大会後の運営管理に関する検討ワーキングチーム(第2回)議事概要

1.日時

平成28年3月15日(火曜日)14時28分~15時38分

2.場所

文部科学省16F3会議室

3.議題

スタジアムの運営管理場状況について(ヒアリング)
・味の素スタジアム(株式会社東京スタジアム様)
・カシマスタジアム(株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー様)
・エコパスタジアム(静岡県サッカー協会グループ様)

4.出席者

文部科学省

冨岡文部科学副大臣(座長)、豊田大臣政務官

スポーツ庁

髙橋次長(事務局長)

内閣官房

中川総括審議官、芦立総括調整統括官

JSC

池田理事

東京都

岡﨑オリンピック・パラリンピック準備局次長

5.議事概要

<議題 スタジアムの運営管理状況について(ヒアリング)>

  味の素スタジアム(株式会社東京スタジアム様)
   
  1.管理運営方針について
    ○ 独立採算による経営を堅持するため、Jリーグをはじめとするスポーツイベントや大型コンサートのほか、多様なイベントを誘致
    ○ 地域に愛されるスタジアムづくりを目指し、東京都や地元市民が参加できるスポーツイベントを誘致・開催
 
  2.住民及び利用者の満足度について
    ○ 地元自治会等との定期的な意見交換の場を設置するとともに、地域行事への積極的な参加により良好な関係を構築
    ○ Jリーグのホームスタジアムとして、天然芝のピッチコンディション維持に細心の注意を払っている
 
  3.収益向上方策について
  (1)Jリーグのホームスタジアムとして
    ○ 場内売店における対戦相手にちなんだ料理メニュー等の販促企画の実施
  (2)一般スポーツ利用として
    ○ 陸上トラックの上に人工芝を敷設して8面のフットサルコートを設置し、需要の高いフットサル大会や地元の子供向けイベント等を誘致
    ○ 外周部等を活用した、マラソンや自転車のイベント等を誘致
  (3)文化その他の利用として
    ○ 大規模コンサートの誘致開催
    ○ フリーマーケット、骨董市
    ○ 自動車試乗会、企業展示会、テレビドラマ・CM撮影等
 
  4.収益向上の際に支障となること、更に自由度のある運営形態の必要性について
    ○ コンサートの開催に当たっては、騒音、交通渋滞、雑踏混雑等が発生するため、近隣住民の理解が不可欠(Jリーグ2チームの公式戦を考慮すると、年3公演程度)
    ○ 運営形態は、指定管理者制度をとらずに、独立採算による比較的自由度の高い経営をおこなっている。ネーミングライツ収入が採算に寄与
 
  カシマスタジアム(株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー様)
   
  1.管理運営方針について
    ○ 管理者と主たる使用者が同一である強みを生かしながら、従来の貸館の概念にとらわれず、以下の目標を達成し、地域に愛されるスタジアムを目指す。
  (1)1年365日感動体験「空間」づくり
  (2)ユニバーサル・サービス提供(多種多様なサービス)
  (3)コラボレーション型「地域コミュニティ」づくり
    ○ 地域のシンボルとして支持されるブランドであるために、新たな事業モデルを確立し、周辺開発を呼び込むための基盤を構築して世界基準のスタジアムにしていきたい
 
  2.住民及び利用者の満足度について
    ○ 制度導入前と比して、アマチュアやその他での利用の日数・人数が増加(地域住民の利用機会が向上)
      ・アマチュアスポーツ利用 平成17年  37日、1.6万人 ⇒ 平成27年  62日、4.7万人
      ・ウェルネスプラザ利用         -    ⇒    303日、6.7万人
    ○ スポーツクリニックの開設により、地域の医師不足解消に貢献
 
  3.収益向上方策について
  (1)Jリーグのホームスタジアムとして
    ○ LEDビジョンの設置による広告掲載料の増
    ○  ボックスシートの設置及びロビーラウンジの増設等による施設使用料の増
  (2)一般スポーツ利用として
    ○ ウエルネスプラザにおいて「介護予防・ダイエットプログラム」や「アンチエイジングプログラム」を実施
    ○ スポーツクリニックにおいて、チームドクターが診療やリハビリを実施
  (3)文化その他の利用として
    ○ サッカーミュージアムを設置
    ○ 諸室でのセミナーや講演会、展示会等のほか、VIPラウンジでの音楽イベント、コンコースでのビアガーデン、駐車場でのフリーマーケットなどを実施
 
  4.収益向上の際に支障となること、更に自由度のある運営形態の必要性について
    ○ 都市計画法上、設置施設に制限があり、また、建築基準法上、競技場は観覧場に該当するため、今後、仮に複合施設として改修するにはハードルが高い。
          さらに、現状施設が現行法令上「不適格」となっている可能性もあり、それだけでも莫大な費用がかかる。
    ○ 現状では、施設整備(改修)は所有者である茨城県が行うため、スポンサーシップによる設備投資が行えない(県が行う事業は特定の者と随意契約ができない)
    ○ スタジアムを含めた周辺地域は市街化調整区域内であることから、法令上の制限があるため、民間投資が困難な状況

 
  エコパスタジアム(静岡県サッカー協会グループ様)
   
  1.管理運営方針について
    ○ 静岡県が策定している「県営都市公園経営基本計画」に基づき、「静岡県のスポーツの殿堂」とするとともに、
         健康づくり、文化、レクリエーション及び自然と親しむ場としての公園運営を目指す
    ○ 近年では、単に「スポーツ利用」だけでなく、より「多様な」表情を見せられるように努力している
 
  2.住民及び利用者の満足度について
    ○ 平成27年度の利用者に対するアンケート調査では、満足度5点満点中、4.38点と高い評価を受けている。
    ○ イベント開催に伴い、市民スポーツ利用での予約が取りにくい状況
 
  3.収益向上方策について
  (1)Jリーグのホームスタジアムとして
    ○ Jリーグのホームスタジアムではないため、県内チーム(J1:ジュビロ磐田、J2:清水エスパルス、J3:藤枝MYFC)誘致によりホームゲームを開催。
  (2)一般スポーツ利用として
    ○ サッカー、陸上競技、ラグビー等のアマチュアスポーツでは、収益向上は望めない
    ○ スタジアムと運動公園内の道路を活用した、高校のマラソン大会の開催や、自転車レースを誘致
  (3)文化その他の利用として
    ○ スタジアムコンサートの誘致
    ○ B級グルメスタジアムの開催
    ○ 全国学生フォーミュラ大会の開催
 
  4.収益向上の際に支障となること、更に自由度のある運営形態の必要性について
    ○ 芝の養生や、陸上競技場としての「公認」を保持するための整備期間による使用制限が生じる
    ○ 条例で定める「スポーツの国際大会、全国大会を優先させる」考え方での運営が求められる(指定管理者の裁量は限られる)
    ○ コンサート興業は、5万人を収容できるアーティストは限られ、都市圏開催は多いが、地方開催は少ない
    ○ 使用は土日祝日に集中するので、平日の稼働率向上が課題

  自由討議(ヒアリング終了後)
    ○ イベント・コンサートが何回かできれば収益はあがる。大規模コンサートの全国の開催状況はどのようになっているか
    ○ 「芝」が重要なファクトである。「芝」と「コンサート」と「公益的事業」をどのようにベストミックスさせていくか。
         その中で公の施設の使命として公益的事業を組み込めるか。利用は土日の取り合いとなる。

お問合せ先

スポーツ庁政策課

(スポーツ庁政策課)

-- 登録:平成28年04月 --