2010.1.15
【文部科学大臣・年頭の所感】次代の「人と知恵」を生み育てるために
【調査結果】小・中・高等学校等に在籍する弱視等児童生徒に係る調査の結果について
【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第33回)
【お知らせ】平成22年度予算額案(案)説明資料のホームページ掲載について
【お知らせ】外国人児童生徒教育の関連予算案について(前号の補足)
【お知らせ】「第6回研究開発学校フォーラム」の開催について
【お知らせ】特別支援学校学習指導要領解説総則等編(高等部)刊行について
【お知らせ】12月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介
【お知らせ】公開講座「ひきこもりを考える」の開催について
【トピック】国会審議から見る初等中等教育分野の論点
平成22年 年頭の所感
文部科学大臣 川端達夫
平成22年の新春を迎え、謹んで新年のご祝辞を申し上げます。
昨年は、我が国にとって大きな変革の年でした。新たに誕生した鳩山内閣は、国民の選択により生まれ、また国民の生活を第一に考える、「民」の内閣と言えます。私も内閣の一員として、鳩山総理のリーダーシップのもと、本年も国民の皆様とお約束したことの実現に全力で取り組んでまいります。
昨年9月の新内閣発足からの3ヶ月余りを振り返りますと、この間に取り組んだ課題は数多く、大変密度の濃い時間を過ごしたように感じます。特に、前政権下で編成された補正予算の見直しと、新政権の新たな考え方のもとでの概算要求のやり直し、事業仕分けへの対応を含む平成22年度予算編成作業は大きな課題でした。
昨年末に閣議決定した政府予算案においては、政権のスローガンである「コンクリートから人へ」の理念に立ち、「人と知恵」を生み育てる施策に重点化を図ったところです。事業仕分けの評価結果を踏まえ、事業の廃止・縮減等の見直しを行う一方、マニフェストや総理指示の事項等に対応した結果、総額で対前年度5.9%増の予算を確保し、過去30年で最高の伸び率となりました。
今回の予算の最重要項目は高校無償化の実現です。公立高校生の授業料を不徴収にすることで無償制を導入するとともに、私立高校生等に対しては就学支援金を代理受領方式で支給することとし、これらに必要な予算約4,000億円を計上しました。これにより、先進諸国が既に導入済みの高校無償化について、我が国が国際人権規約の留保を撤回する上での第一歩になると考えています。
一方、高等教育段階では、大学奨学金について事業の健全性を確保するとともに、貸与人員で対前年度35,000人増の充実を図ります。また、85,000人の国私立大学生の授業料を減免することとしています。
義務教育諸学校の教職員定数については、前政権下の定数削減方針を打破し、7年ぶりの純増で、昨年の5倍を超える4,200人の大幅改善となりました。これにより、教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、新学習指導要領の円滑な実施を図りたいと考えています。
高等教育については、前政権下の国立大学法人運営費交付金を毎年度1%削減する方針を見直しつつ、医学部定員増に伴う教育環境の整備充実や授業料免除枠の拡大などを図るとともに、私学助成についても必要額を確保します。医師不足解消のための医師等養成と大学病院の機能強化については、医師等の医療人材養成機能強化、大学病院で働く医師等の勤務環境の改善などを行います。
本来、教育は、個人の豊かな社会生活ばかりでなく、社会全体の活性化を実現するものです。いかなる環境にある子どもたちに対しても、生まれてから社会に出るまで切れ目無く学びや育ちを支援していくことが必要であり、社会が次世代を担う子どもの成長を支援し、成長した子どもが社会を支えるという好循環を作ることとなります。このような教育政策の重要性を踏まえ、その充実に取り組んでまいりたいと考えています。
スポーツは、国民に夢と感動をもたらすだけでなく、社会や経済に活力を与え、また国際的な理解や共感、信頼関係を醸成するための重要なツールであると考えます。バンクーバー冬季オリンピックも目前に迫り、我が国の選手の活躍が期待されます。来年度は、特に2012年のロンドンオリンピックなどの国際競技大会に向け、「チーム「ニッポン」マルチ・サポート事業」及び「次世代アスリート特別強化推進事業」の拡充による国際競技力の向上などに重点的に取り組むこととしています。
また、文化芸術は、過去から未来へと受け継がれ、人々に喜びや感動を与えると同時に、我々の全ての営みの基盤として重要なものです。文部科学省では、優れた芸術文化活動への支援や地域の伝統文化の継承、メディア芸術の振興など、「ハード」の整備から「ソフト」と「ヒューマン」への支援に重点を置き、文化芸術を振興していきます。
我が国の生命線である科学技術については、新政権の成長戦略において重点項目と位置付けております。昨年は、国際宇宙ステーションへ本格的な物資輸送を成し遂げるとともに、野口宇宙飛行士が長期滞在を開始しました。このように、科学技術の力で、国民の夢を大きくふくらませ、世界をリードするための取組を進めてまいります。好奇心旺盛な子どもたちに科学のすばらしさをもっと理解してもらう取組を充実するとともに、若手・女性研究者等に対する支援を強化するため、新たに「最先端研究開発戦略的強化費補助金(仮称)」を創設いたします。
また、温室効果ガス25%削減の目標達成のために、次世代太陽電池や超伝導送電など先進的技術開発を進めてまいります。
一方で、科学技術への政府投資の拡大や研究の高度化、専門化に伴い、社会における科学技術のあり方も改めて問われていると感じております。研究開発の成果はすぐには見えにくいものではありますが、その意義や成果を説明することを怠れば、社会の支持を得ることはできません。文部科学省としては、現場の研究者、技術者の方々とともに、積極的に情報を発信して国民の理解を得ることに力を尽くしていきたいと考えております。また、政府全体の科学技術戦略を企画・立案する強力な司令塔の整備と、その下で戦略的に予算を配分し各省が横断的に連携して研究開発に取り組むシステムの構築を図り、国民の目線も踏まえながら、国家戦略としての科学技術の振興を進めてまいります。
以上の課題に対応するため、国民の皆様のご理解をいただきながら平成22年度予算案及び関連法案の速やかな成立を期したいと考えております。このほか、教員免許制度の抜本的な見直し、幼児教育の充実、学校教育環境の整備、新たな科学技術基本計画の策定、独立行政法人・公益法人の改革、地方分権改革など、教育、科学技術、スポーツ、文化芸術の各般にわたる重要な課題に取り組んでまいります。
資源小国である我が国の今後の発展の礎となるものは、「人と知恵」であり、その発展を担う文部科学行政は、国政の中心に据えられるべきものです。私は、文部科学行政の責任を担う者として、文部科学行政の重要性を心に刻み、その充実発展に全力を尽くしてまいります。引き続き、関係各位のご指導とご鞭撻をいただきますよう心よりお願い申し上げます。
〔初等中等教育局特別支援教育課〕
文部科学省では、特別支援教育の推進に資するため、国公私立の小学校、中学校、高等学校等を対象に標記調査を実施し、平成21年12月4日、その結果を取りまとめ、公表しました。
調査結果によると、各学校において把握している全弱視等児童生徒数6,825人のうち、学校として主に点字教科書を使用することが望ましいと判断されている児童生徒数は419人、拡大教科書は2,087人、通常の検定教科書は2,277人、一般図書は2,042人となっており、弱視等児童生徒の障害の状態に応じた適切な教科書が求められています。
平成20年6月に成立した「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」を踏まえ、文部科学省では拡大教科書普及のための施策に取り組んでおり、小・中学校段階については、平成20年12月に拡大教科書の標準的な規格を策定・公表しました。
高等学校段階については、今回の調査結果も踏まえ、「高等学校段階における拡大教科書標準規格等検討会」を開催し、検討を進めております。
調査結果の詳細につきましては、こちら(文部科学省のホームページへリンク)をご覧ください。
〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕
「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。
シリーズ第33回として、富山県富山市の取組をご紹介します。
富山県富山市立岩瀬小学校長 立田ひろみ
「ワーッ、キャー」学校に隣接する公民館にある『岩瀬子どもかがやき教室』の部屋に近づくと、毎回子どもたちの大きく元気な声に驚かされる。教員なら、一喝して静かにさせることもあるが、指導員の方にとっては困難も多いだろうと考えると、頭の下がる思いである。また、子どもたちはそれだけ学校で我慢し、窮屈に過ごしてきた鬱憤を晴らしているのではないかと疑いたくなるような賑やかさである。
ある日、指導員の方が強い口調で5〜6人の子どもを叱ってくださっている場面に出くわしたことがある。「なんべん言っても分からんがなら、ここへ入ったらだめ」と言われた子どもは、しぶしぶ顔で「分かった」、「今度からやらんから」と答えている。その光景が、いかにも昔どこにでも見られた、近所のおばちゃんに、悪いことをして叱られている子どもの姿と重なった。地域の方が、保護者の代わりにこうして温かく叱ってくださっていることを、たいへん有り難く感じたことでもあった。
岩瀬小学校は、幕末から明治にかけて日本海で活躍した「北前船」による交易で発展した港町にある。国指定重要文化財の北前船回船問屋「森家」などの旧家が立ち並ぶ歴史情緒あふれた地域でもある。この特徴を生かし「岩瀬かがやき教室」では、歴史スポットを歩く三世代交流や回船問屋「森家」での写真教室などが行われており、PTAや児童クラブ、食生活改善委員などの方々が、子どもたちの安全を第一に指導にあたってくださっている。
子どもたちは、「あれなあに」、「これどうするの」、「なんで」と様々な質問を指導員の方にするが、指導員の方は丁寧に答えてくださっている。
この教室は、地域の方々の協力や参加があって開催できるものであり、日頃接することの少ない地域の方々と触れ合うことによって、子どもたちにとっては、大変よい体験ができる場所となっている。
このように、地域の皆さんに見守られ、温もりのある「岩瀬子どもかがやき教室」を運営していただいていることに、心より感謝しており、これからも、地域と学校が連携して「岩瀬子どもかがやき教室」を応援していきたいと思っている。
「放課後子ども教室」の情報は、「放課後子どもプラン」のホームページをご覧ください。
〔大臣官房会計課〕
平成22年度予算額(案)説明資料が文部科学省ホームページへ掲載されました。
詳しくは、こちら(文部科学省のホームページへリンク)をご覧ください。
〔初等中等教育局国際教育課〕
前号の「平成22年度政府予算案の概要」において、「「外国人児童生徒教育の推進」16百万円(平成21年度301百万円)」とお知らせしましたが、当該事項については、モデル事業の大幅な見直し等を受け、実施方法が平成21年度と比較して、大きく変更となる予定です。
特に、平成19年度より帰国・外国人児童生徒の公立学校における受入体制の整備を目的として実施してきた「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」の取組は、この16百万円には含まれておりません。同事業の大半は補助事業化し、他事業の内数として計上するとともに、モデル事業としては、散在地域に着目した、全国的にモデルが構築されていない取組に限って実施する予定です。
教育委員会の関係者の皆様におかれましては,帰国・外国人児童生徒受入促進事業の補助事業化に伴い、今後、新たに財政負担が必要となりますが、国と地方がより連携を強化し、本事業を推進していくことにご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、上記の16百万円に相当するものとしては、下記「2.外国人児童生徒の総合的な学習支援事業」を実施する予定です。
補助事業(新規)
地域人材との連携による帰国・外国人児童生徒の学校への受入体制の整備全般。
(平成22年度予算額(案):「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」13,093百万円の内数、60地域)
モデル事業 従来までの「委嘱」から「委託」へ変更
外国人集住地域、散在地域をともに有する都道府県教育委員会等における、都道府県と市町村との連携を重視した受入体制の整備。
(平成21年度予算額:301百万円、20地域)(平成22年度予算額(案):「学校運営支援事業等の推進」300百万円の内数、5地域)
外国人児童生徒の総合的な学習支援事業(新規)
外国人児童生徒の適応指導・日本語指導を担当する教員・支援員等が効率的な指導を行えるよう、ガイドラインの作成や研修マニュアル、日本語能力の測定方法の開発等を行う。
〔初等中等教育局教育課程課〕
文部科学省では、研究開発学校の成果等について広く一般に公開し、活用を促すことなどを目的として、「第6回研究開発学校フォーラム」を平成22年2月8日(火曜日)に開催いたします。
研究開発学校とは、学校独自の教科の新設など、学習指導要領等の現行の教育課程によらない教育課程を編成・実施し、新しい教育課程・指導方法について実践研究を行うものです。研究開発学校制度については、ホームページをご覧ください。
当日は、研究最終年度の学校(研究指定期間:平成19年度〜21年度)による研究発表、各校の先生方に直接研究に関する質問を行ったり、実際に使用された教材等の資料を見ることが可能なポスターセッションが行われます。 フォーラムの詳細なプログラム等については、今後、研究開発学校ホームページにおいてお知らせするとともに、次回のメールマガジンにおいても配信する予定です。申し込みの受け付けについても、そちらをご覧ください。
研究開発学校の研究内容に興味をお持ちの方、研究開発学校の指定を希望される学校の教職員の方など、多くの皆様の参加をお待ちしています。
現在研究開発学校に取り組んでいる学校については、こちら(文部科学省のホームページへリンク)をご覧ください。
〔初等中等教育局特別支援教育課〕
文部科学省では、学習指導要領改訂に伴い、その内容について詳しく解説した学習指導要領解説を発行しております。このたび、『特別支援学校学習指導要領解説 総則等編(高等部)』を刊行いたしましたので、以下のとおりお知らせします。
特別支援学校学習指導要領解説 総則等編(高等部)
平成21年12月25日発売、海文堂出版(株)、税込777円(本体740円)
※流通事情等により、書店の店頭に並んでいない場合もあります。
なお、現行の学習指導要領解説については、『総則等編』『各教科,道徳及び特別活動編』『自立活動編』の3種類で構成していますが、新しい学習指導要領の解説は、自立活動編以外の内容を学校段階別に分け、『自立活動編』『総則等編(幼稚部・小学部・中学部)』『総則等編(高等部)』の3種類での構成となります。
解説書の内容や出版状況など、新しい学習指導要領についての情報は、新しい学習指導要領ホームページ(文部科学省のホームページへリンク)に随時掲載してまいりますので、適宜御活用ください。
〔生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付〕
文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。
12月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介
※以下、文部科学省特別選定を「特選」、文部科学省選定を「選定」として、 【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。
〔内閣府青少年支援担当〕
〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕
平成21年11月17日 参・文教科学委員会
今、中教審でキャリア教育・職業教育特別部会をやって検討していただいております。もちろんこの検討は十分やっていただきたいと思っておりますが、私どもが就任をいたしましてからも、事務方に対してこの点についてもう一度、もちろん中教審の議論は議論として大いに参考にもしながら、一からって別に今までのものをなくするというわけじゃないですけれども、重要な課題なので本格的に議論を練ってくれと、こういう指示を出したとろでございます。
特に、職業科と普通科となっているんだけれども、それぞれにおいて混同しているという現状の御指摘が一番踏まえていかなければいけない現状だと思います。けれども、まず、進学をする者であれ就職をする者であれ、いずれにしても社会には出るわけですから、きちっとキャリア教育ということはやっていかなければいけないと。一番問題なのは進学も就職もしないという、そういう学生もかなり出ております。いずれにしても、自分の将来の人生をちゃんと自分でデザインをする、それに向けて必要な学びをやっていくという、ここのところをまずはきちっとしていかなければいけないと。
その段階で、その上で、これが社会に出る直前の教育になるのか直前の二つ前になるのかということの差はありますけれども、そこで、職業教育という観点でいきましたならば、かなり実践的な、自分たちが一年後二年後三年後に働く現場というものを意識できるように、とりわけそういったところで現に働いておられる方々との人的な交流、そうしたところでの職場におけるかなりインターンシップ的なこと、あるいはそうした方々にどんどん学校現場に働くことの重要さ、すばらしさ、難しさ、しかしそれを乗り越えたときの感激、感動、社会への貢献、地域への貢献と、こういうことをかなりきめ細かくやっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
(鈴木文部科学副大臣)
『文部科学時報』最新号1月号は、1月12日(火曜日)に発行です!
『文部科学時報』は、文部科学省が発行する唯一の省の総合政策広報誌です。
様々な切り口から、最新の文部科学行政の重要施策について、特集や連載、トピックとして、教育、科学技術・学術、文化、スポーツにおける総合的な情報を分かりやすく全国の方々に発信します。
1月号の巻頭インタビューは、京都大学教授/iPS細胞研究センター長・山中伸弥先生に登場いただきます!!
全員で楽しさと喜びを実感する環境・ESDへの取組〜ユネスコ・スクール富山市立中央小学校からの発信〜
山中伸弥先生(京都大学教授/iPS細胞研究センター長)“科学技術のブレークスルーを目指して その先にある可能性へ”
ユネスコが創る未来〜持続発展教育(ESD)〜
文部科学大臣・川端達夫
『文部科学時報』は、文部科学省ホームページからも一部参照いただけます。
次号以降も様々な文部科学行政の取組・話題を満載してお届けします!!
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