新国立競技場整備事業に関する連絡会議(第1回)会議録

1.日時

平成27年11月9日(月曜日)14時37分~15時02分

2.場所

文部科学省16階16F3会議室

3.議題

1.連絡会議の趣旨及び今後の運営方針等について
2.検証結果を踏まえた体制整備等について
3.新国立競技場整備事業の進捗状況について
4.整備計画を踏まえた政府における検討について
5.その他

4.出席者

文部科学省

冨岡文部科学副大臣、前川文部科学審議官、藤原大臣官房長、中岡文教施設企画部長、新保技術参事官

スポーツ庁

鈴木長官、髙橋次長、白間スポーツ総括官

独立行政法人日本スポーツ振興センター

大東理事長、池田理事、山﨑総括役、宿本企画調整役

内閣官房

中川総括審議官、羽山審議官

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

布村副事務総長

5.会議録

※本会議録は、司会部分を省くとともに、発言内容を変更しない範囲で校正し、読み易くしています。

[開会]

【冨岡文部科学副大臣】
これから新国立競技場整備事業に関する連絡会議の第1回を開催させていただきたいと思います。御存知のように、新国立競技場の計画については、7月17日に安倍総理から競技場をもっと高めてしっかり計画を練り直すという趣 旨の発言がございまして、振り出しに戻った経過がございます。
その原因としては、やはりリーダーシップを、おられる色々なセクションの 方の連絡が少し過疎になっていたのではないかという反省のもとに、新国立競技場の整備事業に関する連絡会議を開催したわけでございます。
もちろん遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣をはじめ、馳文部科学大臣、色々なセクションで御活躍そして推進をされているわけでございますけれども、やはりこういった場面で私たちが今日集まっておられる皆様方の連絡、そして1つの意思を共有する場として、これから連絡会議を運営していきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【鈴木スポーツ庁長官】
今、冨岡副大臣から話がありましたけれども、2020年に向けて待ったな しということになりました。様々なステークホルダーの間でのコミュニケーシ
ョン不足が問題を引き起こしたのではないかということで、こうした会議を開くこととなったと思います。
残り5年、何より間に合わせなければならないということで、しかも迅速に、かつ、しっかりとしたものを整備するということで、しっかりと議論を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【大東JSC理事長】
10月1日付けで独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長に就任いたしました大東和美です。JSCとしましては、2020年東京オリンピック・
パラリンピック、また、2019年ラグビーワールドカップの成功に向けて、国際競技力向上に向けた取組を行うほか、新国立競技場の整備に当たっては、政府の方針に基づき、できる限りコストを抑制しながら2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に確実に間に合わせるよう取り組むとともに、アスリートファースト及びパラリンピアンはもとより、お年寄りや子供たちなど、多様な観客に優しいアクセシビリティ重視の考えのもと、観客の視点も大切にして、世界の人々に感動を共有してもらえる場としたいと考えております。
また、検証委員会の検証結果を踏まえた整備体制等については、就任後、速やかに対応を進めております。詳細は、後程担当の池田理事から新国立競技場整備事業の進捗状況とともに説明させていただきますが、今後は本日お集まりの皆様と、より一層連携を深めながら本事業を進めてまいりますので、これ以上に御支援と御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

[議題1・議題2]

【髙橋スポーツ庁次長】
資料1の趣旨でございますが、8月の閣僚会議でもこれからの整備プロセスは透明化を図って進捗状況を定期的に公表するといったことが指摘されておりますし、あるいは9月の第三者検証委員会でも、これまで担当者間の役割分担や責任体制が不明確であったことを言われておりますことを受けて、2頁目にメンバーを書いておりますが、文科省、スポーツ庁、JSC、内閣官房や組織委員会の幹部の方にお入りいただきまして、こういったメンバーでこれから事業が進捗する節目節目を捉えて、このメンバーが集まれるように意を汲んで、そしてそこで情報共有、意思の共有を図っていただきたいと思っております。
また、できるだけ透明化を図る定期的な公表ということも言われておりますので、この会議の資料や議事録につきましては、不開示情報を除きまして、会議終了後速やかにスポーツ庁のホームページにおいて公表するといった対応をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それから、文部科学省におきましても、7月17日の白紙撤回以降、省内の体制を整理いたしまして、文教施設企画部とは技術的なところで齟齬がないように、そして財源その他の事務的なところも私のところで集約して、内閣官房とも密に連携をする。そして必要なところには速やかに情報を上げるといった体制を整えていることを御報告いたします。
このほか、検証報告では様々な課題が指摘されております。これについても今後事業を推進していく中で、必要があればJSCの中期目標・中期計画に新たな盛り込みが必要となることもあろうかと思いますので、そういったことも今検討しておりますので、これについても随時御報告をさせていただければと思います。

【池田JSC理事】
資料2を御覧ください。検証結果を踏まえた体制整備として、10月から以下のような体制強化を図っております。大きく分けると3点ございますが、1つはプロジェクトマネージャーの明確化ということで、10月1日付で大東新理事長就任に伴い、理事も二人代わっておりますが、新国立競技場担当は私でございますが、私が本部長を兼務するとともに、プロジェクトマネージャーとしての責任体制の明確化を図るということでございます。
2つ目は設置本部の体制強化でございますが、10月以降、現時点までに6名の増員をしております。事務系の者とほとんどは建築や設備の専門知識を持った者でございますが、計6名増員いたしまして、今後更に内閣官房や文部科学省、あるいは国土交通省の御理解もいただきながら6名増員を予定しております。
3つ目が、検証の報告では、広報・情報発信体制の強化についても指摘を受けておりますが、これは担当の理事である私が発信対応の窓口となりまして、専門的な知識を有する山﨑総括役と宿本企画調整役と連携しながら積極的に情報発信等をしていきたいと思っております。

[議題3]

【池田JSC理事】
資料の3-1でございますが、当面の業者を決定するまでのスケジュールでございます。
8月28日に関係閣僚会議におきまして新しい整備計画を決定していただきましたが、これを踏まえて、9月1日からJSCとして公募を開始しておりま
す。ここで業務水準要求書等の具体的なスペックを示して、9月から10月にかけて、それぞれの業者の競争参加資格を確認したうえで、現在、この業務水準要求書に詳細がございますけれども、それに関する質問を業者から受けて回答のやり取りを今してございます。
来週、11月16日月曜日に、具体的な技術提案書を出していただいた後、技術的に個々の事項が要求水準をクリアしているかを確認したり、あるいはJSCから追加資料を求めたりして時間を要して作業をいたしまして、12月上旬にエントリーのあった技術提案書がほぼ固まってきた段階で、固有名詞を出さずに提案書の内容を公表したいと考えております。
それを受けて12月の下旬ぐらいに技術提案等審査委員会で最終的な審査をし年内には優先交渉権者の決定と公表をしたいと考えております。
資料3-2に今後の整備スケジュールがございまして、整備を大きく分けると3つの部分に分かれますけれども、一番上の欄、1というところ、これは先
ほど御説明いたしました新競技場本体の新営でございますけれども、先ほど申し上げたように年内に業者を決定いたしまして、1月を目途として設計委託契約を行い、来年いっぱいをかけて基本設計と実施設計をしていただく予定でございます。
来年末に設計を終えて工事請負契約をいたしまして、平成29年の1月を目途として新競技場の工事に入っていただく。約3年程度かかりますけれども、工期の完成予定は、平成32年4月末ということで公募上はしておりますけれども、現在提案をいただいている中で、平成32年、2020年の1月までにできるだけ前倒しで工事をしていただく、その提案を求めているところでございます。
それから、次の大きな括りとしては、競技場整備本体の周辺整備でございますが、これは資料3-2の真ん中の欄、2のところでございます。これは大きく分けて大きく2つございますが、日本青年館のとりこわし工事、これは資料の3-3の真ん中より上あたりに、旧霞ヶ丘競技場の写真が載っていますけれども、その真下に日本青年館とりこわし工事というオレンジ色の欄がございます。
それから旧競技場の左・西側と下・南側のところに明治公園がございますけれども、新しい競技場は、日本青年館の以前あったところと明治公園の部分を合わせた赤い点線のところと実線の部分が新競技場の予定地ということになります。したがって旧競技場の跡地以外の周辺部分についても必要なとりこわし・撤去作業を行いながら建設準備を進めていくということでございます。
日本青年館のとりこわしも、建物本体はほぼ終わりつつありますけれども、年内を目途にこれを完了させたいと考えてございます。
それから、同時に明治公園の下に、下水道の千駄ヶ谷幹線という幹線が流れておりますが、これは新競技場を造るに当たって、若干西側にずらす必要がございまして、この工事も今現在進めてございます。これが来年の6月以内を目途に完成させる予定でございます。
それから、3つ目の3のところですけれども、日本青年館に移転していただいて、新しいビルを建設するということでございますが、これは資料3-3の真ん中当たりの先ほどのオレンジのところのすぐ下のところに、新日本青年館ビル新営工事というものがございます。
この3のテニスコートとして使っていた部分に、新しい青年館ビルの工事を既に着工しておりまして、資料3-2で御覧いただくと平成29年の6月に完
成予定でございます。
なお、JSCの新本部棟もこれに伴いまして、新青年館と合築でこのビルの3フロアに入るという、当初計画はその予定でございましたけれども、前回の国会でもいろいろ議論がございまして、ここに入るべきではないとの御意見もいただきましたことから、現在、文部科学省からの御指示も踏まえ、他にどういう選択肢がありうるのかということをシミュレーションしておりますので、文科省と御相談をさせていただきながらJSCの本部をどうするかは別途検討をしていく必要がございます。
今後発注する工事として、資料3-2の一番下の段にございますけれども、先ほど御説明した明治公園の橋がございます。資料3-3でいうと、左上の方に明治公園橋というのがございますが、東京体育館から旧競技場の方に渡る橋がございましたが、これを撤去したり、その周辺の樹木を移設したりする工事、あるいは、もう少し下の方に、新宿区道であるとか、都の公園を新しい敷地にしていくという関係での整備であるとか、廃道・廃園といった手続きが今後必要になってまいります。
資料4に入りまして、旧競技場のとりこわし工事でございます。10月の下旬をもって無事にお陰様で完了いたしました。とりこわし後は、例えば粉塵防止のためにシロツメクサの種を蒔いて、緑に覆われていて粉塵が飛ばないようにしている。あるいは周辺への漏水がないように必要な対応をしているところでございます。

【布村組織委員会副事務総長】
新国立競技場の整備スケジュールでは、組織委員会からの要望で早く終わらせていただきたいとのことを踏まえて、御配慮して進めていただいておりますけれども、重ねまして、最初に我々が使わせていただくのはオリンピックの開会式でございます。
開会式はアスリートのみならず、世界的なVVIPの方をお招きして、日本の素晴らしさを発信する良き機会になりますので、くれぐれも失敗がないように準備するためには半年間期間をいただきたいということで、できるだけ完成は2020年1月にお願いしたいということを重ねて御要望させていただきます。
もう一つ、基本設計の段階で、陸上競技はじめ、オリンピック仕様の要件もございますので、JSCさんの方にもお伝えさせていただいて、基本設計の中で織り込んで設計をしていただければと思います。

【池田JSC理事】
組織委員会と連携しながら進めさせていただきます。

[議題4]

【髙橋スポーツ庁次長】
参考資料1がございます。こちらは8月に閣僚会議でお決めいただいたもので、2枚目から3枚目にかけて、今後の進め方が(1)から(5)までございます。このうち、(2)、(3)は、今後JSCにおいて整備プロセスをしっかりと閣僚会議で点検して、そのプロセスの透明化を図っていく、定期的に公表
を行うということでございます。
これについては、当然、スポーツ庁といたしましてもしっかりとやっていきたいと思いますが、そういう意味においても、まずこの会議がその前に開かれて、ここでチェックしたものがOKということになると一連のプロセスとしても良い形になるかと思いますので、この会議の開催に御協力をよろしくお願いしたいのと、節目節目に会議を開きますが、関係者の間では、会議が開かれる前にも日常的に細かなことでも情報共有に努めていきたいと思いますので、この点、改めましてよろしくお願いしたいと思います。
それから、(4)に今後の運営について、民間事業への移行を図ることについて検討をすることも書いてございます。これについては、現在、スポーツ庁において、内閣官房と連携しながら速やかにワーキングチームを立ち上げて、大会後の管理運営の在り方の検討を開始したいと考えておりまして、現在、そのための色々な勉強をしております。
例えば、国内のスタジアムの利用状況や公共事業におけるPFIの検討事例といった情報収集を行っておりますので、これについてもワーキングチームを立ち上げて、内容についても御相談をしていきたいと思っております。
それから、進め方の最後のところに財源の問題がございます。この工事費の財源については、特に東京都との調整がこれから重要になります。これについては、9月に政府部内は古谷内閣官房副長官補を、東京都は副知事をヘッドに事務的なワーキングが設置されて、今、鋭意検討・調整をしております。
できるだけ年内目途に何らかの方向が出るように現在検討をしていることをまずは報告をいたします。

[その他]

【冨岡文部科学副大臣】
こういった決まったこと、あるいは確認事項について、党の方にも機会があればお伝えしたいということでございます。
報告案件として、今のような図、それから、継時的なスケジュールを説明してください。その頻度、場面、時期については私と相談してください。

お問合せ先

スポーツ庁政策課

(スポーツ庁政策課)

-- 登録:平成27年11月 --