このたび、内閣改造によりまして、文部科学大臣を拝命いたしました衆議院議員小坂憲次でございます。どうぞよろしくお願いします。 本日は、それぞれ大変お忙しい中、「平成17年度都道府県・指定都市教育委員会教育長会議」に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、皆様方には日頃、教育行政の責任者としてそれぞれの場において御尽力をいただいており、心から敬意を表する次第であります。 さて、本日、この教育長会議を開催いたしましたのは、去る10月26日に取りまとめられました中央教育審議会答申の趣旨や最近の三位一体改革の動向についてご説明申し上げますとともに、これらに関する皆様との意見交換を行う機会とさせていただくためでございます。 皆様ご承知のとおり、昨年11月26日の三位一体に関する政府・与党合意においては、「義務教育制度については、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する」との方針の下、「費用負担についての地方案を活かす方策」と「教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方」について検討し、「平成十七年秋までに中央教育審議会において結論を得る。」とされました。この政府・与党合意を受け、中央教育審議会においては、本年2月以来、実に100時間を超える審議を行ってまいりました。 その結果としてのこの答申は、新しい時代の義務教育を創造するために断行すべき義務教育の構造改革の基本方向を示すとともに、改革の具体的方策を提言した義務教育改革の総合答申ともいうべきものであります。 その内容については、後ほど担当局長から詳しく説明いたしますが、義務教育の構造改革の基本方向として、市区町村や学校に対して思い切った分権改革を進め、地域の主体性と創意工夫により最適の教育が行われるようにすること、そのための目標設定や基盤整備、教育の結果についての検証は国の責任において行うべきこととされております。 また、教育課程の見直し、教員の質の向上、学校や教育委員会制度の改革、義務教育費国庫負担金・公立学校施設整備費負担金・補助金の在り方など、義務教育の抱える様々な課題を解決するための今後の施策の在り方を盛り込んだものとなっております。 義務教育は、国民として共通に身につけるべき基礎的資質を培うものであり、次世代の国民育成の基盤であります。日本の子どもたちは、全国どこに生まれても、みなが等しく良質の義務教育を無償で受ける権利を有しており、義務教育の機会均等、教育水準の維持向上、無償制を全国的に保障することは、まさに国の責務であると考えております。 その意味で、義務教育費国庫負担制度は、義務教育に対する国の責任を果たす上での重要な役割を担ってきております。これまでの歴史的経緯を見ましても、国が長年にわたり義務教育に特定した財源を保障し、義務教育に力を入れてきたからこそ、今日の我が国の繁栄があると考えます。我が国の義務教育の成否はすなわち義務教育の財源保障にかかっているといっても過言ではありません。 義務教育費国庫負担制度の取扱いについては、中央教育審議会答申では、「国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという意味で、現行の負担率二分の一の国庫負担制度は、優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである。」とされていることは、既に皆様ご承知のとおりであります。 また、公立文教施設整備費についても、昨年末の政府・与党合意を受け、このたびの答申において、地方の自由度を拡大した上で国として目的を特定した財源を保証する必要がある、特に、子供の生命の安全を守るため、耐震化は国が責任を持って推進すべきであるとされているところであります。 一方、地方分権を進める三位一体改革は、政府一丸となって進める必要があります。教育の分野においても、市区町村・学校の権限・責任の拡大等を通じた地方の自由度を高める改革を進め、国と地方が協力して教育の質を高め、我が国が世界各国から尊敬されるような国として発展を遂げる必要があると考えております。 私といたしましては、義務教育は人間形成の基礎、国家社会の発展の礎となるものであり、21世紀における国威発揚のためにも、義務教育に対する国の責任を確実に果たすことが一層重要となるものと考えております。このため、今回の中央教育審議会答申に盛り込まれた義務教育の構造改革が実現されるよう、最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。 特に義務教育費国庫負担制度等の取扱いについては、政府・与党合意に基づき、中央教育審議会の答申を真摯に受け止め、国民の声、地方の声などに耳を傾けて国民の理解が得られるよう、拙速をさけて教育論の立場から丁寧な議論を行い、義務教育制度の根幹を維持し、国の責任を果たすべく全力で取り組んでまいる所存であります。 終わりに、義務教育の構造改革の実現のためには、本日お集まりの皆様のご理解とご協力が不可欠であります。今回の答申の趣旨を皆様と共通理解の上に立って、力強く実現してまいりたいと考えておりますので、皆様方の御理解と御支援、ご協力を切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 平成17年11月9日 文部科学大臣 小坂 憲次
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