平成14年度学校保健統計調査 2調査結果の概要

1  発育状態
 
(1)  身長(表1,表2,図1,図2)
 
1  平成14年度の男子の身長(全国平均値。以下同じ。)は,5歳,7歳,9歳及び10歳で前年度の同年齢より増加している。その他の年齢では,11歳,12歳及び15歳から17歳の各年齢で前年度より減少している。
 女子の身長は,5歳,7歳及び15歳で前年度の同年齢より増加している。その他の年齢では,6歳,10歳から12歳,14歳及び17歳の各年齢で前年度より減少している。

2  平成14年度の身長を30年前の昭和47年度(親の世代)と比較すると,最も差がある年齢は,男子では13歳で,親の世代より5.3センチメートル高く,親の世代の14歳にほぼ相当する。
 女子では11歳で,親の世代より3.6センチメートル高くなっている。

 
表1 年齢別 身長の平均値

図1 身長の平均値の推移

3  17歳(昭和59年度生まれ)の年間発育量をみると,男子では11歳から12歳時に発育量が著しくなっており,12歳時に最大の発育量を示している。
 女子では9歳から10歳時に発育量が著しくなっており,9歳時に最大の発育量を示しているが,最大の発育量を示す年齢は,男子に比べ3歳早くなっている。
 また,この発育量を30年前の昭和29年度生まれ(親の世代)と比較すると,男子では発育量が最大となる時期はともに12歳時となっており,6歳を除いた11歳以下の各歳時で親の世代の発育量を上回っている。
 女子については,発育量が最大となる時期は親の世代より1歳早い9歳となっており,5歳及び7歳から9歳の各歳時で親の世代の発育量を上回っている。

 
表2 昭和59年度生まれと昭和29年度生まれの者の年間発育量の比較(身長)

図2 昭和59年度生まれと昭和29年度生まれの者の年間発育量の比較(身長)

(2)  体重(表3,表4,図3,図4)
 
1  平成14年度の男子の体重(全国平均値。以下同じ。)は,8歳,9歳及び15歳から17歳の各年齢で前年度の同年齢より増加しており,15歳から17歳は過去最高となっている。その他の年齢では,10歳から12歳の各年齢で前年度より減少している。
 女子の体重は,5歳,7歳,10歳及び15歳から17歳の各年齢で前年度の同年齢より増加しており,15歳及び17歳は過去最高となっている。その他の年齢では,6歳,9歳及び11歳の各年齢で前年度より減少している。

2  平成14年度の体重を30年前の昭和47年度(親の世代)と比較すると,最も差がある年齢は,男子は12歳及び13歳で,親の世代よりそれぞれ5.7キログラム重くなっており,親の世代の13歳及び14歳に相当する。女子は11歳で,親の世代より3.5キログラム重くなっている。

 
表3 年齢別 体重の平均値

図3 体重の平均値の推移

3  17歳(昭和59年度生まれ)の年間発育量をみると,男子では11歳から13歳時に発育量が著しくなっており,11歳時及び12歳時に最大の発育量を示している。
 女子では10歳から11歳時に発育量が著しくなっており,10歳時に最大の発育量を示している。
 また,この発育量を30年前の昭和29年度生まれ(親の世代)と比較すると,男子では発育量が最大となる時期は,親の世代と同じか1歳早い11歳及び12歳時となっており,11歳以下の各歳時で親の世代の発育量を上回っている。
 女子については,発育量が最大となる時期は親の世代より1歳早い10歳となっており,10歳以下の各歳時で親の世代の発育量を上回っている。

 
表4 昭和59年度生まれと昭和29年度生まれの者の年間発育量の比較(体重)

図4 昭和59年度生まれと昭和29年度生まれの者の年間発育量の比較(体重)

(3)  座高(表5)
 
1  平成14年度の男子の座高(全国平均値。以下同じ。)は,6歳,13歳及び16歳の各年齢で前年度の同年齢より増加しており,13歳及び16歳の各年齢では過去最高となっている。その他の年齢では12歳及び15歳の各年齢で前年度より減少している。
 女子の座高は,5歳,9歳,15歳及び16歳で前年度の同年齢より増加している。その他の年齢では11歳及び12歳の各年齢で前年度より減少している。

2  平成14年度の座高を30年前の昭和47年度(親の世代)と比較すると,最も差がある年齢は,男子では13歳で,親の世代より2.4センチメートル伸びており,親の世代の14歳にほぼ相当する。
 女子では11歳で,親の世代より1.7センチメートル伸びている。

 
表5 年齢別 座高の平均値

2  健康状態
 
(1)  疾病・異常の被患率等別状況(表6)
   疾病・異常を被患率等別にみると,いずれの学校段階においても「むし歯(う歯)」が最も高く,次いで「裸眼視力1.0未満の者」の順となっている。

 
表6 疾病・異常の被患率等

(2)  主な疾病・異常等の推移
   疾病・異常等のうち主なものについて,その推移をみると表7のとおりである。

 
表7 主な疾病・異常等の推移総括表

 
 「裸眼視力1.0未満」(表8,図5)
 
1  平成14年度の「裸眼視力1.0未満の者」の割合は,幼稚園26.5パーセント,小学校25.7パーセント,中学校49パーセント,高等学校63.8パーセントとなっており,幼稚園を除く各学校段階で前年度より上昇している。

2  「0.3未満の者」の占める割合を年齢別(図5)にみると,年齢が進むにつれて高くなっている。

 
表8 裸眼視力1.0未満の者の推移

図5 年齢別 裸眼視力1.0未満の者の割合

 「鼻・副鼻腔疾患」(表7)
   平成14年度の「鼻・副鼻腔疾患」(蓄のう症,アレルギー性鼻炎等)の被患率は,幼稚園3.5パーセント,小学校11.2パーセント,中学校9.4パーセント,高等学校7.7パーセントとなっており,すべての学校段階で前年度より上昇している。

 「むし歯(う歯)」(表9,図6)
 
1  平成14年度の「むし歯」の被患率(処置完了者を含む。以下同じ。)は,幼稚園61.5パーセント,小学校73.9パーセント,中学校71.2パーセント,高等学校82.3パーセントとなっており,幼稚園を除く各学校段階で前年度より低下している。

2  「むし歯」の被患率の推移をみると,30年前(昭和47年度)には各学校段階で約90パーセントを超えており,一時上昇傾向にあったが,昭和50年代半ば以降は低下傾向にある。

3  「むし歯」の被患率を年齢別(図6)にみると,16歳及び17歳で80パーセントを超えており,17歳が85.4パーセントと最も高くなっている。
 また,処置完了者の割合は,10歳以降未処置歯のある者の割合を上回っている。

 
表9 むし歯(う歯)の処置完了者等の割合の推移

図6 年齢別 むし歯(う歯)の処置完了者等の割合

 「12歳の永久歯の一人当たり平均むし歯(う歯)等数」(表10)
   12歳の永久歯の一人当たり平均むし歯等(喪失歯及びむし歯)数をみると,「喪失歯数」はほとんど変化がないが,「むし歯数」は2.3本となっており,昭和59年に調査を開始して以降,減少傾向にある。また,10年前の平成4年度と比較すると1.9本減少している。

 
表10 12歳の永久歯の一人当たり平均むし歯(う歯)等数

 「心電図異常」(表7):6歳,12歳及び15歳時のみ
   平成14年度の「心電図異常」の割合は,小学校で2.2パーセント,中学校及び高等学校でそれぞれ3.1パーセントとなっており,中学校及び高等学校で前年度より上昇している。

 「寄生虫卵保有者」(表7):5歳から8歳時のみ
   平成14年度の「寄生虫卵保有者」の割合は,幼稚園で0.4パーセント,小学校で0.9パーセントとなっており,減少傾向にある。
 なお,10年前の平成4年度と比較すると,それぞれ1.6ポイントずつ低下している。

 「肥満傾向」(表7,図7)
 
1  平成14年度の「肥満傾向」の者(学校医から肥満傾向と判定された者)の割合は,幼稚園0.6パーセント,小学校2.6パーセント,中学校1.9パーセント,高等学校1.5パーセントとなっており,各学校段階でこの10年間は横ばい傾向にある。

2  年齢別(図7)にみると,9歳から11歳において,3パーセントを超えており,10歳が3.3パーセントと最も高くなっている。また,11歳以降は年齢が進むにつれて低くなる傾向にある。

 
図7 年齢別 肥満傾向の者の割合

 「ぜん息」(表7,図8)
 
1  平成14年度の「ぜん息」の被患率は,幼稚園1.3パーセント,小学校2.7パーセント,中学校2.2パーセント,高等学校1.4パーセントとなっており,各学校段階でこの10年間は増加傾向にある。

2  年齢別(図8)にみると,各年齢で1パーセントを超えており,6歳が2.9パーセントと最も高くなっている。
 なお,小学校及び中学校の各年齢(6歳から14歳)で2パーセントを超えている。

 
図7 年齢別 肥満傾向の者の割合



-- 登録:平成21年以前 --