本日は、大変お忙しい中、「平成17年度第2回都道府県・指定都市教育委員会教育長会議」に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。また、皆様方には日頃から、教育行政の責任者として大変な御尽力をいただいておりますことに、心から敬意を表し、この機会に改めて感謝を申し上げる次第でございます。 さて、本日、教育長会議を開催いたしましたのは、去る11月30日に決定された政府・与党合意の「三位一体改革について」をご説明するとともに、これらに関する皆様との意見交換を行うためでありますが、これに先立ちまして、まず、子どもたちの安全について言及をさせていただきたいと存じます。 このたび、広島市及び今市市において、下校中の女子児童が殺害されるという大変痛ましく決してあってはならない事件が発生いたしました。犠牲となられました被害者の方に対しては、心から御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族に対し心から哀悼の意を表する次第でございます。 幼児児童生徒の安全確保及び安全管理については、これまでも対応をお願いしているところでありますが、特に、登下校時の安全確保については、一番目として、早急かつ迅速に通学路の要注意箇所の把握を行うこと、二つ目に、登下校時の幼児児童生徒を極力1人にしないという観点から、学校の状況を踏まえた安全な登下校方策の策定等を実施していただくこと、また、三番目に幼児児童生徒に対し危険を予測し、回避する能力を身につけさせるように、実践的な安全教育を進めることが重要であると考えております。 各教育委員会におかれましては、これらを踏まえて、各学校において、子どもたちの安全確保について、更なる取組が行われるよう万全を期していただきたいと存じます。 また、各教育委員会教育長の皆様におかれましては、地域の関係の皆様と連携を取っていただき、町の関係者の皆様に通学路の安全を確保する方策について、積極的なアイデア等を提供していただく、あるいは街路、街づくり等のいろいろな担当者と御協議いただく中で、そういった皆様の御協力を得つつ、通学路に防犯ビデオを設置するとか、あるいは街路灯等の増設を行うとか、そのような具体的な対策についても能動的に、また主体的に、お取り組みをいいただければ、誠にありがたいと思うわけでございます。 また、学校においても、交付税措置を活用していただくような形で、防犯対策についてお願いしておりますが、今後のいろいろな改修その他の機会をとらえる、あるいは、交付税の有効活用を図る等の方法によって、校門に防犯ビデオを設置するといった具体的な対策についても、御検討いただければありがたいと思っております。そのような御協力を、まずもってお願いをするわけでございます。 次に、既に報道でご承知の方が多いとは存じますけど、11月30日、政府・与党協議会において、義務教育費国庫負担制度を堅持すること、現行の国庫負担率2分の1を、小中学校通じて3分の1とすることが決定をされました。 私は、文部科学大臣就任以来、一貫して、中央教育審議会の答申を真摯に受け止めていくこと、また同時に政府の一員として三位一体改革を着実に進めていくことが重要であると考えまして、国民や地方の皆様の声を十分に聞きながら、丁寧な議論を尽くしていただくように、またそのように努力をしてまいりました。この間、教育長をはじめとする関係者の方々から、義務教育費国庫負担制度の堅持について、様々な形で幅広くご意見をいただいたことに、この場を借りて心から感謝を申し上げる次第でございます。 このたびの政府・与党の決定では、義務教育費国庫負担金の国の負担割合が2分の1ではなかったということにおいて、中央教育審議会の答申通りというわけではありません。しかし、国・地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障される、その制度は今後も維持されるべきとする答申の基本理念は踏まてきたつもりでございます。「義務教育費国庫負担制度を堅持する」と明記し決定された点は重要だと考えております。 以上のように、政府・与党合意として、制度堅持の基本方針が決定されたことで、中央教育審議会答申の全体を貫く大きな方向性を踏まえることができました。今後、義務教育の構造改革に向かって関係者の皆さんも安心して邁進できると考えられることから、今回、大変苦渋の選択ではありましたけれども、決断をして受け入れることとした次第でございます。 また、政府・与党合意では、義務教育費国庫負担制度を堅持した上で、「今後、与党において、義務教育や高等学校教育等の在り方、国、都道府県、市町村の役割について引き続き検討する」とされています。これにより、今後、与党において、都道府県と市町村の役割分担や高等学校に係る財源保障の在り方などを中心に検討することとなります。 文部科学省としても、今回の見直しに合わせて、中央教育審議会答申で提言されたように教職員人事権の移譲など市区町村・学校現場の権限と責任の拡大を図ってまいりたいと考えております。これらの改革があいまって、全体として義務教育の構造改革がしっかり進むように力を尽くしてまいります。これにより、学校と、学校を支える地域が主体性と創意工夫を発揮し、子どもたちが安心して学ぶことができる充実した教育を目指してまいります。 終わりに、義務教育の構造改革の実現のためには、本日お集まりの皆様のご理解とご協力が不可欠であります。このたびの政府・与党合意を受け、皆様と共通理解の上に立って、様々な取組を力強く実現してまいりたいと考えております。引き続き、皆様方の御理解と御支援を心からお願いを申し上げる次第でございます。 平成17年12月6日 文部科学大臣 小坂 憲次
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