平成14年度社会教育調査 2調査結果の概要

【1】  施設数

(1)  種類別施設数(表1)
平成14年10月1日現在の社会教育関係施設の中で最も多いのは,社会体育施設(ゲートボール場・クロッケー場を除く)の4万5千施設で,次いで公民館(類似施設を含む。以下同じ。)1万9千館,民間体育施設(ゲートボール場・クロッケー場を除く)1万6千施設の順となっている。また,前回(平成11年度)と比べて最も増加したのは,社会体育施設の8百施設増(伸び率1.9パーセント),次いで博物館類似施設2百施設増(同4.4パーセント),図書館2百館増(同5.8パーセント)の順となっている。

表1 種類別施設数
表1 種類別施設数

(2)  種類別博物館数・博物館類似施設数(表2−1,表2−2)
博物館及び博物館類似施設について,収集・保管・展示する資料の内容等により種類別にみると,博物館では歴史博物館と美術博物館が最も多く,それぞれ383館(同34.2パーセント)となっており,次いで総合博物館141館(同12.6パーセント),科学博物館102館(同9.1パーセント)の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,美術博物館の30館増(伸び率8.5パーセント),次いで歴史博物館28館増(同7.9パーセント),総合博物館15館増(同11.9パーセント)の順となっている。
博物館類似施設では歴史博物館が2,708施設(博物館類似施設総数に占める割合63.8パーセント)で最も多く,次いで美術博物館651施設(同15.3パーセント),科学博物館342施設(同8.1パーセント)の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,歴史博物館の147施設増(伸び率5.7パーセント),次いで美術博物館17施設増(同2.7パーセント),野外博物館14施設増(同19.7パーセント)の順となっている。


表2−1 種類別博物館数
表2−1 種類別博物館数


表2−2 種類別博物館類似施設数
表2−2 種類別博物館類似施設数

(3)  種類別体育施設数(表3)
地方公共団体が設置した社会体育施設及び民間体育施設を種類別にみると,社会体育施設では多目的運動広場が6千7百施設(社会体育施設総数に占める割合15パーセント)で最も多く,次いで体育館6千4百施設(同14.3パーセント),野球場・ソフトボール場6千2百施設(同13.9パーセント)の順となっている。
民間体育施設ではゴルフ場が2千3百施設(民間体育施設総数に占める割合13.7パーセント)で最も多く,次いでゴルフ練習場2千2百施設(同13.2パーセント),水泳プール(屋内)1千7百施設(同10.1パーセント)の順となっている。


表3 種類別体育施設数(施設数順)
表3 種類別体育施設数(施設数順)

(4)  コンピュータ導入状況(表4)
社会教育関係施設に設置されているコンピュータの導入状況については今回初めて調査したものである。
コンピュータが設置されている施設数の施設総数に占める割合についてみると,最も割合の高いのは「図書館」の92.4パーセントで,次いで「博物館」83.2パーセント,「博物館類似施設」48.1パーセント,「公民館」45パーセントの順となっている。


表4 コンピュータの導入状況
表4 コンピュータの導入状況


【2】  職員数

(1)  施設等別職員数(表5)
教育委員会及び社会教育関係施設の職員数(専任,兼任,非常勤の合計)をみると,民間体育施設が23万人で最も多く,次いで社会体育施設9万9千人,公民館5万8千人の順となっている。1施設当たりの職員数は,博物館が14.8人で最も多く,次いで民間体育施設13.7人,教育委員会12.0人の順となっている。
社会教育関係施設の職員数に占める専任の割合は,博物館が69.4パーセントで最も高く,次いで民間体育施設66.8パーセント,図書館59.7パーセントの順となっている。一方,社会体育施設が21.4パーセントと最も低くなっている。


表5 施設等別職員数
表5 施設等別職員数


(2)  施設等別女性職員の状況(表6)
施設等別に女性職員(専任,兼任,非常勤の合計)の状況をみると,最も多いのは民間体育施設の11万9千人で,次いで社会体育施設の2万1千人,公民館の1万7千人の順となっている。職員数に占める女性の割合は,女性教育施設が最も高くなっているが,他の施設では,図書館が63.6パーセントと高くなっており,次いで,民間体育施設51.7パーセント,博物館類似施設40.9パーセントの順となっている。
女性職員のうち,専任職員についてみると,民間体育施設が7万4千人と最も多く,次いで図書館9千人,教育委員会6千人の順となっている。また、前回と比較すると,最も増加したのは図書館の6百人増(伸び率6.7パーセント)で,次いで教育委員会の6百人増(伸び率11.3パーセント),博物館類似施設の4百人増(伸び率8.7パーセント)の順となっている。


表6 施設等別女性職員数

表6 施設等別女性職員数


(3)  指導系職員の状況(表7)
施設等別に指導系職員(専任,兼任,非常勤の合計)の状況をみると,最も多いのは民間体育施設における指導系職員の5万人で,次いで公民館主事(類似施設における指導系職員を含む。)1万9千人,図書館司書1万1千人の順となっている。また,前回と比較すると,最も増加したのは,図書館司書の1千2百人増(伸び率12.2パーセント)で,次いで博物館学芸員の3百人増(同9.7パーセント),青少年教育施設における指導系職員の1百人増(同2.1パーセント)の順となっている。一方,民間体育施設における指導系職員は2千9百人減(同△5.4パーセント),次いで社会教育主事は7百人減(同△10.8パーセント)となっている。
職員数に占める割合は,図書館司書の40.2パーセントが最も高く,次いで青少年教育施設における指導系職員36パーセント,公民館主事32.1パーセントの順となっている。
女性指導系職員数についてみると,民間体育施設が2万5千人と最も多く,次いで図書館司書の8千8百人,公民館主事6千1百人の順となっている。指導系職員に占める女性の割合は女性教育施設が最も高いが,他の施設では図書館が高く図書館司書80パーセント,図書館司書補76.5パーセントとなっている。


表7 指導系職員の状況

表7 指導系職員の状況



【3】  学級・講座の状況

(1)  施設等別の学級・講座数(表8)
平成13年度間(平成13年4月1日から平成14年3月31日までの間)に教育委員会,社会教育関係施設及び都道府県知事部局・市町村長部局が実施した学級・講座(一定期間にわたって,組織的・継続的に行われる学習形態)の状況をみると,実施件数は,教育委員会16万7千件,公民館35万4千件,青少年教育施設1万4千件,文化会館5万5千件で,前回(平成10年度間)に比べてそれぞれ6万1千件増(伸び率56.9パーセント),8万件増(同29.4パーセント),4千件増(同32.6パーセント),1万9千件増(同51.6パーセント)となっている。一方,女性教育施設は7千件,都道府県知事部局・市町村長部局は23万件となっており,前回に比べてそれぞれ1千件減(同△10.1パーセント),1万件減(同△4.3パーセント)となっている。
また,教育委員会,公民館,青少年教育施設,女性教育施設及び都道府県知事部局・市町村長部局が実施した学級・講座のうち17時以降に実施した件数は,公民館が10万4千件(学級・講座数に占める割合29.4パーセント)で最も多く,次いで教育委員会3万9千件(同23.5パーセント)の順となっている。土・日曜日に実施したものは,公民館の6万5千件(同18.5パーセント),次いで教育委員会3万3千件(同20パーセント)の順となっている。
なお,今回初めて調査した託児サービスを実施した学級・講座数は,教育委員会5千件(同2.8パーセント),公民館4千件(同1.2パーセント),女性教育施設1千件(同16.9パーセント),都道府県知事部局・市町村長部局5千件(同2.2パーセント)となっている。


表8 施設等別の学級・講座数

表8 施設等別の学級・講座数


(2)  施設等別の学級・講座の受講者数(表9)
学級・講座の受講者数は,教育委員会824万8千人,公民館1,107万3千人,女性教育施設28万人,文化会館172万9千人で,前回に比べてそれぞれ193万9千人増(伸び率30.7パーセント),105万9千人増(同10.6パーセント),6万2千人増(同28.5パーセント),37万7千人増(同27.9パーセント)となっている。一方,青少年教育施設は49万6千人,都道府県知事部局・市町村長部局は1,056万7千人となっており,前回に比べてそれぞれ1万5千人減(同△2.9パーセント),40万7千人減(同△3.7パーセント)となっている。
学級・講座1件当たりの受講者数をみると,教育委員会の49.3人が最も多く,次いで都道府県知事部局・市町村長部局45.9人,女性教育施設39.2人の順となっている。
女性受講者数についてみると,公民館が744万3千人で最も多く,次いで都道府県知事部局・市町村長部局662万4千人,教育委員会542万8千人の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは教育委員会の125万5千人増(同30.1パーセント)で,次いで公民館68万5千人増(同10.1パーセント),女性教育施設4万5千人増(同22.2パーセント)の順となっている。
なお,女性受講者の占める割合は各施設において6割を超えている。


表9 施設等別の学級・講座の受講者数

表9 施設等別の学級・講座の受講者数


(3) 学習内容別学級・講座数(表10,図)
学級・講座の件数を学習内容別にみると,教育委員会では「教養の向上」が6万2千件(学級・講座総数に占める割合37.2パーセント)で最も多く,次いで「職業知識・技術の向上」3万9千件(同23.1パーセント),「家庭教育・家庭生活」2万7千件(同16.4パーセント)の順となっている。
公民館では「教養の向上」が20万8千件(同58.8パーセント)で最も多く,次いで「体育・レクリエーション」5万1千件(同14.4パーセント),「家庭教育・家庭生活」3万6千件(同10.1パーセント)の順となっている。
都道府県知事部局・市町村長部局では「教養の向上」が8万件(同34.6パーセント)で最も多く,次いで「家庭教育・家庭生活」5万6千件(同24.1パーセント),「職業知識・技術の向上」3万1千件(同13.4パーセント)の順となっている。


表10 学習内容別学級・講座数

表10 学習内容別学級・講座数



図  学習内容別学級・講座数の構成比

図  学習内容別学級・講座数の構成比


(4)  公民館(類似施設を含む)の学級・講座の状況(表11)
公民館の実施した学級・講座について,対象別の学級・講座数をみると,成人一般対象が19万2千件で最も多く,次いで女性のみ対象4万6千件,青少年対象4万2千件の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,成人一般対象が5万2千件増(伸び率37.2パーセント)となっており,次いで青少年対象9千件増(同25.9パーセント),高齢者のみ対象7千件増(同25.9パーセント)の順となっている。
学習内容別の学級・講座数は前述(3)のとおりであるが,前回と比べて最も増加したのは,教養の向上が4万1千件増(同24.6パーセント)となっており,次いで体育・レクリエーション1万5千件増(同43.7パーセント),職業知識・技術の向上1万5千件増(同297.2パーセント)の順となっている。
受講者数でみると,教養の向上が570万4千人で最も多く,次いで体育・レクリエーション163万3千人,家庭教育・家庭生活131万3千人の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,教養の向上が46万人増(同8.8パーセント)となっており,次いで職業知識・技術の向上35万8千人増(同258.8パーセント),家庭教育・家庭生活16万1千人増(同13.9パーセント)となっている。


表11 公民館(類似施設を含む)の学級・講座の状況

表11 公民館(類似施設を含む)の学級・講座の状況


【4】  諸集会(講演会,文化・体育事業等)の状況(表12,13)

 平成13年度間に教育委員会や社会教育関係施設が実施した諸集会の状況をみると,実施件数では民間体育施設が60万8千件で最も多く,次いで公民館15万9千件,社会体育施設14万6千件の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,民間体育施設が2万2千件増(伸び率3.7パーセント)となっており,次いで文化会館1万件増(同10.4パーセント),社会体育施設7千件増(同5.3パーセント)となっている。
参加者数は,文化会館が2,903万6千人で最も多く,次いで公民館2,506万2千人,民間体育施設1,657万3千人の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,文化会館が110万5千人増(同4パーセント)となっており,次いで社会体育施設103万3千人増(同14.6パーセント),青少年教育施設14万6千人増(同17.5パーセント)の順となっている。


表12 諸集会(講演会,文化・体育事業等)の実施件数


表12 諸集会(講演会,文化・体育事業等)の実施件数


表13 諸集会(講演会,文化・体育事業等)の参加者数


表13 諸集会(講演会,文化・体育事業等)の参加者数


【5】  民間営利社会教育事業者との連携・協力状況(表14)

 教育委員会及び社会教育関係施設における民間営利社会教育事業者(カルチャーセンター,アスレチッククラブ,語学学校等)との連携・協力状況(平成13年度間に教育委員会及び各施設が実施した学級・講座及び諸集会(青少年教育施設,女性教育施設及び社会体育施設は研修事業及び相談事業を含む)のうち,民間営利社会教育事業者に委託して実施した件数)をみると,委託件数は教育委員会が1万8千件で最も多く,次いで公民館6千5百件,社会体育施設5千6百件の順となっている。また,前回と比べて最も増加したのは,教育委員会の1万7千件増で,次いで公民館の4千1百件増,社会体育施設の1千2百件増の順となっている。
なお,学級・講座等の事業総数に占める割合についてみると,最も高いのは教育委員会の9.1パーセントで,次いで社会体育施設の3.4パーセント,公民館の1.3パーセントの順となっている。


表14 民間営利社会教育事業者との連携・協力状況(委託事業数)


表14 民間営利社会教育事業者との連携・協力状況(委託事業数)


【6】   指導者研修の実施状況(表15)

 平成13年度間に教育委員会が実施した指導者研修の状況をみると,有志指導者(民間団体等の指導者)を対象とするものが最も多く,実施件数は4千件で,参加者数は34万7千人となっている。また,前回と比べて実施件数及び参加者数は各対象で減少している。


表15 指導者研修の実施状況


表15 指導者研修の実施状況


【7】  施設利用者数
(1)  施設別利用者数(表16)
平成13年度間の社会教育関係施設の利用者数(当該施設が主催又は共催した学級・講座及び諸集会の参加者数を除く。)は,社会体育施設が4億4,059万人で最も多く,次いで公民館2億2,267万7千人,民間体育施設1億5,671万6千人となっている。また,前回と比べて最も増加したのは図書館の1,191万5千人増(伸び率9.1パーセント)で,次いで公民館88万人増(同0.4パーセント),博物館70万4千人増(同0.6パーセント)の順となっている。一方,減少したのは民間体育施設で3,782万5千人減(同△19.4パーセント),社会体育施設1,235万3千人減(同△2.7パーセント),博物館類似施設1,185万人減(同△7.1パーセント)となっている。
なお,国民1人当たりの利用状況にすると,社会体育施設を年3.5回,公民館を年1.7回,博物館類似施設及び民間体育施設を年1.2回ずつ利用していることになる。


表16 施設別利用者数


表16 施設別利用者数


(2)  種類別博物館・博物館類似施設の利用者数(表17−1,17−2)
博物館及び博物館類似施設の利用者数を種類別にみると,博物館では美術博物館が2,807万1千人(利用者総数に占める割合24.6パーセント)で最も多く,次いで歴史博物館1,961万7千人(同17.2パーセント),動物園1,760万3千人(同15.4パーセント)の順となっている。また,前回と比べて増加したのは歴史博物館,美術博物館及び動物園で,それぞれ176万8千人増(伸び率9.9パーセント),303万7千人増(同12.1パーセント),84万7千人増(同5.1パーセント)となっており,その他の施設では減少している。
博物館類似施設では,歴史博物館が5,843万8千人(利用者総数に占める割合37.6パーセント)で最も多く,次いで美術博物館2,245万1千人(同14.4パーセント),科学博物館2,088万1千人(同13.4パーセント)の順となっている。また,前回と比べて増加したのは野外博物館,動物園及び水族館で,それぞれ14万6千人増(伸び率3.1パーセント),199万9千人増(同13.1パーセント),71万7千人増(同8.7パーセント)となっており,その他の施設では減少している。


表17−1 種類別博物館の利用者数


表17−1 種類別博物館の利用者数


表17−2 種類別博物館類似施設の利用者数

表17−2 種類別博物館類似施設の利用者数


(3)  種類別体育施設の利用者数(表18−1,18−2)
体育施設の利用者数を種類別にみると,社会体育施設では,体育館が1億8,842万7千人で最も多く,次いで多目的運動広場7,145万7千人,野球場・ソフトボール場6,242万2千人の順となっている。また,前回と比べて増加したのは水泳プール(屋内)及び体育館で,それぞれ254万1千人増(伸び率4.9パーセント),262万人増(同1.4パーセント)となっており,その他の施設では減少している。
民間体育施設では,水泳プール(屋内)が1億754万1千人で最も多く,次いで体育館1,552万8千人,野球場・ソフトボール場1,379万7千人の順となっている。また,前回と比べて増加したのは陸上競技場及び体育館で,それぞれ11万8千人増(伸び率6.7パーセント),132万6千人増(同9.3パーセント)となっており,その他の施設では減少している。


表18−1 種類別社会体育施設の利用者数


表18−1 種類別社会体育施設の利用者数


表18−2 種類別民間体育施設の利用者数


表18−2 種類別民間体育施設の利用者数


(4)  図書の貸出業務の実施状況(表19)
図書館における図書の貸出業務の実施状況をみると,帯出者数は前述(1)のとおりであるが,登録者(件)数及び貸出冊数についてはそれぞれ2,785万7千件,5億2,082万2千冊で,前回と比べて,それぞれ141万8千件増(伸び率5.4パーセント),4,085万2千冊増(同8.5パーセント)となっている。
児童(小学生)に対する貸出業務の実施状況をみると,登録者(件)数,帯出者数及び貸出冊数はそれぞれ409万4千件,2,163万8千人,1億2,483万6千冊であり,年間の児童1人当たりの利用回数は3.0回(△0.1回減),冊数は17.1冊(1.3冊増)となる。


表19 図書の貸出業務の実施状況


表19 図書の貸出業務の実施状況



【8】  ボランティア活動の状況(表20)

 社会教育関係施設におけるボランティア活動の状況を施設別にみると,登録者数は,公民館の25万7千人で最も多く,次いで社会体育施設7万人,図書館5万9千人の順となっている。
また,登録制度のある施設数の占める割合で,最も高いのは図書館が52.9パーセントで,次いで博物館27.9パーセント,女性教育施設25.5パーセントの順となっている。


表20 ボランティア活動の状況

表20 ボランティア活動の状況

-- 登録:平成21年以前 --