運動実施状況を見ても、一病息災で、病気がある人の方が継続率が高いというデータもあります。なので、病気になった人が、治療だけではなくて、運動のある暮らし、を進めることが大切と思います。がんの方も、乳がんのサバイバーの方も運動習慣がある人の方が再発率が少ないというエビデンスが出ているんですね。なので、実施率を上げるためには、健康な人だけの実施率を上げるのではなくて、すべての人にとって運動のベネフィットを享受する必要があると。そのためのやり方とかチャンスというのを提供できるといいのかなと思います。

 とてもこの会議に出るのを楽しみにしておりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 友添委員、お願いします。

【友添委員】  早稲田大学の友添秀則と申します。今、津下先生のお話をお聞きしながら、私も指導をお願いしなければいけないかなというふうに思っておりました。けさの体重が110キロありましたので、心配になっていました。

 勤務先の大学では、オリンピアンから運動部活をやったことのないという学生まで、幅広く学生を指導しています。研究室の外国からの留学生も多くいて、多文化の中で生活をしている毎日です。

 少し私の根本的な思いを言えば、スポーツ界のコペルニクス的な転換が必要な気がしています。いわゆる「コペ転」と、私、言っているのですが、発想をやっぱり大きく変えていかなければいけない時期に来ているのではないかということだと思っています。

 学校の施設設置基準が現状のままで本当にいいのかと思うことがあります。私たちの世代は、学校の廊下を走ってはいけませんと指導されましたが、いまは、むしろ子供達に心拍数をあげるために、時には走りなさいと指導した方がいいのではないかと思う時があります。あるいは、階段を飛びなさいと。特に女の子達が初潮年齢を迎えるまでに、どんどん階段を飛んで、骨粗鬆症の予防をしましょうというふうに考えたほうがいいとも思います。今までの発想を変えていく必要があるのではないかということです。

 それから、スポーツの概念そのものの見直しも必要ではないかと考えます。今のスポーツの概念で言うと、いつまで経ったっても参画人口が65%というのは、難しいのではないかと思います。

 あと、中学生にエアロバイクを空き教室に置いてあげると、それまでほとんど運動しなかった子供たちがエアロバイクをこぎ出して、汗をかく楽しさを知って運動する楽しさを実感したという報告もあります。考えようによっては、利用価値と効用という観点からみれば、エアロバイクも安いのではないかと思います。オープンスペースにエアロバイクを置いてあげるだけで、かなり生活のライフスタイルが変わってくる。これもやっぱりコペルニクス的な転換が必要だと思います。

 実は私、一日中駆けずり回っているものですから、いつ運動するのかって、夜中、私もエアロバイクをこぐことが多くて、その折に院生の論文を読みながらこいでいるんですね。汗がしたたり落ちるものですから、赤字が滲んじゃって、院生いわく、「先生、何かつらいことがあるんですか。泣きながら私の論文読んでくれたんですか」、「いや、違う違う、汗だ、汗」というふうに言われることが多いんですけれども。

 少し今発想を変えていく必要があるということと、あと、ニュースポーツが70年代以降、日本の中で席巻をしてきたけれども、もうこれはオールドスポーツに変わっているというふうに思った方がいいことも付け加えておきたいと思います。いわば、ニューニュースポーツがやっぱり必要な時期に来ているということですね。

 ビジネスパーソンを考えると、発想を変えていけば、例えば、スリー・オン・スリーで、職場の中で30代、40代、50代から1人ずつ出して、リーグ戦をずっと展開していくと、多分、会社の中では盛り上がるように思います。リーグ戦表を各課の中に貼り付けて、課対抗にして、社長から金一封出すだけで、かなりやっぱりイメージが変わってくる。

 ただし、今のルールでは無理ですから、ルールというのは可変性があって、変わっていくべきものですから、プレイヤーや対象者に応じて変えていかなければいけない。道具も変わっていかなければいけない。スポーツ用品、用具の開発がもっと進んでいかなければいけない。場の工夫も進んでいかなければいけない。ここにはやっぱりマーケットが生まれてくるし、そして、用品の新たな需要が生まれてくる。むしろ、そういう、先ほど来連携ということですけれども、発想を変えて新たな繋がりや連携を創っていく必要を感じます。また、スポーツ場面で、バーチャルリアリティをどんどん活用していくこともあっていいようにも思います。ゴルフの打ちっ放しのバーチャルリアリティを置くと、多分、みんな、クラブを職場で振り出す。とっかかりは、これで十分だと思うんです。あるいは、子供にサッカーゴールのバーチャルリアリティのデバイスを置くだけで、小学生はどんどん架空のボールを蹴っていく。これもアクションを起こしていきますから、心拍も高まっていくし、大腿筋にも刺激がありますから、運動と同じ効果が生まれてくる。発想を変えていけば、面白いことや現状を変革していくことができると思います。

 高齢者の方々には、これもスポーツコミッションだとか、あるいは、スポーツツーリズムもありますけれども、一定期間、健康保険を使わなかったおじいちゃん、おばあちゃんには、観劇券や好きなお芝居の券をプレゼントするだとか、あるいは、ボーナスとして商品をもらえるようにするだとか、あるいは、スーパーマーケットの開店・閉店前の空きスペースを、企業の協力の下に、そこで幾つかの、何もスポーツをやる必要はなくて、フィジカルアクティビティ、身体活動を入れていくという発想、こういうことをやっていくだけでも、多分、参画人口は65%に近づいてくる可能性は高くなってくるように思います。し、『梁塵秘抄』という昔の和歌集の中に、人は遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけんという一節が出てくるんですけど、遊ぶために人は生まれてきたという、遊びの原点、先ほど工藤先生がおっしゃいましたけれども、運動遊びとか、遊びの中から実は新しいスポーツが生まれてくると思います。牛の膀胱の蹴り合いからサッカーが生まれてきたように、あるいは、羊の膀胱を打ち合うことからテニスが生まれたように、あるいは、酒瓶を倒すことからボーリングが発祥したように、次の新しいスポーツの芽も、そういう子供や人々の遊びの中から生まれてくる可能性があると見た方が、人類史的な視点に立ってもいいのかなというように思います。

 雑駁な内容になりましたが、以上です。ありがとうございました。

【渡邉部会長】  萩委員、お願いします。

【萩委員】  東海大学の萩と申します。今、タイトルは大学院体育学研究科になっているんですが、学部の方は、スポーツ・レジャーマネジメント学科というところにおります。私はレジャーという言葉に惹かれて、前任校、鹿屋体育大学なんですけれども、東海大学にやってまいりました。

 今、友添先生お話しなさったように、やはりスポーツというものを、基本計画を立てるときにも、このスポーツの概念については結構議論をしたんですね。やはりこのことをちゃんと国民に広げない限り、スポーツ実施率は上がっていかない。また、この部会がアウトカムとしてスポーツ実施率を上げることということであれば、このスポーツというものをどう捉えるのかが非常に重要な要素になってくるのではないかなと思いますので、この辺をまた整理できたらいいのかなと思っております。

 私もビジネスパーソンの国民運動の方にも参画させていただいているんですけれども、やはりそこで感じたのは、どうしても私たちは都会に住んでいて、東京の会社とか、サラリーマンとか、企業のイメージがあるんですが、これ、全国に広げるということになりますと、私、先週末、松山で学会があったので行っていたんですが、地方都市で田んぼの中に点々とある、そういう環境の中で、なかなかこれはビジネスパーソンの身体活動をどうやってサポートするのかなとか、スポーツ活動をどうやってサポートするのかなって、しみじみ思いました。何かそういうセグメントの仕方も、ビジネスパーソンという括りだけではなくて、多分、地域性とか、あるいは、職業ですよね。デスクワークの方と、もう本当に第一次産業で農作業をされている方とか、そういうことも踏まえて、やはりもう少しきめの細かいアプローチをしないと、本当の意味でのスポーツ実施率を上げていけないかなということがあります。

 それと、健康スポーツというと、スポーツの前に健康がありますと、皆、健康づくりのためのスポーツみたいな印象をどうしても持つんですけれども、私は逆だと思っているんですね。スポーツをして楽しくやったら、結果的に健康になったと、そういう方向性で、このスポーツ庁の部会はいくべきかと思います。今、友添先生おっしゃったように、いかに楽しいスポーツを提案できるかというのが、やっぱり非常にここの部会、大事だと思いますし、それで何か夢中になっていたら、いつの間にか体も良くなったよねというアプローチが非常に重要なのではないかなと思います。

 あとは、子供たちの全国体力の方も関わらせていただいて、その結果を見たときに、やはり中学生の女の子たちが非常に衝撃的でした。ただ、中学校の中で、非常に積極的に女子生徒が頑張っている中学校もあるんですね。そういうところは、やはり先生のアプローチとか、学校ぐるみで非常に熱心に取り組んでいるんですね。ですから、私は、こういう問題というのは、子供たちの問題ではなくて、やはり周りの大人たちがどう考えるかということだと思いますので、その辺も併せて議論の中に入っていったらいいかと思います。

 最後に1点、私、今、学校開放事業を大学生と一緒にやっているんですけど、その学校開放というのが、平塚市の場合は、グループになっていないと学校開放に参加できない、あるいは、ちゃんと登録をしないと利用できないということで、恐らく運動嫌いとか、あまり運動するチャンスがない方たちというのは、わざわざ何とかクラブに入らないんですね。そういう方たちを引き出すために、私たちがやっている学校開放は、いつ来てもいいよ、この時間やっているから自由に来てねということで、3年ほど続けてやっております。少しずつ増えてきて、親子で来たりとか、きょうはたまたま時間があったからというので、ふらっと来たりとか、そういう環境づくりを今後やっていかなければいけないと思いますし、学校開放事業も、今まさに見直す時期なのではないかなとちょっと思いますので、併せて議論の中に加えていただけたらと思います。

 以上です。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 早野委員、お願いします。

【早野委員】   東京マラソン、早野と申します。東京マラソンというイベントの運営をしています財団なんですが、この10年間、2007年に始まりまして、笹川財団からも御支援いただきまして、ここまで来たんですけれども、事業規模で16億5,000万で始まって、今、40億の事業になっています。そのうちスポンサー費用が7.7から25億、いかに企業を引き込んでいくかということと、それから、やっぱり無関心層ですね。そのことはたびたび皆さんの口から出てきているんですが、我々も、無関心な人に興味を持ってもらい走らせると。東京マラソンが始まってから、たくさん周りの人が走り始めたという感想をお持ちの方もいらっしゃるんですけど、実は、そこには、こういう言い方はなんですが、東京都と日本陸連、うちも絡んでいるんですけど、やっぱり民間のそういうマーケティングがないと、多分、ここまで来なかったかなというふうに、先日も小池知事から御指摘を受けたところでございます。

 ですから、こういうビジネスライクな運営というものと、やはりここで官民一緒にやっていくという部分のスポーツエールカンパニーであるとか、健康経営の銘柄の指定であるとか、そういったクレジットの部分と、やはり一人一人がやるという点は、先ほど友添先生、1つ先輩なんですけれども、『遊びと人間』というのは、ロジェ・カイヨワという人が書いたんですけど、やはり楽しくなければやらないんですね。それと、やっぱりやっていることをプラウド・オブできること、ランニング42.195キロ走ったんだよって褒められること、やっぱりそういうインセンティブを付けていかないと、こういう事業というのは必ずうまくいかないかなと。

 我々の、さっき数のことを申し上げましたけれども、最初、走り始めたときに、「3万人、1万円も出して走るのかよ。1万円あったら新橋で2回飲めるぞ」と言う人と、やっぱり分かれていったんですね。その中で、やっぱり東京マラソン走りたいという方が9万7,000人応募いただいたのが、今32万人ということで、12.1倍、10万円払っても走るぞという、寄付金がチャリティで4億円、レギュラーに、1大会から4億円が社会に貢献できていると。やっぱりそれがまたインセンティブになっていくし、先ほど津下さんがおっしゃっていたような、運動マイノリティと言われている人たちが、やっぱりボランティアでもいいから参加したいとか、あるいは、自分も最後は走ってみたいなという人たちが参加する。そういう人たちを引き込んだ瞬間に、医療機器メーカーの糖尿病を制御する機械を持っているところが付いてくるという、そういう雪だるま方式みたいな形で進んできた部分も確かにございます。

 ですから、何かあるコンテンツを作ると、そこに必ず企業が付いてきて、この部会の生き死には、多分、企業の巻き込みと、無関心層をどこまで引き込んで一般の人にスポーツをさせるかと。一般の人は何を考えているかというと、大義ではなくて、女性の場合、朝お化粧してきたのに、走ったら、汗流して、もう一回お化粧しなきゃいけない、化粧品代が2倍かかるという話なんですよね。ですから、そういったことを僕らは一つ一つ10年間拾い集めてやってきた結果では、ちょっと手前みそで恐縮なんですけれども。まさにそういうビジネスライクな部分でやってきたことが、ここ、きょう拝聴していて思ったんですけれども、うちはそれの縮図という部分だと思います。だから、東京マラソンのその縮図が全体のサンプルになって、貢献できる部分があるかななんていうのを、皆さんの御意見や御発表いただいたことを聞いていて、ふと思いました。

 それと、やはりこれは官民連携みたいな部分の、先ほどのクレジット、やはり健康経営銘柄であるとか、スポーツエールカンパニーという指定をしただけで、社長が、ボスが幾ら言ったって、みんなやらないですよ。現場はそういう環境じゃないので。そこをまたエバリュエーションする組織であったり、そういうクレジットを付けていく流れと、各個人のさっきの遊びに対する楽しいプログラムを作っていくということの共同作業であるということですね。そこに付いてくる企業をやっぱり引き込んでいくということを併せてやっていくと、何とかいくんじゃないかなと思います。ありがとうございます。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 藤田委員、お願いします。

【藤田委員】  日本福祉大学の藤田でございます。

 私は、障害者のスポーツが専門で、研究としては、障害者スポーツの普及・振興に関して、ずっとこの間やってまいりました。そんな関係もありまして、先ほどの資料6の15ページにあります、地域における障害者スポーツ普及促進事業の根拠となります有識者会議の報告書等をまとめる仕事のお手伝いなんかをさせていただいていました。

 あと、パラリンピックがあるということで、パラリンピックのレガシーのことなんかについて、今、調査研究しているところでございます。ソチが終わって障害者に対する意識の調査をしました。リオ、今回、テレビ放映がかなりあったので、障害者に対する意識が大分変わっただろうと思って期待して調査をしたら、まだ何も変わっておりませんで、やっぱり時間が必要なのかなと考えております。

 さて、今回のこのスポーツ庁のスポーツ実施率を上げていくということに関してなんですけれども、一番簡単なのは、今やっている人が、もう一人連れてきてくれればいいんですね。そうすると、60%じゃなくて、80%に上がるということになりますが、そのために、いろいろなキャンペーンであるとかインセンティブを付けるということは必要になってくるかと思います。

 それはともかくとして、私の障害者スポーツをやってきたという視点からお話しさせていただくと、先ほどの資料6の14、15ページと、障害者スポーツ関係の事業が載っているんですが、いずれも、地域において様々な組織が連携するということが肝になっています。これがなかなか難しいんですね。障害者の場合、例えば、一番最初にスポーツをやるのは、社協であるとか、そういったところがやっている運動遊びの教室であるとか、そういったところに行って、それからだんだんとスポーツ好きになって、今度は、今であれば、例えば、教育委員会がやっているような大会に出ていくというようなことがあります。ですから、もう必ず地域で連携をしていかなくてはいけないんですが、それがなかなか難しくて進まないというところがあります。

 ある県では、障害者スポーツのこのSpecialプロジェクト2020をやるのに、どうですかというふうなお話をしたときに、教育委員会の保健体育課と特別支援課と、そして、障害福祉課と3つにまたがって三つ股状態なので、そこをそれぞれ調整しないとこれはできないということで、なかなか動かないということがありました。

 先ほど髙﨑さんからも連携というお話が出ましたけれども、実際、どんなにいい事業を挙げても、地域で動かないと、それは使えないというか、動かない。そこを実質的に取り組む体制ができる、それを作っていくということが、1つ重要なのかなと。今回の場合は、障害者だけではなくて、高齢者の問題であるとか、それから、幼児の部分も含まれていますので、一緒になって連携を地域で作れるような仕組みが出ているといいのかなと思っております。

 もう一つは、指導者に関することなんですが、スポーツを指導する指導者全てに、やはり障害のある人のスポーツ指導の視点を持ってほしいということです。それはどうしてかというと、もちろん、障害のある人が来たときに、きちんと指導ができるということもありますが、やっぱり障害のある人の場合、一人一人体の条件が違いますので、例えば、切断で腕がない人に水泳を教えるときにはどうして教えればいいか、どうやって息継ぎを教えればいいか、いろんなことを考えるんですね。それが実は、先ほど泉委員がおっしゃっていた、スポーツが苦手な人であるとか、これまでやってこなかった人に対する指導にものすごく生きてくる視点だと思います。あるいは、知的障害がある人に分かりやすく説明してあげるということは、何もそれは知的障害のある人たちだけが分かりやすいのではなくて、高齢者であれ、子供であれ、皆さん、分かりやすい指導ということになろうかと思います。そういった視点を指導者が持つというところですね。そういう力を付けてもらえるといいのかな。指導者の問題は非常に大きいのかなと思います。

 また、ルールであるとか、用具の工夫ということが出てきましたけれども、それも同じなんですね。障害のある人の場合は、同じルールではなかなか参加できません。それは高齢者にしても多分同じでしょう。子供にしても同じでしょう。用具にしても同じことが言えるかと思います。そういう発想ができる指導者、一番近道というのは、そういう障害のある人の指導の視点を持つということが非常にいいのではないかなと思っています。

 もう一つ、指導者に関すること、3つ目なんですが、これはこの間ずっと行われてきたグッドコーチの資質の形成に関することです。スポーツ嫌いをなくしていくというのが非常に重要な課題の一つだと思っています。学校の体育、あるいは、部活動でスポーツ嫌いをつくっていたのでは、スポーツ人口は増えることにはなりませんし、中学生女子のスポーツ実施率が上がるということにもならないと思いますので、教えるのではなくて、やっぱり引き出してあげる。NHKの「奇跡のレッスン」なんかでやっている、ああいう指導を見ていると、やっぱり日本の教育の場でやっている指導の発想とは違うなという印象を持ちます。スポーツの場がそういうふうに変わっていくということが非常に重要なのではないかなと考えております。

 以上でございます。

【渡邉部会長】  ありがとうございます。

 松永委員、お願いします。

【松永委員】  龍谷大学経営学部の松永と申します。

専門はスポーツマネジメントでございます。大学では、学生部長とスポーツ・文化活動強化センター長を兼務しております。本学は、重点・強化サークルに吹奏楽部が入っています。高校野球などを見て頂いても分かりますように、スポーツの応援の場には吹奏楽部が必ず登場しますよね。私たちはスポーツと文化を切り分けることが多いですが、スポーツと音楽・文化は非常に身近なところにあります。このように、スポーツの新たな価値を提案するためには、スポーツ+αの視点が重要であるということを念頭に置き、研究・教育に取り組んでいます。身近な事例で申しますと、スポーツ+ボランティアについても、私たちが思っている以上に、まだまだ認知度は低い状況です。最近では、東京マラソンや2020のオリパラ関係で、認知度も上がってはいますが、私たちの意識もかなり変えなければいけないと日々痛感しております。

課題に対する提案の中では特に、「子ども」と「女子」に注目していきます。過去の事業を振り返ってみますと、例えば、ラジオ体操の「みんなの体操」、そして、体力向上キャンペーンの「アイーダアイダ」などの取り組みは非常に魅力的ではありましたが、その成果については気になるところでございます。私の勉強不足かもしれませんが、事業の評価をどのようにし、検証をされているのか?決して批判ではなく、この部会では過去の健康スポーツに関する事業についても、しっかり検証をすることも必要ではないかと考えおります。

 そう考えますと、例えば、女子というところで、学習指導要領の改訂によるダンスの必修化についても気になるところです。先ほどからのお話にあるように、保護者の意識が変わらないとなかなか子どもが変わらないというように、やはり大人の意識、教員の意識の変革やその支援体制が重要であると考えます。ダンス必修化から5年が経過し、その成果をどのような検証をされていらっしゃるのか、そのあたりのところも今回の会議にとって非常に重要なポイントになってくるのではないかと思います。なぜかと言いますと、ここ数年、「ようかい体操」ですとか「恋ダンス」など、踊るものやダンス系は比較的、子どもや特に女子を中心とした青少年にも受け入れられていますが、ダンスの授業やダンスの部活などに注目すると、それほど興味・関心が広がっているとは言い難い状況にあると感じるからです。政策・施策の観点から、各事業の着眼点や方向性は間違っていないとは思います。しかし、各事業の検証、評価というものをある程度、確認をしなければ、なかなか次のステップに進めることは難しいと思います。これは私も一緒に考えていきたいと思っているポイントのひとつです。

 「子ども」に関連する視点でもうひとつ気になる視点は、保育士さん、学童などの放課後児童支援員さん等を含めた、保育系の先生の体育・スポーツに関するカリキュラム上の学びがかなり少ないという点です。スポーツ庁さんの提案の中に、プレイリーダーの御提案もありますし、それも本当に重要です。しかし、ここだけでは解決しない問題とは分かっていますが、免許取得の際のカリキュラムの改革や他の省庁とも連携をして、既に免許や資格を持っている人に関連の新たな免許・資格が取りやすい制度などの検討も必要ではないかと考えます。他の免許や資格ではもう取り組んでおられますが、健康スポーツに関連する分野においても、子どもや高齢者に関わる資格・免許取得者などに対する、運動・スポーツ・体育に関わるカリキュラムなどを開発し、活動の幅を広げて頂いたり、興味・関心を持っていただくような取り組みを同時に展開したりしていかないと、なかなか追いつかないのではないかなと思っております。私ごとで恐縮ですが、私自身も介護福祉士の資格を持っていますが、残念ながらスポーツ・レクリエーションの授業はわずかでした。やはり保健体育の教員免許取得時に学んだ、スポーツ・レクリエーション関連の内容は今でも参考になっていますし、相乗効果があると私自身は思っていますので、人材育成というところで、文部科学省と他の省庁との連携については急務ではないかなと思います。

 最後に、施設のストック化の委員をさせていただいていましたので、そこでもお話をさせていただいた内容を2点述べさせて頂きます。1点目は、学校施設と社会体育施設の複合化が進められてはいますが、スポーツに関しては、まだ割合が少ないかなと感じております。これは市町村の条例で対応するものですが、社会体育という視点で使用できる仕組みづくりと支援強化というものが必要になると考えます。2点目は、学校施設と公共スポーツ施設の「トイレ問題」については、私はかなり切実な問題だと思っています。公共施設の多くは老朽化が進んでいる中で、和式トイレの割合が非常に多く、使用者は少ない洋式トイレに並ぶという状況はよく見る光景です。しかし、壊れてもいない和式トイレのすべてを洋式にする予算はないという声も耳にします。そこで、最近は少し発想を転換しまして、和式トイレのメリットをもっと打ち出せないかと考えております。例えば、「和式トイレを使うことで、足首が柔らかくなり、転倒防止に繋がる」というような、エビデンスを提示し、それが健康スポーツにつながるヒントになるようなものを施設やトイレに掲示するという私案です。和式のメリットをメリットとして打ち出す発想の転換です。もちろん、生活様式の変化や膝の悪い方などもいらっしゃいますので、洋式トイレは少しでも増やしていただきたいのは山々です。しかし、限られた予算と事業を進める優先順位の中で、問題・課題を放置せず、ユニークな発想の転換で前向きに解決に導くということも、「トイレ問題」に限らず、この会議の中で検討し、御提案できたらと考えております。以上です。

【渡邉部会長】  最後になりました。村上委員、お願いします。

【村上委員】  限られた時間でありますので、オリンピック関係と町のスポーツ事情について簡単にお話をさせていただきます。

 まずオリンピック関係についてでありますが、宮城県蔵王町であります。南太平洋にありますパラオ共和国と歴史的な交流がありまして、オリンピックのホストタウンの一次登録にさせていただいたところであります。

 歴史的背景としましては、第二次世界大戦時に、南洋のパラオ島で終戦を迎えた方々が、後に蔵王町に開拓・入植をした方々、その子孫の方々が在住をしておりまして、パラオの大統領、また駐日パラオ大使でありますが、そして、一昨年でありますが、天皇皇后両陛下がお越しいただいたところであります。

 こういったオリンピックを通じまして、多くの方々にスポーツのすばらしさを改めて感じていただきながら、そしてまた、更に交流を深めていくために、事前合宿を積極的に協力していく計画をしているところであります。

 また、パラオとホストタウン二次登録を受けた茨城県の常陸大宮市と協力し合って行っていくこととしたところであります。推進協議会を昨年の12月に立ち上げまして、今年の4月に、パラオ、常陸大宮、そして、蔵王と三者において事前キャンプの基本合意書を取り交わしたところでもあります。全国的にもあまり例のない取組として、マスコミに取り上げられたところでもあります。

 さらに、東京オリンピックのメーンスポンサーでもあります綜合警備保障株式会社から、オリンピックに係る御協力をさせていただきたいとの提案がありまして、今後の事前合宿の支援や所属の選手の交流事業などを主としまして、オリンピックに係る協力協定の締結を行ったところであります。

 綜合警備保障としても、オリンピックに係る協力協定は蔵王町が初めてとなっております。早速、昨年の2月でありますが、会社所属であります女子のウエイトリフティングのメダルが期待されておりました八木かなえさんをお招きしながら、地元の子供たちとスポーツ交流を行いながら、オリンピックの気運醸成を図ってきたところでもあります。

 そのほかにもありますが、蔵王町で行っているスポーツ事業といたしましては、日本財団、ゲートボール協会さんと共催で、毎年度でありますが、ゲートボールで著名な三遊亭円楽一門を招きまして、ゲートボール大会を開催しております。全国からゲートボールファンの、年輩の方々でありますが、愛好家の方々に参加を頂きながら、ゲートボールで汗を流して楽しんでいただくのはもちろんでありますが、落語会を開催しながら、大きな声で笑っていただきながら、そして、その後でありますが、蔵王町で一晩に3,000人収容できる温泉地であります。その温泉で疲れをいやしていただきながら、イベントを行っているところとなります。

 もう一つは、私たちの蔵王は、1,730mの標高差があるんです。そういった全国の中でも数少ない標高差でありますが、その標高差を活用しまして、蔵王エコーラインという山岳道路がありますが、そこを利用しながら、雪の回廊を駆けめぐるヒルクライムレース大会をやっております。数多くやっておりますが、特にヒルクライムで1,000人以上、北海道から沖縄まで全国から皆さん集まっていただきながら、そして、この大会をやらせていただいています。このスポーツの推進と交流人口の増大を図っているところでもあります。

 そういったことで、年輩の方々のスポーツ、そして、若者たちのヒルクライムをしながら、また、今回、オリンピックの関係を通じながら、幅広く町民の皆さんたち、また、周辺の市町村の方々とも交流をさせていただきながら対応していきたいと思っているところであります。

 簡単ではありますが、蔵王町の取組をお話しさせていただきました。ありがとうございます。

【渡邉部会長】  ありがとうございました。

 皆さん、簡潔明瞭にお話しいただいて、大分進行もうまくいったように思います。

 私の発言なんですけれども、私、笹川スポーツ財団というところで役員を務めておりまして、笹川スポーツ財団については工藤委員の方から先ほど説明いただきましたので、改めてここで申し上げることはありません。

 各委員の御意見、それぞれ経験、知見に基づいて説得力あるものだったと思います。幾つかキーワードがあったと思いますけれども、まず1つは、発想の転換ということですね。友添先生のお話ですと、コペ転というようなお話だと思いますが、スポーツの概念の捉え方、これを変える、広げる必要があるのではないかと。それによって、幼児から高齢者、あるいは、障害者を含めた方々へのターゲットに対するアプローチの仕方も、これから変わってくるんだろうということだと思います。当然、その中には、遊び、楽しむという要素が伝わらなければいけない。

 それと、津下さんからお話あったように、やっぱり自分事化するためには、科学的な根拠というのをしっかりと提示すること。科学的な根拠に基づいて、運動、スポーツを実施することによって、自分にどう跳ね返ってくるのか、あるいは、それが社会に対して、これは具体的には、医療費というお話を長官がされていましたけれども、財政的なところにもどうやって効いてくるのか。こういったことをしっかりと伝えていく必要があると思います。

 私、実は、髙﨑委員とも一緒に、「健康日本21」の活動もさせていただいております。

これは健康日本21から最近送られてきた、「運動で未来をつくる」といった冊子であります。ここには医学的・科学的な見地から、なぜ運動が必要なのか、それが病気の予防にどうつながるのかというのが書かれています。具体的にこんな運動をしたらいいといった話も載っています。

 先ほどからもう一つのキーワード、連携という話がありました。これは中央省庁間の連携もさることながら、中央と地方、これは行政ばかりではなくて、民間を含めて、こういったところが非常に大事になってきます。究極的には、村上委員がいらっしゃるような、全国の地域。1,700を超える自治体があって、それぞれ実情、地域性が違いますので、そこでどういう展開を行っていくのか、これも非常に大事になってくるわけですね。

 アプローチの仕方によって、企業の健康経営というものも変わってくるでしょうし、東京マラソンであるような、マーケティングを含めたビジネスの視点というのをどうやってイベントに取り入れて、また、それが一人一人のスポーツの実施率につながっていくのか。こういったところをしっかりと、今までのものを検証しながら、きめ細かくこれからの方策を考えなければいけないんだろうと思います。

 私、スポーツ審議会の総会でも常々お話しさせていただくのは、都心であれ、地方であれ、地方も中山間部から山間部までいろいろありますけれども、どこにおいても、どの世代においても、3つの間、時間・空間を仲間で共有すると。これを共有できる環境をつくることによって、今までスポーツを実施していない方を取り込むことができますし、スポーツを実施する人が継続する、すなわち、習慣化というところにつながるんだと思います。やはりこの3つの間というのをどこにおいてもつくる工夫をしていかないと、なかなか42.5%が65%につながらないんだろうと思います。

 この後は、きょうの議論を事務局の方でとりまとめていただきますが、これから2回目以降7回目までのスケジュールが、先ほどの資料5に示されております。差し当たりまして、第2回目は11月の中下旬に、今度は自治体等の取組、あるいは、ビジネスパーソンに対するアプローチ、こういったものを具体的に議論していただきます。その後は、女性、子供、高齢者、障害者、あるいは、新たなアプローチ、即効性のある取組、こういったものを一回一回テーマを決めて議論を進めていきたいと思います。もちろん、進捗する過程で、テーマが変更される可能性があろうかと思いますけれども、ここのところにつきましては、事務局と私の方でもしっかりと連携を図りながら、テーマ設定、議論の展開を考えていきたいと思います。

 皆さんのすばらしい御協力に基づきまして、何とか時間内で私の役回りも終わりになります。それでは、また事務局の方にマイクを移します。

【安達健康スポーツ課長】  きょうは貴重な御意見いただき、大変ありがとうございました。

 本日、委員の皆様から頂きました御意見等につきましては、今、部会長からもございましたけれども、事務局でまとめさせていただきまして、また次回以降の論点提示とさせていただきます。

 次回以降の日程につきましては、また追って事務局より御連絡をさせていただきます。

【渡邉部会長】  それでは、皆さんの御協力の下、無事時間内に終了することができました。まことにありがとうございました。これにて、第1回目を閉会いたします。

 

―― 了 ――

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課