一人ひとりの子どもに確かな学力を−新しい学習指導要領のねらい(文部科学大臣 渡海紀三朗)(2008年3月13日)

[文部科学大臣の渡海紀三朗です。]

 新聞・テレビの報道でご存知の方も多いと思いますが、まもなく学習指導要領が10年ぶりに全面改訂されます。学習指導要領は、学校で教える教科などの目標や内容を文部科学大臣が定めているもので、いわば学校教育の大枠の基準です。

 今回の改訂の特徴は大きく分けて3つあります。

 一つ目は、一昨年改正された教育基本法には「公共の精神」「生命や自然の尊重」「環境の保全」「伝統や文化の尊重」といった子どもが育っていく上で非常に大切な内容が盛り込まれましたので、それらを踏まえた教育内容にすることです。

 二つ目は、国民の皆様から非常に関心の高い「学力の低下」という指摘に応えた改訂です。すなわち、学力の3つの要素、(1)基礎的、基本的な知識や技能の習得、(2)知識や技能を活用しての問題を解決するための思考力・判断力・表現力の育成、(3)子どもたちの学習意欲の向上を図るために、特に言語活動や理数教育を充実します。

 三つ目は、子どもたちの豊かな心とたくましい体をはぐくむための、道徳教育や体育の充実です。

 こうした教育内容の充実を実現するため、国語、社会、算数・数学、理科、体育・保健体育、外国語の授業時数をだいたい一割程度増やすこととし、かつ、保護者の皆さんの不安感に応えるため、理数系を中心に可能な部分は前倒し実施するよう指示しています。

 現行学習指導要領で育った子どもたちが「ゆとり世代」などと揶揄されておりますが、私は「生きる力」をはぐくむという目標自体は間違っていなかったと思っています。ただ、関係者にそのねらいが十分浸透せず、あるいは誤解されたのではないかという想いは拭えません。このため、今回は、あらゆる機会を捉え学習指導要領の改訂の趣旨について正確にご理解いただく努力を続けることがもっとも重要と考えています。

 また、学校が多忙化する中、がんばっている先生たちを応援するため、先生や事務職員の数を増やしたり、優れた施設・設備や教材を提供するなど、学校に対してもっと条件面での支援を行うことが新しい学習指導要領を活かす上での一つのキーポイントになると思っています。

 現在、新しい学習指導要領とともに、初めての「教育振興基本計画」の策定も進めています。いうまでもなく、教育改革は、あらゆる人に関わる大きな問題であり、たゆまぬ努力が必要であります。国民の皆さんにおかれましても、ぜひ、教育に対して強い関心を持っていただき、今後も、学校教育をご支援いただきますようお願いします。