初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第361号(令和元年6月28日)

[目次]

【お知らせ】
□20分で学べる!校内研修シリーズ No25「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて
□オンライン講座「小学校プログラミング教育 導入編」受講受付中!
□北方領土問題に関する教育・学習に係る取組について
□「教育課程研究指定校事業研究協議会」の様子を動画で視聴できます
□国立教育政策研究所「高度情報技術の進展に応じた教育革新に関する研究プロジェクト(令和元年度~令和3年度)」キックオフシンポジウム
□ICT教育の推進のための著作権制度の改正について
□東京2020高校生英語スピーチコンテストを開催します
□8月7日(水曜日)、8日(木曜日)開催「こども霞が関見学デー」
□『ニホンゴ探検2019 ―1日研究員になろう!』開催について
□熱中症の予防について

【コラム】
□「高等学校教育改革の最新の動向について」
    初等中等教育局参事官(高等学校担当) 田村 真一


□【お知らせ】20分で学べる!校内研修シリーズ No25「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

〔総合教育政策局教育人材政策課〕

 本動画では、國學院大學田村学教授がアクティブ・ラーニングの具体に迫ります。授
業ビデオを見ながら、児童生徒の認識や技能、活動の変容に視点を置いて、子供たち
の学ぶ姿を「見取る」ための視点を解説します。

※教職員支援機構ウェブサイト内
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbE
ネットいじめやコーチングなど、他にも90タイトルを配信中!

(お問合せ先)
独立行政法人教職員支援機構次世代教育推進センター調査企画課
電話:03-6811-0755
(本件担当)
総合教育政策局教育人材政策課教職員研修係
電話:03-5253-4111(内線2986)

□【お知らせ】オンライン講座「小学校プログラミング教育 導入編」受講受付中!

〔総合教育政策局生涯学習推進課〕

 今般の学習指導要領改訂を受け、2020年度からプログラミング教育が全小学校でスタートします。放送大学では、主に小学校教員向けのオンライン講座「プログラミング教育プラン」を開講しました。

◆(オンライン講座)「小学校プログラミング教育 導入編」
 放送大学の中川一史教授が講師となり、新学習指導要領におけるプログラミング教育の考え方や、先進的な取組を行う小学校や自治体等の事例について学習ができる単位科目外のオンライン講座です。

《団体受講での受講料割引について》
 学校、教育委員会、教育センター等での研修といった団体申請による割引(10名以上での団体受講の場合、受講料が1割引き)もございます。ご希望される場合は、事前に本件担当(放送大学学園総合戦略企画室 senryaku-pro@ouj.ac.jp )まで、事前にご相談ください。

※放送大学 プログラミング教育プラン 受講申込ホームページURL
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbF

(本件担当)放送大学 プログラミング教育プラン
放送大学学園総合戦略企画室企画係
電話:043-298-4541
E-mail:senryaku-pro@ouj.ac.jp

(お問合せ先)
総合教育政策局生涯学習推進課放送大学振興係
電話:03-5253-4111(内線3459)


□【お知らせ】北方領土問題に関する教育・学習に係る取組について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 内閣府等では、学校の先生や生徒の方々に北方領土問題に対する正しい理解と関心を深めていただけるよう、北方領土隣接地域への修学旅行等の誘致事業や根室地域での現地研修会、視察事業など各種取組を行っています。
 各学校におかれましては、北方領土教育の一環として、先生や生徒の方々が積極的に参加いただけますようご協力お願いします。

※詳細はこちら
→http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbG

(お問合せ先)
内閣府北方対策本部啓発係
電話:03-6257-1301(直通)

(本件担当)
初等中等教育局教育課程課企画調査係
電話:03-5253-4111(内線2565)


□【お知らせ】「教育課程研究指定校事業研究協議会」の様子を動画で視聴できます

〔国立教育政策研究所教育課程研究センター〕

 国立教育政策研究所では、毎年多くの学校にご協力頂き、各教科等について調査研究を行う「教育課程研究指定校事業」を実施しています。研究内容や成果については、毎年2月に開催する「研究協議会」で発表しています。このたび、「総合的な学習の時間」「特別活動」「小学校外国語活動」の各分科会の模様を説明資料と共に収録し、「mextchannel」に掲載しました。是非、研修等の各場面でご活用ください。

http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbH

(本件お問合せ先)
国立教育政策研究所教育課程研究センター 
電話:03-6733-6822
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbI


□【お知らせ】国立教育政策研究所「高度情報技術の進展に応じた教育革新に関する研究プロジェクト(令和元年度~令和3年度)」キックオフシンポジウム「高度情報技術を活用した教育革新の展望と検討課題」開催

〔国立教育政策研究所シンポジウム事務局〕

 国立教育政策研究所は、AIやビッグデータ等の高度情報技術の進展に応じた教育革新の展望と実現に向けた検討課題を整理し、課題克服の道筋を探るべく、標記の研究プロジェクトを開始しました。
 官民連携の下で実証的な研究を開始するに当たり、今後の展望と論点を整理し、関心のある方々とのネットワークを広げて研究を効果的・効率的に推進すべく、キックオフシンポジウムを開催します。 

開催日 令和元年7月9日(火曜日)13時00分~16時00分(受付開始12時30分~)
会場 文部科学省 講堂(3階)
※詳細及び参加申込みはこちら
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbJ
          
(お問合せ先)
国立教育政策研究所総務部研究支援課研究支援係
電話:03-6733-6813


【お知らせ】ICT教育の推進のための著作権制度の改正について
〔文化庁著作権課著作物流通推進室〕

  ICT教育の推進のための著作権制度の改正が行われたことをご存じですか?
  昨年の著作権法改正により創設された「授業目的公衆送信補償金制度」についてご紹介します。

◆「授業目的公衆送信補償金制度」とは?◆
<目的>
  教育機関によるICT活用教育における著作物利用の円滑化を図りつつ、権利者の正当な利益の保護とのバランスを図る。
<概要>
  学校等の非営利の教育機関における授業の過程で行う公衆送信(インターネット送信等)について、これまでは個別に権利者と交渉して許諾を得る必要がありましたが、この制度により、教育機関の設置者が補償金を支払うことで権利者の許諾なく行うことができるようになります。この制度の利用を希望する自治体等においては、ワンストップの窓口(※1)に一定の補償金をまとめて支払うことで、著作物(種類を問わず、外国の書籍等も含む)を無許諾で適法に利用することができるようになります。(※2)
  皆さまに円滑にご利用いただけますよう、教育関係団体にも御協力をいただきながら、制度開始(※3)に向けて準備を進めております。

※1 ワンストップの窓口としては、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)が指定されています。
(指定の詳細)http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbK

※2 ただし、授業の過程における著作物の公衆送信のうち、「同時中継の遠隔合同授業において、対面授業で使用している著作物を送信すること」は、無許諾・無償で行うことができます。

※3 改正著作権法は平成30年5月に公布されましたが、令和元年6月現在では未施行です。施行日は公布の日から3年を超えない範囲内で政令で定められます。補償金額は現在SARTRASにおいて検討中です(高い公益性を有する非営利教育機関におけるICT活用教育の推進等の観点から、適正な金額となるよう、文化庁が文化審議会に諮問した上で認可の判断を行うこととなっています)。
(制度の詳細)http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbL
(制度の概要)http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbM

◆著作物の教育利用に関する関係者フォーラムの開催◆
 権利者と教育関係者が、補償金の在り方や、教育現場における著作物の利用促進及び著作権に係る研修・普及啓発の促進等に資するための情報交換や意見交換を行うため、平成30年11月、両当事者が共同でフォーラム(事務局:SARTRAS)を設置しました。
 今年度も、6月7日に第1回のフォーラムが行われ、本補償金制度を利用するにあたっての教育関係者用のガイドラインなどが議論されています。
 フォーラムは文部科学省や文化庁もオブザーバーとして参加しておりますので、今後の動きについては文科省&文化庁の公式ツイッター・FB等を通じて、皆様にお届けしてまいります!

※詳しくはこちら(フォーラムに関する現状など)
  http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbN

(お問合せ先)
文化庁著作権課著作物流通推進室 企画調査係
03-5253-4111(内線3165)

□【お知らせ】東京2020高校生英語スピーチコンテストを開催します

〔初等中等教育局情報教育・外国語教育課〕

 東京2020組織委員会は、「平和な世界に向けてスポーツの果たす役割」をテーマとした、「東京2020高校生英語スピーチコンテスト」を実施します。
 本コンテストは、高校生の皆様に、「平和の祭典」としてのオリンピック及びスポーツの力について考え、自らの言葉で世界に発信する機会にしていただくことを目的としています。応募にあたっては個人賞と学校賞を設けており、受賞者には副賞として、それぞれ東京2020オリンピック観戦チケットや東京2020マスコット学校訪問等を贈呈します。皆様のご応募をお待ちしております。

※スケジュール
 応募期間:2019年9月2日(月曜日)~9月30日(月曜日)
 最終審査:2019年12月下旬(公開審査会)
※詳細はこちら
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbO 

(お問合せ先)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
東京2020高校生英語スピーチコンテスト担当
メールアドレス:speechcontest@tokyo2020.jp

(本件担当)
初等中等教育局情報教育・外国語教育課
電話:03-5253-4111 (内線3785)

□【お知らせ】8月7日(水曜日)、8日(木曜日)開催「こども霞が関見学デー」

〔総合教育政策局地域学習推進課〕

 「こども霞が関見学デー」は、文部科学省をはじめとした25府省庁等が連携して、業務説明や省内見学などを行うことにより、親子の触れ合いを深め、子供たちが夏休みに広く社会を知る体験活動の機会を提供しています。文部科学省では80を超える展示・体験イベントを用意していますので、是非御参加ください。
期間:令和元年8月7日(水曜日)、8日(木曜日)
対象:全国の小・中学生・幼児等(原則として保護者同伴)

※あらかじめ申込みが必要なプログラムと、当日参加できるプログラムがあります。
また、夏休み期間中、国の関係機関や各地方公共団体でも同趣旨の取組が行われます。
詳細はこちらをご覧ください。
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbP

(お問合せ先)
総合教育政策局地域学習推進課家庭教育支援室
電話:03-6734-3467(内線3467)


□【お知らせ】『ニホンゴ探検2019 ―1日研究員になろう!』開催について

〔研究振興局学術機関課〕

 国立国語研究所では、7月20日(土曜日)に、一般公開イベント『ニホンゴ探検2019 ―1日研究員になろう!』を開催します。みなさまに研究所を公開するもので、「日本語」の魅力と不思議に触れられるイベントです。
 当研究所の「1日研究員」として、スタンプラリークイズや各種ワークショップ等に参加することで、日本語について楽しみながら学ぶことができます。対象年齢は小学生以上で、大人の方もお楽しみいただけます。また、今年は創立70周年を記念して、全教員・特任研究員がポスター発表を通し、どのような研究をしているのかを専門外の方や学部・大学院の学生にわかりやすく伝える、「国立国語研究所オープンハウス2019」も同時開催します。
(参加無料、申込不要)

【日時】2019年7月20日(土曜日)11:30~16:00
【会場】国立国語研究所(東京都立川市緑町10-2)

※詳細は、以下をご覧ください。
ニホンゴ探検2019:http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbQ
オープンハウス2019:http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbR

(本件担当)
国立国語研究所 広報室
電話:0570-08-8595(ナビダイヤル) Fax:042-540-4334
E-mail:koho_ninjal@ninjal.ac.jp

(お問合せ先)
研究振興局学術機関課
電話:03-6734-4085(内線4299)

□【お知らせ】熱中症の予防について

〔総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課〕 

 今年は全国各地で5月頃から暑くなり、熱中症の被害が発生しています。
 学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動中に発生していますが、運動部活動以外の部活動や、屋内での授業中においても発生しています。また、暑くなり始めや急に暑くなる日等の身体がまだ暑さに慣れていない時期、それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度等その他の条件により注意が必要です。
 熱中症は、活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整え、活動中や終了後にも適宜補給を行うこと等の適切な措置を講ずれば十分防ぐことが可能です。また、熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、すぐに身体の冷却、水分・塩分の補給、病院への搬送等、適切な応急手当等の対応をお願いします。

※詳細はこちら
○学校における熱中症の防止について情報等
文部科学省×学校安全ポータルサイト
http://mailmaga.mext.go.jp/c/afaPae3YfY6VylbS

【お問合せ先】
総合教育政策局
男女共同参画共生社会学習・安全課
安全教育推進室 学校安全係
電話:03-5253-4111(内線2917)

□【コラム】「高等学校教育改革の最新の動向について」

〔初等中等教育局参事官(高等学校担当) 田村 真一〕

<はじめに> 
  皆さんこんにちは。昨年11月に新しく発足した参事官(高等学校担当)の組織の紹介
とともに、高等学校教育改革の動向について記事を書いて以来の掲載になります。
  あれから7か月ほどが経ちましたが、その間にも高等学校教育改革について新規事業の実施や政府や党からの提言など、様々な動きがありました。
 ここ最近の動きを整理して振り返ってみたいと思います。

<高大接続改革における高校教育改革の動き>
  高大接続改革は、社会で自立的に活動していくために必要な学力の3要素をバランス良く育むため、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜通じて学力の3要素を確実に育成・評価する、三者の一体的な改革です。
  このうち、高等学校教育改革の関連では、まず、昨年12月に、高校生の基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの取組の促進を目指す、高校生のための学びの基礎診断について、制度創設後初めての認定が行われました。具体的には国数英の3教科について9事業者25のツールが認定されています。各学校において本年4月からの本格的な利活用が期待されるところであり、現在その取り組み状況について調査を行っているところです。
  また、本年3月末には、学習指導要領の改訂を踏まえ、児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について通知が出されました。本通知において、観点別学習状況の評価の観点について、新学習指導要領の3つの柱を踏まえて、3観点に整理されたほか、高等学校における観点別学習状況の評価の充実を図る一環で、高等学校の指導要録の参考様式に観点別学習状況の評価の記載欄が新設されています。2024年度からは調査書の様式も新しい指導要録に基づくものになる予定です。

<Society5.0に向けた高校教育改革のリーディングプロジェクト事業の実施>
  次に、本年度から、Society5.0の到来を踏まえた人材育成に関し、二つの新しい高校教育改革のリーディングプロジェクト事業の取り組みが始まりました。
  具体的には、
   (1)新たな社会を牽引する人材として活躍するための基盤となる力の育成を目指す「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」
   (2)Society5.0を地域から分厚く支えていく人材の育成を目指す「地域との協働による高校教育改革推進事業
  です。
  (1)はイノベーティブなグローバル人材を育成するため、高等学校等と国内外の大学、企業、国際機関等が共同し、高校生へより高度な学びを提供する仕組みを構築する事業であり、2019年度は、審査を経て10校が拠点校として採択されています。
  (2)は、高等学校と市町村・高等教育機関・産業界等との協働によりコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等を通じた探究的な学びを実現する取組を推進する事業であり、取組内容に応じて「地域魅力化型」、「グローカル型」、「プロフェッショナル型」の3類型が設けられています。2019年度は審査を経て51校が採択されています。新規事業で短い募集期間でありましたが、138件と多数の申請があり、また、来年度に向けて検討しているとの声も多く寄せられ、本改革に関する関心の高さを感じているところです。
  また、本事業の構想をより多くの学校に広めていく観点から、審査で一定の評価を得た学校をアソシエイトとして位置付けることとし、2019年度は42校がアソシエイトになっています。
  なお、高等学校段階は将来の人生の選択を考える重要な時期になっていることから、2019年のまちひとしごと創生基本方針においては、地域との協働による高等学校教育改革の推進や地域・高校魅力化推進コンソーシアムの設置促進、地域地域と高等学校をつなぐ人材の育成などを、総合的に推進することとされています。
  高等学校教育と地域社会や高等教育機関との協働による教育の在り方に関しては、後ほど述べる中央教育審議会の諮問における検討事項にもなっていますが、両事業は、その先駆となっていくことが期待されます。
 
<今後の高等学校教育改革についての提言等>
(1)教育再生実行会議における提言
  昨年8月から、総理の下で開催される教育再生実行会議においては、「新しい時代に対応した高等学校の在り方」について検討が進められてきましたが、1月の中間報告を経て、5月17日に第十一次提言がとりまとめられました。
  教育再生実行会議は平成25年から十次にわたる提言を出してきましたが、高等学校に特化した提言はこれが初めてになります。
 
  同会議からは、高等学校が取り巻く状況が激変する中で、以下のような改革が提言されてます。
  ア.学科の在り方について
    ・全ての高等学校において、生徒受入れに関する方針、教育課程編成・実施に
      関する方針、修了認定に関する方針を策定すること
   ・普通科の各高校が、教育理念に基づき選択可能な学習の方向性に基づいた類型
      の枠組みを国が提示すること。
   ・文系・理系科目をバランスよく学ぶ仕組みの構築
 
  イ.高等学校の教育内容、教科書の在り方
    ・社会の変化に対応するための学習指導要領の一部改訂の実施、標準的な授業間
      の在り方を含む教育課程の在り方の見直し
    ・技術革新の進捗が早い分野の教科・科目に係る教科書の弾力的見直しの検討
 
  ウ.定時制・通信制課程の在り方
    ・定時制・通信制課程における生徒のキャリア形成に必要な社会的スキル等の育
      成方策について検討
    ・広域通信制高等学校の第三者評価の実証研究結果等を踏まえた更なる質の確保・向上
   
  このほか、エ.教師の養成・研修・免許の在り方、オ.地域や大学等との連携の在り方、カ.中高・高大の接続、キ.特別な配慮が必要な生徒への対応、ク.少子化への対応、などについて提言がなされています。
 
  これと並行して、自民党・教育再生実行本部においても「高等学校の充実に関する特命チーム(主査:義家弘介衆議院議員)」において、「普通科の抜本的見直し」等を検討項目として議論が進められていましたが、5月23日に他の部会の内容とともに第12次提言として安倍内閣総理大臣に手交されました。
  同提言のうち高等学校の関連では、
  ・全ての学校において、自ら掲げる教育理念に基づき、スクールポリシーとして
  「生徒受入れ方針」「教育課程編成・実施方針」「卒業認定方針」の策定を義務化すること。
  ・普通科について、各校の理念を踏まえ、生徒の才能を伸ばす教育や実態に応じた支援等に重点的に取り組めるよう、在り方を見直し、新たな枠組みを創設すること。
  ・「前期高等教育機関」としての機能強化、Society5.0を牽引する人材の育成に向けた専門教育の抜本的強化
  ・時代に即した通信制課程・定時制課程への転換
  などが提言されています。
 
(2)中央教育審議会における検討
  文部科学省においては、4月17日に中央教育審議会に「新しい時代の初等中等教育の在り方について」諮問を行い、総合的に検討が行われることになっています。検討事項の4つの柱ののうちの一つが「新時代に対応した高等学校教育の在り方」であり、今後、教育再生実行会議や教育再生実行本部の提言等を踏まえつつ、提言内容の制度化に向け、専門的・実務的に検討がなされる予定です。
  なお、中央教育審議会においては、本諮問事項全体について横断的に議論するため、初等中等分科会の下に、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を設けて検討することとしており、高等学校教育改革については、さらにその部会の下にワーキングループを設置して検討を進めることになっています。
 
(3)上記の高等学校改革の提言について
  上記の提言や諮問で共通して課題として指摘されているのは、昨年9月に公表された調査結果です。それによれば、高校1年次の学校での授業の満足度、理解度、有用性の意識は、中学校に比べて低下しているとともに、授業以外の学習時間は大幅に低下し、4人に1人は全く学習しないという状況になっています。こうした課題を踏まえ、各高校が教育理念を明確化することや、校長のリーダーシップの下で教育改革が推進される前提で、国が高校生の約7割が通う普通科について教育理念に基づき選択可能な学習の方向性に基づいた類型の枠組みを示すことなどが提言されているところです。
  これに対し、今のままでも、普通科において特色あるコースを設けている高校もあるから必要ないのではないかという御意見や、最終的に就職や進学につなげられれば問題ないのではないかという御意見をお聞きすることがあります。
  前者については、高校は中学校とは異なり、制度上、学校独自の科目も含め様々な科目等を設けることが可能であるにもかかわらず、高校全体としてみれば、そのような特徴を生かした高校が少ないことが上記のような調査結果につながっている可能性とそのような現状に改革を後押しをする観点からの提言であることに留意することが必要だと思います。
  また、後者については、4人に1人は授業以外の学習を全く行わず、1時間未満のものを含めれば半数を占める状況で、卒業までに、予測困難な社会において未来を切り拓くために求められる資質・能力を育成する初等中等教育の最後の教育機関として十分といえるのかが問われると思います。

<おわりに>
  高等学校については、教育関係の会議のみならず、6月21日に閣議決定された、経済財政運営と改革の基本方針2019(いわゆる骨太の方針)においても、「特色ある教育を推進するための多様化・類型化などの普通科改革、高大連携、地域人材やグローバル人材の育成などの多様な高等学校教育の構築を進める。」と記載されるなど、注目を集めているところです。
  これまで、ややもすれば、義務教育段階や大学教育等に比べて、高校教育について着目されることが少なったところ、この機会に、高校生の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすようにできるよう、中央教育審議会の議論を踏まえつつ、改革に取り組んでまいりたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。


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電話番号:03-5253-4111

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