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全国都道府県教育委員会連合会平成17年度第2回総会 文部科学大臣スピーチ

期日  平成18年1月17日
会場  ホテルフロラシオン青山

 全国都道府県教育委員会連合会の総会にお招きをいただきまして、誠にありがとうございます。

 皆様には、都道府県の現場におきまして、日頃より教育の充実発展に御尽力を賜っておりますことに、この機会に心から感謝を申し上げる次第でございます。

 本日は、この機会に、私の教育に対する考え方の一端を披露させていただきまして、皆様とのコミュニケーションを図らせていただきたいと考える次第でございます。

 資源の乏しい我が国においては、人材こそ国の宝であり資源であります。また、教育はこの国の将来を左右する国政上の重要課題であります。私としては、「どの子どもにも豊かな教育を」という基本的な考え方に立ちまして、「国際社会の中で活躍できる心豊かでたくましい人づくり」を目指した教育改革を推進することが必要と考えているところでございます。このため、今般、「教育改革のための重点行動計画」というものを発表させていただきました。

 まず、義務教育の構造改革につきましては、昨年10月に中央教育審議会から「新しい時代の義務教育を創造する」という答申をいただきまして、義務教育改革の方向性につきましての御提言をいただいたところでございます。また、11月には、三位一体改革についての政府・与党の合意がなされました。今般、この答申に沿って改革を進めるにあたりまして、具体的な取組とスケジュールを取りまとめたところでございます。今後、これに沿って、学習指導要領の見直しなど必要な制度改正や事業の推進等を図ってまいりたいと存じます。

 この取りまとめを行いましたのは、私が就任させていただきましたのが10月の31日、そして11月、12月と2ヶ月を経まして年が改まり、そして18年度の計画を皆様の方でも、お立ていただかなければならない時期でございますし、また、通常国会が始まってまいります。この機会に私として、考え方を一つの取りまとめた形で提示をすることが必要と考えたところでございます。

 次に、「活力ある人材を育てるための教育の充実」を図るということについて、御説明をさせていただきたいと存じます。

  1学習指導要領の見直しなどを通じて、子どもたちの学ぶ意欲や好奇心を育成していくなど「確かな学力の向上」、2いわゆる「キレる」言動など、近年大きな社会問題となっている子どもの情動面での、あるいは心の問題に対応するための方策の検討や、不登校への対応など「豊かな心の育成」、3子どもたちの体力の向上や食育の推進など健やかな体の育成、4キャリア教育やニート等を対象とした「学び直し」の機会の提供など、「自立し挑戦する若者の育成」の四点に重点を置いて取り組んでまいります。

 第二に、「充実した教育を支える環境の整備」でございます。
  1「安全・安心な学校・地域づくり」、2「ICT利活用による教育・学習の推進」、3「教育費負担の在り方の検討」に重点的に取り組みたいと考えております。

 「安全・安心な学校・地域づくり」につきましては、学校や通学路において大変痛ましい事件が続発していることを重く受け止めまして、「子ども安心プロジェクト」を推進し、学校の安全・安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

 また、「ICT利活用による教育・学習の推進」につきましては、世界最高水準のICT国家を支える人づくりという観点から、学校におけるICT環境の整備を図るとともに、これを加速化させるために地方公共団体に働きかけるほか、本年3月を教育の情報化強化月間として、ICT利活用促進キャンペーン等を実施してまいりたいと考えております。

 この点に関し、私は1月8日からイギリスで行われた、ICT活用に関する教育大臣会議に出席しプレゼンテーションを行うとともに、ICTの機器、機材、プログラム展示会を視察してまいりました。会議の中で各国の大臣と意見交換を行い、ICT活用の必要性の認識をさらに高めたわけでございます。私自身、総務副大臣という仕事を通じまして、学校現場におけるICTの基盤の整備ということに取り組んでまいりました。その後、自由民主党のe-Japan特命委員会の委員長代理という仕事をさせていただく中で、総務省、文部科学省に対して、今から、しっかり取り組んでいただかないと、ますます遅れるということを言い続けてきましたけれども、昨年の末に取りまとめを行いましたところ、やはり計画よりも実績が遅れているという現状を把握することができました。これを直ちに総務大臣に対して、やはり交付税の使い方という点で、現場の学校に対して認識を持っていただくことが必要だ、そしてまた、総務省としての取組をしっかりとお願いしたいという点を申し入れまして、両大臣が共同してこの加速化プログラムを進めて行こうということになりました。それを行動計画に盛り込んだわけでございます。

 「教育費負担の在り方の検討」につきましては、少子化対策の観点を含みまして、就学前から社会人になるまでの各段階における教育費負担の実態を、社会全体の状況も踏まえた上で、詳細に把握させていただきまして、課題を明らかにした上で、その対策について検討を進めてまいりたいと考えております。

 第三の、「家庭・地域の教育力の向上」につきましては、子どもの基本的生活習慣の育成支援を行うために、PTA等民間団体と連携させていただきまして、「早寝早起き朝ごはん」運動を全国展開するとともに、地域における子どもの居場所づくり等を更に推進していくこととしております。

 なお、これらの具体的な取組とあわせまして、「公共の精神」や「生涯学習」など、新しい時代の教育理念の明確化とその実現に向けた施策の体系化を図るため、教育基本法の改正と教育振興基本計画の策定に向けて、しっかりと取組んでまいりたいと思います。

 「教育改革のための重点行動計画」の内容につきましての概略は以上でございますけれども、教育改革は、地方公共団体、学校、教育関係団体を始めとする関係者の皆様方や国民の皆様方の御理解・御協力が不可欠でございます。改革の趣旨を御理解をいただきまして、皆様にも御協力賜れば幸いでございます。

 次に、義務教育費国庫負担制度について、若干申し上げたいと存じます。
 既に、昨年末に皆様方にご説明を申し上げる機会を得ましたけれども、今日は、それに加えて多くの方が御出席でございます。昨年の11月30日の政府・与党合意におきまして、義務教育費国庫負担制度を堅持すること、現行の国庫負担率1/2を、小中学校通じて1/3とすることが決定をされました。
 このたびの決定は、国の負担割合が1/2ではなくなったという点において、中教審の答申通りというわけではございません。しかし、「義務教育費国庫負担制度を堅持する」と明記し決定された点は重要だと考えております。政府・与党間の協議における経過を踏まえれば、この1/3という負担率については、さらに削減することのない恒久的な意味合いを持つものであると考えております。

 私は、大臣就任以来、一貫して、中教審答申を真摯に受け止めること、同時に政府の一員として三位一体改革を着実に進めることが重要であると考えまして、国民や地方の皆様方の声を十分に聞きながら、丁寧な議論を尽くすよう努力してまいりました。この間、教育委員会をはじめとする関係者の皆様方から、義務教育費国庫負担制度の堅持につきまして、様々な形で幅広くご意見をいただきました。改めてこの場をお借りいたしまして心から感謝を申し上げるとともに、今回、苦渋の選択として受け入れる決断をしたことについてのご理解を賜れればと考えているところでございます。

 なお、昨年12月に閣議決定された「行政改革の重要方針」では、教職員定数の取り扱いにつきまして、標準法に基づく教職員のみならず、学校給食調理員や用務員等も含めまして、教育に関係する職員全体の中で、純減を確保するとされたところでございます。文部科学省といたしましては、必要な教職員を確保しつつ、教育に関する職員全体の中で総人件費改革の実現が図ることが必要であると考えております。各都道府県におかれましても、この趣旨を域内の市町村教育委員会に御周知いただきますとともに、引き続き適切な教職員配置に努めていただくようお願い申し上げる次第でございます。
 また、人材確保法の取り扱いにつきまして、優秀な人材を教職に確保するという法の精神は今後とも大切にすべきと考えておりまして、教職員給与の在り方全般について議論する中で検討を行うこととしていたしております。

 最後に、教職員の政治活動について、一言申し上げたいと存じます。教職員の選挙活動について、これまでも選挙ごとに、選挙運動の禁止について通知を発出し、適正な服務の確保をお願いしてまいりました。

 しかしながら、平成15年から16年にかけて、山梨県において、教職員が違法な資金カンパや議員後援会の入会カードの配付を行った事実が明らかとなり、国会や世論からも厳しい目が向けられております。このような事態は、学校教育に対する国民の信頼を損ねるものでありまして、昨年12月末には、山梨県教育委員会に対し、適切な措置をとるよう文書で指導を行ったところであります。
 各都道府県におかれましては、校長等の管理職や教員一人一人に対し各種研修や会議等を通じまして、学校や教員に対する国民の信頼を損なうことのないように、服務規律の一層の徹底を図っていただき、仮に違法な行為があった場合には法令に則って厳正に対処されるようお願いいたします。

 以上、教育改革に関する私の考えの一端を申し上げましたけれども、言うまでもなく、改革の成否というものは、本日お集まりの皆様の双肩にかかっておるわけでございます。文部科学省といたしましても改革の推進に全力で取り組んでまいりますけれども、皆様方におかれましては更なる御尽力を賜りまりまして、御協力を賜りますようこの機会を借りまして、高い席から恐縮でございますけれども、皆様にお願いを申し上げる次第でございます。

 私といたしましては、このような大変幅の広い、教育、文化、芸術、そしてスポーツ、科学技術の振興、どの分野をとりましても、日本の国力、そして21世紀における世界における日本の役割を担う上で、いずれも重要な課題を抱えた分野でございます。大変、浅学非才でございますけれども、皆さんのご助言ご指導いただく中で、全力で粉骨砕身努力をしてまいりますので、何卒ご理解とご支援をお願い申し上げまして、私のご挨拶に代えさせていただく次第でございます。本日は、誠にありがとうございました。



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