鈴木大地スポーツ庁長官 三周年記者会見

平成30年10月1日

 本日10月1日でスポーツ庁発足から3年が経ちました。この3年間の主な出来事として資料にまとめて配布させていただいております。後刻御覧いただきたいと思います。
 この中で直近1年間を振り返りますと、FUN+WALK PROJECTの開始、スポーツツーリズム需要拡大戦略、スポーツ国際戦略、スポーツ実施率向上のための行動計画策定に取り組んできました。そして2年前に策定しました選手強化策・鈴木プラン等に基づく取組みを進める中、平昌オリンピック・パラリンピックやアジア競技大会等の国際大会で好成績を収めており、東京大会への弾みをつけることができました。また運動部活等の在り方に関する総合的なガイドラインを策定し、改革は道半ばでありますが、徐々にガイドラインの趣旨の浸透が図られております。今まで手付かずであった大学スポーツに関しては、今年度中の大学横断的かつ競技横断的統括組織でありますいわゆる日本版NCAA(仮称)の設立に向けて議論を重ねております。以上がこの1年間で挙げられることかと思います。
 またこのような中で、学校運動部活動での体罰、様々な競技での暴力行為やパワーハラスメントなど、不祥事が続発し、スポーツの価値そのものが脅かされている状況にあります。このことはラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成にも水を差すものです。これからも今のような状況が続いていくならば、国民に心からスポーツを応援していただけなくなるのではないかと思います。
 現在スポーツインテグリティの確保について、スポーツ庁のプロジェクトチームでも議論しております。そしてスポーツ議員連盟でも議論をしていただいております。今こそスポーツ界が一丸となって、前例にとらわれず新しいスポーツ界として立て直すべく、スポーツ団体の新しい在り方、指導者像、アスリート像、スポーツのあるべき姿をスポーツに携わる皆さんが考えていかなければならないと考えております。
 それと同時に、昨年の任期更新の際にお伝えしました「スポーツを通じた健康増進」。こちらもスポーツ施策の本丸であることに変わりはありません。オリンピック・パラリンピック開催のレガシーとして、多くの国民がスポーツに親しめる社会を実現し、健康寿命を延伸し、将来的には国民医療費の抑制につなげていきたい。この度策定したスポーツ実施率向上のための行動計画に掲げた「スポーツ・イン・ライフ」を目指してまいりたいと思います。
 私の任期は東京オリンピック・パラリンピックまでの残り2年間です。大会の成功はもとより、これまで個々に進めてまいりました施策を結びつけることを意識し、スポーツの価値を一層高められるよう、スポーツ施策の総合的な推進に力を注いでいく所存です。

スポーツ庁発足後3年間の主な取組・出来事

(注:太字:スポーツ庁関係の取組、斜体:その他のスポーツ関係の出来事)

平成27(2015)年

9~10月
ラグビーワールドカップ2015(イングランド)

10月
スポーツ庁設置
○  文部科学省の外局として、5課2参事官体制で発足。

10月
「ユネスコ・スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約第5回締約国会議への出席」
○  183か国の締約国が参加するユネスコ締約国会議のオープニングセッションにおいて、鈴木長官が我が国のスポーツ施策やドーピング防止活動等について発表。

11月
「スポーツ庁長官とスポーツ団体との懇談」を開催
○  2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けた選手強化の在り方などについて、スポーツ競技団体から意見を聴取するため、開催。

平成28(2016)年

3月
スポーツ庁、文化庁及び観光庁の包括的連携協定締結
○  三庁連携による相乗効果により、新しい地域ブランドや日本ブランドを確立・発信し、2020年以降も訪日観光客の増加や国内観光の活性化を図り、日本及び地域経済の活性化を目指すため、包括的連携協定を締結。

4月
「スポーツ界におけるコンプライアンスの徹底に関する会合」開催
○  各競技団体等における行動規範の制定、相談体制の構築の状況の調査を依頼。

5月
「独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律」成立
○  国際的な規模のスポーツの競技会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備に必要な財源を確保するため、スポーツ振興投票に係る収益の算定方法の特例を設ける等の措置。

6月
「Specialプロジェクト2020」スタート
○  2020年における全国の特別支援学校でのスポーツ・文化・教育の全国的な祭典の開催に向けて「『Specialプロジェクト2020』文部科学省推進本部」設置。

6月
「スポーツ未来開拓会議中間報告」発表
○  スポーツ産業の推進に向けた基本的考え方、課題ごとの方向性や今後の具体的な取組を提示。

8~9月
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会

9月
第1回日中韓スポーツ大臣会合(平昌)
○  2015年11月にソウル(韓国)で開催された第6回日中韓サミットの結果を受けて、平昌(韓国)で開催。3ヶ国のスポーツ交流を促進するための「平昌宣言」をとりまとめた。

10月
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会メダリスト合同パレード
○  リオデジャネイロ オリンピック・パラリンピック日本代表選手団合同パレード実行委員会 (公益財団法人日本オリンピック委員会、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会、スポーツ庁等)による開催。

10月
「競技力強化のための今後の支援方針」(鈴木プラン)発表
○  リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの成果と課題を踏まえ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会で優れた成績を収めるよう支援するだけでなく、その取組を強力で持続可能な支援体制として構築・継承するため、策定。

10月
スポーツ・文化・ワールド・フォーラム
○  ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、関西ワールドマスターズゲームズ2021等に向けて、観光とも連動させつつ、スポーツ、文化、ビジネスによる国際貢献や有形・無形のレガシー等について議論、情報発信し、国際的に機運を高めるためのキックオフイベントとしての国際会議を、2016年リオ大会直後の秋に、京都と東京で開催。

平成29(2017)年

2月
2017年アジア冬季競技大会(札幌)

2月
「大学スポーツの振興に関する検討会議」最終とりまとめ公表
○  大学横断的かつ競技横断的統括組織(「日本版NCAA(仮称)」)の平成30年度中の創設を目指すこととし、組織の在り方(理念、役割等)についても方向性を提示。

3月
小学校学習指導要領・中学校学習指導要領改訂
○  体育科・保健体育科において、生涯にわたる心身の健康の保持増進と豊かなスポーツライフの実現を重視。

3月
第2期「スポーツ基本計画」策定
○  第2期計画は、平成29年度から平成33年度までの5年計画であり、スポーツ参画人口の拡大等に取り組むこととしている。

4月
「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」(略称:J-STAR Project)開始
○  オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて有望なアスリートを全国各地から発掘するため開始。

4月
「部活動指導員」の制度化
○  学校教育法施行規則の一部を改正し、部活動の技術的な指導や大会への引率等を行うことを職務とする部活動指導員を制度化(平成29年4月1日施行)。

4月
『まんが スポーツで地域活性化』(全12巻)発刊
○  協賛2社(日本生命保険、スズキ)が全国の中学・高校・大学・特別支援学校等22000校に寄贈。

6月
「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック」公表
○  官民連携によるスタジアム・アリーナ整備等を推進するため、基本的な改革の方向性や参考となる事例等を掲載。

7月
「アウトドアスポーツ推進宣言」発表
○  スポーツによる地域活性化の重点テーマとして世界に誇る日本の自然資源を活用した「アウトドアスポーツ」を推進することを発表。

10月
「FUN+WALK PROJECT」開始
○  スポーツ庁2周年を契機に、ビジネスパーソンのスポーツ参画人口拡大を通じて国民の健康増進を図るためスタート。

10月
第1回日ASEANスポーツ大臣会合
○  ミャンマーのネピドーにおいて開催され、日本はミャンマーとともに共同議長を務めた。本会合では、日本とASEANのスポーツ分野における協力について活発に議論が行われた。

平成30(2018)年

2~3月
平昌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会

3月
「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」策定
○  生徒のスポーツ活動が地域・学校等に応じて多様な形で最適に実施されるよう学校や学校の設置者、地方公共団体、スポーツ団体が取り組む内容を提示。

3月
「スポーツツーリズム需要拡大戦略」の公表
○  国内外からの交流人口拡大による地域活性化、幅広い関連産業の活性化に向け策定。

3月
「スポーツ施設のストック適正化ガイドライン」策定
○  スポーツ基本計画において、スポーツ施設のストック適正化と安全で多様なスポーツ環境の持続的な確保を目指していることを踏まえ策定。

3月
高等学校学習指導要領改訂

3月
「パブコン~もしもあなたがスポーツ庁長官だったら~」の実施
○  国民のスポーツ実施率向上につながる事業プランを公募し、長官賞等を選考。長官賞の副賞として、長官の1日派遣やアスリートとの交流機会を授与。

5月
第7回世界女性スポーツ会議(ボツワナ)
○  国際女性スポーツワーキンググループ(International Working Group on Women and Sport 通称:IWG)」)が開催する4年に1度の国際会議に出席、日本政府として初めて基調講演を行った。

6月
スポーツを通じた健康増進のための厚生労働省とスポーツ庁の連携会議
○  厚生労働省が掲げる「スマート・ライフ・プロジェクト」と、スポーツ庁が掲げる「FUN+WALK PROJECT」が連携し、普及活動を行うことなどについて、議論。

6~7月
2018FIFAワールドカップ(ロシア)

6月
「我が国のスポーツ・インテグリティの確保のために」
○  各競技団体や大学等の関係者に対してスポーツ・インテグリティ確保のためのスポーツ庁長官メッセージを発出。

6月
オリパラ関連四法の成立・公布
○  オリパラ特措法・ラグビー特措法一部改正法、スポーツ基本法一部改正法、祝日法一部改正法及びドーピング防止活動推進法が成立・公布。

7月
「スタジアム・アリーナ運営・管理計画検討ガイドライン」策定
○  スタジアム・アリーナ整備プロジェクトの早期段階において整備後の運営・管理を見据えた検討が進み、民間の資金やノウハウの活用が促進されるよう策定。

7月
「日本版NCAA設立準備委員会」の発足
○  平成30年度中の日本版NCAA(仮称)の創設に向けて、大学及び競技団体が中心となりより具体的に設立に向けた準備を進めるため発足。

7月
スポーツとスポーツ産業の国際展開の促進を目的とした4者連携
○  経済産業省、スポーツ庁、独立行政法人日本貿易振興機構及び独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下、4者)は、我が国のスポーツ及びスポーツ産業の国際展開の促進を目的に基本合意書を締結。

8~9月
2018年アジア競技大会(ジャカルタ/パレンバン)

9月
「スポーツ実施率向上のための行動計画」及び「スポーツ国際戦略」策定
スポーツ審議会答申を踏まえ策定。「スポーツ実施率向上のための行動計画」では、スポーツ実施率の飛躍的な向上に向けた方策について、「スポーツ国際戦略」ではスポーツの国際交流・協力の戦略的な推進についてとりまとめ。

9月
第2回日中韓スポーツ大臣会合
○  第1回会合及び2018年5月の第7回日中韓サミットの成果を踏まえ、第1回会合成果文書である「平昌宣言」を具体的に実施していくための検討を行い、「東京行動計画」を取りまとめた。


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スポーツ庁政策課

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