資料1 健康スポーツ部会(第8回)での主な御意見

【スポーツを通じた健康増進に係る最近の動向】
○運動・スポーツ習慣化促進事業には期待している。市町村のスポーツ部局と健康福祉部局の連携は、既にもう一緒に取り組んでいて当たり前になっている地域と名刺交換から始まるような地域がそれぞれあって、まだ、温度差がある。

○運動・スポーツ習慣化促進事業では、もう先進的にやっているところがどんどん補助を取っていくという形ではなく、どう広げていくかという観点も非常に重要。

○事業の評価として、何人参加ではなくて、実際どういうアウトカムとして見ていくのか、この事業があってどう変わっていったのかという評価指標を意識して計画を立ててもらうとよいと思う。

○事業成果の横展開がどう図られていったのかということは、今後まちがいなく問われてくる。その仕掛けを持っておく必要がある。また、これまで、ノウハウの蓄積がなされていなかったこともあり、その仕掛けづくりも必要である。

○自治体の規模や現在ある資源によって、参考になる自治体、そうでない自治体が出てくる。そういう体制の整理や何をチェックポイントとして見ていくかという事業プロセスを、後追いでは難しいので計画段階から持っておく必要がある。

○成功したという結果だけではなく、なぜ成功したのか、何が失敗だったのか、やって難しかったことは何かという情報発信もできるとよい。

○スポーツ部局を教育委員会から首長部局に移動して健康部局と1つの部局にしている自治体が、比較的熱心なところには増えてきている。そういった事例が出てきているということを1,700の自治体にどう広げていくかが重要。

【スポーツ実施率向上のための新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策の方向性について】
○スポーツをする場の確保についてはハード面が中心に書かれているが、例えば農村で農閑期に大きなスポーツイベントがあったりする例もあり、機会の増加・拡大ということも併記し、促した方がよいと思う。

○マッチング機能も位置づけた方がよい。いくら場が増えても、その存在が知られずに、やってみたいという人がマッチングされないと、機能しない形になってしまう。その時にイベントも登録するようにした方がよい。

○総合型地域スポーツクラブの登録・認証が始まるので、それらの登録とともに、マッチングシステムに掲載する基準のようなものは少し緩めにして、地域にあるスポーツ資源ができるだけカバーできるような形で進めていければと思う。

○関係団体との連携で、「医療機関等」の中に入っていると思うが、健康保険者、介護保険者を明示してほしい。アウトカムに必要な医療費や要介護認定率といったデータを持っているのは保険者であり、最初から巻き込んでいく必要がある。

○エビデンスに基づく取組で、例えば、総合型クラブに誰がいるという情報までわかると医療費との関係等の分析もできる。認証基準の一つに効果評価のための個人情報の提供の同意を取っていることなどを入れていただけるとありがたい。

○医療費のみならず、介護にかかる費用を抑えていくことも重要で、両方合わせて扶助費と言っているが、この扶助費をこれだけ抑えられるのでスポーツをしようという働きかけが自治体向けには重要。

○見附市で介護を見ていて、大体4年間で4万人の街で12億円くらいの削減効果が出てきている。1年あたりにすると3億円で、見附市が使っているのが補助も入れて1年あたり年間4,000万円くらいのため、おつりがくるという議論になる。

○SIBのような成果型支払いの考え方はやはり取り入れた方がよい。SIBまでやると投資も受けないといけないのでハードルが高いが、成果型支払いということであれば、民も非常にチャンスとなってくる。

○例えば医療費を下げるためには、多くの人が参加しない限り自治体としてはメリットが出ない。そうすると、その成果型支払いの目標達成に向けて多くの人が参加し、結果的にスポーツ実施率を上げていくというロジックも考えられる。

○国交省の都市計画課やまちづくり課などが連携して作成している全市町村のレーダーチャートがオープンになっている。今、ここに医療費を入れてもらおうとしているが、スポーツ実施率を入れてもらうことなども考えられる。

○大阪府高石市で子育ての母親を対象にした調査を実施したところ、85%は運動していない、しかし、そのうち90%はやりたいと答えている。そして子供と一緒にやりたいと答えている。

○例えば、自治体でお祭などのイベントがあったときには、その準備から始めて、かなりの身体活動量になっているし、子育て中の母親も子供を抱っこして買い物するなど、筋力を使っている。見方を変えていくことも必要。

○総合型地域スポーツクラブが学校の部活よりも何かいい点があるということを出せるとよい。地域の中学生、高校生が行きたい、そこに行けば何かある、部活動の受け皿というよりも、そこならでは強みが見えてくる必要がある。

○(自分の地域では)総合型クラブが後発で、既に体育協会という競技団体が中心となった組織があって、スポーツ推進委員制度があって、小学校区ごとに体育振興会という組織がある。このため、ちょっと宙に浮いてしまっているところもある。

○障害者スポーツの推進に関しては、コーディネートをスポーツ推進委員が担ってくれている。このためスポーツ推進委員の役割の中で、障害者スポーツをサポートするということを考えていただけるとよいのではないかと思う。

○スポーツ推進委員が今抱えている問題の一つとして高齢化があるのではないかと思う。また、元は体育指導委員という名前だったが、中味は当時のままで、今、我々が期待している役割を担うことは無理ではないかとも思う。

○少子高齢化が進む中で、町村においてはスポーツ推進委員も行政区の区長さんなどにどうにかお願いしてやっと見つけているというのが現状。また、子供が小学校・中学校にいる間だけという人もおり若い人が継続して委員をやってくれない。

○学校開放も同様で、教頭先生などが、鍵の開け閉めや連絡調整をやっているが、こういう制度であれば、やはり改善しないと思う。こういったことを総合型クラブにお願いするといった制度改革を行わないと変わっていかない。

○総合型クラブの自治体への設置率80.8%というのは、市町村合併などがあったことによる結果でもあり、実感としては全く身近にないという人も多いと思う。むしろ、この数字が一定の役割を終えているというように捉えられているところもある。

○総合型クラブがあるところとないところでは、スポーツ実施率がこれだけ違うとか、そういった見せ方をしていく必要もあるのではないか。実態とスポーツ庁の数字の出し方がマッチしていない。

○部活動の関係では、民間からの登用は財源的に厳しいということで、大学生の教員免許を目指している方、スポーツに深く関わっていたような方に部活動の指導者の資格を認めていくというようなことをやっている自治体もある。

○いろいろなところでいろいろな人を集めているが、それぞれ集め方がばらばらであり、お金だけの問題ではないが、もう少し何か連携していく中で、人材をうまく情報共有していくとか、総合的な仕組みづくりが必要である。

○学校開放の関係では、大学における地域振興プログラムなどを実施しているが、女性、また、小さい子供がいる方への施設の整備はほとんどできていない。もう少し整備が必要である。

○障害者スポーツに関して、競技スポーツに関しては情報も集まってきているところであるが、生涯スポーツ・地域スポーツという観点からは、まだまだという状況。

○障害者は女性の割合が高く、運動されている人も少ないし、介護になる人も障害を負った女性の方が多いという話もある。それはやはり健常者の時に運動習慣がないこと、筋力の差が影響してくるということである。

○どれも大事なことであり、これから精度を上げられていくのだと思うが、よくよく考えると3年くらい前からも同じようなテーマが続いている面もある。となると、構造的に問題があるのではという見方もできる。

○広島で3省連携イベントを実施して盛り上がった。これを冒頭にあった横展開できればよいと思う。また、先日、経団連で行動計画の説明会を実施していただいた際に、陸連からもランナーを増やそうと説明いただいた。今後の進め方が大事。

○特定保健指導で、食事指導ではなく、運動指導で介入できないかということでいろいろ連携を図っているが、個人情報の壁に加え、スポーツクラブに行ったということはわかるが、どれだけ運動したかというデータがなくエビデンスが取りづらい。

○企業におけるスポーツ実施の促進で、企業に対する理由付けを考えた時に、今後、65歳以降も元気で働いていく人達が増えてくるとなると、ロコモ対策上、やはり運動、スポーツが非常に大事ということはいえると思う。

○パブコンで、長官賞以外にもいいテーマがたくさんあったということをお聞きしたので、そういったアイディアも生かせていけるのかなと思う。

○エビデンスについて、今、世界の14億人以上が運動不足であり、非感染性の疾患リスクが高いというレポートも出てきていると聞く。WHOでも、2025年までに世界で運動不足を10%減らすという目標を掲げている。

○学術会議にお願いしていることのエビデンスをどのように伝えていくかということが重要である。単にプレスリリースで配信するだけでなく、きちんと伝えるということをしていった方がよい。

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