スポーツ団体ガバナンスコード<一般スポーツ団体向け>の適切な周知・運用に向けて

令和元年9月12日
スポーツ

-スポーツ庁長官メッセージ-

  2019年ラグビーワールドカップ,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が間近に迫り,スポーツ界に対する注目がますます高まる中,スポーツの価値を毀損しかねない不祥事の発生を防ぐのみならず,スポーツの価値を一層高めていくためにも,スポーツの普及・振興の重要な担い手となっているスポーツ団体の適正なガバナンスを確保することが必要不可欠です。
  このような問題意識から,スポーツ庁では,昨年12月に策定した「スポーツ・インテグリティの確保に向けたアクションプラン」において,スポーツ団体が適切な組織運営を行うための原則・規範としてスポーツ団体ガバナンスコードを策定することとし,このたび,スポーツ審議会における審議を経た上で,NF(中央競技団体)向けのガバナンスコードに引き続いて,8月27日に一般スポーツ団体向けのガバナンスコードを策定しました。
   つきましては,スポーツ団体ガバナンスコード<一般スポーツ団体向け>の適切な周知・運用を図るため,関係者の皆様におかれては,以下の事項に取り組んでいただきますよう,お願いします。

<NFの関係者の皆様へ>
  各NFにおいては,傘下の一般スポーツ団体に対し,本ガバナンスコードを十分に周知していただきますよう,御協力をお願いします。
  また,NFが設ける通報制度や懲罰制度に倣って自らの制度を設けているNFの地方組織においては,本ガバナンスコード原則6を適用し,それらの制度の運用について,NF向けガバナンスコードの原則9(通報制度に関する原則)や原則10(懲罰制度に関する原則)の各規定の遵守状況について自己説明及び公表を行うことが求められます。
  さらに,NFの地方組織においては,NF向けガバナンスコードの原則2を参照しつつ,役員等の多様性及び理事会の実効性の確保,役員等の新陳代謝を図る仕組みの構築等に取り組むことが望まれます。
  各NFにおいては,上記のようなNF地方組織の取組に対し,必要な指導,助言等を行うことが求められます。

<一般スポーツ団体の関係者の皆様へ>
  各一般スポーツ団体においては,来年秋以降,本ガバナンスコードの遵守状況に関する自己説明及び公表を自主的に行っていただきますようお願いします。
  その際,本ガバナンスコード別添のセルフチェックシートを活用していただくことが有効と考えます。スポーツ庁及びJSC(独立行政法人日本スポーツ振興センター)は,来年秋までにJSCのウェブサイト上に各一般スポーツ団体がセルフチェックシートに基づく自己説明及び公表を簡便に行うことができる専用のウェブサイトを構築し,運用を開始する方向で検討中です。一つでも多くの一般スポーツ団体に本ウェブサイトを御利用していただきたいと考えています。

<地方公共団体の関係者の皆様へ>
  本ガバナンスコードへの遵守を広く促していくため,一般スポーツ団体を対象とした公的助成を行う地方公共団体においては,令和3年度事業から,公的助成の申請要件の一つとして,セルフチェックシートに基づく自己説明及び公表を位置付ける方向で検討をお願いします。このような公的助成の例としては,一般スポーツ団体の活動や実施事業に要する資金の助成,大会,イベント等の開催経費に対する助成等が考えられます。
  なお,スポーツ庁及びJSCは,令和3年度事業から,JSCが行うスポーツ振興事業助成において,セルフチェックシートに基づく自己説明及び公表を申請要件の一つと位置付ける方向で検討中です。

  本ガバナンスコードは強制力を有するものではありません。しかしながら,スポーツ界全体への信頼性を確保するためには,関係者の皆様の任意の御協力を得つつ,これを実効的に運用することが必要と考えています。
  スポーツ庁としては,JSC,各統括団体等と連携しつつ,スポーツ団体のガバナンスの確保やコンプライアンスの強化に有用な情報や資料の提供等に引き続き取り組んでまいります。
  運動習慣のない子供たちへの対応が課題となっている中,次代を担う子供たちが安心してスポーツの楽しさや喜びを享受できるクリーンな環境を整える責任が我々にはあります。全国各地に所在する一般スポーツ団体を始めとする関係者の皆様の御理解と御協力を賜りますよう,よろしくお願いします。


令和元年9月12日
スポーツ庁長官
鈴木 大地

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スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)

(スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当))